★母の存在
もう、どれくらい前になるでしょうか。成人式に私に着せてやりたい、と母が振袖を購入してくれました。
ただ一度、成人式の日にだけ着た振袖・・・・・・。
その数年後、嫁ぐことになった私に、昔の自分の小紋や訪問着を仕立て直しに出してくれました。
黒留袖、喪服、色無地、コートは新しく仕立ててもらい、持たせてくれました。
主人のきもの・羽織も用意してくれました。
結婚式では白無垢を着ることを選びました。
お色直しのときにでも、成人式にと作ってもらった、あの振袖を着せてもらえばよかった、と今でも悔やまれます。
母のおかげで私はいつのまにか、きものが好きになっていました。
★着付け教室との出会い
結婚を機にせっかく私の財産になったきもの。でも、自分で着ることができません。
日本の女性できものを着る人がまだまだ少ないのは、自分で着ることができないことに原因があるのだと思います。
そこで私もなんとか着付けを学んでみたい、と思い(そのわりには長続きするか自信がなかったので)、無料の着付け教室に申し込みました。
ちょうど家の近くの会場でも開講されていたことと、このときはパートでの仕事をしていたので、仕事に行くまでの時間に通うようにしました。
この無料の着付け教室のよかったところは、実際に京都まで呉服屋さんや工場見学に連れて行ってくれることで、
参加するからといって無理に買わされたり、買うまでしつこく薦められたり、ということはありませんでした。
でも、見たら欲しくなるので、私はなんとか自分の収入で買える(といってもローンを組みました)程度の
半幅帯(訪問着にも合う長尺のものだったので今でも重宝しています)や草履を買い、
好きな色の訪問着も仕立ててもらいました。
逆にこの教室でよくなかったのは、先生ひとりに対する生徒が10名近くいたため、
『帯結びがわからない』と途中で言っても『どうしてわからないの』と先生に面倒くさがられたことでした。
こっちは初心者なんです。生徒さんの中にはお茶やお花、踊りをされていてきものを着る機会が多いという方もおられ、
その方たちはある程度自分で着付けのできる方たちでした。でも、私は違うんです。好きだけど、自分で着られない。
だから教室に通っているのに、なぜ『どうしてわからないの』と言われなければいけないのでしょう?
わからない生徒に教えるのが、先生の仕事であるはずなのに?
若い生徒が私とあともうひとりくらいだったのですが、初心者のせいで進度が遅れるのが迷惑だったのでしょうか。
『わからない』と言うと、なんと先生が私の帯を結び、『はい、できましたよ。こうするのよ』
で済まされたこともありました。これでは私の練習になりません。
・・・段々通うのが嫌になり、修了式を前にまったく行かなくなりました。
私と同じ年代の若い人も、いつのまにか来なくなっていました。
すると、ある日、教室の先生から自宅に電話がかかってきました。
『ずっと休んでいるが、修了式だけでも来られないか。やる気があるなら、
自分の開いている個人の教室に習いに来ないか』という内容でした。
私は丁重にお断りしました。
生徒が10人いたからといって、そのひとりひとりのフォローが出来ない先生に、
こちらがこれ以上教わることはないと判断したからです。
★もうひとつの教室
私は早速別の教室を探すことにしました。無料の着付け教室できものそのものは着られるようになったものの、
帯結びが満足に出来なくては、自分で着られる、ということにはなりません。
そこで、新聞のチラシに入っていた、家の近くの教室に通うことにしました。そこは主要な駅の近くにいくつも
教室をもっているところでした。無料のときの先生みたいな人だったらどうしよう・・・と行くまでは不安でした。
ところが、そこの教室の先生は(きっとそのやり方がその学院のどの教室でも行われているやり方だったのかも
しれませんが)きものの着付けを教えるときも、ご自身が長襦袢を着るところから丁寧に教えてくださったのです。
今までは言葉と、ボディー(着付けの練習用の体の部分だけの人形)に先生が着せるやり方でしか教わってこなかったので、
目の前の先生が自分達と同じように長襦袢を着られるというのは、手の動き、ひもの結び方など、
ちょっとしたことなのですが、とてもわかりやすく、自分が着るときにもイメージしやすく、
上達の第一歩だったように感じます。
結局私はその教室に数年通い(仕事をしながらだったので正直言ってしんどかったですが)、
そこの教室で教えていただけることは全て教えていただきました。
その間に私も正職員として勤務するようになったので夜間のクラスに通ったのですが、
夜間クラスの生徒は私を含めてふたりだったので、じっくり時間をかけて、
わからないことは何度でも教えていただくことが出来ました。おかげさまで
師範の資格も取れ、更に上を目指したいと思っていたのですが、それ以上上のクラスになると
生徒の数がある程度揃っていないと授業にならない、ということだったので、通うのは断念
することになりました。仕事をしながら梅田(大きな駅の近くの教室は生徒さんも多かった
みたいです)など家から離れたところに通う時間が取れなかったからです。
通っていた教室でも生徒数が少なかったので(多ければ更に上のクラスも開講して
いただけたようなのですが)、仕事のことを考えるとその時はあきらめるしかありませんでした。
★そして今、これから・・・
もう着付け教室に行かなくなって3年ほど経とうとしています。
きものを着るのもお正月か、友人の結婚式、ディナーショーに行くときくらいで、普段きものを着ることは
ありません。でも、きものの素晴らしさを知った以上は、できるだけ着る機会を多く持ちたいと思っています。
せっかく学んだこと・・・特に帯結びは大半は忘れてしまったので、また学びたいと思っています。
やはり着なければ忘れます。練習しなければ忘れます。事情があり、以前教わった先生が現在
着付けの先生のお仕事をお休みされているので、先生が復帰されたときには是非お願いしたいと思っています。
また、自分が着るだけでなく、外国人の方への着付けボランティアなどの活動に参加していけたらと考えています。