| 日記 2003年7月 |
| [虫こわい] 2003年7月31日(木) ![]() なんだか発熱。加えて生理痛。横になっても腕と首のあたりがぞわぞわとするので眠れず。居間の床に座って「どうにかならないかな」などとどうにもならないことを考えながら途方に暮れていると開けた窓の外で「ブブ」と音が。虫。虫?よつん這いになっておそるおそる窓のほうに近づいた途端にすごい勢いで「カナブン」が妻めがけてブイーと飛んで来て網戸にぶつかり、妻はそれを見て「ノー!」と叫んでしりもちをついた。ここは24階ですよ。網戸にへばりついている「カナブン」の飛翔力に脱帽するとともに、早くどっか行ってくれと祈る。 しかし「網戸虫こないスプレー」をした網戸なのに。「虫こない」んじゃなかったのか。 |
| [食事中] 2003年7月30日(水) ![]() 午前1時半に夫がヨレヨレになって会社から帰って来た。これから晩ごはん。疲れている夫を元気づけるべく、妻はごはんを食べている夫に「夫を待っている間に暇にまかせて見たテレビの話」をした。テレビでは「蜘蛛」にコーヒーを飲ませると「蜘蛛」は酔っ払ってへべれけになり、「蜘蛛の巣」もべろべろと適当に作っちゃうのです。というのをやっていたのだった。妻はひとりで盛り上がって語り「それで蜘蛛の糸がね、こう、」とまで続けたところで夫を見ると夫は「やぎ」みたいな困った顔をしていた。つまり伏目がちなのだった。その時の夫は今まさに「納豆」をねばねばとかき混ぜて食べようとしていて、夫の表情からして「納豆の糸」で「蜘蛛の糸」を連想しているに違いなく。沈黙は流れに流れ。 それから慌てて話題を変えた。悪いことをした。 |
| [せかさない] 2003年7月29日(火) ![]() お弁当をこしらえたり夫のかばんに必要なものを詰めたりする「朝の作業」が終了すると妻はしたくをしている夫についてまわる。のんびりと靴下をはいている夫の横で「急げ急げ」だとか「電車行っちゃうよ」だとか言いながらうろうろとうろつく。洗面所までついて行って後ろに張りついて見ていると夫は髪にワックスをつけ、鏡を見ながらああでもないこうでもないとやっている。いつまでもいつまでもやっている。「無造作ヘア」にも夫なりの秩序があるらしかった。妻はそんなことおかまいなしで夫と時計を交互に見ながら「洒落こいている場合じゃないですよっ」とひとりで焦っていたが突然思いついて勝手にカウントダウンをはじめ、「ゼロ」になった瞬間にバチーンと洗面所の電気を消してニッと笑ったら怒られた。 |
| [実験] 2003年7月28日(月) ![]() 夫は手の親指を押さえられると「指ずもう」で「負けた」気分になるらしく、妻が無意識に夫の親指を押さえていようものならものすごい勢いで引っこ抜き、逆に妻の親指を押さえ込む。夫には「親指の位置」が重要みたいだった。妻は「親指の位置」などわりとどうでもよろしい。きっと妻の親指は鈍いのだ。 夫と妻は毎晩仲良く手を繋いで眠るので、果たして眠っている時もそうなのか確認してみた。夜中に繋いだ手をそっとほどいて夫の親指をギューと押さえてみる。すると夫の手はピクと動き、ゆっくりと指が引き抜かれ、そして妻の親指にかぶさってきたのだった。本物だ。夫の親指は寝ながらでも勝ちに行っている。 |
| [洒落込む] 2003年7月27日(日) ![]() まだ夜の9時も半だというのに夫はソファで眠ってしまった。とりあえず夫がだいじにしている「夫のおなか」に毛布をかけて妻はパソコンで遊んでいたがしまいにやることもなくなり。時計を見るとまだまだ早い。そこで妻は寝室から「まくら」を持ってきてソファの下に置き、床に寝転がって夫とうたた寝と洒落込んでみた。しかし1時間後に猛烈な背骨の痛みで起き、ぷんぷん怒りながら夫を揺さぶり寝室に連れて行って共に寝た。床は固いのだ。 |
