本格的な市民による評価ー中津川市で報告書
市民参加による外部評価は一般的になっているが、このほど、岐阜県中津川市で、1年間に延べ119回に及ぶヒアリングと会議を経て、「市民による行政評価委員会からの報告」が提出された。
同市の「市民による行政評価委員会」は、平成18年2月に、19名の委員で発足。この委員も、市民による行政評価委員選考委員会(市民5
人で構成)で選出するという市民参加を徹底したものだ。委員会は、委員長のもと運営委員9
人で構成する行政評価委員会座長会議、評価作業を効率的に行うために3〜4 名で構成する5つの小委員会、報告書を編集・発行するための編集委員会から構成する。
評価は、(1)同市が行っている事業の評価、(2)市職員が提出した事務改善提案に対する市民の視点での評価、(3)行財政改革全般の課題である「財政的な課題」、「人件費」、「職員数」、「各種補助金事業」
などを特定課題を行う 特定課題評価の3つ。
同委員会からは、○内部評価資料の数値データが曖昧で不充分な資料が多い。○どんな効果が得られているのか、
検証されていないケースが多い。 ○「いつまでに・ 何を・どうする」と言った、適切な答えがない。 ○類似事業について、
複数の部署で個々に活動をしているケースが多い。 ○財政危機状況だとする市職員の意識が薄い、などの厳しい評価が報告されている。
外部評価については、「専門家でない委員が本当に評価ができるのか」という声も聞こえる昨今であるが、ヒアリングから評価の打ち合わせ、そして報告書の編集まで、これほど徹底的に市民参加を貫いた例は全国的にも珍しく、経験を重ねることによって、精度も高まっていくことが期待される。また、市民と職員のコミュニケーション効果が大きいユニークな外部評価の事例であり、平成19年度は、評価だけではなく、提案を提示してもらう予定ということであり、今後の推移を注視していきたい。
8割強が予算要求や査定、事務事業の見直しに活用ー行政評価が定着
このほど、総務省が「地方公共団体における行政評価の取組状況調」の概要を公表した。これは、全国の地方公共団体の平成18年10月1日現在における行政評価の導入状況やその活用について全都道府県・市町村に実施したアンケート結果で、平成11年から毎年、調査しているもの。
都道府県では、鳥取県を除きすべてが導入済みで、特例市以上の大都市では約9割、その他の市区でも約5割が導入しており、また、その8割強が予算要求や査定、事務事業の見直しに活用しており、行政評価が日常業務の中に定着してきたと言えそうだ。
議会への報告や市民意見を反映する仕組みなども取り入れ、評価制度の多様化、高度化は進んでいるが、この調査では、評価結果を本当に「予算要求や査定、事務事業の見直し」に効果的な活用ができたかは調査の対象としていない。したがって、各地方公共団体の導入目的としてねらった成果と現実とのギャップがどの程度差があるのかは不明であり、さらに深めた調査を期待したいところである。
なお、構想日本が発案した「事業仕分け」は、都道府県で18団体(38.3%)、政令指定都市で7団体(
46.7%)、中核市11団体(29.7%)、特例市7団体(17.9%)、
市区115団体(16.2%)と、地方財政の厳しさもあって、全国で広がりを見せていることが注目される。
京都市が行政評価条例の制定着手へ
京都市は、
桝本市長が3期目の総仕上げに、19年5月、行政評価条例制定を目指すことを表明した。学校評価や外郭団体の経営評価も含め7分野を対象とする広範なもので、すでに、市民満足度調査も取り入れた政策、事務事業の評価、交通、公共事業など7つの評価は導入済であるが、これを条例化することで、まず制度として、仕組みを体系化し、恒久的、継続的な取組とする、次に、効果的・効率的な評価方法によって、予算編成などに積極的に活用する、さらには、市民参加による評価の実現を図ることとしている。同市は、市民参加推進で先駆的な取り組みを進めているが、どのような市民参加手法を取り入れるのか注目される。
