柏木 博
普請の顛末―デザイン史家と建築家の家づくり
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へえ、こうやって家ってできるんだ |
タイトル通り、デザイン史家である柏木博氏が自宅を建てる事を決意し、中村好文氏に設計を依頼してから自宅ができあがるまでの普請の顛末を、柏木氏、中村氏がクライアント、建築家としての各々の立場から、交互に綴った本です。とはいえ、それぞれがデザイン史家、建築家として有名な方であり、単なる顛末記に終わるのではなく、文章の中に、それぞれのこだわりが随所に感じられると共に、時には、話が脱線し、デザイン、建築のウンチクが語られるのも楽しい所です。確かに、完成した家の全体像についての写真は掲載されていませんが、元来が完成までのプロセスを綴った本であることや、部分部分の写真あるいは図版(時には中村氏得意のイラスト)が付いており、それほどストレスなく読むことができます。
住宅ができるまでのプロセスを、クライアント、建築家各々の立場から、しかもこだわり人どおしの文章で楽しむことができる本です。
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クライアントと建築家の本を、同時に二冊読む感覚。 |
表紙の、建築途中の写真に惹かれて手にした。
デザイン史家のクライアントと、建築家の中村好文氏がつくった家だ。
話は、土地を購入する経緯から始まり、基本設計のやむない変更、
コンクリートむき出しの骨格の美しさ、近代建築9つの引用、
重量4トンにも及ぶ蔵書の始末、玄関、庭、などの内容に及ぶ。
中でも、骨格(スケルトン状)が美しいものは、よい建築なのではないか、
といった記述に共感。実際、表紙の写真は美しかった。
裏表紙は、完成後の同じ場所を写した写真になっているが、
あなたならどちらが美しいと思うだろう。
また、家づくりに関しては“オラがこだわり、ここにあり!”的、ねっとり本が多い中で、
この『普請の顛末』は、実に、そこら辺りがスッキリまとめられているように思う。
同じ出来事に対して、柏木・中村両氏が交互にページを埋めているのも面白い。
しかしながら、満足な写真が掲載されていないのは、もどかしかった。
これも両著者の狙いならば、それはそれで尊重したい気もするが、
やっぱり「せっかくここまでお供したのに、お預けデスカ?」の心境に陥る。
完成後の写真が、ほんの2ページでもあれば、もっと想像を楽しめたのに。