ボランティア
・ガイドヘルプ 「静岡県立美術館編」 (2005.3.25)


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 ガイドヘルプ 「静岡県立美術館編」

2005年3月25日、静岡県立美術館とその界隈を散策してきました。

 私にとって久しぶりのガイドヘルプとなり、忘れかけていた大切なものを再認識できて、いい気分転換となりました。

 私が参加しているボランティアサークルは、どれも毎回集まるメンバーが異なります。
久々に親族と逢う人、体調が思わしくない人、ただ何となく行きたくない人、仕事の人・・・
メンバーそれぞれの事情が有る。

 今回参加したメンバーは、総勢14人。
小学6年生1人、盲導犬ポニー、20代/30代/40代/50代それぞれ3名ずつ。
私がガイドヘルプしたのは全盲Hさん夫婦。

 これから、3つのエピソードをお話します。
1つ目が、美術館に行く時に乗った列車の中でのエピソード。
2つ目が、駅を降りて堤防の上を散策した時のエピソード。
3つ目が、美術館でのエピソード。

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エピソードその1 列車の中で

 浜松〜静岡方面のメンバが、静岡駅で待ち合わせて、JR東海の在来線に乗り込むと、4名用の席に女子高生が2人並んで座っていました。


 彼女たちの向かい側の席が空いていましたので、私がHさん夫婦を席までヘルプした時、彼女たちは一瞬、おたがいに顔を見合わせてから、にっこりした笑顔で立ち上がってくれました。
「ありがとうね、(Hさんたちが)座れたからいいわよぉ」
と声をかけると、
「はい、でもあのう・・・ 」
と申し訳なさそうにして、スポーツバッグを抱えた彼女たちが立ったままでいました。
 どうやら私と、もうひとり立っている(知的障害者M君)に席を譲ろうとしている様子。

「どうーぞ座ってちょうだいね、お気持ち ありがとねー」
と声をかけると、ようやくHさん夫婦と彼女たちが対面する形で収まりました。
M君は別の空席に座れました。

 降りる草薙駅が近くなって彼女たちに改めてお礼を言ったところ、
「気をつけていってきてください」との返事。
私にはごく自然なトーンの返事で、嬉しいな、と思えただけだったのですが、Hさん(旦那さん)の一言には驚きました。
「もしかして足疲れてるでしょーー? お大事にねぇー」

ふと彼女たちのほうに視線を戻すと、スポーツウエア姿の彼女たちも、えぇぇーなぜ判ったのー、
って言いたそうな様子でした。
 彼女のうちの一人の足元を改めて見たときに、ようやく私にもその答えが判りました。
 裾に隠れてはいましたが、足元が膨らんでいて、エラスコット(包帯)を巻いているようでした。

 つまり全盲Hさんは、彼女が足を痛めて、湿布を張っているのを、的中させたのです。
 自分が座っている迎えの席の足元から漂ってきている湿布の匂いを感じ取って・・・

 私は花粉症対策としてマスクをしていたためいくぶん嗅覚が劣っていたとはいえ、まったく気づきませんでした。
いえいえ、気づこうとしませんでした。

 もちろん仕事ではないので、いちいち彼女たちのことまで深く人間観察する必要はない
と思っていたのですが、ちょっと考えさせられました。

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エピソードその2 堤防の上で

 駅をおりて、しばらくして小さな川の横の堤防の上を歩いたのですが、進行方向の右側が川で、左側が山の斜面となっていて
その山がせり出す形となっていたため、私には道幅3mほどの通路がより狭く感じられました。

 しばらく歩いていくと、天然の踏切が前方に・・・
というと大げさになってしまいますが、竹やぶから一本の竹がちょうど行く手をふさぐように倒れていました。
 それまで先頭を歩いていた小学生R君が、竹の上に座って全体重をかけて、全員が跨ぎやすいようにしてくれました。

 当日の天気は快晴で無風、ときおりホオジロの鳴き声が聞こえてきました。
ポニーもハーネスではなく、紐で握手しているので、いつものお仕事ではなく、お散歩モードです。


 一難去って、また一難。
ふと気が付くと、先日の雨のため途中から地面がぬかるんでいました。
メンバの「あえて歩きたい、行こうよ!」の熱望により、戻らずみんなで歩いていくことになりました。

 ぬかるんだ悪ろのため、みんなの緊張感がUPしてきた時に、突然、メンバの一人が鼻歌を歌ったのよーー

 体の中に張り詰めていた空気がフワァーーっと風船のように抜けていくの感じました。
思わずみんなで笑ってしまい、全員、ゆとりを持った歩行が取り戻せました。
 後ろからギュッと私の腕をつかんでいたHさんも、いつものように軽く手を添えるだけになって、一安心

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 そして美術館見学の前に、美術館近くのひょうたん塚古墳や、静岡県立大学界隈を散策しました。
 桜はまだ咲いていませんでした。
でも近くの広場では家族連れなど大勢いて賑やかでした。

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エピソードその3 美術館で

 県立美術館のうち、ロダン館(彫刻物の展示)は視覚障害者に限って手で触ることができます。
 だいぶ前になりますが、私もガイドヘルプした時に一緒に触ることができました。
(これって、ちょっと役得かしら?)

 一方、絵画の場合はケース越ですのでもちろん手で触れることはできませんし、仮に触れたとしても判りませんけどねー。

 その代わり、一週間位前に予約を入れれば展示品についての触察ガイド(説明)を利用することができますよーー。

 でも今回はサークルリーダたちと相談した上で、敢えて予約を入れずに行きました。
 受付でお願いしたところ、本当は予約が必要の旨の説明をした上で、触察ガイドを快諾してくださいました。
 日曜のためか担当ボランティアがいたとはいえ、スタッフの対応には感謝しています。
(チェックするためとはいえ、アポなしでいきなりのお願いをして、失礼しました。)

 酒池肉林や、閑古鳥の、語源由来となった屏風(約10m×1m)の時には、屏風に描かれている物語について、良い政治と悪い政治をテーマにしているという説明も聞くことができ、より深く絵画鑑賞できました。

 葛飾ほくさいの赤富士は有名ですが、小松均さん作の赤富士もすごかった。
 全体が赤色のためからか、展示品の中でも、とりわけダイナミックな日本画という印象。

 富士山が描かれている絵画は多く有りますが、裾野の様子まで描かれているのは少ないそうです。
 この絵は裾野にたくさんの牛が描かれていました。
 触察ガイドによると、作者が今、生かされていることに感謝して描いた大作らしい。

 目では決して見れない部分の絵画鑑賞をすることができ、ゆったりとした気持ちになれました。

おしまい。
おしまい。


 



 ▼ボランティア団体

 ガイドヘルプ「静岡県立美術館編」
2005年3月25日(日)に、
静岡県立美術館とその界隈を散策しました。
その時のエピソードです。
なお視覚障害者向けのページにしてあります。
(約12分ほどの音声付)
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