※アーティスト名は本人の意向により、スウェーデン語の発音に最も近い『シャネット・リンドストレム』とカタカナ表記致します。
【History】
シャネットは1971年、スウェーデンの中間部エステルスンドの大都市イェムトレンドゥスカの郊外にあるオースという小さな町(村)に生まれる。ドラム奏者だった父親に連れられ、幼い頃からジャズに慣れ親しむ。彼女が10才になった時、学校で以前より憧れていたピアノを習うのだが、既に楽譜の見方を覚えていたという。
シャネットは言う、「最初のステージ? いつだったでしょうねぇ。多分11才の時、エロル・ガーナーのミスティを弾いたのがそれだと思います。」と。
その後地元エステスンドの高校に通い、音楽を習うサポートも受ける。そして16才の頃、初めてステージで稼いだのだ。この頃4,5人のメンバーで始めたジャズ・バンドではピアノを弾いた。スタンダード・ナンバーを歌い始めたのは17才の時。ジャズが持つ自由な気持ちとフィーリング、ハーモニー、リズム、メロディ、そのすべてを愛した彼女はシンガーの道を選択。
シャネットは言う、「ジャズは自分の気持ちを表現出来るし、インプロヴァイズする時、フォーマットがなくともそれを自由に表現する事が出来ます。最初からどうなるのか分からない、それはその時生まれる音楽。そう、命といっしょなのです。これら全てが私を熱中させたのでしょう。」と。
90から92年にかけて、ジャズを学ぶため、南スウェーデンのスクルップにある音楽学校へ通い、ピクチャーズというカルテットを結成、そして2年間活動する。その後、93年にはストックホルムに降り立ち、王立音楽院へ通う。ここでは自らににあったプログラム(ジャズ・ヴォーカル)を準備してもらう事が出来、曲のアレンジ、作曲、音楽の歴史、様々な国の音楽(民族音楽)を習う。
95年、シャネット率いるクインテットに大きなニュースが飛び込んで来る。なんとジャズ・イン・スウェーデンを獲得したのだ。そしてレーベルのカプリスにはCDを創るように、そしてリクスコンセルテル(コンサート企画組合)にツアーを企画するよう指示が出された。彼女は初のレコーディング作『アナザー・カントリー』(Nordic
Notes/Jazz Side NNJ-2004)で華やかにデビューを飾ったのである。
※シャネットが語った自らのヒストリーが、デビュー作『アナザー・カントリー』、2nd作『アイ・ソー・ユー』のライナーノーツで読む事が出来ます。
【シャネットの魅力を傑作『ウォーク』に見る】
シャネット・リンドストレムはジャズ・シンガーであり、あの伝説的プロデューサー、クインシー・ジョーンズをして、「若い歌い手に宿る古い魂」そしてまた「彼女はジャズが何であるかを実によく理解している」と言わしめた人物である。彼女がメジャーにブレイクしたのは1995年の事だった。何より第一に彼女はジャズ・シンガーであるが、今までジャズの領域を越えて活動する事に対して決してやぶさかではなかった。
シャネットはもはや大変有望な新人等ではなく、スウェーデンで最も実績を積んでいるジャズ・シンガーのひとりだ。彼女の2003年のプロジェクトがCD『ウォーク』であり、前進し続ける事、新たなジャンルを探検する事に彼女が全く抵抗を示していない事が再びよく分かる。
いつもの様に彼女は、猛々しい女性の強さ、若い女性のあこがれ、成熟した女性の誠実さを表現する声で歌っている。言い換えれば、軽やかさ、陽気さ、そして地上のものの感覚が彼女の声にはあるのだ。
ミュージシャン等と共に彼女はこのCD『ウォーク』の中で、重層の雰囲気を作り出している。繊細さと力強さが沸騰直前のところでうまくブレンドされている。ピアノ、ヴィブラフォン、エレキ・ギターの音色が交互に現れ、全曲を通じて余韻を残している。その陰でベースとドラムが軽いタッチで脈を打ち、激しい勢いを失う事なく軽快さを残している。そして時折トランペットが存在感を出している。
CD内の歌は異なる感情と表現を行き来する旅の様なものであるが、根底を流れる同じ雰囲気への異なる入口の様に繋がっている。注意深く選ばれた言葉を持つ歌詞が、人生の浮き沈みを捕らえる。
彼女は朝を夢見る様な“ディス・タイム”からCDを始め、うっとりするようなタイトル・ソング“ウォーク”が続く。この“ウォーク”は羽の様に軽く、鉛の様に重い。そして“列車、ボート、そして飛行機”へとシフトし、素早く“残っているもの”へと移行する。“あの気の毒な学校”ではジョニ・ミッチェルの洗練された気品のあるエコーを宇宙を通る旅路へと調和させている。一方“ウォルフガングはどこ?”ではキャバレー劇場の真生目さとユーモアの調和への扉を開いている。彼女のミュージシャン等が時代を捕らえているものも変化のひとつである。というのもシャネットは全ての注目を彼女自身に向けさせず、ミュージシャン等が各々のソロの中で自分達の演奏を力説したり、常に発展する余地を残しているからなのだ。
