行政評価を考えるーヒアリング報告 11.10.13

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b1.gif (249 バイト) 三菱総合研究所(長谷部)

 行政評価の手法に,民間の経営手法を取り入れる事例が数多く見られるため,ベンチマークや顧客満足という視点でヒアリングを行った。

 同社からは,2つの事例を示して説明があった(顧客満足の視点からベンチマークを設定する具体的な方法として,事例1,定性的な評価の客観化する方法として事例2の紹介を受けた)。

 (事例1) 政策マーケッティング委員会

 これは,A県において試行的に行われているものであるが,大学教授,経営者,地域代表からなる政策マーケッティング委員会を設置し,アンケートやグループインタビューを通して政策指標をつくりあげようという試みである。

 委員会は,パネルといわれる本体と,ワーキンググループであるタスクフォースからなるが,実験的な性格もあり,委員は県が選定。

 政策目標を提言する過程として,(1)5000人を対象にしたアンケートを実施,県内のの様々な課題を抽出する。(2)地域のバランスを考慮しながら,11のテーマでグループインタビューを行う。インタビューは,シンクタンクの社員が司会を行い,県職員は参加せずに,自由に意見を述べ合ってもらうという視点での意見交換を行う。インタビューは,広く浅くを基本に,なるべく方向性をまとめるような誘導は避けながら実施。(3)アンケートやインタビュー結果をタスクフォースが,絞込みを行う。従来のように事務局を担う県がまとめを行うのではなく,委員会の主体性のもとに行う。(4)まだ,実施していないが,絞込みの結果をもとにさらに深めた形のアンケートを行う。(5)これらの結果を踏まえて,具体的な数値を含む政策目標をまとめ知事に提言する。

 グループは,県が選定するが7〜8人程度で構成し,テーマ別に関連のある人を考慮して人選行う(例えば,少子化ではワーキングマザーを加えるなど)。

 オレゴン州のプログレス・ボードがイメージされるが,それほど権限の強いものではなく,知事への提言という形で,成果を提出する。

 従来,委員会形式は,事務局である県がある程度たたき台を提示して,意見を取り入れながらまとめることが実際であるが,委員会の主体性を生かしながら提言をまとめ,事務局は側面支援という点で,一歩進んだ取り組みと言えそうである。

 試行的な取り組みで,具体的なアンケート項目,項目の絞込み,選定の委員等は具体的には示されていないが,近く経過がホームページで公表されるとのことであり,その時点で内容を精査したい。

(事例2) 評価委員会

 行政評価を導入,または試行している自治体で問題は,成果指標の設定に苦労しているのが実態である。この指標の設定を行う際に,庁内の職員による評価委員を活用している事例である。

 試行的に,事務事業評価を行っているが,まず事業部局がその事業にかかる想定指標をすべて提出する。提出の際には,指標の有効度の順位をつける。また,実績値についても併せて提出する。

 それに対して当該事業部局以外の職員で構成する評価委員会がヒアリングを行い,指標の有効性を市民に視点で判断するもの。評価委員会が3つの指標を選定すると同じに,評価の結果についての原因や改善を議論,その事業についての方針を立てる。また,指標設定の困難なものについては,併せて定性的な判断についても客観性を確保する。

 今回は,事業部局ごと1〜2事業であるが,指標づくりのノウハウを確立できるとともに,簡易な第三者評価として有効性が期待できるものと思われる。

(その他)

 同社においては,調査事項すべてについて短時間にお話することは難しいということから,顧客満足に絞ってお話を伺った。

 なお,調査事項に記載した客観性の確保の方法として,ISOなど標準化手法については,「不良品をなくすという視点が強く,もっと良くするにはどうするかという視点にかけるのではないか。」とのご意見をいただいた。

 (まとめ)

 札幌市において,事務事業評価からのスタートであるが,今後,施策,政策段階の評価が必要とされることから,従来の市民参加の方法から一歩進んだ政策マーケティングの手法は政策目標の設定にういて,米国のような積極的な市民参加方式なじんでいないわが国において有効な方法のひとつといえよう。今後,委員の選定方法やアンケートの手法など研究を深める必要はあるが,他の事業における市民参加の方法としても適用範囲は広いと思われた。

 また, 評価委員会については,ともすると財政主体,企画主体,総務主体で,評価の視点が異なるが,これを活用することで,総合的な視野で事業の必要性、妥当性を判断できるメリットがある。さらに,評価のノウハウを職員に根付かせる方法としても可能性が期待できる。行政評価は、一朝一夕に出来上がるものではなく,定着するまでの過渡的な方法と簡便な第三者的評価の一形態と位置付けられる。

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