テレビでもおなじみの清水市長が率いる太田市は、市の方針がひじょうに明確である。太田市経営方針と銘打った経営者市長ならではの発想。「市役所はサービス産業である」と明確に位置付け、市民満足向上を目指した小さな政府を志向している。
市民満足と一口に言っても難しい。札幌市の市政世論調査も広義には、市民満足を図るひとつのものさしかも知れないが、太田市の調査は、市が取り組む31の行政サービスに対する満足度と重要度について、単刀直入に6段階評価してもらうもの。
| アンケート設問例 太田市は、障害者・社会的弱者に対する@
「各種福祉相談の受付」、A
「花づくりを通しての自立の手助け」、B
「ホームヘルパーの派遣」などを通じて、障害者福祉の推進に取り組んでいます。これらの取り組みについて、どれくらい満足、重要とお考えですか。

アンケート用紙(PDF) |
市内在住の20才以上の市民2,696人を調査対象者としてこの7月に実施した。平成12年1月に引き続いて2回目だが、重要度、満足度の比較が容易な散布図を使い、市民の意識をマーケッティングしている。
前回との比較で、満足度の昇降を分析、サービスの改善などを行う。一つ一つ分析で、市民ニーズの変化を捉え、行政として何をすべきかを考える。市民の視点に立った太田市の経営方針を示したものと言えそうだ。
満足度は、サービスの質の向上に、重要度は、今後の施策の絞込みなどのひとつの判断材料にして、経営資源の適正配分を考えるものである。具体的には、分析結果を行政評価システムにおいて、どの施策を重点的に改善すべきか、その優先順位を判断するための材料として活用している。

具体的な判断の基準は、満足度を横軸に、重要度を縦軸にとり、各施策の分布状況を示した散布図をマトリックス的にとらえ、上図のとおり四つの領域に分類し分析している。例えば、、「証明・届出に関すること」の満足度が4.342(「満足」と「やや満足」の中間)、重要度が4.765でC領域にあり、市民が概ね満足し納得している部分であり、引き続き重点的に維持していく項目としてとらえられる。「交通安全対策の推進」は、満足度3.275、重要度3.281のA領域で、最優先で改善しなければならない重要改善項目としてとらえられる。
アンケートの精度がどこまでかという問題はあるが、日常業務における相談やクレームの要因収集、社会の流れや太田市をとりまく環境の把握など他の方法も併用しながら、総合的に市民の「期待や満足」を測定するのが太田市のマーケティング手法。シンプル・ザ・ベストで、市民満足度向上を目指すリーディングケースである。
(参 考)
太田市経営方針
「市役所はサービス産業である」という認識のもと、ここに太田市経営方針を定め、小さな市役所で大きなサービスを提供します。
1.市民の目線で考えます
・市民は何を望んでいるか
・市民は現状をどう評価しているか
2.質の高い行政サービスを目指します
・市民満足度を向上させるため、何をするべきか
・目的意識を持ってサービスを提供しているか
3.経営資源を有効に活用します
・コスト意識を重視し、効率的に経営しているか
・適正に経営資源(ヒト・モノ・カネ)を配分しているか
4.成果を検証し、改善します
・目標とした成果が得られたか
・取り組み結果を改善サイクルに結びつけているか
2001.5.制定
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