政策課題研修ー「行政評価を考える」ー報告事項

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b1.gif (249 バイト) メンバーからの報告(長谷部)

 東京都の報告書―「東京都政策指標の開発に向けて」(99.8東京都政策報道室)の分析を行った。

 この8月に公表された政策指標は,都の現状を都民の眼で「チェック・アップ」するという意味で,「TOKYO CHECKUP LIST99」と呼ばれる。

 今後,開発を目指す“東京都政策指標”のたたき台と言えるものである。

 今回は,東京都が229の指標をピックアップし,都政モニター250人のアンケート(回答232人)により99の指標に絞込みを行った。いわゆるベンチマークと呼ばれるものだが,今回は目標設定までには至っていない。

  1. 政策指標の意義

報告書は,政策指標の意義を次ぎのように位置付けている。

  • 個別政策分野後との現状・目標が一目瞭然に

  • 市民、議会,行政が議論の共通土俵をもつ

  • 状況の悪化,目標の未達成が明確で,資源の重点,優先配分ができる

  • 担当部局が,予算獲得から成果志向へ

  • 目標を達成できない説明責任が強まる

また,政策指標には次ぎのような意義がある。

  • 指標の過去の推移が示され,政策目標達成度の検証が可能で,一覧性により都政の課題を容易に把握でき,政策判断が可能になる。

  • また,行政の成果を積極的にディスクロージャーし,行政と住民の情報共有が可能に。目標の設定や達成過程において行政と住民の協働が生まれる。

  • 自治体間の多様性の中での競争を意識し,行政にも市場競争原理が導入される。

  1. 指標の設定方法
  • 指標は,229を東京都が選定し,分かりやすさと必要性の視点からアンケートの結果(「わかりやすさ」と「必要性」を4段階評価でたずねた。)により,平均3.0を基準点にプロット分析を行った。「分かりやすさ」「必要性」がともに高い指標は92あったが,オレゴンのベンチマークが当初の250程度から92に絞込みをしていること,多くの指標では焦点がボケること,アンケート結果も50から100が適当とされたことなどを考慮して,99の指標を設定している。
  • 分かりやすさは,「一般市民が指標のもつ意味を理解」「市民が生活の変化を実感できる」もので,行政用語や専門用語を使った指標は「わかりやすさ」「必要性」が低くなる傾向を示している。

  •   都政全体において、都に力を入れてほしい分野として特に回答数が多かったのは、「環境・エネルギー・ごみ・リサイクル」と「福祉・医療・健康づくり」の2分野。  

  •  “TOKYO CHECKUP LIST 99”は、政策指標をイメージするための試案で, 十分な議論の上で東京の現状を表わすより適切な指標を選択する

  • 政策指標は、数値目標を示し得ても、目標を達成するための方法や費用を明示していない。目標値の設定にあたっては、事務事業の見直しや政策・施策の選択など多方面の政策論議が必要とされる。

  • 政策指標は、自体に目的があるわけではない。政策の目標と実績を住民にわかりやすく示すことにより、住民に開かれた共通の土俵で政策論議を活性化し、行政活動の質の向上に結び付けていくことが大切だ。

 以下が,99の指標であるが,ユニークなのもとしては,「1年間のうち富士山の見える日数」「東京の夜空に見える星の数」などが挙げられるが,これは,ベンチマークとして政策の象徴しての意味合いが強いように思われる。 

 社会指標としてよく耳にする(「失業率」「物価上昇率」)や生活に密着した指標(「一人当たり1年間に出すごみの量」)などが分かりやすい。

 産業・経済のトップにある東京を反映して,経済的な指標が少ないのが特徴的で,指標設定にあたっては,個性を重視して指標設定のあり方を示唆するものと感じられた。

■TOKYO CHECKUP LIST 99

福祉(高齢者、障害者等)

医療

健康づくり

1

特別養護老人ホームへの入所を待っている高齢者の数

2

在宅介護支援センターの数

3

企業における障害者雇用率

4

障害者施設への入所を待っている人の数

5

エスカレーターやエレベーターの設置されている駅舎の割合

6

障害者が円滑に利用できるバスの割合

7

日頃健康のために何かしている人の割合

8

10万人当たりの成人病による死亡者の数

9

100万人当たりのエイズ患者数・HIV感染者数

10

10万人当たりの一般病院の病床数

11

119番通報をしてから救急患者が病院に収容されるまでの時間

12

10万人当たりのホームヘルパーの数

13

10万人当たりの看護婦の数

14

在宅又は施設で介護を受けている高齢者のうち満足している人の割合

15

障害者のうち、現在の生活に満足している人の割合

16

都立病院の外来患者の平均待ち時間(受付から診療までの時間)

