六本木ヒルズ礼賛論への批判

 今回は、東京にできた六本木ヒルズへの賛美に対する私の批判を紹介します。どうぞ、御覧下さい。
 2003年9月6日



【2003年4月21日付の読売新聞に掲載された森稔・森ビル社長へのインタビュー記事より】日本が悪い方向へ向かっている原因の一つは職と住が離れた都市構造にあります。工業化社会ならともかく、今は情報化社会です。産業構造の変化に合わせて都市を作り替えないと、空洞化は止まりません。人口密度が高い東京では、空を使って超高層化すれば一人当たりの空間も自然環境も豊かにできます。

森氏は「職住近接」を主張しているが、森ビルが手掛けている六本木ヒルズ内の住居の賃料が非常に高額で一般の人々が住めないことをどう考えているのか。2003年9月3日の森ビルのホームページによると、一箇月の賃料は28万円から435万円(下段注)になっている。一般の人々が住める賃料にはなっておらず、森氏の「職住近接」論は金持ちにしか当てはまらない。六本木ヒルズの高額な賃料が示すものは、一般の人々とは無縁の「金持ちのための職住近接」であり、「金持ちのための超高層化」である。

下段注・・六本木ヒルズ内の住居の賃料は以下の通り。2003年9月3日の森ビルのホームページ(http://www.mori.co.jp/residence/66/plan_price.html)から作成した。

部屋のタイプ 面積(平方メートル) 月間賃料(円)
1LDKタイプ 47.58〜94.09 280,000〜660,000
2LDKタイプ 59.17〜184.09 340,000〜1,610,000
3LDKタイプ 89.45〜270.08 550,000〜2,500,000
4LDKタイプ 113.74〜365.42 700,000〜3,900,000
5LDKタイプ 289.77〜364.03 2,570,000〜4,500,000
6LDKタイプ 421.22 4,350,000

【森ビルのホームページに掲載された森稔・森ビル社長執筆の文章(http://www.mori.co.jp/companyInfo/index.html)より】通勤に貴重な時間やエネルギーを費やすのではなく、都市に住み、都市の多彩な機能を上手に使いこなして、自分らしい生活スタイルをデザインする時代の到来です。それはまた女性や高齢者の社会参加の機会も増やすでしょう。そうした都市生活と環境を実現するには、「都市空間の倍増」、「自由時間の倍増」、「選択肢の倍増」、「安全性の倍増」、「緑の倍増」が不可欠です。私たちは、ひとつの解決策として、都心部の細分化された土地をまとめて高度利用し、職、住、遊、商、学、憩などが徒歩でかなう超高層コンパクトシティの実現を目指してきました。

森ビルが提供する住宅の賃料はどれも非常に高額(下段注)であり、一般の人々がそこで生活するのは不可能である。つまり、「都市に住み、都市の多彩な機能を上手に使いこなして、自分らしい生活スタイルをデザイン」できるのは金持ちだけである。森氏は金持ちの楽園を造ろうとしているに過ぎない。金持ちのために「都市空間・自由時間・選択肢」を倍増させる。これが森ビルの事業、そして、森氏が掲げる都市再生の本質だ。細分化された土地をまとめたところで、それは金持ちの楽園建設のために使われるだけである。

それを証明しているのが六本木ヒルズ内に作られた会員制組織の「六本木ヒルズクラブ(http://www.roppongihillsclub.com/top.html)」である。このクラブ、「さまざまな分野や世代の人が出会い」とか「開放的」と言っているのに、入会には、個人会員の場合は入会金80万円(他に18万円の年会費か毎月1万6000円の月会費が必要)、終身会員の場合は入会金260万円(年会費・月会費は不要)が必要で、金持ちしか入れない構造になっている(なお、ここで記した価格は2003年末までの設立会員価格であり、正規会員権価格とは異なる。詳細は「http://www.roppongihillsclub.com/membership/bosyu.html」を参照されたい)。しかも、森氏はこのクラブについて、「文化都心である六本木ヒルズの魅力が集約された」と記している(http://www.roppongihillsclub.com/membership/aisatsu.html)。森ビルが目指す金持ちの楽園建設の一端を示す事例と言えよう。