(参考)
京都市長の記者会見 政策評価 事務事業評価 外郭団体経営評価システム 上下水道評価 交通局所管の行政評価 公共事業評価 学校評価
滝沢村が、日本経営品質賞受賞
18年12月、岩手県滝沢村が、2006年度日本経営品質賞を受賞した。この賞は、80年代の米国経済の復活に寄与したとされる米国国家品質賞「マルコム・ボルドリッジ国家品質賞(MB賞)」を範としている。組織の変革能力や、環境の変化に対応し、他組織には真似のできない独自のやり方で顧客価値を創造し競争力を確保し続けているかどうか、さまざまな仕組み、プロセス、活動が経営理念や目標と一貫性を持ち、全体の最適化がはかられているかどうか、などを評価するもの。
滝沢村役場は、「行政は経営である」という認識で、自らを行政主体から住民・コミュニティ主体という新しい自治への変革を推進するエンジンの役割と位置づけ、さまざまな変革にチャレンジしてきた。明確な行政経営理念のもと、お役所仕事、縦割り行政といわれる自治体固有の風土・文化の打破をめざした長年にわたるトップ主導の徹底した組織風土改革によって、職員一人ひとりの意識改革が進み、住民への価値提供のための部門間・職員間の強い連携がはかられたと評価された。
主な受賞理由では、住民と協働で策定した総合計画で、全体最適の視点で効果の高い事業への見直しを実践したこと、現場での意思決定に対応できる柔軟な予算再配分措置など、戦略思考をもったプロセス革新が実行されていること、徹底して住民との協働を進めたこと、縦割り意識・文化を廃し、スピードある意思決定を実現したこと、などを掲げている。
最近、公表された「たきざわ地域社会報告書2006(創刊号)」では、総合計画で定めた47の最適化条件を示すとともに、住民との協働で目指す「めざそう値」などの目標などをモニターして、参画や協働の出発点(プラットフォーム)としているが、これらも、行政経営に対する村の姿勢を明確に示す事例のひとつと言えよう。
新しい地方財政再生制度研究会が報告を公表ー総務省
このほど、総務省が設置した「新しい地方財政再生制度研究会」(座長・宮脇敦北海道大学公共政策大学院教授)が、新しい再生制度の法制化に向けた具体的な枠組みのあり方について
、報告書を公表した。平成18年7月に閣議決定した「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」において「再建法制等も適切に見直す」とされ、「早期是正機能の導入・強化の具体的あり方」
と「債務整理、財政措置、移行プロセスを含めた再生スキーム」の具体的検討を進めたきたもの。
提言のポイントとしては、「財政悪化の早い段階から早期是正を行い、深刻な事態を未然に防止」
と「情報開示の徹底と住民自治の機能発揮による財政規律の強化」の2点。
具体的には、新たな財政指標の導入と財政情報の開示の徹底で、地方公共団体の各会計をカバーする新たなフロー指標や公営企業や地方公社、
第三セクター等も含めた普通会計の実質的な負債を捉えるストック指標を整備
し、情報開示を徹底すること、監査機能の強化の検討や、第三者による検証が可能になるような関係書類の備付けなど、
指標の正確性の確保や情報共有に向けた取組を行うべきとしている。
次に、早期是正スキームでは、深刻な事態を防止するため、財政悪化の早い段階で自主的な健全化への取組
を義務付けること、情報開示等による住民自治の取組を促すことが基本であり、指標が基準より悪化した団体が、財政悪化の要因、改善方策、指標の見通し等を明示
した財政健全化計画を策定すること、議会の議決を経て住民に公表すること、部監査の充実等監査機能の強化を検討することを求めている。
また、再生スキームとして、早期是正段階より財政が悪化した団体については、国や都道府県が必要な関与を行い、確実に再生すること、財政再生計画(具体的な経費削減策や税の徴収増等を含む)を議会の議決を経て策定し公表すること、計画に基づいた予算編成、実施状況の公表を制度化すること、再生計画は国・都道府県に協議し、同意を得ないものについては、建設事業等にかかる地方債の制限を検討すべきことなどを掲げている。
