O山出版で通用するレベルの替え歌。
そこら辺の技術とかをO山が大まかに語ってみるページです。
一応不定期連載を予定しています。

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 第一回「これで君も替え歌師」

以前より、ちょくちょく替え歌について相談いただくことがありました。
そこで、替え歌論をおととしの冬に〜すべてがDになる〜に掲載したんですが、何故か自分の手元に大量に残っていて世間に出回っていません。
そこで数回に分けて、替え歌について簡単に語ってみようと思います。
とりあえず本日は第一回「これで君も替え歌師」。
これだけできれば明日からウチの本に掲載されます、という話をしてみましょう。

一 お約束
 テーマに従い、元歌を変形させることが替え歌のほぼ唯一の作業です。
 この時心がけることは「替え過ぎず、残し過ぎず」ということです。
 これは替え歌である以上当然のルールです。
 元歌が残ってなくては単なる作詞で、残りすぎだとそもそも「替えてない歌」なので当然ですね?
 匙加減は簡単ではないですし、感じ方の違いもあるので一律線引きは難しいですが、「作って7割、残して7割」をO山は提唱してます。
 知っていれば基本中の基本なんですが、意識してやっている人はそんなに多くないと思われるので、これが守れているだけで印象はぐっと良くなるはずです。

二 基本テクニック
1 品詞差し替え
 お約束の話だけでは漠然としすぎでしょうから、ちょっと具体的に語ってみましょう。
 元歌の一文を持ってきて、その品詞を差し替えてみましょう。
 名詞差し替えであれば主題が、動詞であれば状況が、形容詞であれば状態が変化しますね?
 これがもっとも基本的な技術です。
「え? それだけ?」
 と言う意見もあるでしょうが、これが出来ると元の詞と文章の形がそろいます。
 逆に言えば、これが出来ないと元の歌詞とまったく似ても似つかないものが出来上がる、と言うことです。
 これは次回以降に述べる話で生きてきます。

2 韻を踏む
 さて、文章の形はそろいましたか? 次は音の話です。
 品詞を差し替えるときに、「○○と○○は発音が似ているなあ」とか考えた事はありますか?
 世間で言われる「空耳」って奴になりますが、それを意図してやってみましょう。
 これを韻を踏む、といいます。
「韻ってなんだよ?」
 と言う質問も考えられるので、もっとバッサリ言うと、
「文字数を合わせた上で、最低5割の文字で母音か子音を元の歌詞に合わせろ」
 と言うことです。
 具体的には「天使」と「センチ」とか「飛べ!」と「萌え!」なんかです。
 これが出来てると、世間一般で「上手い替え歌」といわれるレベルまでは来ます。

 大まかな話はこれで終わり。
 ね、とっても簡単でしょ?
 まだまだ、技を盗んでやるぜ!
 と言う方は次回をお待ちください。


 第二回「それって歌えるの?」

 こまめに更新があるとやっぱり人は来てくれるのか、それとも替え歌をまじめにやってみようという粋人が世の中には結構いるのか、カウンター回ってますね。
 そんな副産物はさて置いて、この調子で替え歌師を増やして脱オンリーワン企画、第二回のテーマは「それって歌えるの?」です。

三 とりあえず歌ってみよう。
 当然のことなんですが、替え歌ってのは歌ってはじめて完成するものです。
 確かに、元歌と比べて技巧の妙を楽しんだりとか、純粋なネタ文章として楽しむ、という側面がある事は否定しません。
 でも、メロディに乗せ、人によって発声されることで、単なる文章では表現できない深みが出てくるのが替え歌の面白さです。
 っていうか、メロディに乗せることが出来るという利点を有しているのに、自分からそれを放棄する事はありませんよね?
 で、早速質問です。
「その歌、歌えましたか?」
 歌えた人はとりあえず以下を読まずに今回は寝ちゃっても構いません。

四 歌としての調整
1 基本
 前回語った「元歌に文字数を合わせて品詞を置き換える」と言う作業はここで生きてきます。
 元歌が日本人に歌える歌であることが大前提ですが、元歌に文字数をあわせて同一品詞での差し替えがなされている場合、かなりの確率で元歌と同じ歌い方が可能です。
 一方、元歌と比べて著しく文字数が増減している歌詞は、歌うまでもなく「歌えない」と断言できます。
 そこで、文字数が過不足するときは類義語で差し替えてみましょう。
 例えば「つばさ」なら三文字で「はね」なら二文字ですね。また、「ウイング」と言えば四文字(但し「ん」が入っているので原則3文字半(後述))になります。
 ちょっと値は張りますが、類義語辞典なんてのも世の中にはありますので活用されてみては如何でしょうか。

