2日目
 未明。誰かがドアを開ける音で目が醒める。緊張のせいかゆっくりとは寝られなかったようだ。
6:00AM
 起床のアナウンス。起床は6時。消灯は9時と決められている。
6:45AM
 給茶。おばさんが大きな薬缶に入れたお茶(番茶 湯飲みになみなみとついでくれる。)
7:00AM
 朝食
7:55AM
 妻、登場。仕事のことでいろいろ打ち合わせる。
8:30AM
 トイレを済ませ、支給された手術着に着替えさらにT字帯(早く言えば褌)を着用。準備はOK。
8:55AM
 看護婦さんが迎えに来る。歩いて1階の手術室へ。肩幅ほどの細いベッドに横たわる。
9:00AM
オペーレーション開始
 まずは準備。血圧計の装着。ついで心電図用ボタン装着。カテーテルを挿入する右足付け根とその周辺をヨードチンキで消毒。
 いよいよ手術が始まる。まず右足の付け根に部分麻酔を打つ。「歯科医の麻酔と同じ」だそうだが痛い。とにかく痛い。後からわかったことだけど、これは注射じゃなくて、カテーテルを通すために『シース』と呼ばれる管を挿入するのが痛かったようだ。
 手術台の左下にモニターが6台並んでいる。そのなかで左下のモニターがリアルタイムの映像を映している。
 骨盤と背骨が映っているなかを一本の黒い筋垂直に上昇する。どうもこれがカテーテルらしい。心臓部までくると、この先端が一旦画面から消えた直後、左下45度ぐらいの角度でさがり、少しすすんだところでまた右45度くらいに方向を曲げる。つまり、下から心臓をぐるりととりまくようにして先端を患部へ近づけていくのだ。カテーテルが血管内を移動したり、作業するときに痛みは感じない。当然、心臓も痛くない。かVが垂直に上昇する。どうもこれがカテーテルらしい。心臓部までくると、この先端が一旦画面から消えた直後、左下45度ぐらいの角度でさがり、少しすすんだところでまた右45度くらいに方向を曲げる。つまり、下から心臓をぐるりととりまくようにして先端を患部へ近づけていくのだ。カテーテルが血管内を移動したり、作業するときに痛みは感じない。当然、心臓も痛くない。

造影剤とニトロ
 カテーテルの先端から造影剤が流されると、瞬間的に心臓を取り巻くすべての血管が浮かび上がる。狭窄した個所があれば、その部分は細く、場合によっては途切れたように映し出される。そしてそれは素人が見ても簡単に見つけることができるほどわかりやすい。
 造影剤が流された瞬間、心臓から頭、足先と血の流れとともに熱いものが流れる。また、ニトロの場合は喉の周辺に薄荷を流したような感覚になる。

手術の仕切りなおし
 手術が決まったときから、今回の手術については3通りのケースが考えられると言われていた。
 1、カテーテル検査とバルーン療法を同時にやる
 2-1、カテーテル検査だけで終わる。ケースとして、バルーン療法をやるまでもない場合。
 2-2、カテーテル検査だけで終わる。バルーン療法では手に負えない場合、もしくは技術的に困難な場合
 今回の場合、2の2に該当してしまった。
11:30AM
手術終了

 部分麻酔なので手術中も意識はしつかりしているが、する事がない。ただじっと天井を見ているわけにもいかず、モニターに映る様子をひたすら眺めている。自分の体だとは思えない、まるで人事のようだ。
 術後、『シース』をつけたまま2時間安静。その後『シース』を抜いた後、6時間安静。この間、右足の付け根部分は動かしてはいけないとのこと。当然起きあがることもできないし、寝返りをうつこともできない。できるのは手をうごかすことと、右左45度ぐらいで体を動かすことぐらいだ。最初はなんとかガマンできるが、段々と拷問のように効いてくる。
 食事は寝ころんだまま食べられるようなものが出される。が、実に味気ない。
 同様に、トイレの問題もある。動けないのだからトイレには行けない。で、考えられる手段としては、溲瓶または尿道カテーテルの使用だ。いろいろ理由があって、溲瓶を使用する事にした。これも頼むと看護婦さんが手伝ってくれるのだが、恥ずかしいので妻に頼んだ。


 7:30PM
 医師から今日の検査の結果について説明を受ける。再手術は明後日に決まる。
8:15PM
 妻、帰る
 1階の公衆電話へ。メールのチェック。

食事(今日の昼食と夕食は寝ながら片手でも食べられるようなもの)
朝食 昼食 夜食
食パン/マーガリン/みかん/ゆで卵/牛乳
右に見えるのは手術用の紙キャップ
おにぎり/煮物(はんぺん、カボチャ、
にんじん)/春巻き
おにぎり/ 京がんも2個/ シュウマイ2個/
ナップル3切
どーでもいい話3-採尿
 術後6〜8時間は絶対安静というか、右足の付け根を動かしてはいけないと言われる。つまり、動くなってこと。動くと患部が開き、直りがその分遅くなるようだ。手術中と術後暫くは点滴をしている。そして、同じく暫くは動けない。でどうなるかというと、トイレに行きたくなる。でも動けない。ではどうすればいいのか。答えは2つに1つ。溲瓶か尿道カテーテルのどちらかを選ぶしかない。尿道カテーテルの場合は「抜くときに痛い」という話をあちこちで聞いていたので溲瓶にしてもらった。ただ、溲瓶だとそのつど誰かの手を借りないと処理できない。幸いなことに看護婦さんは「いつでも呼んでいい」と言ってくれたので気が楽になる。実際はほとんど妻にやってもらった。
 溲瓶でのやり方なのだが、溲瓶を当てて毛布を上にかけて排泄するらしいのだが、どうにも気持ちが悪い。何だか寝小便をたれているような感覚になるのだ。で、毛布をはね除け、股間部をさらしたまますると比較的気持ちよくできる。寝小便と立ち小便の違いだ。
どーでもいい話4-安静と止血
 カテーテルを挿入する際にレールの役割を果たす『シース』をとった後、止血帯をする。患部に固いコットンをあて、止血帯で止める。動くと傷口があき、直接動脈から出血する。知人は『シース』が着いている状態で寝ぼけ、手で引っこ抜いたらしい。血が噴水のように噴き上がったのを見て、思わず見とれてしまったそうだ。
『シース』を抜いてから4時間は絶対安静。これがきつい。時間とともに苦痛がます。まるで拷問のようにジワジワと効く。
病状
 夕食後、医師から今日の検査についての説明を受ける。2本ある冠動脈のうち、左冠動脈主幹部とそこから分岐する前下行枝入口部が狭窄している。通常の冠動脈形成、ステント留置ではリスクが高く、本日はカテーテル検査で終了したとのこと。かなり難しい病変箇所であるらしい。翌々日に準備し再度手術を行うことにする。
 後日、インターネットで調べたところ、某病院のサンプルでは私とほぼ同じ箇所の病変を持った患者の写真がアップされていた。この患者は即バイパス手術になったそうだ。