なお、今後、地方公共団体との協議を行った上で、
早期に制度化する方向で検討を進めるられる予定であり、実施されれば、財政力の強弱で、サービスの格差が拡大される可能性もあり、各自治体の手腕が一層試される時代の到来と言えそうだ。
■新しい地方財政再生制度研究会報告書(平成18年12月8日)
(参考)
外部評価モデル事業の評価結果公表ー岩手県
岩手県がこのほど、外部評価モデル事業の評価結果を公表した。これは、NPO法人や公益法人等が県が実施している施策を対象として外部評価のモデルとなる先導的な事業を実施し、県民が主体となった外部評価を促進し、施策の一層の質的向上を図ろうとするものだ。 応募テーマ6件をNPOなど7団体が評価した。
対象のひとつである「みんなで支えあう子育て支援社会を目指して
〜子育て支援・少子化対策の評価・提言」では、現状把握・基礎調査を経て、アンケート調査や他自治体の事例調査、データをもとにしたワークショップ開催を経て、評価を取りまとめている。
評価といっても、提言まで踏み込んだ詳細なもので、今後の子育て支援・少子化対策について、出生率の目標を設定すること、経済的負担の軽減や地域における子育て支援、子育ての社会化・財源の確保、保育サービスの充実などを求め、他自治体の事例も踏まえながら、かなり具体的な提言が特徴になっている。まだまだ荒削りの評価であるが、実践を積み重ねることで、ノウハウの蓄積や精度の向上が期待される。NPOの活用
の評価は、神奈川県に3年前から事例はあるが、テーマを自由に選べること、今後の施策展開への提言も行うことなど、市民参加の外部評価の新たな取り組みとして注目される。
なお、経費は、原則として1テーマ当たり80万円(消費税を含む)となっている。
自治体経営改革の自己診断2006を公表ー関西社会経済研
このほど、関西社会経済研究所がまとめた「自治体経営改革の自己診断2006ー −自己評価に基づく組織運営(ガバナンス)評価」の結果が公表された。
この調査は、名ばかりの行政経営改革が進む中で、改革の実効性を挙げるには、「組織運営のガバナンス」の向上が不可欠という考えから、その観点で、調査に協力した186
市区の自治体を評価したものである。
この評価は、まず第一に、評価を通じ、各自治体が自分たちの改革を振り返り、進もうとしている方向の確かさを確認し、さらなる改革課題を自ら見出せるような調査結果を示すことにある。また、第二に、住民に自治体経営についての情報を提供することにより、住民が自治体のあり方に
関心を深め、自治体経営に積極的に参加する途を広げることにある。
全国の人口10 万人以上の市区を対象とし、質問項目が200
項目に及ぶ。具体的には、「総合計画」、「予算編成」、「財政運営」、「行政評価」、「財政情報の開示」、「人事システム」
「監査制度」、「情報公開・住民参加」、「トップマネジメント」、「自治基本条例」の10 の項目につ いて質問するもの。この10
項目は、PDSのサイクルとガバナンスが効果的に運営される要件として外形的要件(組織が形式的に整っているか)、内容に関する要件(実質的に効果を
挙げているか)、システムの相互関係(各業務の連携・整合性)という3つの要件にまと
め、これを関係する主体別(行政内部、議会、住民)に整理して分析評価するなど、多面的で体系的な分析を実施している。
評価の結果を区分別に見ると、東京特別区のスコアが他の区分と比較して突出して高く、地域別では、関東、中部、関西の大都市圏が比較的高いという結果と
なっている。評価スコアのベスト5は、八王子市(92.1)、杉並区(91.8)、練馬区(89.7 )、多治見市(88.8)、足立区(87.5
