これまで,行政評価の理論的な調査研究を進めてきたが,評価シートそのものの記入は初めて行った。 記入モデルは,観光関係の事業を題材にしたが,あくまでも評価シートのシュミレーションが目的で,事業そのものの実際の評価を行ったものではなく,事業費,指標関係のデータも不十分なため,正確さや評価の的確性は欠いているので念のため付言する。
記入例1(穴口作成) 記入例2(長谷部作成)
実際に評価シートを記入して,感じた留意すべき点は,以下のとおりである。
1 計画体系図による施策,事業の成果を明確にすること。
事業と施策,事業間の関係を整理して並べることによって,求める成果,目指す方向が見えてくる。また,他の施策の元にある事業も何らかの関連があるものは,一覧で見えてくるため,改善の方向を考える上で,連携や共同化,重複など様々な角度で事業を検討できる。
計画体系の概観 実際は,さらに詳細な分析が想定される(課題や問題点などとその解決の方向など種々の要素をいれて分析・描くべきものと考える)。
計画体系は,上位の目標とその成果、施策、事業の成果を,体系にそって並べ替え,計画全体の事業,施策の位置づけを明らかにすることにある。政策ー施策ー事務事業に沿って,高次の成果,中位・下位の成果が描かれる。事務事業の成果が,施策の成果をもたらすものであり,計画体系図は評価をする上で前提になる。
2 成果には,様々な要因が影響する。
世の中の動き,市民の考え方,他市町村の動向,企業の行動,消費動向など,一見直接関係ない部分についても,敏感に捉えていくことが重要である。企業のマーケティングと同様に,普段からこうした積み重ねが要求されている。“時代を見る目”が養うことが職員に求められる。
3 目標管理型が評価のすべてではない。
調査など事業を企画する前段階の調査などは,成果指標を求めることは難しい。この場合は,事業効果を測定するための必要性,活用の範囲,代替できるものの有無などが,評価の重要なポイントになり,すべて目標管理型を中心にするには無理がある。成果指標は設定するが,評価のポイントとしては前者を重視すべきである。
4 成果指標は,場合に応じた補強が必要である。
継続的な事業と単発の事業でも成果の大きさを評価する場合,継続事業は成果の増減を期間内の各年度で比較できるが,単発事業ではそれができない。目標値の設定で,達成率が低いから効果が薄いと短絡的に判断しないことが大切である。継続事業も同様であるが,目標値が適切であったか,他の外部要因の影響は?,などの評価のよって補強することが必要である。
5 成果と成果指標は一致する。
事業の目的は何かをはっきりさせることで,事業の成果が明確になる。目標が達成されることが,成果であり,成果指標に具現化される。成果指標の設定に悩んだときは,成果・目標にかえって考え直すことで成果指標を考える。
6 データベース構築が必要である。
市民満足では,既存の市民モニターやアンケート結果などが死蔵されている。データベース化が必要であることを強く感じた。今後,庁内に普及するイントラネットの有効活用が求められる。
7 コスト評価は様々な切り口で
評価表の事業費は,直接事業費+職員費=事業費を基本にするが,ハード施設には,減価償却費という発生主義会計に基づくコストを考慮すること,また,利用者一人あたり○○○円など単位コストを算出する,他類似事業,周辺市町村,全国との比較など,コストを様々な切り口で見たうえでコスト評価することで,適否が判断できる。
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