行政評価導入に関するアンケート資料1ー2 評価表の分析2


F市の場合―総合管理型】

(1)評価表の項目

評価表の項目 記入の視点や記載例など

施策体系

政策,施策,計画事業,地域別,性質別,事業種別など。計画の政策的な意味を記載。関連マスタープラン,関連実施事業,法令。

目 的

事業の実施により実現したい状態を表現。

対象とする市民

実施により利益を受ける人々の総称及び総量

メガトレンド

目的を追求する上で,重要な影響を与える環境変化

対応したい課題

影響を受ける組織上の課題。

制約条件等

当該事業だけでは対応できないことや事業を実施する上で考慮すべき制約条件,他の事業の成否による。

具体的なアクション

当該事業の大まかなスケジュール

地域マクロ指標

事業の最上位に位置付けられる政策目標に対応する指標

成果指標

  • 質的成果

  • 供給量

  • プロセス

  • 質的成果:事業の成功,失敗を判断するための指標

  • 供給量:事業の実施により利益を受ける利用者の人数など,需要に対してどの程度対応しているか分かる指標

  • プロセス:事業を利用しやすくするための手続きなどの改善を促すための指標

投入資源指標

  • 予算

  • 人件費

  • 間接費

人件費は,市職員及びパート

間接費は,庁舎管理費,管理部門人件費等を課ごとの配置基準で配賦。

効率性指標

単位あたりコスト,効率性や施設稼働率
以上の3指標は,計画期間において目標・実績値を年度ごとに記入する。

事業費

事業内容・事業料がわわかる区分で記載,実施計画の年度(3年)について,総額,国庫支出金,地方債,一般財源などを記載。

体系図(別紙)

目的体系図(業務棚卸)

政策,施策,事務事業の体系を明確化する。

 (2)特 徴

  • 基本指標と評価指標という概念を導入している。
  • 市の達成したいビジョンの下に,ビジョン達成のためのゴールと各分野の課題=戦略的なベンチマークを設定する。このゴールと戦略的なベンチマークを示す指標を基本指標,その下につらなる事業の業績を図る指標を,評価指標とする。
  • 評価指標は,成果指標(質的な評価,供給量,プロセス),投入資源指標(予算,人件費,間接費),効率性指標(業務の改善余地を図る,また,単位あたりコストなど効率性や施設の稼動率)から構成する。
  • 部ごとに相談員を設置して,評価表の記入について相談ができる体制を整備したのが特徴。

 今後の方向であるが,次のようなシステムを目指している。

  • 査定マニュアルや事業別調書における各指標の判定尺度を標準的に設定し,査定チェックリストを作成。
  • 査定結果(指標)を一覧表にして,記録とし,事業部門と企画部門のコミュニケーションツールとして活用する。

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  • 業績評価報告書を作成し,前年度比,他自治体状況などと比較も行う。総合評価はレーダチャートを作成する。
  • また,財政との関係で,ストック&フロー情報,中長期の資金の流れ,貸借対照表などと成果指標情報を相互に活用する。
  • 人事評価システム(管理職)に業績評価システムを取り入れ,個人の業績審査に活用する。
  • また,評価調書に基づき,人材ニーズの把握や優先順位付けを行う。市民への公表は,指標(現在値,目標値),評価結果の実績,次期計画策定時の評価指標という3段階を検討。

【G市の場合―前年度比較簡潔型】

(1)評価表の項目

事業の目的 前年度事業成果に対する評価 今後の方向性
  • 対象(何・誰を対象)
  • 手段(どうゆう方法で)
  • 始期及び終期(いつからいつまで)
  • 効果(どういう状態にしたいか)
  • 根拠(法令など)
  • 対象(行政の事業か,狭すぎないか,広すぎないか)
  • 手段(最良の方法か,他の事業と重複していなか)
  • 終期(継続の必要があるか)
  • 結果(過大な結果をもとめていないか)
  • 根拠(条例等改正の必要はないか)
  1. 集約・統合
  2. 受益とコスト(採算性)
  3. 目標値・終期
  4. 事業内容の工夫・刷新

評価のランクづけ

A(効果的な事業であり充実させたい)

B(内容は見直すが継続させたい)

C(廃止または休止を含め,事業を見なおしたい)

(2)特徴など

  • システム的な行政評価は検討中で,職員の自己評価として実施している。
  • 前年度の事業成果を反省して, 次年度の方向性を考える評価の原型的なものである

【H市の場合―外部評価型】

(1)評価表の項目

事業・課題名

(事業費)

事業・課題の内容

日程

評価の対象

コメント

ランク

予算化された事業又は知っておきたい課題・問題

 

工程

節目

経過時間

事業の進捗等にあたり注目,注意,心掛けるべき点

左に対するコメント

 