| [散歩] 2003年7月26日(土) ![]() 夫と焼き鳥を食べたあと満腹で近所を散歩。休みは素敵。ほろ酔いで振り向けば夫が「ガチャガチャ」をしている。ずるい。落ちてきたカプセルには「シャボン玉」が入っていた。それをフーと吹きながら「この道を通ると近道かも」と知らない道を指さして夫が言い、妻も笑顔でそれに従ったのだけれども案の定迷った。見知らぬ住宅街をてくてくと歩き、そろそろ不安になり始めた頃さきほどおいしく焼き鳥を食べたお店よりもはるかに家から離れた場所にある「見知った道」が突如現れたのだった。すごい遠回りだった。 |
| [もらいもの] 2003年7月25日(金) ![]() 夫が「『めばちこ』ができちゃった」と言いながら会社から帰って来た。よく見ると確かに夫の左目の下まぶたがぽこりと腫れている。おお。かわいそう。例によってインターネットで調べる。妻がパソコンに向かっている間、鏡でもって己の目を観察していた夫が「関西では『めばちこ』って言うけど関東では『もらいもの』と言うんだよね」と言った。「もらいもの」…?妻は「のし」を乗せてきれいな包装紙に包まれたおいしい「カステラ」や「水ようかん」などをたくさん想像してから「違うよ。それは『ものもらい』だよ」と思った。 |
| [夫のおなか] 2003年7月24日(木) ![]() 夏のふとんは綿毛布。シングル用の綿毛布をひとり1枚づつかけて眠る。常におなかを大切にしている夫なので、毎晩シャツをズボンの中に入れてから綿毛布をおなかにかけるという念の入れよう。妻にも「冷えたらたいへん」と言ってシャツをズボンに入れる「かぼちゃスタイル」を強要したりする。ところが夜中にふと目覚めて見るとおなかに厳しいはずの夫のふとんはバーンとどこかに蹴っ飛ばされており、おまけにシャツもめくれあがっている始末だった。おなかもなにもあったもんじゃなかった。 |
| [不健康] 2003年7月23日(水) ![]() 夫の仕事が一段落ついたらしく、本日はお休み。昨日は夕方に会社を出た夫と待ち合わせて街でデートをしたのだった。 通りかかった「ゲームセンター」で「太鼓を叩くゲーム」をした夫婦。初体験。ちょっと楽しい。しかし浮かれてドンドコドコドコと太鼓を叩いたたった2曲の間に妻は肩の筋肉がビシっとなり、夫は胸の横の筋肉がビシっとなった。「痛いよ」「痛いよ」と言いながらヨレヨレと帰って来たのだった。 そんな昨日を振りかえりつつ、「あれしきのことで筋肉つったらだめよね」とふたりで反省会。 |
| [化けてない] 2003年7月22日(火) ![]() 電車に乗る。 妻の向かいに座っているピンクのフリルを着てピンクのかばんを持った女性がピンクのポーチからピンクの鏡を取り出し、おもむろにマスカラを塗り始めた。電車の中でお化粧はあまり感心しませんよ。そっと見ているとピンクの彼女はポーチからどんどん違うマスカラを出して第1のマスカラを塗り、鏡で確認してから第2のマスカラを塗り、さまざまな角度から鏡を見てまた第3のマスカラを塗る。ということを繰り返し、結局妻が電車に乗っている20分の間ずっとマスカラを塗っていた。しかし残念ながら妻には第1マスカラからの彼女の目元の変化がわからない。でもきっと彼女なりの「まつげの基準」があるのだろう。その女心、わからないでもないけれども彼女がマスカラを塗るたびに鼻の下をモーンと伸ばすのでそれを見ている妻もついつられて鼻がモーンとなりそうになって困った。 |
