第3幕
脱走兵となり、密輸団に加わったドン・ホセ。
ミカエラが山深いアジトまで重要な知らせを持ってくる。

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 あらすじ

人けのない岩山に、ダンカイロ率いる密輸団がやってきます。
しばしの休憩の間、カルタ占いに興じるメルセデスとフラスキータ。
吉兆に大はしゃぎの二人だが、カルメンの占いは「死」を予言します。

見張りに残ったドン・ホセは人の気配に銃を撃ち、現れたエスカミーリョと決闘します。
銃声を聞いた仲間達に割って入られ、エスカミーリョは立ち去ります。
続いて身を隠していたミカエラが引きずり出され、ドン・ホセに母親の危篤を告げます。

エスカミーリョの抜け駆けを気にしつつも、ドン・ホセは一行と別れ、母に会いに行きます。


 2幕と3幕の間

第3幕の場面では、すでにカルメンとドン・ホセの仲はギクシャクしています。
この間に何があったか、具体的なことは書かれていません。

ただし、二人の「生き方への信条」とでもいえるものの相違が感じ取れる描写があります。

ドン・ホセはカルメンと行動を共にするようになった後も、キリスト教徒としての生き方を捨ててはいませんでした。
キリスト教では天国は「正しい者」の行くところですから、ドン・ホセはいまだに「正しく」生きたいと思っています。
ドン・ホセの台詞や歌を追っていくと、カルメンとともに堅気の生活をと望んでいることがわかります。

一方、カルメンはキリスト教徒ではありませんから、神様の戒律に縛られません。
「借りは返す」などといったジプシーの掟には従順ですが、「自由」であることが何よりも大事なのです。
人に指図されるのを何よりカルメンは嫌いました。

「生きるのも死ぬのも私の自由だ」
カルメンの生き方はこの一言に集約されています。


 死の予感

カルタの占いで、自分とドン・ホセの死の運命を知るカルメン。

オペラ・コミック版では「カルタの歌」の前にカルメンとドン・ホセが会話する場面があり、そこでは既にカルタ占いを何度もやっていて、二人の死を知っていることになっています。

「カルタの歌」の前に知っていたかどうかはともかく、カルメンはカルタの死の予言に驚くほど従順で、その運命を避けようとしません。
死ぬ運命ならば、それまでは好きに生きようと覚悟を決めたのでしょうか。

原作の小説でも、カルメンの最期の前にドン・ホセが家を空けるのですが、ドン・ホセはその間にカルメンがいなくなってくれればいいとどこかで思っていたのに反し、カルメンは待っているのです。
「殺されるならついていく、でもあんたとはもう暮らさない」

ちなみに小説ではコーヒー占いで、飲みほしたコーヒーのオリで占うものらしいのですが、舞台でやるには絵的に地味かもしれませんね。


 神出鬼没?エスカミーリョ

売り出し中の闘牛士、エスカミーリョ。
大スターなのに、ジプシーがたむろする酒場に現れたり、密輸団の潜む山に現れたり、不思議な人です。

ドン・ホセにカルメンに会うために来たと告げるエスカミーリョ。
決闘となりますが、密輸団の仲間に割って入られます。

オペラ・コミック版では、ミカエラを山へ連れていった案内人がいるのですが、彼の台詞の中で、途中エスカミーリョの追っていた野牛の群れに遭遇したことがわかります。

どうも牛も追いかけていたらしいですね。

ちなみにオペラではエスカミーリョはトレロ(マタドール)、つまり闘牛の最後で牛を殺す闘牛士なのですが、原作小説ではルーカスというピカドールで、ドン・ホセと決闘するまでもなく、闘牛の最中に牛の下敷きになって重傷を追い、お話からは退場となります。



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