| 現金主義と発生主義 ある図書館の費用を,現在の公会計システムである現金主義と,発生主義の両方の立場で比較すると次のような図になる。

上図で分かるとおり,現金主義で捉えると,5年前に建設された図書館の建設にかかる経費は,一切考慮されない。また,行政コストの大きな部分を占める職員費(人件費)において,将来の経費である退職手当引当金も同様である。
発生主義では,減価償却には定額法,定率法などの考え方はあるが,単純化して建物の減価償却を耐用年数の50年として,均等に計上したとすると年間20,000千円の費用がかかっていることになる。
また,コンピュータのシステム開発を行ったとしたとき,5年間の耐用年数があるとした場合,開発費は当該年度支払った20,000千円であるのに対して,発生主義は,4,000千円を計上することになる。
発生主義でのコスト計算=47,000千円
現金主義でのコスト計算=41,000千円
※退職手当引当金は,2,000千円で想定した場合 |
以上の考え方で算出すると図書館事業のコスト差は,
両者で6,000千円も発生する。
現金主義では,その年度にかかった経費しか見えないため,例えば,利用者が年千人で,一人あたりの費用を算出した場合,この年度では,一人あたり41千円であるが,建設した年度で計算すると減価償却という概念を用いないため,一人あたり541千円の経費がかかった計算になる。
コストを正しく捉えようとしたとき,発生主義会計を導入しなければならない所以はここにある。
成果=「住民満足ーコスト」とするとき,事例の6,000千円の差や建設年次の経費では,コストを行政評価のひとつの指標とした場合,正確な評価はかなり難しくなってしまうのではないか?。
(参 考)
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