2 応用
 どうしても文字数が合う類義語が思いつかない。文字数は増減するがここはこの単語でなくちゃダメだ。確かに、そんな場合もありますね。
 でも、「早口でお願いします」なんて力技に訴える前にもうちょっとだけがんばってみましょう。
 元の歌詞が例えば5・7・5と17文字を並べているところに3・10・4という形で差し替える、前後の文節間での文字数の貸し借り、という方法を試してみませんか?
 多少節回しが崩れる恐れはありますが、文字数を貸し借りしている文節が一息に歌う箇所であれば、文字の貸し借りは原則可能です。
 一方、元歌でブレスをはさむ、一呼吸置くと言う箇所にまたがっている場合は品詞がぶつ切りになる恐れがあるので避けましょう。

3 例外
 夏が寒くて作物の…
 それは冷害ですね。
 さて置き、この文字数調整で気を配るべき問題として「ちゃ・ちゅ・ちょ」とかに代表される小さい文字と、「ん」の扱いがあります。
 発音してみるとわかるんですが、これらの文字は通常の子音母音の組み合わせからなる一音と比べ、発声に要する口の動きが一動作程少ないです。
 便宜上、自分は半音と呼んでますが(恐らく国語的に正しい表現ではないと思うので注意)これを一文字と数えると、歌う段階で微妙なずれが生じる場合があります。
 ですので、カウントの際には注意してください。
 これに関しては、自分も今のところ同じ箇所に半音を入れるか、歌い方でごまかすか以外の手段を持っていません。

 さて、これで歌としても形になってきました。
 ここまで来れば打倒O山、下克上の日は近いです。
 …自分の首を絞めてどうする俺。
 とりあえず、次回は質疑応答などを考えています。
 質問等をメール、掲示板に寄せてください。
                    06/1/28

(06/2/2)なんか、投げっぱなしなのもあんまりなので、一つ課題を出してみようかと思います。これといって思いつかない人は参考にしてください。

初級編 勇者王誕生! の歌いだし「ガガガ ガガガ ガオガイガー」で最近の話題、流行モノ、マイブームを表現してみてください。

中級編 そのネタで「空間湾曲ディバイディングドライバー!」を替えてみてください。

上級編 さらに「奇跡・神秘・真実・夢 誕生! 無敵のどでかい守護神 僕らの勇者王!」まで替えられますか。
 ちなみにこの部分は替えずに他の部分の流れでつなぐという手段を用いることがあります。正直この曲でも有数の難関と言えましょう。

 宿題に対する回答はメール、公開を辞さないという方は掲示板にでも書き込んで置いてください。なお、メールや掲示板に書き込まれた皆さんのネタを、我々が無断借用する事はないと明言しておきます。


 第三回 元歌の話

久方ぶりの更新でございます。といっても実際この連載、後二回ぐらいで全部語ってしまいそうな勢いですが。
さて、今回は前回の宿題を枕に、ここまで何故か避けてきた元歌の問題について、いろいろ語ってみましょう。

五 元歌の話
1 前回最期に出した宿題はガガガを対象に替え歌をしてみよう。でした。
 この曲を選んだのはいくつか理由があります。
 一つはO山出版でこれまで一番多く使われてきた元歌であること。
 もう一つは、このページを閲覧しているであろう人にとってメジャーな曲であること。
 最後に、同じフレーズが繰り返し使われる曲である、ということです。
 わかる人は解ると思いますが、これは実のところ三つとも同じ事を別の方向から言っているに過ぎません。
 一言で言えば、替え歌に向いている曲である。と。

2 とりあえず前回のお題に応えると、時期的には「姉歯、姉歯、骨抜いた」「計算難色「二割ほど抜けんか?」」とか「株価、株価、マジ落ちた!」「決算粉飾被害食うトレーダー」なんかが政治時事ですね。
 お宅業界だとアージュ辺りに向かって「出すか出すか間に合うか」「中間報告?二年ほどずらした」と歌ってみるのもいいかもしれません。
 時にオルタ、出ました?
 さて置いて、例えば今呈示した部分に宿題の最後の部分も加えれば、大体元歌の3〜4割が埋まります。
 つまり、あと1割か2割を韻を踏んで替えることができれば、他の部分は力技でもそれなりに鑑賞に堪える、ぶっちゃけウチの替え歌師が手抜きして作った作品程度のできには間違いなくなるということです。

3 今の話から帰納される替え歌に適した元歌、の要件ですが、繰り返しが多用される、ということです。
 昔のアニソンや特ソンがウチの替え歌で多用されるのはそれが一つの理由です。
 サビが繰り返される歌はその部分を韻を踏んで替えることさえできれば形になる。一方で歌詞に反復がなく、それこそ誰かの師に曲をつけたようなものは一曲丸々変えなくてはならない。
 どちらが容易かは、やってみるまでもないですね?
 で、あと二つの理由ですが、例えば婦女子向けの替え歌を作るとして、対象の女性が聞きっこないべたべたのオタクソングを使いますか?
 まともに考えれば使いませんね。作るだけ無駄ですから。即ち、対象層が知っているであろう元歌。これが替え歌に適した元歌の要件の一つです。
 で、こういう元歌であればこそ、多用される。
 ガガガを選んだ理由で挙げたことは、以上のように実はひとつのことである。理解してもらえたでしょうか。

