| Dec.1998 淡路島に定住する覚悟を決め,マイホームを新築することにした。周囲には「家より嫁さんをもらう方が先やろ。」という声も聞こえるが金利も安いし不況で家も土地も値下がりしている今,家は買い時だと思う。 というわけで夏より物件探しを始め,先月になって海を望む丘の上に土地を取得した。次は工務店を決めなければいけないのだが,これがなかなか頭の痛い問題である。いくつかの工務店に見積もりを出してもらい比較検討するのだが,担当者と会って話をするうちに情も移ってくる。だが高い買い物をするのだから情で判断を狂わせるわけにはいかない。じっくりと検討して決めようと思っていたところに,次回公庫の金利が上がるというニュースが...あわてて駆け込みで申し込んだ。 公庫の申し込みは熱心に提案してくれるA社の営業の方にお願いしたが,施工業者の欄は空欄にさせてもらった。しかし,この後知人が強く勧めるB社で話しを聞き,建築中の現場を見せてもらったところ材料や剛性にこだわったつくりに正直な話,感動してしまった。A社が安い材料を上手に使って見栄えの良い家を造る庶民派とすれば,B社は良い材料をふんだんに使った高級住宅というイメージなのだが,ともかくB社にも見積もりをお願いした。 価格的に折り合いがつくようなら,迷わずB社に決めるつもりだがその時は一所懸命にやってくれているA社の営業さんが気の毒で... |
これが私の土地だ |
| Jan.1999
結局B社と契約した。他社に比べて割高だったが構造材だけでなく内装にも木をふんだんに使うなど,自然素材の扱いに慣れているところが決め手であった。 木造軸組み工法2階建てで延べ床面積97.5平米,柱と筋遣それに下回りは桧,上の方は米松。内装は床に27ミリ無垢の杉板,壁・天井はオスモのスプルース貼りと和紙クロス貼り,ドアなどの建具は木のオリジナル建具。というのが私の家の仕様だ。 |
| Feb. 京都の城南宮でお祓い・祈祷を受けてお札などをいただいた。ここは方除け・厄除けの祈願所として知られている。おそらく近畿圏の慣わしだろうが,家を新築するときは城南宮にお参りし,いただいたお札や砂などで作法にのっとり土地・家を清めるということをするようである。 城南宮で授かった(買った)もの 祈祷を受けると庭園の拝観と抹茶の接待を受けられる。 |
京都城南宮
城南宮御札 |
| Mar. 仕事で5日ほど北海道へ行っていた間に基礎がほとんどできてしまった。 |
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| 7.Mar. 棟上である。こちらでは上からもちを撒く習慣があるのだが,これはパスすることにした。この日,淡路島は朝から晩まで雨だったが棟上の日の雨は「福が『吹き込む』」と言って縁起がいいと工務店の社長が教えてくれた。しかし雨の中で作業をしている大工さんは気の毒だった。施主は作業の開始から終了まで立ち会うのが普通だということなので朝の8時から夕方の5時まで作業を見守っていたが,傘をさして見ているのが悪いような気がした。派手なセレモニーは特にしなかったけれども現場に立っていると,通りがかりの近所の人とお話できたりしてよかった。 |
棟上の翌日 |
| 13.Mar. 工務店の事務所で電気関係の打ち合わせ。ISDNルーターを導入するので,各部屋へのISDN・電話・LANの配線をお願いした。 工務店の営業I氏から完成見学会をさせて欲しいと申し入れがあった。そのために塗装されたサイディングの上からさらに現場で塗装してくれるということだ。見学会といえば新聞の折込み広告に"N様邸"などと写真入りで紹介されて島中の家に配られる。目立ちたがりやの私としては少し楽しみでもある。 |
| 28.Mar. 電気関係の配線がほとんどできている。内装もかなり進行しているが,2階部分のサッシがまだ入らないのでその部分から先の工事が進まない。今回,工事をお願いしている工務店ではアメリカのマービン社製サッシを標準としているのだが,輸入品のために在庫がなければ取り寄せに時間がかかってしまう。マービンのサッシには雨戸や格子がつかないので,1階部分は防犯などを考えてYKK製のものに代えてもらった。 この家の間取りは2階にリビング・キッチン・主寝室,1階に洋室・和室・風呂・洗面・トイレとなっている。先に書いたISDNルータは2階の主寝室に置き,ここから壁の中を通してISDN・TEL・LANの線をリビング・1階洋室・和室へと配線した。 |
主寝室裏側から見た通信関係の配線 |
| 25.Apr. 工務店の事務所で,壁紙・ブラインド等の打ち合わせがあった。打ち合わせの度に車で30分もかかる工務店の事務所まで出かけているのだが,これは今住んでいるところが職場の寄宿舎で,業者にあがってもらって話をするスペースがないためだ。 壁・天井は,ほとんどオスモのスプルース貼りだが予算の都合で一部の部屋はクロス貼りになった。まあ変化があっておもしろいけど,ビニールクロスは嫌いなのでキッチンまわり以外は和紙クロスにした。 カーテンは値段が高いのと,埃っぽくなるのが嫌なのでブラインドとロールスクリーンにする。 |