※ランクは,A(委員会で議論)B(3役,部長会議対応)C(部長対応)D(課長対応)

※内部で,上記事業の洗い出しを経て,Aランクのみ,次の対象事業表を委員会に提出

事業・課題名

 

全体計画

 

事業実施の背景・目的

 

日程

 

評価の対象となる事柄

 

コメント

 

(2)特徴など

  • 条例により,事業評価委員会を設置している。
  • システム的な評価にはいたっていない。若干事業選択基準があいまいな点がある。
  • 評価の視点は,市のアイデンティティとコンセプトに沿った事業か,効率的に進められているかの2点。
  • 委員会の役割は,事業の実施の是非を判断,進行管理,メリット・デメリットを把握し,見直し・継続の是非を判断するとともに改善を検討する。
  • 委員会の権限は,市長に対する意見を述べるにとどまるが,条例は尊重義務を規定している。

【その他特徴的な事項】

(1)評価項目を点数化してランク付けを行うもの(その1)

 部ごとに,A(部全体で30%)B(40%),c(30%)に分け,新規事業はAランクとし,Cランクは,実施できない可能性が高いとしているのが特徴。

必  要  性

 

 

 

 

 

 

 

(40点)

市民ニーズ(20点)

 (視点)

  • 請願・陳情・要望の有無
  • 市民意識調査
  • 市長への手紙,FAX
  • 市民アンケート結果

市民の当然の権利(20点満点)

(視点)

  • 根拠法令
  • 市の守備範囲である
  • 市民の利便性が向上する
  • 代替手段がない

効果・効率性(20点)

(視点)

  • 効果目標が確実に達成できる(予測,指標設定が適切)
  • 投資した財源に見合う効果が得られる
  • 投入した人員に見合う効果が得られる
  • 国・県等の財源手当てがある

公正性(20点)

(視点)

  • 市民全体を対象にしたもの
  • 市民の公平な負担
  • 特定市民・団体の便益でなく,市民全体の便益になる
  • 地域間の格差が是正される

緊急性(10点)

(視点)

  • 優先実施の必要性
  • 実施時期が適切

先進性(10点)

(視点)

  • 独自性がある
  • シンボル性がある(イメージアップ)

 

(2)評価項目を点数化してランク付けを行うもの(その2)

   評価の基準を明確にして,統一性を確保しようという試みである。

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(3)事務事業評価ワークシートのみを活用する事例

 実施計画のヒアリングを踏まえて,課題を再調整し,評価の視点として,解決性(現状,問題,課題,目標レベル),競合性,緊急性,実効性,効率性,需要性を記入するワークシートを作成。新年度の予算に連動させようという試み。数値目標までには至らないが,「目標意識の徹底」,「事業の展開手法の改善」に主眼を置いている。

  (ワークシート)

解決性(現状,問題,課題,目標レベル)

客観的な指標から分析,考察される現状把握,問題整理,課題設定の上,達成目標を明示する。

競合性

市民,民間に委ねられない理由

緊急性

実施しなければならない理由,問題の進行状況や将来予測

実効性

定量的に計れる結果指標

効率性

コスト分析,他団体との比較

需要性

市民ニーズの把握とニーズの大きさ

(4)事務事業制度研修会のテキストを作成している例

  • 制度の全体像,目的,対象,意義などを分かりすく解説している。

  指標のあり方について一部を抜粋する。

(成果指標の設定の留意点)

  • 事業の対象者への成果向上の視点で捉えること
  • 現状の数値の有無にとらわれず,まずは素直に対象と意図(ねらい)を明かにすること
  • 共通言語を意識して分かりやすさを追求すること
  • 指標式は前後比較ができるように他律要因を排除すること
  • 成果がでるのに長期間かかる場合は,活動指標と併用する
  • 日常の事務事業遂行の中で成果を把握するよう努めること

(指標設定の特徴)

  • 目的を「対象と意図(ねらい),そして結果」で設定し,対象の変化の度合い,意図の達成度合を成果指標と定義する。
  • 意図(ねらい)のキーワードを複数設定し,その組み合わせによって本来目的の達成度と副次目的の達成度,マイナス要因の緩和度を加味した成果指標設定を行う。
  • 政策体系を設定しておくことにより,政策―施策―基本事務事業合いだの成果指標の関連が系統だってつかめ,下位活動のどこに成果向上余地があるのかが把握できる。
  • また,実施にあたって庁内公募の作業部会員を募集し、施策体系部会,児童青少年部会,窓口施設部会,第一,二,三高齢福祉部会,第一,二,三建設部会を設置している。モデル事業の評価や指標の整理,評価表の検討などを現場職員の手で行い,職員意識の改革を併せて行う実践的な試みとして注目される。

(5)その他

  • 評価指標のほか,それに代わる評価方法として専門家や新聞記事による評価を挙げる自治体が見られた。

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