4 本日のまとめ
 もうちょっと話を進めておきたかったのですが、今日はこの辺りでタイムアップのようです。とりあえず今回話したことについて簡単にまとめておきましょう。
・替え歌に適した元歌とは?
@繰り返し同じフレーズが出てくる。
A作品を見せたい層のよく知っている曲である。
 以上です。

 なんかまとめると、何でこんなに文章が膨れたのか、自分でも謎ですね。
 さて置き、今回語り残したことととあわせて次回は替え歌論のまとめみたいなものを書いて最終回としたいところです。
 今しばらく皆様にはお付き合いお願いします。


 最終回「俺たちの戦いは(以下略)」

五の補足
 そんな元歌、どこで探せばいいんですか?
 などと言う質問があったりします。
 これについては純粋に量を知れ。としか言い様がないですね。
 とりあえずO山出版の替え歌師は歴代戦隊とメタルヒーロー、ライダーとウルトラマンは必須。そこに肉付けとして80〜90年代のメジャーどころのアニソンを抑えて、ちょっとばっかしポップスも手を伸ばす。数で言えば500曲くらいはぱっと思い浮かぶ位の量くらいは抑えていると思うんですが。
 で、それだけ知識があると、特定の単語、例えば汚職事件ネタ等で羽⇒金、の変換を思いついたときに単語から元歌を検索するという方法(羽という単語が繰り返し歌詞に登場する元歌を検索)が可能になります。
 こうなると、当初予定した元歌がどうしても替えられない時でも、中心となる差し替えた単語に着目して別の元歌で作品を完成させられる可能性が高まります。
 あとは、純粋に慣れ、経験の世界です。作品数が二桁、三桁ではやはり見えてくる世界は違うと思います。

最終回「俺たちの戦いは(以下略)」
なんか随分間が空いてしまいました。ぼやぼやしているうちにオルタが出てしまうなんて、どこの巨匠並の連載間隔なんだろうかと自問自答。
さて置き、替え歌のお話の第四回、今回が一応の最終回です。
以前に書いた替え歌論の話では最初に来ていた、そもそも論を今回は語ってみようかな、と思います。

六 君は何のために歌うのか?
1 「戦争なんてくだらないぜ!俺の歌を聴け!」
 そんな叫びも随分昔の話になってしまいましたが、ぶっちゃけ今回の話はそういうことです。
 替え歌師、なんて気取って自称してますが、実際のところそんな職業ありません。
 いつかナンバーワンになるんだ!と嘯くと、「いいや、あんたはオンリーワン」とか周囲から突っ込まれるマイナージャンルです。
 同人系替え歌の世界において、技術のみを追い求める事には、すくなくとも現段階で何の意味もありません。
 では、何のために自分は替え歌を続けているのでしょうか。自問の形をとりますが、これは替え歌を志す人ならば一度は問うてほしい命題です。

2 もやもやとした空気に形を与えるということ
 ぼやきは、ただのぼやきです。人のぼやきを聞いて面白いという人は少数派でしょう。まあ、理路整然と、めりはりがきいておもしろいぼやきなんてのは煽動政治家の演説だと思いますが。
 まあ、そこまで行かなくとも、歌と言う形には、もやもやとした空気を某かのまとまったものとする力があると思います。
 単なる説教ではなく、娯楽として高められた思索。それを今の自分は目指しています。
 そして、替え歌はそれができる形式であると信じています。

3 手段としての替え歌
 何かを訴えたい。自分の思いを伝えたい。
 これは知的活動を行う個体ならば当然有する欲求です。そして、替え歌はその欲求を満たすための一つの手段です。
 だから、自分は主張したいことがある限り、作品を作り続けます。
 替え歌の技術を高めるために、替え歌をやっているわけでないのです。
 故に、これは本来であれば最初に語るべきそもそも論なのです。
「貴方は、替え歌で何を語り、伝え、訴えようとしているんですか」と。
 これに明確な答えが出せる人にとっては、ここまで語ってきた技術論は有用なものだと思います。
 この問いに答えが出せない人は、自分の答えが見つかったときにあらためて技術論を読み返して下さい。今の貴方に必要なものは、技術ではないのだと思います。

七 結び
 長々と書いてきましたが、実のところ系統立てて語れる技術などと言うものはそれほどないのだな、とあらためて確認している次第です。
 まだ、語っていない技術は多々あります。しかし、現段階で自分にとっても系統立てて語れるほど明確なものではなく、また、経験を積んでもらわないと何とも言えない技術というものが多いため、いずれ時期を見て発表できたらと思っています。
 お付き合いいただき有難うございました。



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