また、森氏は「緑の倍増」と記しているが、六本木ヒルズ内には広大な緑地が存在していないということも付け加えておかなければならない。六本木ヒルズの規模を考えればさしたる広さではない毛利庭園と屋上緑地があるくらいである。

下段注・・森ビルが手掛ける住宅の賃料は以下の通り。

アークタワーズ(東京都港区六本木)
部屋のタイプ 面積(平方メートル) 月間賃料(円)
ワンルーム 46.05 270,000
1LDK 53.25 320,000
2LDK 84.29 500,000
3LDK 171.33 1,000,000
4LDK 195.28 1,100,000
メゾネット(3LDK) 195.33 1,100,000
2003年9月4日の森ビルのホームページ(http://www.mori.co.jp/residence/arktowers/plan_price.html)から作成。この他に家具付の部屋もある。

アークフォレストテラス(東京都港区麻布台)
部屋のタイプ 面積(平方メートル) 月間賃料(円)
1LDK 82.39 500,000
1LDK 80.03 550,000
2LDK 124.31 940,000
3LDK 202.92 1,850,000
3LDK 244.17 1,950,000
4LDK 202.92 1,700,000
4LDK 244.17 1,900,000
2003年9月4日の森ビルのホームページ(http://www.mori.co.jp/residence/arkforest/plan_price.html)から作成

赤坂溜池タワーレジデンス(東京都港区赤坂)
部屋のタイプ 面積(平方メートル) 月間賃料(円)
1LDK 57.25 450,000
1LDK 79.91 500,000
2LDK 94.90 600,000
2LDK 138.81 1,060,000
3LDK 159.36 1,215,000
3LDK 239.77 2,150,000
2003年9月3日の森ビルのホームページ(http://www.mori.co.jp/residence/akasaka/plan_price.html)から作成

愛宕グリーンヒルズフォレストタワー(東京都港区愛宕)
部屋のタイプ 面積(平方メートル) 月間賃料(円)
1LDK 67.59 450,000
1LDK 67.67 450,000
2LDK 91.10 600,000
2LDK 95.32 670,000
3LDK 124.15 850,000
3LDK 244.60 1,980,000
2003年9月3日の森ビルのホームページ(http://www.mori.co.jp/residence/atago/plan_price.html)から作成

泉ガーデンレジデンス(東京都港区六本木)
部屋のタイプ 面積(平方メートル) 月間賃料(円)
1LDK 58.04 380,000
1LDK 61.01 440,000
2LDK 126.38 1,000,000
2LDK 160.54 1,350,000
3LDK 186.50 1,440,000
3LDK 189.13 1,700,000
4LDK 189.13 1,540,000
4LDK 233.40 2,200,000
2003年9月4日の森ビルのホームページ(http://www.mori.co.jp/residence/izumi/plan_price.html)から作成

フォレストテラス松濤(東京都渋谷区松涛)
部屋のタイプ 面積(平方メートル) 月間賃料(円)
2LDK 153.34 928,000
2LDK 155.26 1,190,000
3LDK 205.71 1,245,000
3LDK 220.47 1,334,000
2003年9月4日の森ビルのホームページ(http://www.mori.co.jp/residence/shoutou/plan_price.html)から作成

フォレストプラザ表参道(東京都渋谷区神宮前)
部屋のタイプ 面積(平方メートル) 月間賃料(円)
ワンルーム 48.22 330,000
1LDK 74.10 550,000
1LDK 89.92 570,000
2LDK 90.28 690,000
2LDK 129.27 1,000,000
2003年9月4日の森ビルのホームページ(http://www.mori.co.jp/residence/omotesando/plan_price.html)から作成

