政策課題研修ー「行政評価を考える」ー報告事項

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b1.gif (249 バイト) メンバーからの報告(長谷部)

   行政評価とベンチマークの可能性  

 民間の経営手法であるベンチマークは,日本の企業でも取り入れられ,行政評価としては,アメリカのオレゴン州の事例が代表例とされる。

 東京では,9月から東京都政策指標のたたき台として「TOKYO CHECKUP LIST99」としてはじめて導入されている。

 自治体の目標として,具体的な数値目標を設定して,住民に公開,その達成度を通知表のように示して,主として予算配分など政策の選択に活用するものである。

 この有効性について,ベンチマークという言葉・数値目標に気を取られがちであるが,設定までのプロセスや住民,行政の協働,活用の仕方などが併せてベンチマークの効果を高めるものである。

 オレゴン州の事例からその効果及び札幌市での活用について考察する。

1 オレゴン州のベンチマーク

  まず,その特徴について表にまとめると以下のとおりである。

 ■オレゴン州のベンチマークの特徴

設定の目的は何か
  1. 政策の達成状況を測定する
  2. 政策課題の発見する
  3. 優先順位,優先政策を選択する(効果的なINPUT)

(特徴)

  • 州全体の社会・経済状況をカバーする包括的なシステム
  • 成果に焦点を絞って,住民との協働の結果として,成果を再定義
  • 新規事業の選択や見直しについての住民の目でみた再構築のツール
  • 住民とのコミュニケーションツールとして,住民が深く能動的に参加している。
策定過程の特徴
  1. オレゴン・プログレス・ボード(OPB)といわれる独立委員会を設置
  2. 市民,NPOなど住民の参加(数千人の規模)
  3. 市民に分かりやすく,利用しやすく継続的な改訂を行っている(当初は,数百あった指標を現在92に)。

(参考)オレゴン州の人口=約314万人

(1994年のベンチマーク改訂時の参加例)

  • 直接参加=OPBは,93年タウンミーティングを29回開催,住民が直接参加して重要な課題を発見
  • 郵送調査=ベンチマークの優先付けに12000人の郵送調査を実施
  • 意識調査=重要分野について,1300人の面接調査を実施
  • 専門家の評価=公共政策や業績測定の専門家の意見調査
どのように活用されているのか。
  1. 内部の調整

  予算の順位,プランニング,業績測定との連携

  • 目標達成のためにどのぐらいの予算を割くべきかの選択,また,どのような事業を計画するべきかプランニング,事業の業績がどのぐらいあったなどが測定が容易になる。
  1. 住民参加
  2. 連邦政府との調整
  • 政策課題に対する共通認識をもち,調整や役割分担に活用
  1. 政策提言に活用
  • 目標達成についての市民やNPOの参加して,より効果的な政策の提案に結びついている

上記は、「米英の地方行政における政策評価の新しい潮流」(東京都政策報道室99.8)をもとに追加修正して作成した。

2 札幌市での活用について

 数値指標は,今回のテーマである「市民に分かりやすい評価システム」にもっとも適する指標といえる。

 11年度からはじめた札幌市の事務事業評価は,今後,全事業に拡大するが,個々の事業に市民参加を求めることは,結果の公表は当然としても,時間や費用などを考えても難しい。

 札幌市の重要な課題であるパートーナーシップを具体化する上で,大きなテーマである政策に関する目標設定をともに作り上げることは,協働を進めるカンフル的な役割を担うものと思われる。

 オレゴンでも同様であるが,政策目標は,札幌市だけが担うものではなく,国,道,そして企業,NPO,市民の協働により達成するものという意識の形成にも役立つものと思われる。

 しかし,指標そのものは,オレゴン州においても最適なものが整っていたわけではなく,住民参加による行政,住民協働の具体的な成果である。

 したがって,直ちに数値目標を設定することは,現実的ではない。

 11年度には,第4次札幌市長期総合計画を策定するが,策定過程において積み上げた指標,市民の意見などを土台に,計画にそった代表的な指標をまず選択して,これを市民にフィードバックし,市政世論調査,市政モニター調査など既存の意向調査などを有効に活用しながら,指標づくりを進めていく方法が効率的な方法ではないか?。

 また,グループでは,評価の階層性に着目して,事務事業評価,施策評価,政策評価の3段階程度に分けなければ,体系的な評価は難しいという見方が一致した意見であり,ベンチマークとの関係などを明確にする必要がある。

 図のように,3段階程度の評価システムが必要とされようが,中間的な評価システムについてどのような手法が適当か,また,ベンチマークの具体的な構築方法については,今後の研究・検討課題のひとつとして調査研究を進めることとしたい。

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