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  官民の役割分担を数値化

ー青森県政策マーケッティングブック

 全国でベンチマーク指標の導入が進んでいる。とりわけ,青森県の政策マーケティング委員会が作成する方法はユニークで,まさに民意を反映する方法と言えるものだ。

 県は、主婦、NPO、専門家から成るチーム(政策マーケティング委員会)にベンチマークの作成を依頼。2年にわたり議論を重ねてきた。12月中には,政策マーケティングブックにまとまる予定。チームは県民ニーズ調査から政策体系、指標案を導き出し,さらに、NPO、市民、行政、企業などのさまざまな主体が現状とのギャップを埋める際の「分担値(%)」を示すシステム作りに成功している。

 公民の役割分担を数値化した取り組みは,本家でも例がない画期的な試みで,この点でアメリカを超えたといえそうだ。

 マーケティングブックは,いわゆるベンチマークと呼ばれる手法であるが,66指標を選択している。

 4つの目標(安心,つながり,自己実現,負担)と5つの政策分野(健康・福祉,成長・学習,仕事・職場,社会指標,家庭・地域生活)に分けて,マトリクス表にそぞれの指標を位置づけた。
 66の指標の選択にあたっては,そのマトリクスについて説明できる説明力指数という指数を作成,2分の1以上を説明できる指数を選択した。その結果が66の指標である。
 66の指標ごとに,めざそう値,役割分担,課題や問題点を記述している。
 具体例では,健康診断の受診率。
「もしやの不安の少ない暮らし」を目標に,「地域で十分な保健・医療・福祉サービスが受けれるか?」を点検項目に位置づけている。
めざそう値は,現状値40.5%を2005年に55%程度に引き上げる。
役割分担は,個人家庭,NPO・市民団体,コミュニティ,企業・農協,その他,市町村,県,国の8つの主体,分担割合を帯グラフで示してある。
 これは,shared outcomeという考え方を具体的にしたもの。8つの主体にパーセンテージで示している。

 このほか,課題や問題点では,統計データに制約があり,指標の定義に対する疑問などの意見が寄せられたことを記述してある。
 青森県の政策マーケティングは,県職員が黒子に徹して,市民や実務家が主体に構築したことが特徴。県民生活満足度の向上を最終目標に,マーケティングとベンチマークを組み合わせた政策評価・形成システムである。
住民調査を徹底的に活用した。政策目標,指標の選択,目標値の設定まで,住民アンケート3回,実務家対象のアンケート1回,グループインタビュー11回を実施している。

 ベンチマークは,民意を反映する手段としては優れているが,行政だけでは達成できない指標が多いのが難点だった。それをshared outcomeという考え方に具体的にしかもパーセンテージで公民8つの主体の役割の割合を明示した先進的な取り組みである。ベンチマークを取りいれている自治体も,行政側が実質的に選択する方式が少なくないが,市民や実務家主体に選択していることと併せてベスト・プラクティスと言える。