プルデンシャルタワーレジデンス(東京都千代田区永田町)
部屋のタイプ 面積(平方メートル) 月間賃料(円)
2LDK 103.28 770,000
2LDK 140.17 1,000,000
3LDK 164.43 1,100,000
3LDK 192.95 1,450,000
4LDK 246.40 1,900,000
4LDK 271.59 2,100,000
2003年9月4日の森ビルのホームページ(http://www.mori.co.jp/residence/prudential/plan_price.html)から作成

元麻布ヒルズ(東京都港区元麻布)
部屋のタイプ 面積(平方メートル) 月間賃料(円)
1LDK 87.83 620,000
1LDK 86.36 630,000
2LDK 99.69 600,000
2LDK 158.17 1,250,000
3LDK 198.64 1,820,000
3LDK 250.87 2,370,000
4LDK 241.84 2,100,000
4LDK 250.54 2,440,000
2003年9月4日の森ビルのホームページ(http://www.mori.co.jp/residence/motoazabu/plan_price.html)から作成

六本木ファーストプラザ(東京都港区六本木)
部屋のタイプ 面積(平方メートル) 月間賃料(円)
1LDK 50.10 289,000
1LDK 58.86 312,000
2LDK 75.93 450,000
2LDK 85.19 492,000
3LDK 153.56 1,070,000
2003年9月4日の森ビルのホームページ(http://www.mori.co.jp/residence/first/plan_price.html)から作成

【2003年4月11日付の毎日新聞夕刊に掲載された原保・六本木六丁目地区市街地再開発組合理事長(六本木六丁目地区市街地再開発組合は六本木ヒルズの事業主体)へのインタビュー記事より】「ご先祖様は怒ったかもしれないが、いい街になって財産価値も上がった。許してくれると思う」

原氏は、まるで六本木ヒルズの広報官のように様々なメディア(例えば朝日新聞、テレビ東京系「出没!アド街ック天国」)に登場し、六本木ヒルズを称賛している。もちろん、原氏個人がどのような感想を持とうと自由である。しかし、原氏は六本木六丁目地区市街地再開発組合理事長という立場にいるのであり、心ならずも六本木六丁目を離れていった人たちのことを考慮した発言をしなければならない。無邪気に六本木ヒルズをほめちぎる原氏からはそういった当然の考慮を感じ取ることはできない。原氏は、不本意に、そして、不条理にも六本木六丁目を離れていった人たちの痛切な気持ちを考えたことがあるのだろうか。

【『週刊東洋経済』2002年10月26日号(東洋経済新報社発行)に掲載された原保・六本木六丁目地区市街地再開発組合理事長の話】「再開発チーム(森ビルの社員。中根注)は地権者にとって『七人の侍』だった。だけど映画のように侍と地元女性の結婚はなかった」

『七人の侍』は、農村住民が侍を雇って夜盗野武士集団から村を守り抜くという、黒沢明氏が監督を務めた映画である。原氏は森ビルの再開発チームを『七人の侍』になぞらえているが、これはおかしい。まず、『七人の侍』では侍がさしたる利益を得ていないのに対して、森ビルは六本木ヒルズで大きな利益を得ようとしている。さらに、『七人の侍』は村を守るという物語であるが、六本木六丁目では反対派住民を追い出している。原氏は、夜盗野武士集団に相当する脅威として災害を考え(原氏はインタビュー記事などで災害の脅威を強調している)、災害に強い街造りをしたということで森ビルを絶賛しているのだろうが、どうして「災害に強い街造り=超高層ビル」なのか。低層住宅でも「災害に強い街造り」は可能である。森ビルにここまで傾倒する原氏に対し、反対派住民が頑強に抵抗(『週刊東洋経済』2002年10月26日号を参照。但し、反対派住民を一方的に批判する内容で注意が必要)したのは至極当然と言える。