)の5市区。ランキングやこのような評価は、絶対評価とは言えないかもしれないが、ある前提条件のもとで、他との比較で自らを振り返ることは重要である。国なども自治体の財務状況や給与などの全国比較のデータを提供しはじめている今日、自治体の組織運営を評価するリーディングケースのひとつとして注目される。
ワークショップ「評価からはじめるまちづくり!2006」ー盛岡市
盛岡市は、「行政評価」の成果指標を市民とともに設定するワークショップ「評価からはじめるまちづくり!2006」を開催する。この取り組みは、17年度から実施しているもので、今年は2回目。
ワークショップは、3回の予定で、各グループがそれぞれ2つの施策について検討するが、「
市のしごとの成果と住民期待の比較」「市のしごとの成果と住民期待の比較」「成果指標の検討」を3回のテーマにグループワークを行う。
最近、外部評価委員会による評価を行う自治体の例は増加しているが、指標の設定段階から、しかも参加者を限定しない試みは非常に珍しいもの。中学生以上ならどなたでも参加できるのが特徴で、市民参加型評価の意欲的な取り組みとして注目される。
昨年のワークショップでは、三回の会議に延べ50人(実人数24人)の市民が参加し、4つのグループに分かれて検討した。
具体的な作業は、まず、市が施策の達成度を評価した内容について、「施策達成度評価シート(平成16年度実績)」を5段階評価し、結果とその理由を話し合い、グループの総合評価を決定し、グループの総合評価と、市評価結果を比較を実施した。
次に、新しい総合計画(平成17年度〜平成26年度)施策について、最初の検討を踏まえ、施策の成果指標を考え、市が設定した成果指標とを見比べ、成果指標とその課題に追加がないか討議した。
なお、昨年のワークショップでは合計で約100件の成果指標のアイディアを提出し、市は、これを受けて、各施策の主管課長が「有効性」「技術性」の観点から検討を行い、市民提案を反映して、施策5件、基本事業2件、事務事業1件の新たに指標を設定している。
新刊紹介ー実践 「自治体ABC」によるコスト削減
このほど、「自治体ABC」の先駆者である南学教授(神田外語大学キャリア教育センター)が編著となった「実践!「自治体ABC」によるコスト削減」
(2006年9月、ぎょうせい)が出版された。
この本は、2部構成で、まず第一部では、既存の「行政評価の限界」や自治体の運営に欠ける管理会計の発想を指摘しつつ、「自治体ABC」によるコスト削減や業務改善への活用を指南
している。また、ABCには、資源を費目ごとに活動に割り当てる「配賦式」と、「標準作業時間×件数×単価」でコストを導く「積み上げ方式型」の2つがあり、この特徴を踏まえた使い分けの必要性が
あり、導入にあたっては、全庁一斉ではなく、研修などで自発性を重視し、具体的な業務改善と結びつけることが大切であると説く。
第二部では、横浜市での文書集配業務、地下鉄の駅業務、地区センター業務、内部調査業務、広告業務、放置自転車対策などや愛知県での内部管理業務改革、小規模自治体である柴波町の事例、経済産業省の研究会の事例など、さまざまな業務や角度からABCの有効性を
分かりやすく検証している。
巻末には、「自治体ABC」のワークシートが添付されており、積み上げ方式と配賦式のABCの計算方法が順をおって示されている。職員の自主的な研究活動にも活用できそうで、理論ではなく、ABCの実際を学び、すぐにでも、できることから取り組める実学の書である。
公共サービス改革の流れが加速する中で、改革の出発点は、「コストの可視化」にあるとする「自治体ABC」の果たすべき役割は非常に大きい。地方公務員必読の一冊と言えそうだ。
「実践!「自治体ABC」によるコスト削減」2006.9ぎょうせい(南学編著)
「新しい地方財政再生制度に向けて(方向性の提示)」
夕張市の財政破綻が全国を震撼させているが、このほど、「新しい地方財政再生制度研究会」が、新しい再生制度の方向性を明らかにした。