オスモのスプルース |
| 1.May クロス貼りが終わって,コンセントや照明がついた。やはりビニールクロスを使っていない部屋は不快な接着剤の匂いがしない。オスモのスプルースと和紙クロスは結構いけてるのではないかと思う。 |
和紙クロスを貼った部屋 |
| 16.May 午後4時,現場で工務店と打合せ。工務店側から営業のI氏と現場監督のM氏が来た。I氏はかなりラフな服装で現れたのでびっくりしたが,この人のことは以前から"ざっとした性格"だと思っていたので気にせず打合せを始めた。 外付けバルコニーの足の位置などを確認。県の指導により,当初の予定より建物が道路側へ寄ってしまったのでバルコニーの面積が縮小される心配があったが,敷地境界いっぱいまで張出してなんとか見積り通りの大きさ(2mの張出し)で出来そう。材料は足など骨組みにベイ松,床はオスモの床材,手すりの下はラチスを利用する。 そして今回の工事で結構こだわった雨水タンクの設置場所などを確認。これは当初200リットルほどの容量で架台式のタンクを予定していたが,工務店側の提案で地中埋め込み式の600リットルのタンクに決めた。 架台式の利点は,高さをそこそことれば重力を利用して配水できること,タンクが地上にあるのでメンテナンスが容易なこと。欠点は日射の影響で微生物や藻などが発生しやすいこと,タンクの劣化が早いことなどが考えられた。 地中埋め込み式は,容量を大きく出来ること,日射や気候の変化の影響を受けにくい,ポンプを使うので水圧が高い,すべての樋から集水出来ることなどが利点として考えられた。欠点はポンプの電気代がかかる,メンテナンスが不便,設置コストが高いといったところか。 一通りの打合せが終わって,同世代の男3人が雑談モードに入ったところでI氏が言いにくそうに切り出した。「実は私,今日こんなラフな格好をしていますが,15日付けで退職しました。」(゚o゚) そもそも業者を決定するとき,この業者が自然素材の扱いに慣れていることが一番のポイントだったのだが,彼が自社の商品に絶対の自信と誇りを持っているように見えたことに引かれたのだった。それなのに... 「外から見えないことがいろいろあるんです。」ということらしい。まあ,家はほとんど完成しているからいいんだけどね。 |
| 20.May ほとんど完成している。前日に見たとき,バルコニーはまだ陰も形もなかったのに完全に出来あがっていた。一瞬目を疑ったが,別のところで組み立ててあったものを吊り上げてくっつけたとのことだ。裏へ廻ってみると,雨水タンクの埋設も終わっている。家の中に入ると,養生シートが除けられて清掃が終わったところだった。床面が見えると今までとはまったく違った感じに見える。工務店の人が「20日を過ぎるとガラッと変わりますよ。」と言っていたのを思い出した。 2階に上がってリビングからバルコニーに出てみた。海を望む丘の上という立地なので,このバルコニーからの眺望にはかなり満足した。ここに土地を取得してからずっと抱いていたイメージ通りの出来ばえだ。 この時点でまだ終わっていないのは,ロフトの階段,1階和室の畳(琉球畳),玄関ポーチ,ブラインドくらい。 |
バルコニーからの眺望 |
左側が雨水タンクの右側が雨水桝のふた |
| 29,30.May 工務店による完成見学会。 ○○町N様邸として,ちらし広告が地域の新聞に折り込まれた。両面刷りのかなり気合の入ったちらしになっている。工務店が宣伝のためにすることだから施主が立ち会う必要などないのだが,同僚たちが見に来るということなので,その相手をするために現場へ出かけた。 農繁期ということもあり見学客は少なかったが,近所の人や同僚が見に来てくれた。まるで私のために工務店がお披露目をやってくれているようで,少し申し訳なく思った。 知り合いや近所の人などで工務店のお客さんになりそうにない人たちの案内を私自身でさせてもらった。木の壁,電化キッチン,バルコニーからの眺望が好評であった。雨水利用についても「今までそんなこと考えても見なかった。」と感心していただいた。 |
| 5.Jun. 鍵の引渡しを受けた。これを使うと工事用の鍵が使えなくなると言うものだ。まだ調整や補修などで業者が入るので,8日までは使わないでくれと言われた。 8.Jun. 自分でTAを用意する場合は,この工事のときに用意できていないといけない。 この日から少しずつ自力で引越をした。旧居は1ルームなので荷物も少なく,自力+大きいものだけ引越屋に頼もうというつもりだったが,この目論見は非常にきびしいものであることが後になって判った。 27.Jun. なにはともあれ,新築1戸建てでの独り暮しが始まった。 おわり。 |