【2003年5月4日に放送されたフジテレビ系のテレビ番組「EZTV」での住信基礎研究所・主席研究員の伊藤洋一氏の話】森さん(森稔・森ビル社長)がですね、要するに、自分たちの社業の中で「東京を魅力的なものにして、東京をまたは日本を世界に売っていくんだ」と、ひとつの会社の社長としてはちょっと雄大すぎるかなというぐらいに夢を抱いていますよね。これはすごいなと思いますね。ある意味ね。

森氏は単なる「ひとつの会社の社長」ではない。政治に大きな影響力を持つ人物である。森氏は、かつて、経済戦略会議の委員を務め、現在は総合規制改革会議の委員である。その総合規制改革会議では、森氏ら不動産業者・開発業者が圧倒的に有利になるような答申がまとめられ、それがそっくりそのまま政府の方針になっている(下段注)。また、森氏の政界への影響力を物語るように2002年4月8日の六本木ヒルズ上棟記念パーティーには、小泉純一郎内閣総理大臣、平沼赳夫経済産業大臣、竹中平蔵経済財政政策担当大臣、石原伸晃行政改革担当大臣、森喜朗前内閣総理大臣、綿貫民輔衆議院議長、野田毅保守党党首、藤井裕久自由党幹事長、佐藤静雄国土交通副大臣が出席。森前総理と石原行政改革担当大臣は森氏を絶賛し、森氏の持論である都市再生のために尽力することを誓った。また、小泉総理は2003年4月22日の六本木ヒルズのオープニングセレモニーにも出席し、六本木ヒルズを絶賛した。これらの事実が指し示すことは、森稔・森ビル社長の意思は政治の意思でもあるということである。伊藤氏には表面的な事象だけではなく、物事の深層をも研究してもらいたい。

下段注
総合規制改革会議が2001年12月11日に小泉純一郎内閣総理大臣に提出した「規制改革の推進に関する第1次答申」 2002年3月29日に閣議決定された「規制改革推進3か年計画(改定)」
都市再生の分野においては、規制改革に加え、予算、税制を合わせた総合的な取組が極めて重要である。特に、都市の再生のためには、土地の流動化を図ることが必要であり、例えば、多様な主体の不動産証券市場への参加促進による不動産市場の活性化等、投資促進の観点から規制の見直しや、予算、税制の活用を行うべきである。 都市再生のため、土地の流動化を図る観点から、例えば、多様な主体の不動産証券市場への参加促進による不動産市場の活性化等、投資促進の観点から規制の見直しや、予算、税制の活用を行う。
現行の都市計画法(昭和43年法律第100号)に基づくマスタープランにおいては、各地方公共団体の判断で、環境負荷の軽減、防災性の向上等の各種の社会的課題を都市計画の目標として定めることができることとされているが、特に大都市地域においては、都市の将来像に関するより一層の具体的かつ明確なグランドデザインを広く国民に示す必要性が高い。

その基本は、下記のようなエリアなどにより、高度利用するべきところは積極的に高度利用を図ることができるようにするとともに、ある程度抑制するべきところは抑制できるようにすることである。

・高度利用するべきエリア:地下鉄の駅周辺などの高度利用を促進するべき地域については、安全性や都市基盤の充実を条件に、高度利用地区等を活用することにより、高い容積率を認める。

・用途を複合化するべきエリア:特別用途地区等を活用することにより、住居、オフィス、商業の複合的利用を認める。

さらに、今後大都市地域においては、下記の項目についても明確に位置付けるべきである。

・都市の骨格・中核となる都市計画道路、大規模公園、緑地等の整備目標年度

・都市の過度な外延化の防止、職住近接の実現により、良好な都市環境を形成するための、都市全体と各エリアにおける人口密度(昼夜間人口)、一人当たり都市空間(住宅・オフィススペース)等に関する数値

・ヒートアイランド現象の解消に資する、いわゆる「風の道」ともなる主要な緑地の配置の方針、確保目標
現行の都市計画法(昭和43年法律第100号)に基づくマスタープランにおいては、各地方公共団体の判断で、環境負荷の軽減、防災性の向上等の各種の社会的課題を都市計画の目標として定めることができることとされているが、特に大都市地域においては、