具体的な枠組みとしては、「フロー指標・ストック指標を整備し、明確・透明なルールによる財政情報の開示を徹底」、「より早い段階から財政の健全化を図っていくための早期是正スキームの導入」、「自主的な健全化努力のみでは財政の健全化が困難な団体については、国・都道府県の関与の下で再生」の3点。
自治体において、わかりやすい財政情報の開示がなされていないことなどのほか、護送船団方式いわば「国が何とか
してくれる」という神話が財政規律の緩みに繋がってきた面を指摘し、何より住民に基礎的行政 サービスの提供を継続することを重視しつつ、透明なルールに基
づく早期是正スキームを設け、それでも改善できない場合に再生スキームに入 る2段階の新たな手続きを示唆している。
浸透度が低い、市場化テストー内閣府調査
このほど、公共サービスの改革に関する国民の意識を調査し、 今後の施策の参考とするため実施した「公共サービスの改革に関する特別世論調査」の結果がまとまった。
公共サービスの満足度は、「満足している」が4.6%、「やや満足している」が
23.5%と合わせて28.1%であるのに対し、「あまり満足していない 」が22.1%、「満足していない」が8.3%
で、何らかの不満を抱える国民が30.4%と上回った。不満の利用としては、「窓口の開設時間が短い等、サービス提供時間が短い」が49.9%、「サービスを利用するための手続きが煩雑である」が
36.4%、「窓口等の職員の対応が悪い」が 33.2%、「民間企業が提供している同種のサービスのほうが質がよい」が27.8%となっている。
また、民間が行う公共サービスに期待することでは、「サービスの提供時間や提供場所が拡大すること」(43.6%)、「型にはまったやり方でなく受け手の要望に応じたサービスを提供すること
」(40.5%)、「同一の窓口や一回の手続きで複数のサービスが受けられるようにする
等、手続きを簡素にすること」(38.4%)、「公共サービスの提供にかかる経費が削減されること」(35.0%)の順。
さらに、内閣府が進めている市場化テストの認知度では、「「市場化テスト」の名前も仕組みもある程度知っている」はわずか
3.6%にすぎず、「「市場化テスト」の名前は聞いたことがあるが、仕組みは知らない」が10.3%、「「市場化テスト」の名前も仕組みも知らない」が
86.1%と、国民の認知度が極めて低い数値であった。
地方行革の新指針を公表(総務省)
骨太の方針2006を受けて総務省は、地方行革のさらなる推進に目指して「地方公共団体における行政改革の更なる推進のための指針」を策定した。この指針では、(1)総人件費改革、(2)公共サービス改革、(3)地方公会計改革(地方の資産・債務管理改革)、(4)情報開示の徹底と住民監視(ガバナンス)の強化、の4つの改革から構成し、各地方公共団体において、一層の行政改革の推進に努めるよう求めている。
主なポイントは以下のとおりであるが、三位一体の改革に引き続いて、地方自治体にとって一層厳しい行革の波が打ち寄せていると言えそうだ。
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「総人件費改革」=国家公務員の定員純減5.7%と同程度の削減のほか、給与における地域民間給与の反映や特殊勤務手当等の是正
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「公共サービス改革」=事業仕分けを踏まえた検討を実施し、公共サービスとして行う必要のないもの、その実施を民間が担うことができるものについては、廃止、民営化、民間譲渡、民間委託等による公共サービスの見直し。また、市場化テストの積極的な活用。
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「地方公会計改革」=「新地方公会計制度研究会報告書」を踏まえ、発生主義を活用するとともに複式簿記の考え方の導入を図り、連結ベースで、公会計の整備を推進。貸借対照表、行政コスト計算書、資金収支計算書、純資産変動計算書の4表の整備。
