新刊紹介:外部評価の機能とその展開ー行政監視と政策推進
〜外部評価は、ダイナミックな地域経営を可能に〜 19.2.26
「外部評価は、ダイナミックな地域経営を可能にする」。岩手県知事の書評に象徴されるように、この著作は、岩手県の外部評価に関わった著者ならではの
、実践に裏打ちされた緻密な分析を示し、政策推進型評価の可能性を示唆した力作である。
著者の岩渕公二氏は、特定非営利活動法人(NPO法人)「政策21」の理事長
である。岩手県は第三者による外部評価を積極的に導入しているが、地方振興局の事業評価に外部評価機関として参画した。こうした経験をもとに、外部評価における多様な要請者が混乱を引き起こすとして、「組織内部の政治的な思惑に惑わされない、自らの専門性や技能、見識に基づき評価活動が可能になる外部評価の活用が有効である」とする。
著者は、外部評価を行政監視型と政策推進型との2つのタイプに分類する。従来の外部評価は、お手盛りになりがちな内部評価に対し、客観性や専門性の担保を目的に実施されてきた「行政監視型外部評価」とする。これに対して、岩手県での取り組みを例に、行政機関による内部機関と同時に、強力な「政策推進」の機能を発揮できる行政機関から独立した評価機関による政策評価を「政策推進型外部評価」と定義する。
また、岩手県の県民参加型評価は、多様な政策アクターを動員して地域の自立をめざす首長による、外部評価を活用した経営手法と位置づける。そして、外部評価に求められる要素を「訴求する力」、いわゆるインパクトとし、これが政策や地域社会に対する住民の発言を引き出し、自治への参加を促すことになる。また、政策推進型外部評価に求められる最大の要素は、まさに、議会や住民、行政機関に外部から行動を喚起できるインパクトであると説く。
最後に、この政策推進型評価の可能性と実践の課題を整理しているが、「政策アクターの多様性を踏まえた評価者の構成と配置、評価に必要な情報の収集が大きなポイントとなる」と述べている。首長との距離と信頼を保ちながら、どのように担い手をつくるのか、多くの自治体に一般化できる具体的策は見出せないが、行き詰まりがちな行政評価の現状に一石を投じた、外部評価の本格的な研究書である。
(参考ホームページ)
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