アニメーション

2012年


↓完成版↓













第18回学生CGコンテスト最優秀賞受賞


第16回文化庁メディア芸術祭
アニメーション部門審査委員会推薦作品

マルチメディアコンテンツアワード 企業賞
(抜粋版)

第2回予告デミー賞 銀賞

(抜粋版)

去の上映会


 For this nonsensical animation,30 pictures per second were produced with only pencil tool.A man stretches out his arm and grasp the night view of a distant city NEW TOKYO. He and female companion rush down the length of his arm toward the city lights.The work is defined by a speedy style and comical pictures that express the sense of omnipotence derived from coming into a large sum of money and folly of letting happiness slip through your hands.

30 images à la seconde ont été créées à l’aide d’un un seul crayon pour ce film d’animation à caractère absurde. En étendant le bras, un homme saisit une vue de nuit sur une lointaine cité, New Tokyo. Son amie et lui parcourent alors la longueur du bras vers les lumières de la ville. Le film se caractérise par un style rapide et par des images comiques exprimant le sentiment de toute-puissance procuré par les grosses sommes d’argent et la folie de laisser le bonheur filer entre ses mains.



最果 一郎
(さいはて いちろう)
主人公。世田谷大陸の帆立小屋に住んでいる。海に浮かぶ「ニュ~東京」に憧れている。本作の制作年が2010年(3D映画元年)であることを記念し、3Dメガネを装着している。漫画でも登場。
玉川 ふたこ
(たまがわ ふたこ)

ヒロイン。ハッピーな性格なので法被を着ている。前世は玉川の花火(卒業制作として絵本で表現)

粉々になって玉川に流れているところを一郎に拾われて(漫画バラバラ・ドンブラ参照)組み立てられ、以後一郎を慕って一緒に生活している。


世田谷大陸の帆立小屋




着想

新宿は自宅からは遠いイメージがあったが、自宅前のビルが建て替えになった時、新宿のビル群が(↑の写真のように)島のように玄関先から見え手が届きそうだと思った。さらに、手が届いたあかつきには、届いた手の上を渡って行きたいと思った。





鉛筆ツールで全て描画
秒間30枚で動かしました

個人でしかできない最高の作画の贅沢を試み、例えば、大きな背景画を用意してズームするのではなく、1枚1枚拡大して描き直し、キャラクタだけでなく背景も揺れ動いて見えるよう挑戦した。また、描画はPhotoshopの最も原始的なツール「鉛筆ツール」で全て行った。ブラシやテクスチャーを駆使し、写実やアナログ画材の質感を模倣するのではなく、テクスチャー・アンチエイリアス無し、ジャギーの入った状態が、もっともシンプルに個人制作の2DのCGアニメーションの特徴を活かせると考えた。

解説


幸福の頂点は、夢に「手が届く」瞬間である。

本作は、この瞬間の喜びと煌めきを、また続かない幸福の儚さを表現したナンセンスアニメーションである。遠くのものに対して、手が伸びて、手が届いてしまうというように、「手が届く」を動画化した。手を伸ばしたら、手が夜景を掴んでしまった男。男は女を連れ、自らの腕の上を渡り、大都会を目指して疾走するという展開だ。大金を手にした時の万能感や、せっかく掴んだ幸福を失う愚かさを、コミカルな絵でスピーディに表現している。

本作の輝きは、主に3つに分かれる。大都会で豪遊したいという軽薄な夢の輝き、幸福を確信し東京に向かって全力疾走する二人の輝き、そして夢破れる瞬間の輝きである。喜びや幸福の「輝き」は続かない。だからこそ美しい。本作は、ナンセンスな展開と峻烈な輝きで圧倒した後は、余韻も残さず跡形もなく消え去ってしまう、1発の打ち上げ花火ようなアニメーションである。




本音

かつて東京都がビックバン※して23枚の大陸に拡大しました。23大陸に残った大都会の遺伝子達が、かつての東京の思い出を胸に上京してできた島が海に浮かぶ「ニュ~東京」です。


ニュ~東京音頭は、「東京にいながらにして東京に帰りたい」という思いの結晶です。

多摩美術大学は八王子のさらに奥にあります。住所としては東京ですが、見渡す限りの山々、点々とした小さな明かり、出るたぬき、友人と爆笑したら起きたミニ雪崩(実話です)。ここは私の知っている、私の好きな東京と違いすぎる。

ビルのガラスに反射してあちこちに煌めく欠片を残して沈む夕日。呼吸しているように見える高層ビルの赤い点滅。人の作った新しいものや美しいものがたくさん並んでいるお店。着飾った人々。新しいお店ができて潰れてできて潰れて、行くたびに変化する騒がしい街。

多摩美がある東京は、東京なのに、それが無い。

こうして、「東京にいながらにして東京に帰りたい。一直線に帰りたい。」という思いを在学通算6年抱え、思いは募り、やがて結晶化していきます。

商店街育ちの私は雑踏が心の原風景です。ですが23区内育ち、23区内住みと行っても都心ってわけじゃなかったので、都会っ子面するのに気がひけていました。でも、私は自然が「ある」と感じられず、「何もない」としか思えないんです。正しいかはわからないけれど、これは私の重要で揺るぎないパーソナリティだと考えるに至り、作品にしました。

多摩美の大自然によって私の精神が傷つく度に、私の知っている、私の好きな東京だけを抽出して都合よく編集して作られた、「ニュ~東京」が輝きます。

そして、私を分割して作った一郎とふたこは、「ニュ~東京」へ、一直線に駆けてゆくのです。



※ビックバン…ビックカメラ全店同日同時刻セールでは無いかと考えられている





少し飛び出す立体解説を見る

大型街頭ビジョン放映の様子を見る