政策課題研修ー「行政評価を考える」(7月23日)

会場:自治研修センター

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b1.gif (249 バイト) 基調講演・「政策科学の考え方」(講師:山口二郎・北大法学部教授)

 以下は,筆者が山口先生のお話をこういう視点で受け取ったという内容をまとめたもので,先生の意図と反する内容があるかもしれませんので申し添えます。

 (地方分権の世界的潮流)

 国家は,時代の要請によりその役割が変わる。昔は軍事・治水・土木インフラなどだった。この役割は国が発展すればするほど低下してゆく。19世紀より規模の大きい包括的サービス(National Minimum Service)の要求が強くなってくる。国家は最低限のサービス,平等・画一的なサービスを提供するようになる。

 しかし,住民はミニマムだけでは満足しなくなる。時代の変化とともに多種多様で高度な欲求が生ずる。地域的にもニーズが多様化し,こうなると国家だけでは耳を傾けれない。もっとローカルに対応する必要が高くなる。成熟社会においては,身近な行政機関である地方公共団体がもっと住民に近く,ローカルに問題を対処していくべきである。

(スッコトランドの地方分権=Devolution)

 スコットランドはイギリス北部,人口500万人の地域であり,人口・気候など北海道に似た点が多い。

 スッコトランドでは最近,北海道開発庁のようなスコットランド省なるものをやめ,一つの自治政府を発足させた。道庁+開発庁のような機関である。

 サッチャー政権は,新保守主義の小さな政府を目指し,財政支出削減・緊縮財政・大規模な民営化・規制緩和を進めた。しかし,この政策を徹底させるため地方に対して中央政府からの指示監督が多かった。

 スッコットランドの政治意識としては,社会サービスや教育水準などソフト面の水準を高めたいと思っているし,又,国からの指示は受けたくないという意識も強い。

 内政上の権限・財源などスコットランド自治体は制度構想を長いスパンで考えており,改革の具体的青写真はいつも手元にあったという。そこに労働党政権誕生が誕生し,無理と思われていた地方分権が実現の運びとなったのである。

 時代は不安定である。揺らぎの中で物事が変わるタイミングはいつか必ずくる。志高いものを常に用意しておけば,実現するチャンスがくる。スコットランドは産業革命の時代に石炭の中心地として栄えたが,北海道と同じく1960年代産業構造転換によりさびれた。そこで,新しい産業を誘致しようと考えたのであるが,日本と違う点は,持続可能で地域経済を引っ張る産業を考えた。

 それが半導体製造工場の誘致である。現在進めている誘致は,通信革命に伴う成長産業,コールセンターである。情報を集めて将来像を予測する。情報戦略にはリスクが伴う。しかし,これからの行政にもリスクを問う姿勢が必要である。これからどのような産業を育てるか,企業は何を考えるか,戦略・情報が無いと将来を生き残れない。地域開発は,あえてリスクをとらないと成功はない。

(政策と行政評価)

 政策には,需給のミスマッチが生じている。行政の責任感の欠如が問題となっており,行政への不満要因が何なのかを明確にすべきである。住民が,政策に関心を持ち,責任をシェアするシステムが今後の政策形成には必要で,行政評価もその一手法と言えよう。

 政策に係る負担は,市民に直接降りかかってくる。行政需要は無限に膨張するが,行政として対応できるものを設定しなければならない。これをいかにコントロールしていくかが重要なポイント。

 行政評価は,基準にどのようなものをつくるかが重要なファクターになる。投入(INPUT)に対して,産出(OUTPUT)は一般的だが,効率であっても目標からずれていれば失敗になる。評価にはさらに進んで,効果(OUTCOME)を図るもの。

 行政評価に過大な期待はあるが,評価基準のもっているバイアスを考えなければならない。行政の中味を転換するのは容易なことではない。内部の注意を喚起する心構えにしかならないとの声はある。評価情報をいかに生かしていくかが重要で,市民に見える形でフィードバックすることが大切だ。

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