

行政評価とバランススコアカード(2)
〜なぜ、BSCは行政に有効か〜
1 なぜバランス・スコアカードか?
経営は,様々な環境要因を的確に捉え,描く方向へ組織を導くこと。その過程で,大きな影響要因を洗い出し,計測し、多くの情報から判断を下している。したがって,状況を正確に測る計器が不可欠で、バランス・スコアカードは,まさに航空機の計器に相当する情報を提供するものである。

行政も経営という点で捉えれば、全く同じことが言える。まして,企業の「利益」という目標に対して、「市民満足」という多義的な視点が存在する。民間経営に比較して、さらに様々な視点からバランスを取りながら評価していくことが求められる。こう考えると、ロバート・S・キャプラン,デビット・P・ノートンが考案したバランス・スコアカードは、利益を目的としない行政にこそ、適用の可能性が大きいのではないか?
バランス・スコアカードは,コックピットの計器盤
速さ,高さ,エンジンの推力,方向など様々なバランスが,航空機を目的地に導く。行政経営も同じこと。財務指標と非財務指標、短期指標と長期指標、外部評価項目と内部評価項目、遅行指標と先行指標など、あらゆる角度から行政活動を捉えて適切な評価をして,経営を行うべきである。

2 行政評価とBSC
| (共 通 項) ともに業績評価という点では共通する。また、上位レベルの政策評価が政策を対象としているが,BSCは行政を大きな括りで捉え,マネジメントすることから政策レベルの業績評価といえる。
・業績評価
・対象―政策(大局的)=政策評価
(相 違 点)
行政評価は,事後評価で短期的な評価の傾向が強い。これに対してBSCは守備範囲が広く,短期から中長期、過去から現在、未来と成果を測るtことが特徴と言える。
また、行政評価がPerformance Mesurementに表すととおり、測定するだけで判断はしない。しかし、BSCはより戦略的な判断が下せるコントロールボックスを提供する総合的なマネジメントシステムに位置づけられる。
さらに、幾多の経営管理ツールから得られる多面的な情報を豊富に活用して評価すること、上から下まで経営のビジョンと判断材料を共有させ、垂直、水平の組織間の連携を促すネットワーク型の評価が特徴である。
成果を意識することは行政評価と同様であるが、ベンチマークのCSFや重要成功要因分析など目標を具体的に実現するための要因を的確に捉え,分析して成功に導くためプロセスも明らかにすることができる。
・過去,現在,未来さらに短期から中・長期と守備範囲が広く,将来の成果=成長の可能性も測定する。
・行政評価は価値判断をしないが,BSCは,戦略的なミッションを最上位においた総合的なマネジメントシステム。
・多面的な視点―ABCとの連携など判断指標が豊富
・共有と連携を重視―ネットワーク型
・成果との因果関係を分析―CSF,KPIなど目標と戦略を具体的に実現するための重要成功要因分析を重視。

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3 BSCの利用目的は
バランス・スコアカードは次のマネジメントプロセスを経て,経営に寄与する。(1)ビジョンの戦略を明確にし、分かりやすい言葉に置き換える。(2)戦略的目標と業績指標をリンクし周知徹底させる。(3)計画、目標設定、戦略プログラムの整合を保つ。(4)戦略的なフィードバックと学習を促進する。
多目的に利用できるのが特徴であるが、作業の過程で多くの経営管理ツールからの情報を活用する。行政においても様々な管理ツールが導入されつつある。しかし、これらツールうまく活用して成果を挙げているとは言えない。これらをさらに生かしながら戦略的なマネジメントを可能にするのが、バランス・スコアカードである。
| 具体的な作業項目は次のように整理される。
■ビジョンを明確にする ■コンセンサスを得る。
■目標を設定する。 ■報酬と業績評価指標をリンクする。
■ターゲットを設定する。 ■戦略プログラムを連携する。
■資源を配分する。 ■道標を確立する。
■共有したビジョンをはっきりさせる。■戦略的なフィードバックを行う。
■戦略の見直しと学習を行う。etc |

↑ 情報
| ■TQM ■ABC ■MBO ■行政評価 ■エンパワーメントー局機能の強化 ■環境マネジメント,環境会計 ■ISO9000 ■ナレッジマネジメント ■ERP その他 |
※次回は、どのように行政に活用していくかを考える。
(参考文献)
- 「バランススコアカードー新しい経営指標による企業変革」(生産性出版1997.11)ロバート・S・キャプラン,デビット・P・ノートン
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