政策課題研修ー「行政評価を考える」ー用語解説3

l1.gif (7620 バイト)

 b1.gif (249 バイト) 費用便益分析 (cost benefit analysis)

 公共事業(道路,下水道など)の業績評価などに用いる手法で,これは代替できる複数の公共事業の費用と便益を比較し,公共事業の間に優先順位を付与するの分析手法である。

 具体的方法は,

  • 事業の便益,コストを社会的厚生の向上させるか否かを捉え,社会的厚生の上昇(便益)と減少(費用)を市民が支払ってもよいと考える貨幣額で評価

  • 貨幣換算した費用と便益が公共事業で形成するストックの耐用年数を通じて発生すると考え,一定の社会的割引率を用いて現在価値に換算し直し,便益が費用を上回っていれば,そのプロジェクトは実施するに値すると判断する。

 この方法の課題は,

  • 便益を把握することが不完全であると,便益の範囲と内容を一義的に特定することが難しい。また,便益を過大評価,費用を過小評価しがちである。

  • 費用便益分析は,効率性を尺度にプロジェクトを評価する方法で,分配の公正という観点は一切考慮していない

  • 事業,プロジェクト相互間の比較が難しい

 この手法は,効率性の観点による業績評価で公共事業の採否を判断する手法としては有効と言える。

 具体的な分析手法には,

  ■消費者余剰法

  • 部分均衡分析:プロジェクト実施した場合の所得水準ー実施されない場合の所得水準=便益として分析するが,周辺環境不変とする(周囲の環境変化によるプラスマイナスを考慮しない)。

  • 一般均衡分析:周辺環境を含めて社会全体の費用・便益をモデルで測定する。

  (適する事業=道路,港湾,土地改良など)

  ■ヘドニック法

  • プロジェクトの地価に与える影響を定式化して政策を評価する(例:市街地における道路の完成によって上昇する地価をヘドニック方により固定資産税反映するなど)

  ■仮想市場法

  • 積極的に住民意思をプロジェクトの決定に取り込む手法

  • 政策やプロジェクトの実施に,直接いくらまでなら負担を容認するかをアンケート方式で集める方法。

  • 具体的な手順は,1.評価対象の情報収集 2.評価のためのアンケート 3.アンケートのプレテスト 4.本調査 5.調査結果分析

  • 適用は範囲が広く,市民参加ににより具体的な説明がしやすいメリット

  ■代替法など

  • プロジェクトの便益に類似した別の私財に置き換えて効用を測定したり,プロジェクトの実施により失われた価値を回復させるための必要コストから評価する方法など

 (参考ー英国での評価手法)

  • 費用便益分析による経済評価と環境影響評価による環境評価が導くプロジェクトの直接的,間接的な便益を*利用者*土地・建物占有者*施設利用者*開発保全政策*開発政策*財務効果の6つの評価カテゴリーごとに整理する。

  • 評価カテゴリーの相互で便益を比較

  • 計画の段階に応じて3度作成し,内容と精度を次第に改善

(参考文献:公共経営の創造〜地方政府の確立を目指して(宮脇淳著))


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