安全(防災、

防犯、交通安全)

17

阪神・淡路大震災レベルの地震が発生した際の死傷者数

18

阪神・淡路大震災レベルの地震が発生した際の建物倒壊率

19

阪神・淡路大震災レベルの地震が発生した際のライフライン施設の被災率

20

防災市民組織が組織されている割合

21

10万人当たりの火災発生件数

22

治水安全度達成率

23

刑法犯の検挙率

24

110番通報をしてから警官が到着するまでの時間

25

10万人当たりの交通事故による死傷者数

環境

エネルギー

ごみ

リサイクル

26

低公害車の普及率

27

窒素酸化物の大気中の濃度

28

大気汚染健康障害の認定患者数

29

1年間のうち富士山の見える日数

30

光化学スモッグ注意報の発令回数

31

多摩川、隅田川のBOD値(生物科学的酸素要求量)

32

一人当たりのCO2排出量

33

一人当たりエネルギー消費量(電気、ガス等)

34

一人当たり1年間に出すごみの量

35

1トンあたりのゴミ処理費用

36

一日当たりの産業廃棄物の量

37

ごみのリサイクル率

38

大規模再開発地区等で利用されている再生水の量

39

東京湾に生息する魚介類・水生生物の種類

40

赤潮の発生日数

41

東京の夜空に見える星の数

42

内分泌かく乱化学物質(ダイオキシン等環境ホルモン)の大気(土壌・河川)中の濃度

産業

情報化

43

事業所の開業率

44

企業の特許出願件数

45

国際会議の開催件数の世界の都市の中での順位

46

仕事や家庭でコンピューターを使っている人の割合

47

窓口に行かなくても行える申請・届出(電子申請・電子届出)の数

48

ワン・ストップサービス(1つの窓口で複数の事務処理が終了する申請手続き)の事務処理件数

雇用、労働

消費生活

 

49

失業率

50

中高年齢者の失業率

51

65歳までの継続雇用制度を実施している事業所の比率

52

勤労者が自由に使える一日当たりの時間

53

世界の大都市の中での東京の物価水準の順位

まちづくり

都市基盤整備

(道路、交通、港湾等)

54

地区計画の策定件数

55

多摩地域の昼夜間人口比

56

都内の事業所に通う人の平均通勤時間

57

混雑時における自動車の平均走行速度                                     

58

ラッシュ時1時間に30分以上閉まっている踏切の数

59

駅前に駐輪場が整備されている駅の数

60

最混雑時の鉄道混雑率

61

東京港貿易額

62

羽田空港の国際線旅客数

住宅、住環境

 

63

一人当たりの住宅床面積

64

最低居住水準を満たしていない住宅に住んでいる世帯数

65

住宅取得費の年収倍率

66

一人当たりの公園面積

67

道路の緑地面積

68

電線の地中化率

69

高齢者や障害者向けの公的住宅の戸数

少子化問題

教育

生涯学習

70

女性が一生のうちに産む平均的な子供の数 

71

時間延長型保育サービスを実施している保育所の比率

72

育児休業を取得している割合

73

就業継続を望みながら、子育てのために退職した人の割合

74

小中学生のうちストレスを感じている子供の割合

75

小中学校一学級当たりの児童・生徒数

76

児童・生徒1万人当たりの登校拒否による小中学校長期欠席者数

77

都立高校の退学率

78

生涯学習講座の受講者数

79

小中学校において授業を理解している子どもの割合

80

特色あるカリキュラムを導入している学校の数

男女平等、人権

市民活動

81

男女の賃金格差

82

男女の家事時間の差

83

管理職に占める女性の割合

84

夫等から暴力を受けたことがある女性の割合

85

男性の育児休業取得率

86

ボランティア活動をしている人の割合

87

NPO(民間非営利組織)法人の数

国際交流・協力、

文化・スポーツ

88

東京を訪れる外国人旅行者数

89

災害時の語学ボランティア登録者数

90

歴史的建造物の保存戸数

91

身近に利用できる運動施設がある人の割合

基本指標

92

一人当たりの都民所得

93

都道府県の中での財政健全度(経常収支比率)の順位

94

都税収入に対する徴税費用の割合

95

都職員の国家公務員に対する給与の水準

96

都民一人当たりの都債残高

97

都政に満足している都民の割合

98

東京が暮らしやすいと思う都民の割合

99

住民サービスを行っている公共施設のうち土曜・日曜及び夜間に利用できる施設の割合

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