行政にマネジメントという概念を持ち込んで改革を進めようとすると,行政独特の組織文化が最大の障壁になる。「システムの前に意識改革が必要だ」。いや,「システムを活用することが意識改革につながる」という2つの意見が対立する。
でも,組織文化や意識改革は行政に固有の問題であろうか。民間経営においては,収益の向上が最終目的である。しかし,収益の向上という最終成果を生み出すために,社員のスキル,技術,組織文化といった無形の要素が結びついて業務プロセスの改善につながっていく。プロセスが改善されて,顧客の満足が向上し,製品やサービスが向上し,生産性があがり,そして収益が向上する。
行政の最も大きな資源は何であろうか。それは人であり,そのスキルや意識,ノウハウなど無形の価値である。その価値をいかに結びつけて,有形・無形の価値・成果を生み出していくか。そのときに介在するのがシステムである。システムがなければ,価値を効果的につなぐことができない。反対に意識やスキルがなければシステムは空回りするだけである。システム論と運動論は車の両輪である。どちらが欠けても車はバランスを失い走行できない。両者を視野に置いた改革が求められている。
情熱,思い,ときめき。人が行動するときに大切な要素である。行政の文化の中で,情熱を失い慣性走行しているのが多くの公務員かもしれない。でも,永年の文化に摺り込まれて,前向きな気持ちや意識が失われ,成長が止まっているに過ぎないのではないか。
眠っている情熱に火をつけるのもシステムではないか。個人の思いに応えるため,権限を委譲する。成果を適正に評価して報いる人事・給与システム......。個人の成長を促し,応えるのもシステムである。