有栖川 有栖

★『月光ゲーム』(創元推理文庫)

【扉より】
夏合宿のために矢吹山のキャンプ場へやってきた英都大学推理小説研究会の面々――江神部長や
有栖川有栖らの一行を予想だにしない事態が待ち構えていた。矢吹山が噴火し、偶然一緒になった
三グループの学生たちは、一瞬にして陸の孤島と化したキャンプ場に閉じ込められてしまったのだ。
その極限状況の中、まるで月の魔力に誘われでもしたように出没する殺人鬼。
その魔の手にかかり、ひとり、またひとりとキャンプ仲間が殺されていく・・・・・・。いったい犯人は誰なのか?
そして、現場に遺されたyの意味するものは何?
平成のエラリー・クイーン=有栖川有栖の記念すべきデビュー長編。

登場人物がみんな大学生、ということで、自分の歳に近い(?)こともあり、共感できる部分が多くて読みやすかったです。
  もちろん、内容もよかったです。犯人は誰なのか・・・という緊張感の中で読みました。

 


★『孤島パズル』(創元推理文庫)

【裏表紙より】
南の海に浮かぶ嘉敷島に十三名の男女が集まった。英都大学推理研の江神部長とアリス、そして
マリアも島での夏休みに期待を膨らませる。折悪しく台風が接近し全員が待機していた夜、
風雨に紛れるように事件は起こった。滞在客の二人がライフルで撃たれ、無惨にこときれていたのだ。
無線機が破壊され連絡船もあと三日間は来ない絶海の孤島で、新たな犠牲者が・・・・・・。
犯人はこの中に!?

有栖川さんの1作目もよかったですが、この2作目も展開から目が離せず
読むのに夢中になりました。




★『双頭の悪魔』(創元推理文庫)

【裏表紙より】
他人を寄せつけず奥深い山で芸術家たちが創作に没頭する木更村に迷い込んだまま、
マリアが戻ってこない。救援に向かった英都大学推理研の一行は、大雨のなか木更村への
潜入を図る。江神二郎は接触に成功するが、ほどなく橋が濁流に呑まれて交通が途絶。
川の両側に分断された木更村の江神・マリアと夏森村のアリスたち、双方が殺人事件に
巻き込まれ、各々の真相究明が始まる・・・・・・。

実は私がこの作品を知ったのは、小説よりもビデオでした。
問題編と解決編の2巻で、とても見応えがあったのを覚えています。
映像化された作品を見るのは、小説を読むのとはちがった面白さがあります。
ちなみにビデオを見たときに、犯人にピンときたのですが、後で小説を読むのもドキドキしましたよ。




★『ロシア紅茶の謎』(講談社)

【著者のことばより】
初めての短編集ですが、有栖川有栖のことですから、6編とも本格ものです。
奇怪な暗号。消えた殺人犯人。ダイイングメッセージ。毒殺トリック。
「読者への挑戦」つき 犯人探しetc。
臨床犯罪学者、火村英生がフィールドワークで遭遇したミステリアスな事件の数々。
satisfaction altogether.
お代は見る前!

【収録作品】
『動物園の暗号』『屋根裏の散歩者』『赤い稲妻』『ルーンの響き』『ロシア紅茶の謎』『八角形の罠』

私が有栖川さんの作品で最初に読んだのは、実はこの短編集なのです。
短編しか書かない人なのかなあって勝手に思っていました。
その短編のひとつひとつに謎がギッシリ詰まっていて、
単純なトリックほど、楽しめたりするんですよね。




★『スウェーデン館の謎』(講談社)

【裏表紙より】
ミステリ作家・有栖川有栖が取材で訪れた雪深い裏磐梯には、地元の人々からスウェーデン館と
異名をとるログハウスがあった。彼は珍客として歓待されるが、深い悲しみを湛えた殺人事件に
遭遇する――。有栖と犯罪臨床学者・火村英生の絶妙コンビが、足跡のない殺人事件に挑戦!
大好評<国名シリーズ>の第2弾!

