季節やテーマ沿った絵本の紹介    

    <5月・今日も庭で…>



暖かくなってくると、狭いながらも、今年は花壇に何を植えようかなぁと、楽しい
悩みの時期となります。少しずつ大きくなっていく様子を見ていくことは、なんだ
か嬉しい気分になるのよね。今年は、ハーブに挑戦してみようかな〜♪


今月は、ガーデニングや庭を舞台にした絵本をあつめて見ました。


「ポットくんのおしり」文・真木文絵 絵・石倉ヒロユキ(福音館書店)
amazon1998.4月発行・31P・1100円
“ぼくのおしりには、どうして大きな穴があいてるの?”不思議に思った
植木鉢のポットくんは、庭の仲間のジョウロさんやミミズのシマシマくん
を訪ねて歩きます。みんなで集まっていると、迷子になったヒヒヤシンス
ちゃんの泣き声が…。

ポットくんのおしりに穴が空いている訳。ミミズくんが良い土をつくるた
めに大事な役割を果たしていること。植木鉢ひとつで気軽にカーデニング
が楽しめること…と、科学絵本にもなっています。

忘れられていたヒヤシンスが、ポットくんの中におさまり、見事な花を咲
かせる姿を想像すると何か植えてみようか!とそんな気になる、小さい子
からのガーデニング入門書!?

思わずニッコリしてしまうかわいらしい絵も魅力のひとつです。

「リディアのガーデニング」サラ・スチュワート文 
      デイビッド・スモール絵
 福元友美子訳 (アスラン書房)
amazon1999.10月発行・1600円
扉の部分からもうお話が始まっています。広い庭でリディアとおばあちゃ
んが丹精こめてたくさんの野菜や花を育てています。そして…。時はアメ
リカ大恐慌が吹き荒れた1930年代。家の暮らし向きが良くなるまで、町で
パン屋をしているジムおじさんのところに、滞在することになったリディ
ア。身のまわりのものと共に、いろんな草花の種も一緒にカバンにつめ込
んで…。

リディアは、花を育ててお客さんに喜んでもらいましたが、ジムおじさん
だけは、ちらとも笑顔を見せません。(いい人なんだけどね)そこで、リ
ディアはおじさんを笑わせようと秘密の計画を立てたのです…。

リディアが、パパとママ、そして大好きなおばあちゃんにあてた手紙形式
でお話が進んでいきます。殺風景だったおじさんの店が、次第に花でいっ
ぱいなっていく様子に、ニッコリ。ジムおじさんやリディアを手伝ってく
れるエマの気持ちなど、言葉にはなっていませんが、勢いのある線と優し
い色合いの絵が饒舌に語ってくれています。読み終わるとじんわりと暖か
い気持ちが広がっていくおすすめ1冊です。

クレリアえだのうえでおきたできごとマイケル・グレイニエツ絵・文
                    ほそのあやこ訳(セーラー出版)
amazon1999.7月発行・1800円
クレリアは不思議な虫。黄緑色のくねくね、にょろにょろ動く、伸び縮み
自由な体に、黄色の大きな目。

気持ちのいい寝床を見つけたクレリアは、休みにきた虫たちに少しずつ少
しずつ場所を譲っているうちに…。あらら??クレリアは、どこに??

このモコモコ素材は何を使って描いてあるの?と聞きたくなるこの本。明
るい色彩と繰返しの内容が、小さいお子さんにも愛されそう。思い出して
家のまわりや公園で、クレリアを探したくなっちゃうかも!?あなたの庭
の草むらを、木の上を…くねくね歩き回っている姿を、見かけませんでし
た?「たずねムシ」ポスター付きです。

「ハンナのひみつの庭」アネミー&マルフリート・ヘイマンス文・絵
                        野坂悦子・訳(岩波書店)
amazon1998.11月発行・1600円
ママが死んでから、家族はバラバラ。寂しいのはみんな同じなのに…。弟
の面倒を見るのも家の仕事も、全部ハンナの役目。パパは書類に埋もれて
ばかりで、話すら聞いてくれない。「わたし、家出するわ!ママの庭へ行
く!」

ふさがれていたママの庭にもぐりこんだハンナは、荒れていた庭をきれい
にし、弟に頼んで、鍵がかけられていたママの部屋から、次々と運び出し
てもらった家具を庭に運び入れる。ママのものだった庭の中に、せっせと
自分の居場所を作り上げていくハンナ。そして、声だけのママが起こした
風が、吹き飛ばしたものは…??

仕事に埋没することで、妻の死を見つめることを避けてきたパパ。「おま
えがいてくれて、よかったよ」の最後の言葉、泣かせます。それぞれがマ
マの死を受け入れ、また家族としてハンナが作り上げた場所で新しく出発
していきます。

絵本という形を十二分に生かした作り。見開きで左には弟ルッチェ・マッ
テとパパのいる家、右側にハンナのいる庭を配してストーリーが進んでい
きます。

姉妹だという作者。姉のマルフリートが左側の弟とパパを、妹のアネミー
は右ページのハンナをと、分業して描いているようですが、別々の人が書
いているとは思えないほど見事に融合されています。モノクロの絵+幻想
的な柔らかい絵が静かな感動を呼びます。

「庭のよびごえ」ダイアン・シェルダン作 ゲイリー・ブライズ絵
                 角野栄子訳 (ブックローン社)
amazon1994.9月発行・1359円
ジェイニーが庭を掘っていると小さな石が出てきました。
「何百年も昔の矢じりかもしれない」というお母さんの言葉に、昔、ここ
はどんなところだったのかしらと、あたりを見まわしました。その夜、庭
にテントを張り、石を握りしめて眠ったジェイニーは、不思議な夢を見た
のです…。

写真を見ているような幻想的な絵の中に、ふっと引き込まれていきます。
ここは昔どんな人たちがどんな毎日を送っていたのかしら…そう思い描い
てみるのも楽しいことかもしれませんね。


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