uk7.jpg (14212 バイト)   11月12日

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 英国の自治体の基本は,競争と説明責任,そして情報公開

 イギリスの自治体の基本姿勢は,競争と説明責任である。強制競争入札制度が廃止され,ベスト・バリューに移行した今もなおその姿勢は堅持されている。そして,説明責任を果たすために情報公開を重視し,自治体が行っていることが適切かどうか監査が徹底されている。

 自治体が市民に提供するサービスは限られている。優先順位をつけて,選択し,どの程度の水準を提供するかを決定し,そして最良の方法を見つけ出すことが自治体の責務であるとされている。イギリスも良くなったとは言え,失業者は日本よりもはるかに多い。厳しい状況は変わりがない。自らの仕事について,不正がないか,有効で,効率でかつ経済性があるかについて外部の独立した組織に監査を受け,公表するという仕組みが自治体のあり方を支えている重要な要素と言えそうだ。

 イギリスの監査制度で今回訪問の主目的であるベストバリューに関係するのが自治体監査機構(Audit Commission)という組織である。日本からの調査が多く,訪問を断られて今回はヒアリングはしないが,監査を受ける側でどのようにAudit Commissionを見ているのかは尋ねてきたいと思っている。

 自治体監査機構(Audit Commission)は,自治体からの監査手数料で運営している独立の監査機関である。監査機関といっても日本のように不正防止からの観点からではなく,いわゆる3E(有効性,効率性,経済性)の監査が中心だ。そのため,調査研究機能が充実して,自治体の将来直面する課題を先取りしており,その調査研究は自治体へも広く還元されている。今,日本の導入ブームの行政評価であるが,お手盛り評価という批判は免れない。監査のあり方で学ぶ点は多い。

 イギリスの自治体の業績公開義務は,1992年から。その公表に使われる指標がPerfomance Indicatorといわれるもの。同機構が定めているこの指標を使って毎年,自治体ごとの数値が公表されるので,サービス水準の自治体間の比較が一目瞭然になる。行政評価での評価の方法に,「比較する」ということが大きな要素のひとつ。ナショナル・ミニマムのサービスでは,日本でも比較できる指標が必要で,それが市民にわかりやすい行政評価につながる。

 自治省が来年3月に行政コスト計算書の作成方法を報告書にまとめる。内容はともかくバランスシートで自治省方式が浸透して多くの自治体が公表を始めていることが示すように,今後,自治体にとっての最低限のサービスの指標についてはガイドラインが望まれるのではないか。

 ベスト・バリューにおいてもAudit Commissionが業績指標を決定している(従前から使用している指標もある。政府や自治体が独自に決めている指標もある)。指標ばかりではなく,最近,日本の自治体でもキーワードになている顧客満足(イギリスでは,Users Satisfactin)のガイダンスなどを発行して,自治体の取り組みをサポートしている。簡易な方法で調査を統一して,比較を容易にする意図があるかもしれない。

 さらに,評価をやりっぱなしにせず,その後をフォローしていくことが大切だ。全自治体のベスト・バリュー・パフォーマンスプランはAudit Commissionホームページから見ることができる。数値の比較ばかりではなく,他の自治体と課題の捉え方や取り組み結果を比較することができる。

 ベスト・バリューでは,このAudit Commissionの役割が大きい。その仕組みとともに,その制度を支える監査という視点で明後日からの今回のヒアリング調査に望んでいきたい。

 

 一人でイギリスにやってきて,ちょっと不安はあるがようやく雰囲気になれてきた。明日は,訪問先のLGA,Newhamの下見とCrydonのLight Railの見学に行く予定だ。


 せっかくのイギリス。日曜日で調査日程のないこの日は市内の散策を楽しんだ。日曜なので,道路渋滞がないので,赤い二階建てのバスを利用したが,路線を間違ったり,今,自分がどこにいるかも見失ってしまう連続。大英博物館やナショナルギャラリーは今度の土日に行くことにして,バスでテイムズ川周辺まで行って,パディントンに至るまで足の向くまま6時間ほど歩いてみた。途中,バッキンガム宮殿のそばをとったが,ホームレスが公園のトイレなどに寝ているのを見つけ驚いた。警察官も鷹揚な態度で,国民性の違いをつくづく感じた。

 観光の定番スポットと今日は街並み探訪に住宅街なども歩いてみた。道路にはゴミが散乱して,とにかく汚い。ベストバリューで道路清掃がでてくる理由がわかったような気がする。子供が袋を片手にボランティアで,ゴミ拾いをしていた。

 コミュニティセンターという建物を見つけて入ってみた。サークルやイベントの掲示が外に見えるように表示しているのが印象的。建物は,100年以上も前の大きめな住宅のような感じ。中にいた人に中国人と間違えられたが,マイノリティが多いためか,私が入っていても違和感はなかったようだ。3〜4の部屋だけで特別の設備はない。日本のやたらお金をかけたコミュニティセンターとは大違いだ(カメラの電池が切れ,写真を撮れなかったのが残念)。何のサークルかよくわからなかったが,「参加していきなさい」と言われ。丁重に辞退した。こんなところに来る日本人に興味を引かれたようだ。

 ロンドン中心部なので,ほとんど庭のないタウンテラスのような住宅が多い。あまり広い感じはしない。イギリスでは住宅政策が自治体の仕事として大きな位置を占める。公営住宅も少なくない。しかし,同じ住宅でも補助をつけて隣の家同士で購入価格が違うことも珍しくないようだ。住宅政策への考え方の相違が面白い。

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バッキンガム宮殿


 (イギリス一口余話)

 ロンドンを歩くと,アジア,アフリカ,中南米系など外国人が目に付く。私の泊まっているエコノミーホテル,レストラン,バスの運転主,道路清掃の人など,よく見ているとすべてこのマイノリティーの方たちばかり。ロンドンリサーチセンターの資料によれば,ロンドンの25%以上をマイノリティー占める。もう,マイノリティーとは言えない存在になっているようだ。日本も将来高齢化が進み,労働移民を許可するとこんな光景が見られるかもしれない。


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