調理師免許と調理師試験 まず自己紹介させて頂きます
料理人になるのに、特に免許が必要ということはありません。但し「調理師」という名称を使うためには調理師資格を取得しなければなりません(2年間の実務経験を経て国家試験を受けるとか調理師学校を卒業すると免許が得られます,平成11年の第1回東京都調理師試験問題を掲載してあります、リンクして下さい、結構難しいです)。調理師免許は「名称独占免許」ですから、医師のように業務独占ができるわけではありません。つまり免許がなくても調理業務に就くこともできますし、飲食店を開業することもできます(現在、飲食店への調理師必置義務はありませんが、置くように努めなさいという努力義務があり、保健所からはそのように指導されます。また調理師の届け出制度もあり資格が重要視されるようになってきました)。
日本人の外食率(外食・中食)の高まりとともに、外食産業に携わる人達の知識や技術が国民の健康に大きな影響力を持つようになりました、栄養問題や衛生の問題、あるいは外国から入ってくる食品の問題などの知識を持った調理師を育てることは国としても重要な課題といえます。そういった知識を持っているかどうかを審査するのが調理師試験であり、その証として免許が発行されます。調理技術は実務経験でokとしていますので調理技術については問われません、つまり調理師免許があるのと調理技術が優れているのとは必ずしも一致してはいないのです。このへんに誤解が生まれやすく「免許なんか持っていても仕事ができなければ意味がないのだから免許なんて不要だ」とか「栄養の勉強なんかしても料理は上手にならんから不要だ」といったような乱暴な意見も飛び出し、調理師の地位の向上や飲食業界の発展をさまたげています。
専門調理師・調理技能士 (団体ネット→資格試験→サービス・生活・食品の順で検索して下さい)
調理師としての実務経験や技術力、知識力を審査し、実技試験と筆記試験に合格した人に与えられる資格です。この資格を取得するには実技試験に合格しなければいけませんので、この資格を取得できたことは調理技術・知識の証明となります。受験するためには調理師免許を保有していことが条件であり、免許保有期間や実務経験年数にも規定があります。 西洋料理・日本料理・中国料理・めん(日本そば)料理・すし料理・給食用特殊料理の部門があり、いずれかの部門を受験し資格を取得できます。(専門調理師の資格を取得すると資格手当を支給する飲食店も増えてきました、こんな会社はきっと発展しますよね)
調理師試験は各都道府県で実施されますので試験内容も違えば、実施日も異なっています。東京と神奈川では年2回行われています、合格率にも大きな差が見られ平成10年度の合格率は
東京 1回目 62.6% 2回目 60.5%
神奈川 1回目 82.5% 2回目 80.1%
茨城 87.2%
埼玉 85.7%
千葉 91.4%
栃木 80.2%
京都 1回目 86.9% 2回目83.2%
大阪 1回目 60.2% 2回目60.9%
となっています、東京・大阪以外はほとんどの府県で80%以上と高い合格率で、東京や大阪他少数の県の試験が難しいのが分かります、しかしこの格差は問題です。
調理師試験はどこの都道府県の試験を受けても良いのですが、合格後の免許申請は現住所地にするようになっています。つまり東京に住んでいる場合、合格率の高い千葉県の試験を受けて合格し、東京に免許申請をすれば東京都知事の調理師免許が得られるのです(石原 慎太郎さんの免許が欲しいという人達が増加しているとか)。何か釈然としませんね、国家資格なのですから全国統一すべきですよね。
調理師の仕事は厳しいのか
「調理師免許」を重要視する職場もあればそれほど必要としない所もあります。また調理技術は殆ど必要とされない職場(セントラルキッチンを持っているチェ−ンレストランなど)もありといったように、同じ料理人といっても様々です。まず自分は何をしたいのかはっきりさせる事が大切でしょうね、それによって要求される知識や技術が違ってくるのです。「料理人の修行は厳しい」とよく言われますが、厳しさの度合いや内容は「どんな業態の職場か」で大きく異なります。何年修行すればなんて、個人差があるし、店によって料理の内容も違うので何とも言えないですね、どんな職場で料理人をスタ−トさせたかによっても違うでしょうし、たくさんの技術を勉強したり、外国語の勉強をしたりする人にとっては「修行に終わりは無」のでしょう。また同じ修行をしても「厳しい」と思う人も「大して厳しくない」と思う人もいるでしょう、その人の感じかたですから性格が大きく関わっていますよね。
どんな人が調理師に向いているか
どんな仕事でも大切なことでしょうが「忍耐」「明朗」「健康」「協調性」「清潔」「個性」そして労を惜しまない人と欲をいったらきりがありませんが、悲観的な人や人つき合いの苦手な人、文句の多い人などは苦労するでしょう。挨拶、言葉づかい、積極性が大事。技術の向上は訓練の多さにありますから、辛抱強く訓練することでしょう。