・高度利用するべきエリア:地下鉄の駅周辺などの高度利用を促進するべき地域については、安全性や都市基盤の充実を条件に、高度利用地区等を活用することにより、高い容積率を認める。

・用途を複合化するべきエリア:特別用途地区等を活用することにより、住居、オフィス、商業の複合的利用を認める。

などにより、高度利用するべきところは積極的に高度利用を図ることができるようにすることを基本として、都市の将来像に関するより一層の具体的かつ明確なグランドデザインを広く国民に示す必要性が高い。そのため、今後大都市地域においては、下記の項目についても明確に位置付けるよう措置する。

・都市の骨格・中核となる都市計画道路、大規模公園、緑地等の整備目標年度

・都市の過度な外延化の防止、職住近接の実現により、良好な都市環境を形成するための、都市全体と各エリアにおける人口密度(昼夜間人口)、一人当たり都市空間(住宅・オフィススペース)等に関する数値

・ヒートアイランド現象の解消に資する、いわゆる「風の道」ともなる主要な緑地の配置の方針、確保目標
新しい時代のまちづくりに対する住民の自発性と責任を醸成し、住民が地区単位等で自律的に計画づくりに参画できるようにすることが必要である。そのため、住民の意向を尊重し、これを適切に都市計画に反映させるよう、都市計画の提案に係る手続等を整備することについて、次期通常国会での法案提出を目指し、検討するべきである。

あわせて、都市計画審議会の運営について、都市計画の案の審議が円滑に進むよう、必要に応じ、開催間隔の短縮化、年間開催計画の公表、手続の短縮化等の運用改善に努めるべきである。
新しい時代のまちづくりに対する住民の自発性と責任を醸成し、住民が地区単位等で自律的に計画づくりに参画できるようにすることが必要である。そのため、住民の意向を尊重し、これを適切に都市計画に反映させるよう、都市計画の提案に係る手続等を整備することについて、第154回国会に法案を提出する。

あわせて、都市計画審議会の運営について、都市計画の案の審議が円滑に進むよう、必要に応じ、開催間隔の短縮化、年間開催計画の公表、手続の短縮化等の運用改善に努めるよう措置する。
再開発地区計画等の都市計画・建築規制において、現在、都道府県知事等に容積率規制や斜線制限の緩和等に関する幅広い裁量が認められているが、決定前にその内容を確定的に予測することは困難であり、また決定までに相当の期間を要する。このため、より効率的な事業推進のために可能な事前準備に着手できず、結果的に事業が長期化する要因となっている。民間のまちづくりの意欲を高め、投資を積極的に誘導し、良好な市街地整備を実現するために、都市計画・建築規制の運用に関する基準について、さらに客観性・明示性の高いものとするとともに、容積率規制の緩和等の都市計画等に関する問い合わせについて、都道府県知事等が一定期間内に回答するような仕組みの導入を図るべきである。 再開発地区計画等の都市計画・建築規制において、現在、都道府県等に容積率規制や斜線制限の緩和等に関する幅広い裁量が認められているが、決定前にその内容を確定的に予測することは困難であり、また決定までに相当の期間を要する。このため、より効率的な事業推進のために可能な事前準備に着手できず、結果的に事業が長期化する要因となっている。民間のまちづくりの意欲を高め、投資を積極的に誘導し、良好な市街地整備を実現するために、都市計画・建築規制の運用に関する基準について、さらに客観性・明示性の高いものとするとともに、容積率規制の緩和等の都市計画等に関する問い合わせについて、都道府県等が一定期間内に回答するような仕組みの導入を図るよう措置する。
現行の敷地単位の建築確認制度では、複数の建築物の計画、既存の建築物との整合等について総合的に審査できないため、街区・地区単位で建築規制を課し、周辺との整合を勘案して緩和や規制を柔軟に行える仕組みについて、次期通常国会での法案提出を目指し、検討するべきである。 現行の敷地単位の建築確認制度では、複数の建築物の計画、既存の建築物との整合等について総合的に審査できないため、街区・地区単位で建築規制を課し、周辺との整合を勘案して緩和や規制を柔軟に行える仕組みについて、第154回国会に法案を提出する。
建築基準法(昭和25年法律第201号)の集団規定をできるだけ仕様規定から性能規定に移行させることについて、次期通常国会での法案提出を目指し、検討するべきである。また、移行できない規定についても、その趣旨・目的の明確化や内容の簡明化に努めるべきである。例えば、道路斜線制限(道路の幅員による高さの制限)は、道路上の採光等を確保するための制限であり、天空率等を指標として定量的に説明されるものであるが、今後、簡明さの維持という点も十分に踏まえつつ、各種技術進歩を活用し、基本的指標である天空率等の考え方ができるだけ柔軟にいかされるようにするべきである。

