私たちが見学に訪れた日も、収容されてきた動物がいました。
犬なのか、猫なのか、わかりません。
でも、無責任な人間によって粗末に扱われた命であることに間違いありません・・・。
私たちが収容棟を訪れた際には、3つほどの犬房に犬が9匹収容されていました。
そのうち1匹は迷子犬だったようで、狂犬病の注射済票がついていたため、
飼い主さんと連絡を取ることができ、無事に飼い主さんの元へ戻っていきました。
あとの子達は2匹が子犬、他はまだ若そうだけれど中型の犬たちで、どの子も雑種でした。
子犬は奥のほうでこちらのほうを見ながらしゃがみ込んでいましたが、
他の中型犬たちは人間に慣れているのか、私たちのほうへ寄ってこようとします。
迷子になったのか、捨てられたのか・・・放浪犬として通報をうけた犬も複数いたようですが、
人慣れしていることから「飼われていた犬ではないか」という可能性も捨てきれずにいる、と
職員の方は話してくださいました。
迷子犬であっても、鑑札や注射済票を身に付けている犬が少ない、と聞きました。
「私たちは飼い主を探す最大限の努力をしています。」と職員のHさん。
鑑札や注射済票があれば、飼い主が特定でき、電話が通じない場合でも住所から飼い主宅を訪問したり
文書で連絡することが可能なので「鑑札や注射済票は大事なんです。」とのこと。
迷子札ではダメなんですか?という私たちの問いには、「迷子札でも付いていればいいのですが、
中には字が薄くなって見えなくなっていたり、書かれている電話番号に何度電話しても通じないことが
あるんです。だから鑑札のほうがより確実です。」と答えていだだきました。
犬房の奥には少し小さめの収容房(子犬や猫用?)があり、更にその奥にはスリーピングボックス(ガス箱)がありました。
ここで犬や猫が処分されます。炭酸ガスによる処分です。
猫はほとんどすべて殺処分されています。
犬は、高齢でない子・重篤な病気でない子・攻撃性の見られない子は、里親さがしの対象になりますが、
そうでない子は処分されていきます。助けることのできる命にも限界があります。
「かわいそう」「どうして処分するの」とよくセンターにも電話がかかってくることがあるそうです。
でも、そうさせているのは誰でしょうか?
無責任な飼い方をした飼い主が必ずいるのです。
本当に責められなければならないのはその人たちです。
また、現在の”動物の愛護及び管理に関する法律”では、「みだりに動物を殺してはならない」としながらも、
「動物を殺さなければならない場合」の規定があるなど、その内容に大きな疑問を感じるものになっています。
私たちの怒りはこういったところへ向けていくべきなのではないでしょうか。
施設を全て見せていただいてから、なんともやり切れない思いに駆られました。
処分する機械にお金を掛けるのではなく、生かす努力のためにもっとお金を使ってほしい。
現場の人たちも私たちも、願うことは同じなのではないかと思いました。
だから、これから犬や猫を家族に迎えようとしている人たちや、すでに共に暮らしている人たちにも、もう一度よく考えてほしい。
終生飼育とはどういうことなのか?
病気予防や治療のために医療費を惜しまず世話が出来るのか、最期を看取る覚悟で共に暮らしていけるのか、ということを。
職員の方のお話によると、飼い主が自らセンターに犬や猫を持ち込むケースも少なくないということです。
老犬の持ち込みや、不妊・去勢手術を怠り、毎年シーズンごとに生まれた子犬・子猫を持ち込む人もいるのだそうです。
これがまともな人間のすることに思えますか?自分で増やしておいた命を簡単に捨てようとする人に、犬や猫と暮らす資格がありますか?
このような人には訪問指導を行うケースもあるとのことでしたが、どこか見知らぬ場所に遺棄するよりはまだマシだから・・・と
センターに持ち込む人たちには「よく連れてきてくださいました」と対応しているそうです。
先ほど述べたように、犬に関しては飼い主の持ち込みであっても、高齢や重篤な病気でない子については助かるケースもあります。
職員の方々も「命を生かす努力」のために力を尽くされています。
中には「言うことをきかない」「こんな犬になるとは思わなかった」という理由で持ち込む人もいるようで、
しつけの大切さを見直す姿勢から、職員の方々も定期的にしつけ方の勉強をされています。
助かった子達は里親さんとのご縁を待ちます。
里親さんが見つかるまでの間、センターで生活する犬たちのお世話をするのは、職員さんのほか、
ボランティアの人たちの仕事でもあります。散歩、ごはんの用意・片付けにブラッシング、シャンプー・・・
そして、何よりも犬たちとじっくり関わること。
今度こそ幸せをつかめるように・・・との思いでたくさんの人がボランティアとして関わっていますが、
それでも人手が足らないのが現状です。
里親さんのもとへ巣立っていった子たち
左から、サユリちゃん、みかんちゃん、ニコちゃん、オリーブちゃん。
見学を終えて・・・私にも、何か出来るんじゃないか、と思いました。
まずはこうして、自分の見聞きしたことを人に伝えていくこと、知ってもらうこと。
そして、自分の意見・考えをしっかり持つこと。人の意見・考えもしっかり聞くこと。
そうすることで、自分ひとりでは気がつかないことに気づくことができるかもしれません。
そして、ボランティアの一員として、里親待機中の犬たちと関わること。
処分寸前だった彼らとの触れ合いを通して、「犬」という動物についての理解を深め、
今以上に犬をいとおしく思い、彼らの姿から学ばせてもらうものがたくさんあるように思います。
また、現実問題として、粗末に扱われている命を目の当たりにすることで、不妊・去勢手術の重要性を
広く強く訴えていくことが出来ると思います。
不妊・去勢手術を怠りさえしなければ、犬以上に処分されている猫たちの、
その生をまっとうできる日が必ずやってくると信じたい。
そして、処分ゼロの時代を目指して・・・今はまさに種まきの時期かもしれません。
手間隙掛けて水をやり、やがて花が咲くように・・・共に頑張っていきましょう!!
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