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「情報開示の徹底と住民監視(ガバナンス)の強化」=給与情報等公表システムを充実し、情報開示を徹底。決算の早期開示、団体間で比較可能な財政情報の開示を一層推進のほか、監査委員への地方公共団体外部の人材の積極的な登用など。
公共サービス改革基本方針を決定
(内閣府)
このほど、「簡素で効率的な政府」を実現するため、国民の立場に立って、公共サービスの全般について不断の見直しを行い、より良質かつ低廉な公共サービスを実現することを目指す「公共サービス改革基本方針」を閣議決定
(18年9月5日)した。
自治体の財政健全度を表す新たな指標-「実質公債費比率」公表
総務省は、このほど、自治体の財政健全度を表す新たな指標となる「実質公債費比率」の今年度の都道府県・政令市分の算定結果(速報)を公表した。この実質公債費比率は、自治体の収入に対する借金返済の負担割合を示すもの。地方自治体の起債は、今年度から原則自由化されたが、同比率が18%以上の自治体は従来通り許可制のままで、25%を超えると単独事業などで地方債の発行が制限される。
公表によると、北海道(19.9%)、長野(20.2%)、兵庫(19.6%)、岡山(18.8%)の4道県と、政令指定市の8市が規定の18%を超え、一段と地方財政の悪化がうかがえる。特に、阪神大震災の影響が大きい神戸市では24.1%と地方債が発行制限される25%に近い数値が目立った。これまで指標としてきた起債制限比率と違い、自治体の一般会計に占める借金だけでなく、出資する公営企業への繰り出しや、他の自治体と共同でゴミ処理などをするためにつくっている一部事務組合などの借金なども反映させている。総務省は、今後、再生型の破綻(はたん)法制を検討中と言われるが、この実質公債費比率も自治体に警告を発する指標の一つになる可能性もある。
歳出歳入一体改革へー骨太の方針2006
7月7日、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」いわゆる骨太の方針2006が閣議決定された。今後の10年に向けて、(1)新たな成長の芽を確実に開花させる、(2)人口減少・少子高齢化の負荷、巨額の
政府借金の返済を克服する、(3)国民生活や都市と地方間での不均衡の 問題を克服する、の3つの挑戦を掲げている。
歳出歳入一体改革の中で、2011年度国・地方の基礎的財政収支黒字化を目指し、歳出削減策14.3〜11.4兆円としているが、
内訳については下表のとおり、細部は不明である。しかし、地方公共団体で言えば、地方交付税の不交付団体の拡大を目標とし、人口20 万人以上の市の半分などの目標を定めて、交付税に依存しない不交付団体の増加を目指す
などという記述があり、厳しい動きが加速しそうだ。
なお、この方針に先立ち、7月3日には、今後の地方分権の具体的な姿を描いた「地方分権21世紀ビジョン懇談会報告書」が竹中・総務大臣に提出されている。

19年度から新型交付税ー総務大臣の懇談会が報告
このほど、竹中・総務大臣の懇談会「地方分権21世紀ビジョン懇談会」が、三位一体の改革後の将来の地方分権の具体的な姿を描き、それを実現する抜本的な改革案を示す「地方分権21世紀ビジョン懇談会報告書(案)」をまとめた。
主な内容は、(1)3年以内に新分権一括法案を国会に提出、(2)人口と面積を基に配分する新型交付税を2007年度に導入し、3年間で5兆円まで拡大、(3)自治体の財政難を早期に是正する再生型破綻法制を3年以内に整備、(4)地方債制度を完全自由化し、国の保証を廃止、(5)3年間で国税と地方税の割合を1:1にするため5兆円を税源移譲など。
これらは、政府の「骨太の方針2006」に反映したい意向だが、省庁や地方の反発も予想される。いずれにしても、人口減少社会が到来し、2007年問題とあいまって地域の創意工夫が問われている。
*報告書が示す改革の工程表(同報告書案12頁から)