また、同法の単体規定については、採光に関する規定の合理化について検討を行うべきである。
建築基準法(昭和25年法律第201号)の集団規定をできるだけ仕様規定から性能規定に移行させることについて、第154回国会に法案を提出する。また、移行できない規定についても、その趣旨・目的の明確化や内容の簡明化に努める。例えば、道路斜線制限(道路の幅員による高さの制限)は、道路上の採光等を確保するための制限であり、天空率等を指標として定量的に説明されるものであるが、今後、簡明さの維持という点も十分に踏まえつつ、各種技術進歩を活用し、基本的指標である天空率等の考え方ができるだけ柔軟にいかされるようにする。

また、同法の単体規定については、採光に関する規定の合理化について検討を行う。
都市計画決定権者は、用途、容積率等に係る規制について、その根拠の説明責任を果たすようにするべきである。

また、都市計画・建築規制に関する行政事件訴訟について、出訴要件の明確化の観点から、処分性、原告適格等に関する情報提供等ができるようにするべきである。
都市計画決定権者が、用途、容積率等に係る規制について、その根拠の説明責任を果たすよう措置する。

また、都市計画・建築規制に関する行政事件訴訟について、出訴要件の明確化の観点から、処分性、原告適格等に関する情報提供等ができるようにする。
市街地再開発事業の施行区域要件について、耐用年限の3分の2を経過した建築物は、耐火建築物の算定から除外されているが、地震災害に強いまちづくりを推進していく観点からも、この耐用年限の短縮化を図り、施行可能なエリアの拡大を行うべきである。 市街地再開発事業の施行区域要件について、耐用年限の3分の2を経過した建築物は、耐火建築物の算定から除外されているが、地震災害に強いまちづくりを推進していく観点からも、この耐用年限の短縮化を図り、施行可能なエリアの拡大を行う。
民間の資金やノウハウを活用し、魅力ある都市の再生や木造住宅密集地域の改善を積極的に推進するため、用地買収型である第二種市街地再開発事業の施行主体として、地方公共団体、公団等の公的主体に加え、一定要件を備えた民間主体も認めることについて、次期通常国会での法案提出を目指し、検討するべきである。 民間の資金やノウハウを活用し、魅力ある都市の再生や木造住宅密集地域の改善を積極的に推進するため、用地買収型である第二種市街地再開発事業の施行主体として、地方公共団体、公団等の公的主体に加え、一定要件を備えた民間主体も認めることについて、第154回国会に法案を提出する。
第一種市街地再開発事業の権利変換計画の認可について、事業の迅速化を図る観点から、法令等の客観的基準に違反しないと認められる場合には、都道府県知事等は速やかに認可しなければならないとする旨周知徹底するべきである。 第一種市街地再開発事業の権利変換計画の認可について、事業の迅速化を図る観点から、法令等の客観的基準に違反しないと認められる場合には、都道府県知事等は速やかに認可しなければならない旨周知徹底する。
市街地再開発事業に係る工事のために必要がある場合、施行者は土地建物等の占有者に対して明渡しを求めることができ、明渡しがなされない場合、施行者の請求により都道府県知事が行政代執行を行うことができるとされているが、行政代執行が実施されることは極めてまれである。市街地再開発事業の迅速化を図るため、施行者より請求があった場合には、都道府県知事等による行政代執行の的確な実施が確保されるよう、マニュアルの充実等運用の徹底を図るべきである。 市街地再開発事業に係る工事のために必要がある場合、施行者は土地建物等の占有者に対して明渡しを求めることができ、明渡しがなされない場合、施行者の請求により都道府県知事が行政代執行を行うことができるとされているが、行政代執行が実施されることは極めてまれである。市街地再開発事業の迅速化を図るため、施行者より請求があった場合には、都道府県知事等による行政代執行の的確な実施が確保されるよう、マニュアルの充実等運用の徹底を図る。
同一の街区内で複数の建築物を計画する場合、容積率の適切な配分変更等を円滑に行えるようにするため、一団地の総合的設計制度等を活用するほか、事業計画の変更等によって高度利用地区、再開発地区計画等の都市計画について、内容の変更が必要となった場合には、迅速な手続により行うべきである。 同一の街区内で複数の建築物を計画する場合、容積率の適切な配分変更等を円滑に行えるようにするため、一団地の総合的設計制度等を活用するほか、事業計画の変更等によって高度利用地区、再開発地区計画等の都市計画について、内容の変更が必要となった場合において、迅速な手続により行うよう措置する。
地方公共団体による要綱行政については、駐車場や住宅付置義務、負担金や施設提供義務など実質的な強制を行うようなものは、これを条例化することを原則とするとともに、その内容を法令の趣旨に照らし適正なものとするなど、ルールの明確化・客観化を図るよう要請するべきである。

