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トップニッケルハルプオルケステルンWorld Champion of Nyckelharpa演奏家達


ニッケルハルパのオーケストラ“ニッケルハルプオルケステルン”。
photo:Eva Jakobsson

 スウェーデンの土着楽器ニッケルハルパは、これまでに来日したヨハン・ヘディーンラーナリムニクラス・ロースヴァルペーテル“プーマ”ヘドルンド、ヴェーセンのウーロフ・ヨハンソンが演奏した鍵盤付ヴァイオリン。バルト海上に浮かぶスウェーデン領ゴットランド島にある14世紀頃の教会にニッケルハルパを持ったストーンエンジェルが存在した事から、ちょうどこの頃に同楽器の原型が作られていたのではないかという説がある。現在一般的に知られているモデルは4弦+12本の共鳴弦を持ち、それをニッケル(鍵盤)で押さえて弓で弾く。音色はヴァイオリン、ヴィオラ的。

 ドローン‘DRONE’レーベルの代表、ウッレ・ポールソンの解説(下方)を見ると、同楽器の原型とされているムーラハルパ(ニッケルハルパより小ぶりで3弦、共鳴弦は持たない)の説明に16世紀から使われているとある。ちょうどこの頃が一番最初の復興時期だと考えても良さそうだ。


写真左:4弦+12本の共鳴弦を持ち、それをニッケル(鍵盤)で押さえて弓で弾く。
写真右:ラーナリムのニクラス、ヴェーセンのウーロフ他が駆使するニッケルハルパの製作者、ウッレ・プラーン。

ウッレ社長の解説
[アルバム『N.H.O./ニッケルハルプオルケステルン』のスリーヴノーツより]

 本作『N.H.O.』はニッケルハルプオルケステルンのメンバー達の作曲及びアレンジからなる全く新しいニッケルハルパの為の曲から成り立っている。かつてこのようなニッケルハルパ・アンサンブルの為だけのコレクションが創られたり、アレンジされた事はなかった。この『N.H.O.』というアルバムは、ニッケルハルパの可能性を限りなく追求したい、アンサンブルのレパートリーの為の新しい音楽を創造したいというひたむきな努力の結果なのである。
 
 スウェーデンの最も卓越したニッケルハルパ奏者6人がニッケルハルプオルケステルンというグループの中で演奏している。アンサンブルとして、また個人のミュージシャンとして、彼等はニッケルハルパの発展に大きな役割を果たしてきている。現代におけるニッケルハルパの普及者として、彼等はスウェーデンのみならず世界中のニッケルハルパ奏者にとってインスピレーションの偉大な源となっているのである。またノルドマン、そしてサレクというポピュラーなグループでのゲスト演奏する事により、スウェーデンの一般大衆にも、ニッケルハルパが身近な楽器となってきている。
 
 グループが結成された1994年以来、常にニッケルハルプオルケステルン内での切磋琢磨は続いている。このミュージシャン達はアンサンブル内での強弱法を促進させる為、新しい変異音をニッケルハルパへ発展させる事に対し積極的であった。この試みはニッケルハルパにとって新しい分野であるが、歴史的にみると、多くの興味深い類似点がある。実験したいという欲望、技術革新、新しい音楽的影響を摘要したいという好奇心は、どの時代においてもニッケルハルパのメーカーと共演者の両方に影響を与えてきたのだった。

 ニッケルハルパの100年の歴史を今振り返ってみると、ニッケルハルパは常に何らかの変化を経験し続けているのである。ムーラハルパとして知られている最も古い形(16世紀から使われている)は、今日のニッケルハルパと著しく異なっている。18世紀と19世紀の間、コントラバスハルパやシルバーバスハルパといった新しいモデルへの開発がなされた。今日の3列半音階ニッケルハルパは、人が全てキーを演奏出来るように組み立てられており、19世紀の初期に初めて日の目を見たのだった。そして時が経つにつれ、創意に富む楽器製作者が現れ、この楽器に改良や発展がなされていったのだった。

 レパートリーに関していえば、ひときわ創造性が素晴らしい! 19世紀にはビス・カッレ‘Byss-Calle’[1783-1847]が偉大な作曲家としての名声を勝ち取っている。20世紀の主要なニッケルハルパ奏者エリック・サールストレム‘Eric Sahlström’[1912-1986]は、半音階のニッケルハルパから提供されるあらゆる新しい可能性を引き出した。彼は先輩のニッケルハルパ奏者から引き継レパートリーや、ポピュラー&クラシック音楽からの影響で調節された個人的なスタイルを確立した。今日、ビス・カッレとエリック・サールストレム両社の曲は、多くのニッケルハルパ奏者の為の基礎的なレパートリーを形成しており、ニッケルハルパの伝統におけるひじょうに重要な役割を果たしている。

 このニッケルハルプオルケステルンというグループは、ダイナミックな伝統の中にあって、新しい楽器を使って実験的な試み、また新しい音楽を創るという点において、たいへん積極的である。このアルバムの中のいくつかの楽器は、ニッケルハルパの新しい特性を創り出すために開発された。それがオクターブ/アルト・ニッケルハルパである。同じ事がレパートリーにも当てはまる。『N.H.O.』の曲の中には、より古い時代の曲に似ているものもあれば、現代の曲の特徴を色濃く出しているものもある。レパートリーはいつの時代もそうであるが、古いものと新しいものの入り混じったものである。だからこそ伝統は風吹く道を絶えず進んでいくのである。そして誰もその運命をコントロール出来ない。また誰もそれが今後どこへ行くのか分からないのだ。
(ウッレ・ポールソン) -翻訳:金沢由美-

『ニッケルハルプオルケステルン』のCD


N.H.O.
Nordic Notes DHN-1054
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Byss-Calle
DRONE DROCD022

Till Eric
DRONE DROCD006

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