政策課題研修ー「行政評価を考える」ー報告事項 |
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評価手法の分類と特徴
1 評価の時点による分類 【事前評価】 ある政策課題に対して,最適な施策などを選択する上で有用な情報を得るための評価。?当該の必要性・妥当性,?目標(複数)の設定,?想定される政策の選択肢について,リスクや不確実性も踏まえ,便益と費用を勘案し,最適と考えられるものを検討する。 【事後評価】 施策などが成功であったか否かを判定するために行う評価。施策などを一定期間実施した後または終了後に,事前評価段階に想定した社会的便益や社会的費用を生み出したか,当初想定していない効果があったかなどを分析。改善策,将来の政策立案に活かす。設定した業績指標や目標(値)が,妥当なものかどうかも検証される。 【モニタリング】 事後評価の施策などについて,その実施状況の善し悪し(効率性など)を監視するもの。定期的に,事前の段階で設定した業績目標(値)の主なものについて,達成状況を測定する。結果の要因,問題点,改善策などを検討する。施策の効果ha,一定の期間を要し,当初予想していない異常な事態が発生していないかを見守るという色合いが強い。因果関係の分析や,有効性や効率性についての厳密な分析は行わない。 2 効率性に着目した手法 効率性とは,投入された資源量に見合った結果が得られるか,または得られたのか,という観点での評価。 【費用便益分析】 費用便益分析とは,施策により発生する社会的費用や社会的便益を推定または測定し,これを貨幣価値で表示し,その比較により実施の妥当性を判断する手法である。 社会的便益=事業の結果による社会構成員にとっての効用の増大,社会的費用=事業に投入する資源。 (社会的便益―社会的費用)が大きくなるほど望ましい。 (メリット)
(デメリット・限界)
結果のみを絶対視するのではなく,分析の前提条件,使用するデータ,本分析に乗らない要因(定性的なものも含む。)なども十分吟味し,かつ,明示する必要がある。 専門性や相当な情報を要するため評価のコストが高く,分析に使用するデータを完備し,モデル構築が必要 【費用対効果分析】 社会的費用や社会的便益について,比較する手法。費用のみを貨幣価値で捉え,便益一単位当たりの費用を比較する方法。 社会的便益と社会的費用を費用便益比(便益÷費用)で表現できるので,費用便益比により,複数の施策の効率性について相対比較が可能である。 (メリット)
(デメリット・限界)
定性的な情報も軽視せず,また,分析の前提条件や,使用するデータ,定性的な要因などについても考慮し,明記することが重要である。 様々な便益や費用を数値としての把握することを要し,それぞれのウェイトの検討が必要で,一定の客観性や専門性が求められる。 評価モデル構築に一定程度のコストがかかる。 【コスト分析】 社会的便益が社会的費用よりも大きいことが自明な場合,実施が既定となっている施策について判断する場合など,社会的便益について明示的に考慮する必要がない場合が想定される。直接的に発生する費用などといった,客観的な把握が比較的容易な項目に着目し,後年度まで見越した費用の全体的な規模の把握や,政策手段間の費用の比較などを行うのがコスト分析である。一般に関与の「仕方」を決定する上で有用な情報を提供する。 (メリット)
(デメリット・限界)
【市場テスト】 民営化に馴染みにくい業務分野であっても,サービスの質を低下させることなく効率を高めるという観点から,市場でテスト(民間企業などと競争)し,民間企業などの方がコストとサービスの品質などにおいて優れている場合には,民間などからそのサービスを購入するという考え方である。 英国で行われている手法で,各省庁が行っている業務について,省庁内部の担当部局と外部のサービス提供者(民間,他省庁など)が共に入札し,長期的な観点で,投資に対する価値が最も高い入札案を選択するという方法で実施される。現行の担当部局が当該業務を続けていくためには,競合する民間など外部提供者との入札に勝たなければならない。 (メリット)
(デメリット・限界)
効率性に係る手法のうち,費用便益分析や費用対効果分析は,事業に係る直接的費用・便益のみならず,社会的費用・社会的便益まで含めることが可能であるため,行政関与の適否の判定に有用な情報を提供することも可能である。 一方,コスト分析や市場テストは,直接的費用・便益に着目しており,基本的には,プロジェクトの実施体制や詳細な制度設計といったレベルの評価に用いられる。 また,推定値や予測値を用いることにより事前評価に,データの少なくとも一部に実測値を用いることにより事後評価に,使用することが可能である。 3 有効性に着目した手法 便益と費用の双方について正確に測定することは,施策などの実施に外部環境の影響も大きいため,そもそも効果があったか否かを数量的に測定すること自体が困難な場合が多い。また,費用便益分析における様々な便益を全て貨幣価値に換算する作業や,費用対効果分析における便益間の相対的な重みづけも,容易な問題ではない。 基本的に便益サイド(効果)のみに注目する「有効性」が,現実的な評価の視点となる。 有効性の判定は,事前評価段階に設定された(定量的または定性的な)目標に関し,事後評価段階ではその達成度合を分析することになる(事前に合理的な目標値の設定が困難な場合には,事後的には当該施策により状況が改善したかを判定する場合もある)。 有効性判定は事後評価での利用が中心。 事前評価で設定される目標値自体の妥当性については,基本的に,有効性評価以外により判定せざるを得ない。 【統計解析法】 統計解析法は,公的機関がコントロール可能な要因とコントロール不可能な要因(外部環境)との関係,目標と実績の乖離を発生させた要因を,回帰分析や計量経済モデルなどを用いて分析し,判定しようとするものである。 (メリット)
(デメリット・限界)
【対照実験法(または疑似実験法)】 施策などを実施する実験集団と,実施しない対照集団(統制集団)を区分して設け,当該施策など以外の条件を同じなどにして比較する。 比較の対象となる対照集団の取り方により,地域間比較,異時点間比較などの方法がある。 (メリット)
(デメリット・限界)
【業績指標を用いた評価】 厳密な費用便益分析や費用対効果分析などが困難な場合には,施策などの企画立案段階において設定された長期・中期・短期的な達成目標の達成度合,発生した効果,利用者の満足度,施策などの進捗度など複数の指標からなる業績指標群を設定し,これを測定・分析することにより,現行施策などの実施上の問題点を抽出し,改善につなげるという手法である。 統計解析法や対照実験法は,特定の施策などについて業績指標の達成状況などを事後評価として緻密に分析するものであったが,「業績指標を用いた評価」は,原則として定常的に,また,業績指標の測定については,統計的な手法などによる厳密な分析を伴わず,簡便に行われる。 (メリット)
(デメリット・限界)
4 定性的な側面を重視した簡便な手法 例えば,規制など費用や便益の中には数値化することが困難な場合,迅速かつ低コストの方法な定性的評価手法を用い,評価を行う。
(メリット)
(デメリット・限界)
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