レーナ・ヴィッレマルクはトラッドとジャズの両サイドで活動しています。ここではジャズ・サイドを中心に紹介致します。
【BIG NEWS ! 】
スウェーデンの女流ピアニスト、エリーゼ・アイナルズドッテルと、オールラウンド・シンガーであるレーナ・ヴィッレマルクは、共演するようになってから今年で30周年を迎える。今、本国でのテレビ出演を通じて2人の音楽が再び話題を集めている様子。2人はいう〜「横にいるだけでお互いの考えている事が分かる…」と。
エリーゼのプロフィール >> http://www.mistralmusic.com/

photo:Olle Steinholtz |

photo:Olle Steinholtz |
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レーナとエリーゼ。
2人の共演作はコンピ提供曲を入れると5枚。傑作は何といっても「センセス」と「サマー・ナイト」(共にディスコグラフィご参照)。 |
これは珍しい3ショット!
左からエリーゼ、リーグモル・グスタフソン、レーナ。リーグモルは2000年、エリーゼ&ウッレのアルバム「GlÖd」で共演している。
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【History】
レーナが生まれ育ったのはスウェーデン中部ダーラナ地方の山間に位置するエルヴダーレン付近のエヴェルツベりという小さな村だ。そこには伝統文化が色濃く残り、森と湖、牧場以外は本当に何もないらしい。しかもこの辺りで交わされている言葉の方言ときたら外国語かと思ってしまう程に分かり辛いという。
そんな環境の中、彼女の父親は森林の管理人を職業としており、その仕事仲間等の集いの中でスウェーデンに残る古い民話や神話、そして皆が奏でる伝統音楽を聴き、楽器の弾き方や数々の歌を覚えたのだった。しかしレーナの音楽に対する関心はこうした伝統音楽だけに留まらず、ラジオから流れてくるポピュラー・ミュージック等も大好きだったという。そして18才の時、ストックホルムに降り立ち、本格的に音楽を学び始めた際にジャズと出会い、そして70年代後期よりリーフ・ストランドが主宰する混声合唱団にも所属したのだった。
レーナが18才の頃より傾倒していったジャズへの関心は、高名なピアニスト、エリーゼ・アイナルズドッテルとの出会いによって開花する。後の89年、2枚のアルバムでデビューを飾るのだが、その内の1枚がエリーゼのアンサンブルと組んだ『Secrets
of Living』。そしてもう1枚は彼女のルーツであるスウェディッシュ・トラッドの作品『夏草がそよ風に靡いているよ』である。ここでは後にフォーク・トリオを組むフリーフォートのふたり、アレ・メッレルとペール・グッドムンドソンの参加もあった。91年、フリーフォート実質上の1stとなる『フリーフォート』をリリース。92年にはダ―ラナ地方シリアン湖のほとりの教会で、フリーフォートのエネルギッシュに演奏を観たECMのプロデューサー兼代表のマンフレート・アイヒャーは彼等のプロデュースをかって出る。その時発足したグループがノルダン・プロジェクトだ。このプロジェクトは94年と96年に2枚のルバムをリリースする。その音像は同国トラッドをやや即興風に奏でたものだった。その後、再びアイヒャーは彼等の前に現れた。その時彼が求めたものはノルダン・プロジェクトの音の余分を削ぎ落とし、シンプル化させる事だった。つまりそれはフリーフォート以外の何者でもなかった。そして99年にレコーディングされた作品はフリーフォートの3rdアルバムとなったのである。
その後もレーナはフリーフォートを中心とするフォーク・サイドと、ジャズ・サイドの両方をうまく両立させ、今も尚、活動を継続中である。
フリーフォートはじめ、フォーク・サイドでの活動はこちらへ>>>
FrifotのオフィシャルHP> http://www.frifot.se/

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現在、レーナは通算3rd作(今回はトラッド作)のソロ・アルバムを製作中です。1回目のレコーディングは終了しました。秋口に2回目のレコーディングに入ります。
ノルダン・プロジェクトの第3弾も、ECMのプロデューサー、マンフレート・アイヒャーが計画中です。メンバーは、レーナに、アレ・メッレル、マッツ・エデーン(グルーパ)、ティナ・クウォーテイ(アルヴァ)、そしてオーケストラが加わる様子。

solo, solo unit
Stemmenes Skygge
/ Kirsten Bråten Berg, Marilyn Mazur,