(ジャーナリスト ヨハン・シェルウィンの原稿に基づく)
Jeanette Lindströmのオフィシャル
http://www.jeanettelindstrom.com/

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ウィストリング・アウェイ・ザ・ダーク
Nordic Notes/Jazz Side NNJ-2036
品切れ中
本作はシャネット・リンドストレムの最新作である。まず最初に注目して頂きたいのは、このアルバムのレコーディング・メンバーだ。ピアノにボボ・ステンソンとヨーナス・エストホルム、ダブル・ベースにパレ・ダニエルソン、そしてドラムスにマグヌス・エストレムを迎えているのだから。これはシャネットのもうひとつのプロジェクトである。
シャネットは2003年の“ウォーク”、2005年の“この謎解きの途中で”(同年同国グラミー・ノミネート)というオリジナル性の極めて高い傑作をリリースし、そのレコーディング・メンバーとツアーを繰り返してきた。それらとは打って変わって、今作ではスタンダード・ナンバーを厳選しているのが何よりもの特徴である。エロル・ガーナーの“ミステイ”、ヘンリー・マンシーニの“ウィストリング・アウェイ・ザ・ダーク”、コール・ポーターの“ナイト・アンド・デイ”、ホレス・シルヴァーの“ピース”……といった具合に、ため息が漏れてしまう程珠玉の名曲ばかりだ。
イン・ザ・ミドル・オブ・ディス・リドル 〜
この謎解きの途中で
Nordic Notes/Jazz Side NNJ-2023
\2,400(税抜)・\2,520(税込)
傑作『ウォーク』から数えて約2年ぶりの最新レコーディング作は『ウォーク』とほぼ同一メンバーによる『ウォーク』の続編的アルバムとなった。レコーディングは、昨年9月から今年の3月にかけて。この期間自らのコンディションが最高の時を見計らい、スタジオを何度となく訪れている。作詞作曲の全てをシャネット自身が担当(1曲を除く)。
まるでデビュー当時のクインテットを彷彿とさせるパッションに満ち溢れたアンサンブルで展開される楽曲、スティーヴ・ドブロゴスのピアノをバックに歌われたデュオ・アルバムを思わせる自らのそれの弾き語り、シンガー&ソングライターとしての才能を余すところなく発揮させた「ウォーク」の延長線上にある楽曲群等々(必聴)。正にシャネットの集大成とも呼べる、ひじょうに完成度の高い仕上がりとなっている。
またオープニングではダニエル・カールソンのkeyをバックに歌われる、これまでにはなかった一面をも除かせる。
※解説:シャネット・リンドストレムのインタビューに沿う
■members
Jeanette Lindström - vocals, piano, claviola
Staffan Svensson - trumpet
Peter Nylander - guitar
Daniel Karlsson - piano, keyboards
Christian Spering - double bass
Peter Danemo - drums, percussion
■guests
Jonas Lindgren - violin
Örjan Högberg - viola
Mattias Hellden - cello
ウォーク
Nordic Notes/Jazz Side NNJ-2001
品切れ中
シャネットはかのクインシー・ジョーンズをして「若い歌い手に宿る古い魂」「彼女はジャズが何であるかを実によく理解している」といわしめた。ベースとドラムが軽い脈を打ち、ピアノ、ビブラフォン、ギター、そしてトランペットが交互に現れる中、シャネットは猛々しい女声の強さ、若い女性のあこがれ、そして成熟した女性の誠実さを表現する声で歌う。
全曲オリジナルの力作。
■members
Jeanette Lindström(vo), Staffan Svensson(tp),
Peter Nylander(g), Daniel Karlsson(p,key),
Sveri Pyysalo(vib), Christian Spering(double-b),
Peter Danemo(ds,per), Ale Möller (lute,hammered dulcimer)
