とんぼ返り、早春の屋久島
日本の国には、外国をイメージして作ったテーマパークやホテルがある。
長崎の「ハウステンボス」や三重県の「スペイン村」などがそうである。
もう、海外旅行に行くことのできない両親にとって、そういった場所に訪れることは、それはそれで楽しいようだ。
鹿児島県の屋久島には東南アジアのリゾート地をイメージして作ったというホテルができたとのこと。
ANAの超割も取れて、早速行ってみることにした。
この、ホテルあかつき、マレーシアのランカウイ島がモチーフだとか。
「世界遺産、屋久島」という初めての場所に訪れる楽しみに加え、7年前、ランカウイ島に行ったことのある私にとっては、わくわくしてくるのであった。
そうそう、デジカメの映像がないので、写真を心待ちにしていた方、ごめんなさい。
つたない私の文章だけれど、想像しながら読んでいただけると、とても嬉しい。
2003年3月のある土曜日、いよいよ出発!
午前4時起床。
朝はわりと平気な私だけれど、さすがに4時起きは辛い。
始発電車で羽田空港に行く。
地元の駅は結構混んでいた。
そして、午前6:55の飛行機で鹿児島へ。
フライトが少し遅れ、着いたら9時を過ぎていた。
鹿児島空港で約2時間、お土産を買って過ごす。
名産はやはり芋焼酎・かるかん饅頭とさつま揚げ、あと、九州ということで、明太子や日向夏柑を使ったお菓子が売っていた。
そして鹿児島から、11時過ぎの飛行機で屋久島へ。プロペラ機だった。
プロペラが回りだし、離陸すると、あぁー、足腰に刺激がぁー・・・!
これって、まるで低周波のマッサージ機のようだった。
この刺激が約30分続き、屋久島に到着。
着いたら雨だった。
機内のアナウンスでは小雨と言っていたが、雨粒が大きいような気がする。
それでは、早速タクシーで観光。
離島に行くときにはいつもそうなのだが、出発前に前もってタクシーを手配しておく。
何故なら、離島ではタクシーの数が少ないから。
路線バスもあまり走っていないかもしれないし、車の運転のできない私たちにとって、移動手段の確保はかなりのウエイトをしめている。
割高になるが、仕方ない。
しかしこの時期、屋久島はオフシーズンということで、その心配はなかったようだが、「備えあれば憂いなし」である。
さて、前置きが長くなったが、まず最初に、お昼ご飯を食べることになった。
場所は「茶屋ひらの」。
屋久然料理のお店とのこと。
お品書きは1つ、「おまかせ定食」2000円。
ゴーヤの卵とじ・でんがく・豆腐ハンバーグ・つわぶきの煮物・飛び魚の竜田揚げ・蓬ゼリーなどなど。
屋久島の自然の恵みを使って作られた郷土料理が13〜15品出てくる。
珍しかったのは亀の手(貝)の味噌汁。
口に入れた瞬間、貝殻を閉じたしじみの味噌汁かと思ってしまった。
少し甘めのだしもきいていて美味しい。
昼食を終えた私たちは、樹齢3000年という「紀元杉」を見に行く。
ここは、バスや車で見に行くことのできる杉としては、最大とのこと。
車は、道の両脇にうっそうと茂る木々の間を走る。
母は「妖怪でも出てきそうできみがわるい」と言っていた。
やがて、降っていた雨が雪に変わる。
それもそのはず、標高1230m、寒いわけだ。
車を降り、うっすらと雪が積もった木の階段を降りて、紀元杉に近づくことができた。
手がとどかなかったので直接触ることはできなかったが、
樹高19.5m、胸高周囲8.1m
と聞けば、かなり大きいことがわかる。
そして山を下り、一瞬だけ車から降りて渓谷を眺め、「千尋の滝」へと向かった。
そういえば、途中、猿がいたって言ってたっけ。
さっきまでやんでいた雨が再び降り出す。
不思議なことに、太陽が出ている。暖かい。
千尋の滝は、400m×200mの巨大な一枚の岩と天然照葉樹林の中を流れている。
落差60m。水音が気持ちよい。
千尋の滝に行ったあと、ホテルに入る。
午後4時だった。
チェックインをしたら、ウェルカムドリンクのホットコーヒーが出てきた。
ここはコテージ風ホテルなので、ロビーとレストランのある建物から一旦外へ出て客室に行くのだった。
まだ雨は降っている。
私たちは、ゴルフカートに乗せてもらい部屋まで送ってもらう。
今日は雨降りだったので、食事のときもこのカートで送り迎えしてもらった。
坂道で揺られると、何故かモルディブのホテルを思い出す。
そういえば、ゴルフカートで暫く走っていると、急に強い風がふいて、すると水上コテージに続く木の桟橋になったっけ。
しかし、この冷たい雨風にあたると「ああ、日本だった」と我に帰るのだった。
今日の寒さは地元でも珍しいそうだ。
それに海は遠くに見えるだけで、周りは木ばっかりとのこと。
ランカウイ島ってどうだったかなあ。
あ、思い出した!
「夕日が綺麗な島」とパンフレットに書いてあったのに、ホテルからは木々に隠れて見えなかったという話しをしてたっけ。
それから暫く部屋でのんびりして夕食。
お箸で食べる洋食だった。
食事から帰って、暫くしてあまりの寒さにバスタブにお湯をたっぷり入れて暖まる。
部屋の暖房はあまりきかなかった。
帰り際になって、温度調節できたことに気づく(とほほ)。
翌朝は5時半に目覚める。外はまだ暗いそうだ。
朝食は7時からなので、少し早めに出て、ロビー周辺を歩いてみる。
木でできたプールサイドの床を歩いていると、ランカウイ島の記憶がよみがえってくる。
靴を脱ぎ、足を伸ばして木の椅子に座ってみた。
この静けさとプールサイドを歩く足音から落ちついた雰囲気が伝わってくる。
この冷たい風を除けば、確かに東南アジアのリゾート地に似ている。
思いにふけっていたら、7時を過ぎてしまっていた。
9時半の飛行機に乗らなくてはならないので、急がなくては!
朝食はバイキング。
食べていると、窓から朝日が入ってくる。
体にあたる、少しじりじりしたガラス越しの朝日から、きらきらしたまぶしさを感じ取ることができた。
もう春はそこまで来ている。今日はよいお天気だ。
8時過ぎ、朝食後そのままタクシーで屋久島空港に向かう。
プロペラ機で30分、そして、鹿児島空港で約2時間待ち、羽田に着いたのが午後1時半だった。
今回訪れた場所には、ほとんどお土産屋さんはなかった。
鹿児島空港で買っておいてよかった。
屋久島の街中に出ればあるのかもしれないが、ハイキング目的の方は空港で買うことをお薦めしたい。
あっという間の2日間。正確には1日半かな?
とても密度が濃かった。
雪が降っていたり、森林や渓谷ばかり見て、海岸に行かなかったので、南の島に来たという実感がわかない。
それと屋久島は、「月に35日雨が降るところ」と言われるほど降水量が多い。
なので、旅行中、天気に恵まれなかったことは仕方がない。
そのためか、ホテルをはじめ、どこに行っても傘が用意されている。
私たちが泊まったホテルには、番傘が置いてあった。
とにかく、一言、「不思議なところ」というのが感想である。
もし今度行くなら、やはり夏に行ってみたい。
Last update: 2003/05/11