何歳からでも調理師になれるか
調理技術という点からだけ見れば料理人としてのスタ−トは若ければ若いほど良いと思いますが、遅くスタ−トした人は調理師という仕事にこだわりすぎず、飲食サ−ビスという広い捉え方をするか、カルト料理のみを追求するような方法をとれば良いと思います。
調理師になるには2つの方法があります。
1調理師専門学校を卒業する 私の勤務する「華調理師専門学校」
2調理師国家試験を受ける
受験資格
1中学校卒業以上の者
2学校終了後、次の施設又は営業施設で、2年以上調理業務に従事した者
ア 飲食店営業(旅館・簡易宿泊所を含む) イ 魚介類販売業(店舗で魚介類を販売する営業をいい、魚介類を生きたまま販売する営業、魚介類せり売営業は除く) ウ そうざい製造業 エ 学校・病院・寮等の給食施設(継続して1回20食以上又は1日50食以上調理する施設)
実務経験として認められないもの
ア 会計・ボーイ・ウェイトレス・ホステス・運転手等直接調理の実務に従事していない場合。
イ 調理学校で調理実習指導に従事している場合。
ウ 栄養士・保育士・看護婦・看護士などの職種として採用され、調理業務に従事している場合。
エ パート又はアルバイトで調理業務に従事している場合。ただし、週4日以上かつ1日6時間以上勤務している場合は実務経験として認める。
調理実務証明書は、経営者(施設長)が記名押印する。証明印が個人の実印の場合は、印鑑証明が必要。
調理実務を2年間経験しますと受験できます。
受験用の参考書や通信教育がありますので紹介します(私も一部執筆しています)。

パワ−アップ問題集
日本ビジネスカレッジの調理師講座、勉強の進めかたのビデオも付いている。国家試験科目(食文化概論・栄養学・食品学・調理理論・衛生法規・公衆衛生・食品衛生)のテキスト、模擬問題集、解答集などから成り、一歩づつ勉強するように7回の添削問題もある。
東京都新宿区百人町2−1−11 03−3205−2300
国家・資格試験のメジャ−な出版社 新星出版社の調理師試験シリ−ズ。東京都の調理師試験の過去問題と、それぞれの解説をしている、問題を解きながら、解らない部分は解説を見ることで覚えるという方法で独学するようになっている。
東京都台東区台東4丁目7 03−3831−0743
全国の調理師試験に対応した本試験型 本試験を想定した問題を作成し8回分に収録。科目ごとに出題ポイントをわかりやすく解説。東京都文京区水道1−8−2 03−3814−4351 成美堂出版
受験申請の方法や試験日などは住所地の保健所に問い合わせて下さい。受験前講習などをやっているところもあるようです、試験は学科試験のみで実技試験はありません。
調理師免許取得後は、経験により「ふぐ調理師」や「専門調理師」の受験資格も得られます。また「ワインアドバイザ-」や「ソムリエ」「製菓衛生士」「料飲サ−ビス士」「総菜管理士」「給食サ−ビス管理士」「フ−ドコ−ディネ−タ−」などといった資格もありますので調べてみると良いでしょう、さまざまな資格がありますが現実には活用する場が非常に少ないものがあります。基本的には調理師資格からスタ−トすべきでしょう、それ以外は外食産業で経験を積んでから考えたほうが賢明でしょうね、特にカタカナのいっぱい混ざった資格を取りたいと思ったら十分に調査を!
飲食サ−ビス業に関する様々な資格と取得方法
厚生労働省関係
調理師 養成施設卒業もしくは実務経験2年後受験(国)
専門調理師 調理師学校卒業者は実務経験6年・調理師免許保有期間3年以上で国家試験を受験できる。調理師試験合格者は実務経験8年・調理師免許保有期間3年以上で受験資格あり、試験は実技試験と学科試験がある。調理師養成施設卒業者は学科免除(在学中に考査あり)。西洋・日本・中国・すし・そば・給食の分野あり。(国)
製菓衛生師 製菓衛生師養成施設(1年)卒業して受験もしくは2年以上菓子製造業に従事した後受験。(国)
食品衛生責任者 調理師免許保有・届け出(飲食関係営業者・保健所)
調理技能士 専門調理師と同じ、専門調理師に合格すると同時に得られる。(国)
料飲接遇サ−ビス士 1級から3級まであり、それぞれで受験資格条件が異なる、学科と実技試験(社団法人 日本ホテルレストラン技能協会)
農水省関係
惣菜管理士 通信教育研修6ヵ月 講習会1日 学科試験 1から3級まであり(国)
給食サ−ビス管理士 講習会2日 通信教育研修2ヵ月 学科試験 特別・1級・2級あり(国)
その他
ふぐ調理師 ふぐ取締条例のある県のみでの免許(条例の無い県が多い)、合格してもその県でしか使えないので注意、調理師免許2年以上保有かつふぐ調理師のもとで2年以上実務経験、筆記と実技。
ソムリエ 年齢23才以上現在ソムリエ協会会員として3年以上在籍もしくは5年以上飲食サ−ビス業に従事し現在も従事している者、筆記と実技(社団法人 日本ソムリエ協会)
ワインアドバイザ− 年齢23才以上 酒類業界・調理・接客・専門学校教師として5年以上従事、現在も従事している者、筆記と実技(社団法人 日本ソムリエ協会)