アイ・ソー・ユー
Nordic Notes/Jazz Side NNJ-2005
品切れ中
97年2nd作より彼女はやや違った方向を辿っている。曲の大半を自らが作曲している他、タイトル曲ではソウルとエアリ・ジャズの間に息づくフィーリングを打ち出している。
本作のテーマはコミュニケーション(人間関係、愛、命、死を指す)。スヴェンスカ・ブラーデト紙は「彼女が今のスウェーデン・ポップス界若手の中で、最も愛らしい声の持ち主である事に疑いの余地はない」と大絶賛した。
尚ライナーノーツは彼女本人によるもので「デビュー当時のエピソード」「幼い頃の思い出」「無人島に持っていく10枚の愛聴盤」等が語られる(1stと共通)。
■members
Jeanette Lindström(vo),Örjan Hultên(sax),
Torbjörn Gulz(p), Christian Spering(double-b),
Magnus Öström(ds)
アナザー・カントリー
Nordic Notes/Jazz Side NNJ-2004
品切れ中
95年“ジャズ・イン・スウェーデン”を獲得したデビュー作。自らが好むフランク・ レッサー、ラドカ・トネフ、バート・バカラック、クルト・ワイル他のレパートリーを厳選し、更にはオリジナルを交えて構成された力作。
2曲目のタイトル・トラックはまるでバカラックが書いたのではと想わせる屈指のオリジナル。その時既に彼女は人の心を打つ音楽的勇敢さと成熟性を際立たせていた。
尚ライナーノーツは彼女本人によるもので「デビュー当時のエピソード」「幼い頃の思い出」「無人島に持っていく10枚の愛聴盤」等が語られる(2ndと共通)。
Other Project
FEATHERS
/Jeanette Lindström・Steve Dobrogosz
PROPHONE PCD053
2000年に発表されたデュオ作『フェザーズ』は、大変特徴のある方法を取っており、当然の事ながら全作品群とは違っている。ピアニストのスティーヴ・ドブロゴスと共に彼女はエレキの装飾が取り払われたジャズ・バラッドとポップ・ソングを演奏している。と同時にバート・バカラック、ジョニ・ミッチェル、エルビス・コステロといった作曲家達の手による“ザ・ルック・オブ・ラヴ”,“ボース・サイズ・ナウ”,“オールモスト・ブルー”と完璧に肩を並べるようなオリジナル・ソングも演奏している。シャネットとスティーヴのデュオは、細部の強弱、特に細部間のフェルマータを表現する事で自由にきめこまやかさを効果的に表現している。
Sinatra / Weill
/Jeanette Lindström・Norrbotten Big Band・Norrbotten Chamber Orchestra・Tim
Hagans・Kenny Werner
CAPRICE CAP21624
1999年ケニー・ウェルナーやティム・ハーガンスによる新しいアレンジを背景に、ノルボッテン・ビッグ・バンドとノルボッテン室内楽団との共演作。クルト・ワイルによって書かれた、あるいはフランク・シナトラによって歌われた、いわゆるスタンダード作品に対する、ひじょうに個人的な解釈を彼女は示している。
彼女のヴァージョンによる“スピーク・ロウ”,“オール・マイ・トゥモロウズ”,“ザ・レディ・イズ・ア・トランプ”を聴くと、『アナザー・カントリー』『アイ・ソー・ユー』で彼女が築き上げたアコースティックの五重奏からかなり進んだ道に来ているという事がいえる。
ONCE
Dragon Records
自分自身のクインテットと並行して、彼女は他の多くの音楽背景に登場している。例えば彼女は、ベース奏者のアンデルス・ヨルミン等を要するグループ“ワンス”のメンバーである。このグループの中で彼女は「自分の好きなものは何でも演奏し、あとは曲が自由に羽ばたくのに任せるだけよ」という趣旨に基づいて即興演奏を繰り広げている。1997年に発表された本作は、言葉を使わずに歌うという彼女の願望を、そしてそれが可能な事をはっきりと提示するものとなった。彼女は人の声をひとつの楽器として十分に考慮しているのだ。


シャネット新作完成! 新作特報はこちら!>>

スウェーデン在住のライター、山本由香さんより、シャネットの素敵な写真が届きました。ストックホルム・ジャズ・フェスティヴァル 2005におけるコンサートとプレス・コンフェレンスの模様です。
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