提案型公共サービス民営化制度がスタート-全国初、我孫子市で
公共とは、「みんなで担うもの」という「新しい公共」という考え方が広まっている。このほど、我孫子市が、実施しているすべての事業を対象に、企業、NPOや市民活動団体などから委託・民営化の提案を募集する提案型公共サービス民営化制度を創設した。全国で初の試みで、市の業務の委託・民営化を進め、スリムで効率的な市役所と充実した質の高いサービスの提供をめざしている。
対象は、1185の事務事業。コストやサービスの質の面から市が実施するよりも市民にとってプラスになる提案で、提案者が事業の主体となることを前提にした提案に限るもので、平成18年8月31日まで公募し、提案審査委員会審査を経て、18年11月ごろに事業者を決定する。なお、事業実施は、平成19年4月からの予定。事業仕分けなどが全国各地で取り組まれているが、自治体のすべての事務事業について本格的な公民の役割を見直す時代が到来したと言えそうだ。
地方公共団体における行政評価の取組状況
を公表
このほど、地方公共団体における行政評価の取組状況が公表された。この調査は、平成13年から実施しているもので、全ての都道府県、市区町村を対象に調査。平成18年1月1日現在で、すべての都道府県、政令指定都市が何らかの形で行政評価を実施し、中核市は87%、特例市は90%、市区は45%、町村でも13%の実施率となっている。
最近の傾向としては、評価結果へ住民意見を反映させる仕組を取り入れている自治体が増加し、
都道府県59%、政令指定都市64%、中核市33%、特例市21%の団体となっている。また、評価結果の活用方法では、予算要求や査定に活用している団体の比率が都道府県98%、政令指定都市100%、中核市予算97%、特例市92%という結果であった。
制度的には定着した感のある行政評価であるが、条例に根拠がある自治体は26団体に留まり、まだまだ決定版は少なく、進化の過程にある実態を反映しているかも?。
※「%」は、いずれも「導入済み」及び「試行中」団体
トピックスーサステナビリティの科学的基礎に関する調査プロジェクト
2005年秋、国内外の英知を集めて、人類社会の持続可能性に関わる気候変動、エネルギー資源、再生不能資源(鉱物資源)と廃棄物、
再生可能資源(食料・土壌・水・森林)、生物多様性、環境の経済的評価などの問題について、科学的知見の現在の状況、問題解決の選択肢をまとめた報告書がまとめられた。
地球温暖化についても、必ずしも科学的な証明が完璧になされたものではないが、地球環境の悪化が容易ならざる状況にあることは、衆目の一致するところである。期せずして、NHKスペシャルで、異常気象地球シミュレータの警告、環境崩壊が止まらない という特集が放映され、ショッキングな地球の姿が描き出された。
わが国にある世界最大規模のスーパーコンピュータである地球シミュレータによる分析をもとに、現実の地球環境崩壊を結びつけて、今から食い止めなければならないCO2による温室ガス効果の脅威を訴えていた。持続可能な社会の構築に向けて、今や地球規模、国家レベルの政策の大転換が必要だ。
競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案を提出
2月10日、いよいよ市場化テスト法案が通常国会に提出された。国、地方公共団体が、公共サービスに関し、民間が担えるものは、民間に委ねる観点から、官民競争入札または民間競争入札を実施するために必要な事項を定めるものだ。
国、地方公共団体と民間事業者の責務、公共サービスの基本方針、入札の実施要綱や官民入札等監理委員会などを定めている。国と共に地方公共団体の長に、官民競争入札などを実施するときの実施方針の作成を義務付けている。
なお、国のみであるが、入札によって民に委ねた場合の公務員の配置転換の努力義務についても定めていること、地方公共団体に関しては、戸籍法等に基づく戸籍謄本等の交付の請求の受付及びその引渡し等の業務
