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ニュージーランドの行政改革(2)

 ニュージーランドの行政改革は,主な系譜は次の表に整理できる。

  • 省庁の次官の公募制(1988年〜)
  • 業績契約の導入・アウトプット予算への移行(1989年〜)
  • 発生主義会計の導入(1991年〜)
  • 購入契約の導入(1993年〜)
  • Strategic Prioritiesの導入(1998年〜)

 行革に貫かれているのは、契約と競争であるが、ニージーランドの行政評価はこの契約の考えが特徴の一つである。

 省庁の次官は、大臣との間に業績契約を結ぶ。この業績は、内閣の大目標であるStrategic Priorities(戦略的優先事項)から導かれた省庁の中目標(Key Results Area)が示され、さらにその目標達成のための具体的な時期や数値目標が盛り込まれている。

 各省庁は、定期的な業績報告を行うが、契約の数値目標が達成できたかどうかが評価となる。とりもなおさず次官の業績を評価することとなる。これは各次官の人事・処遇面に反映される。次官は、まさに民間企業の社長である。契約に基づくため,直接的には次官の責任は大臣に負うもので、大臣は国民に対して説明責任を負うことから、最終的には国民への責任と言えなくもないが、次官の国民への責任は間接的に留まるところが特徴と言えよう。

 また大臣は、必要なサービスを省庁から買うことになるが,これは民間企業からも買うことができる。次官からの購入契約を結ぶためには、民間との価格の比較が必要になる。したがって、省庁の経理も完全な発生主義会計をとらなければ、価格=アウトプットを比較できない。これにより省庁も発生主義会計が導入されている。

 評価は、人事行政管理委員会(State Service Commition)が行う。業績契約と実績の比較で評価し、各省庁の評価をまとめて政府全体の業績がレポートされる仕組みだ。

 日本の自治体における行政評価の指標は、アウトカムが中心として捉えている。これに対して、ニュージーランドはアウトプットが主要な指標となっている。これを整理すると

 アウトプット、アウトカムを
  • アウトプット=各省庁が生み出す財・サービス。政府はこれを顧客として購入する。
  • アウトカム=アウトプットによってもたらされる社会全体へのインパクトまたは政府が望む政策結果

 と整理している。これは、

  アウトカムは外的な要因が影響する。すなわち政府がアウトカムに影響するすべての要因をコントロールできない。また、省庁の財・サービスの購入からアウトカムの因果関係を明確にすることは難しい。

 ことによる。

 アウトプットは、すべての省庁の活動に当てはめることができる。このため,ニュージーランドでは、アウトプットを、インプットやアウトカムよりさらに有効な測定対象として位置づけている。

※アウトカム偏重気味のわが国の自治体の行政評価のあり方について、考え直す必要があるように思えてきた事例であった。

(補足)

 ニュージーランドでは、世界に先駆けて完全な発生主義会計を取り入れている。これは、次官は経営者であり、省庁にいかなる資産や負債があるのかを明らかにして、制約された予算の範囲でコストを厳格に管理していかなけれなならないシステムと一体的に必要とされたものである。

(参考)

 ニュージーランドでは、99年12月に国民党から労働党に政権が交代した。  まだ、具体的な戦略プランはHPで見つけられないが、Key goverment goalsという新しいプランの合意したと言うnewsがHPにあった。Key goverment goals 契約と言うスタイルは維持していくようである。

※ニュージーランドの行革は、日本において賞賛されているが、経済の活性化をもたらしたと同時に貧富の差が拡大したというマイナス評価もされているのでで、念のため申し添える。