Lena Willemark
heilo HCD7185
ノルウェーのシンガー、キルステン・ブローテン・ベリと、ヤン・ガルバレクのパーカッショニストとしても知られるマリリン・マズールに、レーナを加えたトリオによる作品。レーナの陰の部分(レーナはこうした世界も持っている)が見事に反映された呪術的な印象を受ける。楽曲は伝統的な歌唱とややフリーキーなパーカッションをうまくコラヴォレートさせた作風。
ウインドグール/レーナ・ヴィッレマルク
Nordic Notes/Jazz Side
NNJ-2003 \2,600(税抜)・\2,730(税込)
99年フリーフォートの3rdと同年のリリース。ソロとしては10年ぶりの2ndとなる。
本作はノルダン・プロジェクトの到達点ともいえそうな濃密なアンサンブルを終始展開している。メンバーはヴェーセンのミカエル・マリーン(viola),スタッファン・ラーソン(fdl),マッツ・ウーロフソン(cello),リスベス・ディエルス(per),そしてECMサイドより、ボボ・ステンソン(p)とパレ・ダニエルソン(double-b)が参加。
1曲を除きすべてがレーナのオリジナル、しかもエルヴダーレンの方言で歌われている。彼女の関連作品中最も芸術度高し。
projects
Agram
/ Lena Willemark, Ale Möller(Nordan Project)
ECM ECM1610
\2,300(税抜)・\2,415(税込)
96年の2nd。メンバーはほぼ同一ながらペールはこの続編に参加せず。
オープニングより、アレのマンドーラとヨーナスのソプラノ・サックスが絶妙に絡み合うインストの“Syster Glas”に魅せられる。続くタイトル曲“Agram”ではレーナの力強い歌唱に圧倒(フリーフォートの初来日公演でも歌われた)。
楽曲が進むにつれ様々な表情を除かせるあたりに、天候の変化が激しい北欧の大地等を連奏させる。また鮮烈かつ濃密なアレンジはアレによるものがほとんどで、終始緊張感を保って聴かせる。
Nordan
Lena Willemark / Ale Möller(Nordan Project)
ECM ECM1536
\2,300(税抜)・\2,415(税込)
レーナ、アレを中心とする別個プロジェクト。92年シリアン湖のほとりの教会にてフリーフォートの演奏を観て深い感動を覚えたECMの専属プロデューサー、マンフレート・アイヒャーのアプローチにより、結成に至る。
メンバーはECM群よりP.ダニエルソン(double-b),グルーパのマッツ・エデーン(drone-fdl,kantele)とティナ ・ヨハンソン(per),ヘドニンガルナのビョルン・トリーン(per),ヨーナス・クヌットソン(sax,per)、そしてペール・グッドムンドソン(fdl)も参加。
スウェーデン中世のバラッドが朗々と歌い上げられる中、即興風の要素も見え隠れする。4曲目の“Mannelig”の美しさは特筆。94年リリースの大傑作。
サマー・ナイト〜夏の夜
/エリーゼ & ウッレ with レーナ
Nordic Notes/Jazz Side
NNJ-2032 \2,500(税抜)・\2,625(税込)
スウェーデンの女流ピアニスト、エリーゼ・アイナルズドッテルと、オールラウンド・シンガーであるレーナ・ヴィッレマルクは、共演するようになってから、今年で30周年を迎える。今、本国でのテレビ出演を通じて2人の音楽が再び話題を集めている様子。2人はいう。「横にいるだけでお互いの考えている事が分かる…」と。しかしライヴでの共演は繰り返されているものの、決してレコーディングが多いわけではない。
今回その中から厳選した本作は、2001年エリーゼと彼女の夫ウッレ・ステインホルツ(ダブル・ベース)のデュオにレーナが参加したもの。これまでのレーナにしては珍しく、本作を通じて全てを英語で歌っている。“夏の夜に見る幻”のように儚く、今にも消えてしまいそうなエリーゼのピアノが印象的な@、チック・コリアのK、マイルスのMはじめ、レーナはADにおいて、小野小町(ご存知、平安初期の女流歌人“おののこまち”)の恋詩をテーマに熱唱。他全5曲で彼女の歌唱が堪能出来る。あぁ〜、ため息...。
センセス
/エリーゼ・アイナルズドッテル・アンサンブル&レーナ・ヴィッレマルク
Nordic Notes/Jazz Side
NNJ-2010 \2,500(税抜)・\2,625(税込)
93年エリーゼのアンサンブルとの共演作第2弾。トラッドに裏打ちされたレーナのジャズシンギングは圧巻で、流麗なエリーゼのピアノとの相性はひじょうに良い。