国名シリーズ第2弾は長編です。足跡のない殺人事件っていったら・・・
あれこれとトリックが浮かびますよね?この事件の場合は・・・!?




★『ブラジル蝶の謎』(講談社)

【裏表紙より】
美しい異国の蝶々に囲まれて殺害された男の意外な過去が、真犯人解明への重要な鍵を握る
表題作『ブラジル蝶の謎』。密室から突如、霧のごとく消え去った若いカップルの謎に迫る
『蝶々がはばたく』――。おなじみ有栖川・火村コンビの名推理が冴え渡る傑作ミステリ
全6編を収録。読者待望の<国名シリーズ>第3弾!

【収録作品】
『ブラジル蝶の謎』『妄想日記』『彼女か彼か』『鍵』『人喰いの滝』『蝶々がはばたく』

小説の中の有栖川有栖さんは、大阪市内に住んでいるという設定なので、事件現場も活動範囲内(?)
であることが多く、自分の知っている場所や地名が出てくると、小説のイメージが広がるような気がします。
今回も池田やら須磨やら吹田やら・・・と知った場所ばかり、しかも吹田は私の実家、ということもあって、
有栖川さんの作品には、その内容以上に親しみを感じます。




★『英国庭園の謎』(講談社)

【裏表紙より】
資産家の人知れぬ”楽しみ”が、取り返しのつかない悲劇へとつながる表題作。
日本中に大パニックを起こそうとする”怪物”『ジャバウォッキー』。
完璧に偽造された遺書の、アッと驚く唯一の瑕疵を見事に描いた『完璧な遺書』――。
おなじみの有栖川・火村の絶妙コンビが魅せる全部アタリの絶品ミステリ全6編を収録。

【収録作品】
『雨天決行』『竜胆紅一の疑惑』『三つの日付』『完璧な遺書』『ジャバウォッキー』『英国庭園の謎』

次から次へとまあ、ようこんなにたくさんの作品が書けるなあ、というのが率直な感想です。
1篇1篇の中身が濃いので、読んでいても読者は飽きないのです。私自身は『雨天決行』と
『完璧な遺書』が特に面白かったです。




★『ペルシャ猫の謎』(講談社)

【裏表紙より】
ミステリ史上屈指の禁じ手!?が炸裂する表題作、『ペルシャ猫の謎』、名バイプレイヤー・森下刑事が
主役となって名推理を披露する『赤い帽子』他、傑作ミステリ6編&ボーナス・トラックとして『猫と雨と
助教授と』を収録。臨床犯罪学者・火村英生とミステリ作家・有栖川有栖の名コンビは、
さらに華麗に加速する!

【収録作品】
『切り裂きジャックを待ちながら』『わらう月』『暗号を撒く男』『赤い帽子』『悲劇的』
『ペルシャ猫の謎』『猫と雨と助教授と』

たしかに『ペルシャ猫の謎』には、えっ!?というような意外性がありました。
そんなんアリ!?とも感じましたよ・・・。




★『マレー鉄道の謎』(講談社)

【裏表紙より】
マレー半島を訪れた推理作家・有栖川有栖と臨床犯罪学者・火村英生を待ち受ける
「目張り密室」殺人事件!
外部へと通じるあらゆる隙間をテープで封印されたトレーラーハウス内の死体。
この「完璧な密室」の謎を火村の推理は見事切り伏せられるのか?
真正面から「本格」に挑んだ、これぞ有栖川本格の金字塔!

<国名シリーズ>の第6弾で、この作品は第56回(平成15年度)日本推理作家協会賞を受賞されました。
密室ってどうも私は苦手なんですけども・・・特に物理的密室が苦手です。




★『スイス時計の謎』(講談社)

【裏表紙より】
2年に一度ひらかれていた”同窓会(リユニオン)”当日、メンバーの一人が殺害され、
被害者のしていた腕時計が消失!
犯人の意図に臨床犯罪学者・火村英生と推理作家・有栖川有栖が迫る表題作のほか、
ダイイング・メッセージ、首なし死体、密室と、本格ミステリファンには堪えられない
超絶品全4編。有栖川有栖の真髄がここに!

