神戸市動物管理センター訪問記

昨今のペットブームから見えてきた様々な問題――終生飼育することなく途中で放棄する無責任な飼い主、
素人による自家繁殖の結果捨てられたり、収容施設に持ち込まれ処分される犬猫の数の多さなど――について知りたいと思い、
中塚先生のご紹介により、神戸市動物管理センターを見学させていただくことができました。
中塚先生、当日お話を聞かせて下さったHさん、本当にありがとうございました。

現実を知ることで自分に何が出来るのか、を探るとともに、自分の知ったことを伝えていくことで他の多くの方にも知ってもらい、
今一度”犬と暮らすこと””動物と暮らすこと”についても考えてみたいと思います。

 
ボランティアさんに抱っこされる子犬。
センターでステキな里親さんにめぐり会えるのを待ちます。


 


センターの玄関横では、里親待機中の犬たちが出迎えてくれます。

神戸市北区にある神戸市動物管理センターは、飼い主によって”不要”と烙印を押され持ち込まれた犬・猫や、
野良犬、捨て犬、捨て猫の引き取りを行い、一部の犬については譲渡制度を設けて里親さがしもしています。
動物管理センター(自治体によっては保健所、動物愛護センターなどと、名称が異なります)というのは
一定の期間保護収容して後は殺処分するところだ、という私の想像を覆したのが、ここ神戸市のセンターでした。
このセンターでは、殺処分はゼロではないものの、健康状態の良い若い犬たちは
拘置期間を過ぎてもセンターで暮らし、里親との出会いを待ちます。
しかし、残念ながら、人や動物に攻撃性のある犬、病気で回復の見込みのない犬、高齢犬、
そして猫に関してはあまりに膨大な数にのぼることから(犬の十倍近くの数にのぼっています)すべて殺処分となっています。
こういった現実をどう捉え、どう向き合うのか、見学させていただきお話を聞いた中で私が感じ考えたことをまとめてみます。



玄関を入ってすぐに、子犬のスペースがありました。来訪者に撫でてもらったり抱っこしてもらったりして、
幼い頃から人と触れ合うことで人が好きになって、人と幸せに暮らしていけるように、との配慮から
人の出入りの多い玄関口に彼らはいます。



玄関の壁には犬のしつけ等に関するパネルが、来訪者に見てもらえるように設置されています。
「しつけがうまくできなかった」「言うことをきかない」「こんな犬になるとは思わなかった」・・・
人間の身勝手な理由で飼育を放棄される犬がたくさんいます。
犬がどういう動物なのかということやしつけの大切さを伝えていくこともセンターの仕事の一環です。



この部屋は、センターの職員犬として活躍する”メリーさん”と”マリリン”が
センターの業務が終わったあと、夜を過ごす部屋です。
      メリーさんは月に一度の老人ホームへの訪問活動に参加。
マリリンは普段事務所にいて、来訪者の心を和ませてくれます。


訪問日を明日に控え、シャンプーしてスッキリしたお顔のメリーさん(左)と
人懐っこくて誰にでも愛想良しのマリリン(右)。



ここは治療室と呼ばれる部屋の一角です。この部屋では里親待機中の犬が夜を過ごします。
メリーさんとマリリンの部屋もそうでしたが、この部屋も冷暖房完備です。
仕切りのあるサークルなしのスペースや、ケージの中で翌朝まで過ごします。


この部屋にいつもいるのは「ヤネちゃん」。里親さんとのご縁を待ち続けています。



センターの敷地内で生活する里親待機中の犬たちは日中は外で過ごします。
暑さ、寒さしのぎの屋根にも工夫がなされています(写真左)。
また貯水池跡をドッグランとして活用しています。敷地内の散歩だけでは運動が足らないこともあるので、
このドッグランでたくさん走り回っています。相性がよくない子たちは別のグループに分けてここであそびます。
ドッグランの入口はボランティアの方の手作り(写真右)。脱走などのトラブルを避けるために二重の入口に。
ここでは随所に犬たちへの優しい気配りが感じられます。


このドッグランでは、ボランティアの人たちが連れてきた自分の家の犬もあそばせてもらっています。
                  とにかく広いので、運動不足を解消することができます。



ここは敷地内にある慰霊碑です。
お花や犬猫のおやつなど・・・お供えものが絶えることはありません。





次のページへ