また、要綱による行政は、必要最小限の期間に限ることとし、その目的・意義を一定期間ごとに再検討し、できるだけ縮小することを基本とするよう要請するべきである。
地方公共団体による要綱行政については、駐車場や住宅付置義務、負担金や施設提供義務など実質的な強制を行うようなものは、これを条例化することを原則とするとともに、その内容を法令の趣旨に照らし適正なものとするなど、ルールの明確化・客観化を図るよう要請する。

また、要綱による行政は、必要最小限の期間に限ることとし、その目的・意義を一定期間ごとに再検討し、できるだけ縮小することを基本とするよう要請する。
国際的水準の都市づくりを実現するためには、整備が進んでいない都市計画道路について、整備目標年限を定めた上で、その早期達成に努めることが重要である。そのため、公共用地取得に係る財源確保及び執行体制の強化を図るべきである。 国際的水準の都市づくりを実現するためには、整備が進んでいない都市計画道路について、整備目標年限を定めた上で、その早期達成に努めることが重要である。そのため、公共用地取得に係る財源確保及び執行体制の強化を図る。
都市計画道路等の公共事業の施行に当たっては、予算や実施体制等を総合的に勘案して適切な事業計画を定めるとともに、適切な時期に収用手続に移行することが重要である。

このため、事業者に土地収用法の事業認定等を適期に申請させるための措置について検討するとともに、事業の進行管理の適正化の観点から、適期申請に資する説明の責任を果たさせることを検討するべきである。また、都市計画事業についても、適切な時期に事業者が収用手続に移行すべきことを明確化し、一定期間内にそれを完了させるための措置について検討するべきである。
都市計画道路等の公共事業の施行に当たっては、予算や実施体制等を総合的に勘案して適切な事業計画を定めるとともに、適切な時期に収用手続に移行することが重要であるため、事業者に土地収用法の事業認定等を適期に申請させるための措置について検討するとともに、事業の進行管理の適正化の観点から、適期申請に資する説明の責任を果たさせることを検討する。また、都市計画事業についても、適切な時期に事業者が収用手続に移行すべきことを明確化し、一定期間内にそれを完了させるための措置について検討する。



トップページ 研究報告