【収録作品】
   『あるYの悲劇』『女彫刻家の首』『シャイロックの密室』『スイス時計の謎』 

 <国名シリーズ>の第7弾です。『あるYの悲劇』は他のアンソロジーにも収められています。
『スイス時計の謎』はけっこうややこしかったです・・・。




★『山伏地蔵坊の放浪』(東京創元社)

【戸川安宣氏による”解説”より】
本書は、今はなき小説誌<コットン>をはじめ、数誌に跨って1990年の4月から断続的に発表され、
今回纏めるにあたりおしまいの一編が新たに書き下ろされた、《日本のクイーン》有栖川有栖の最も
新しい、そしてまたきわめて異色の作品集である。
なにはともあれ、主人公の探偵役が地蔵坊という名の山伏だというのだから、尋常一様のもので
あるはずがない。だが、そういう外見的な物珍しさではなく、実際これは具に見ていくと実に
珍しい形式の、ちょっと大袈裟な言い方をすれば凡そ70年ぶりに出現した推理短編集なのである。

【収録作品】
第一話:『ローカル線とシンデレラ』
第二話:『仮装パーティーの館』
第三話:『崖の教祖』
第四話:『毒の晩餐会』
第五話:『死ぬ時はひとり』
第六話:『割れたガラス窓』
第七話:『天馬博士の昇天』

探偵が山伏という少し変わった設定ですが、短編そのものは読みやすく、トリックも、難解というよりは
「ああ、なるほどなあ」と読めば納得するものでした。山伏が旅の途中で出くわした(ということになっている)
事件を、とあるスナックで親しい客たちに語る、という形式で書かれています。
一編ごとに、装束など山伏に関することが写真やイラスト入りで紹介されています。




★『ジュリエットの悲鳴』(実業之日本社)

【収録作品】
『落とし穴』『裏切る眼』『遠い出張』『危険な席』『パテオ』『多々良探偵の失策』『登竜門が多すぎる』
『世紀のアリバイ』『タイタンの殺人』『幸運の女神』『夜汽車は走る』『ジュリエットの悲鳴』

短編集ですが、あまりに面白いので一日で読み終えました。
完全犯罪かと信じていたのに思わぬところに落とし穴がある『落とし穴』 に始まり、
一編一編がハラハラドキドキしますよ。そして、オチに思わず唸ってしまいます。




★『暗い宿』(角川書店)

【帯より】
廃業が決まった取り壊し直前の民宿、南の島の極楽めいたリゾートホテル、
冬の温泉旅館、東京都心の豪華なシティホテル・・・・・・。
様々な<宿>で起こる難解な事件に、臨床犯罪学者・火村英生と推理作家・有栖川有栖が挑む、
本格ミステリ作品集!

【収録作品】
『暗い宿』『ホテル・ラフレシア』『異形の客』『201号室の災厄』

舞台になったのが私の住んでいる近くの温泉ということもあって(?)、『異形の客』が面白く感じました。




★『絶叫城殺人事件』(新潮社)

【帯より】
黒鳥亭で起きた、あの事件が始まりだった。

続く事件の現場は、壺中庵、月宮殿、雪華楼、紅雨荘。
独特なアウラをまとう建物で、殺人が続いてゆく。
そして、無差別的連続殺人事件が起きた。
真犯人への手掛かりは、”絶叫城”に?!

名探偵には、館こそがふさわしい。

【収録作品】
『黒鳥亭殺人事件』『壺中庵殺人事件』『月宮殿殺人事件』
『雪華楼殺人事件』『紅雨荘殺人事件』『絶叫城殺人事件』

6つの館を舞台に起こった殺人事件を、おなじみの火村・有栖川コンビが解決する、という短編集です。
どれもよかったのですが、個人的には『絶叫城殺人事件』がよかったです。




本格ミステリコーナーのTOPへ