特筆は3.でレーナは大胆にもクゥーラ(牛飼唱法)をジャズのアンサンブルに持ち込んでいる。更には4.でマーゴ・ガーヤン/オーネット・コールマンによる“ロンリー・ウーマン”を英語で歌うのだが、その沈み込むかのような歌唱には圧倒される一方。傑作。
Secrets of Living
/ Lena Willemark, Elise Einarsdotter Ensemble
CAPRICE CAP21377
89年ジャズ・アルバム・デビュー作。レーナは18才の時ストックホルムに下り立ち、ジャズとクラシックを学んでいる。そしてジャズのレコーディングにも傾倒していったのもこの頃から。
女流ピアニスト、エリーゼのアンサンブルと手を取り、レーナはジャズ・シンガーとしてのヴォーカルに徹しているのだが、故郷エルヴダーレンのポルスカ他を取り上げいる点に注目したい。しかも違和感すら感じさせずにアンサンブルに溶け込んでいく様には恐れ入る。
残念ながら本作は完売状態にあり現在入手困難。
Live at Village
/ The Village Band feat. Lena Willemark
IMOGENA IGCD024
¥2,300(税抜)・¥2,415(税込)
ヴェステロースにあるジャズ・クラブ“ヴィレッジ”のハウス・バンドにレーナがゲスト参加した91年のライヴ・レコーディング作。これまたメンバーが凄い。ボボ・ステンソン(p),パレ・ダニエルソン(double-b),ヨアキム・ミルデル(ts),イェーラン・クリングハーゲン(g),ルネ・カールソン(ds)。バンドはアルコールを一杯ひっかけてから録音に挑んだというセッション。オープニングのS.スワロウのレパートリーから、ひじょうにリラックスした演奏が全編に渡り堪能出来る。レーナは2曲目後半よりセフネスの伝承歌で登場する。
※本作はレーナがフリーフォートのメンバーとして来日した時に持参したもので在庫残りわずか。
guest
In winds, in light/Anders Jormin
ECM ECM1866
2003年フリーフォートで初来日中のレーナが明かしていたECMでのレコーディング。それは同レーベルを代表するベース奏者のひとり、アンデルス名義の作品だった。前衛的な女流ピアニスト、チャーチオルガン奏者、パーカッション奏者にレーナを加えた音楽的背景のまったく異なるメンバーによるクインテット編成。レーナはクゥーラ(牛飼唱法)をベースとしたフリーキーなシンギングを披露。それは時にうめき声と化し、聴き手を圧倒する。静寂と狂気が交差する空間。
ICEMAN IS / Terje Isungset
Jazzland 067 458-2
グルーパの99年のアルバム『ラヴァレーク』より加入するノルウェーのパーカッショニスト、テリエ・イースングセットのソロ・アルバム。本作にはレーナが参加し、4曲において囁きにも似たヴォイスを披露している。
アルバム・タイトルが示すように 「氷」で作られた楽器“アイス・パーカッション、アイス・ハープ、アイス・トランペット”他による演奏にエレクトロニクスが交錯する、なんとも不思議なサウンドが魅力。そこに交わるレーナのヴォイスがたまらなく官能的。2002年作。
Flower In The Sky / Jonas Knutsson
ACT 9248-2
ジャズ・サキソフォニストながら、ノルディック・フォークとジャズの共通点に注目してきたヨーナス・クヌットソン。
レーナ、アレをはじめ、トラッド・サイドの面々とはひじょうに交流も深い。自らのサックスにキーボード、ギター、ベース、ドラムス、パーカッションという編成。チョイスされているレパートリーがポルスカや讃美歌等やはりトラッド・メロディが主になっている。
レーナは10.で参加し、マティアス・ヨハネッセンなる人物のポエムを歌っている。レコーディングは92年と94年。リリースは97年となっている。
V.A.
God Jul 〜 julsånger på svenska
AIR AIRCD5041
クリスマス・ソングのコンピレーション。シャネット・リンドストレム、リーナ・ニーベリ、ヘレン・シューホルムをはじめとするジャズ・シンガー、ミュージカル・シンガー等がストリングスやピアノをバックに歌っている中、レーナだけは3曲において無伴奏で歌っている。これはめっけものである。本作はシリーズのひとつで、その他に『tillägnan(ウエディング)』『välkommen(子守唄)』『farväl(葬儀)』のコンピが存在する。こちらにレーナの参加はなし。
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