を民間事業者も行えるように措置する特例を求めていることなどが特徴。この法律の制定によって、民間業者の創意工夫を取り入れることで、公共サービスの質の向上や経費削減を目指す市場化テストの導入が一気に加速しそうな状況である。
競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案
いよいよ「官から民へ」が本格化
―規制改革・民間開放の推進に関する第二次答申
このほど、平成17年度第11回規制改革・民間開放推進会議が開催され、「規制改革・民間開放の推進に関する第二次答申」が出された。
重点検討分野は、市場化テストの早期法制化、官業の民間開放、規制の見直し基準の策定など横断的な制度整備等、少子化への対応、医療、教育、農業等の主要官製市場改革など。特に市場化テストでは、通常国会への法案提出と首相の強力なリーダーシップのもとで、政府の一丸となった取り組みを求めている。
地方公共団体の業務については、法案による特例措置や所要の措置を講じるなど踏み込んだ内容となっている。窓口業務については、自発的な取り組みを可能にする特例措置をすることや、地方公共団体や民間からの提案を踏まえて可能な業務は逐次措置を講じることとしている。大幅な地方交付税の削減が見込まれる平成19年度を見据えて、地方自治体にも、いよいよいよいよ「官から民へ」の動きが加速する。
規制改革・民間開放の推進に関する第2次答申(平成17年12月21日)
住民票、戸籍謄本などの窓口業務にも市場化テストの波
公共サービス効率化法
(市場化テスト法)案が17年度中に国会提出予定であるが、住民票、戸籍謄本などの窓口業務にも民間開放の動きが急である。11月22日、規制改革・民間開放推進会議の平成17年度第4回
主要課題改革推進委員会において、同会議は、自治体が郵便局に住民票交付などの業務を委託する場合と同程度の守秘義務などの条件をつけた上で、実施可能にすべきとの方向を示した。
入札の対象となるは、戸籍謄本、住民票や戸籍の附票の写し、納税証明書、印鑑登録証明書などの交付。これらの窓口業務は「住民のニーズが高く、利用時間延長や夜間・休日対応が可能になれば利便性が向上する」としている。
新刊紹介ー「行政マーケティングの時代―生活者起点の公共経営デザイン」
このほど、「行政マーケティングの時代―生活者起点の公共経営デザイン」(2005.11第一法規)という著作が出版された。行政経営フォーラムの副代表を務め、各地の先進的な行政経営手法の導入にも関わっている玉村雅敏・慶應義塾大学総合政策学部助教授の著作。
この本は、「公共経営におけるマーケティング」と「"顧客起点の行政サービス"を創造するためのマーケティング戦略」の2部構成。第1部では、公共とは、
行政のみならず、様々な主体が担うものであり、公共サービスにもマーケッティングを取り入れ、市民とのコミュニケーションによる関係づくりが大切
であると述べている。また、著者が関わった青森県政策マーケティングなど事例から、
行政やNPO、地域コミュニティなど異なる主体間の協働を引き出す仕組みとして、マーケッティング戦略の重要性を強調している。
第2部では、市民が最も接する機会の多い窓口サービスについて、各地の意欲的な取り組みを紹介
している。これらの取り組みから、セグメンテーション戦略の
重要性を提起。例えば、住民票などの取得を例に、利用者を細分化して、特性に応じた最適なサービスの方法を例示し、「窓口」の将来像を示している。さらに「窓口」は、単なるサービスステーションではなく、住民のニーズや課題を発掘・共有し、効果的な協働を進める結節点としての役割を担うものとしている。
「窓口」は、自治体にとって「顔」であり、そのあり方を根本的に問い直すことは、公共サービス全体のあり方にメスを入れることと言えそうだ。
「行政マーケティングの時代―生活者起点の公共経営デザイン」
第一法規 (2005-11-15出版) ・玉村雅敏著
「小さくて効率的な政府」を目指し、市場化テスト法案の骨子を公表