| [さまよう] 2003年7月21日(月) ![]() ガバーと飛び起きて時計を見ると午前9時だった。ねぼ、寝坊。夫が会社に遅刻してしまう。しかし横を見ると夫はいなかった。また動揺。夫は昨日から会社に泊まり込んで仕事をしていたのだった。会社に居ながらにして遅刻するわけがなかった。しかし半分寝たままの妻はそんなことをすっかり忘れ、ベッドから出て家の中をさまよい、最後に玄関の靴の数をかぞえて意味もなく安心してまた寝た。 それからしばらくして徹夜明けでぼさぼさになった夫が帰って来た。 |
| [夫の駄洒落] 2003年7月20日(日) ![]() 夫は日曜日だというのに会社に出かけて行った。しかも泊まり。我々夫婦の3連休はどこだ。 午後6時半からひとりテレビで「サザエさん」を観てもむなしい。ジャンケンも負けた。ああ。すこしアンニュイな気分で遠く離れた場所できりっと働く夫のことを思う。しかし妻の頭の中に出てきたのは、「ビックリッヒ」と呟く夫の姿だった。夫は驚いた時にたまに「ビックリッヒ」と言うのだった。いったいなに語なのか。彼なりのドイツ風ユーモアなのか。そして「ビックリッヒ」ではあまり「驚いている感」は伝わらないのではあるまいか。さまざまな疑問が妻の脳に。 なぜ「ビックリッヒ」と言う夫が妻の頭の中に突如現れたのかはわからないけれど、とにかくアンニュイどころじゃなくなった。 |
| [外す] 2003年7月19日(土) ![]() 休日出勤中の忙しくて優しい夫が「今日は外食しましょう」と言ったので、妻は喜びおなかをすかせて待っている。ぬかりない妻は待っている間にインターネットでコンビニ限定の「清涼飲料水のおまけ」の「サザエさん」が置いてありそうな場所を調べる。外食ついでに連れて行ってもらうのだ。ほどよく田舎がよろしい。そして学校が近くにあってもいけない。この情熱はどこから。 その甲斐あって「サザエさん」がまだ残っているコンビニを見つけることができた。ぜひとも「マスオさん」が欲しい。しかし中身が見えない。冷蔵庫の前で長時間居るわけにもいかないので時間との戦い。素早くボトルにぶら下がっている外袋をそっとなでて確認。「これはタマ」とか「これはワカメさん」と瞬時に判断しながらぽいぽいと「清涼飲料水」をかごに入れていると横にいた夫が「すぐわかるんだね。すごいね」と感心していた。妻は「みんな特徴があるのです」と誇らしげに答えたが、かんじんの「マスオさん」だと思って選んだ袋の中には「サザエさん」が入っていた。どこをどう触ったらあの特徴的な髪形を「マスオさん」と間違えることができるのか。まったくすごくない。しょんぼり帰宅の午前2時。 |
| [踊る] 2003年7月18日(金) ![]() 妻が「サザエさん」を愛しているのは周知の事実。だのに妻は知らなかったのだ。コンビニで清涼飲料水を買うと「サザエさん」がもらえるだなんて。 四国で偶然見つけて愕然とし、「波平さん」をもらい、帰ったらたくさん買いましょうと楽しみにしていたのにもう対象のコンビニには置いていなかった。数量限定が憎い。どうにもあきらめきれずに日中車に乗ってあてどもなくコンビニを回ったりインターネットのオークションのページで「サザエさん44個セット!」などをじっと見ている冷静さを欠いた妻の横で、夫は「落ちついてっ。44個もどうするのっ」と必死で説得しているのであった。 |
| [ゾーさん] 2003年7月17日(木) ![]() 熱心に新聞を読んでいた夫が「クローン技術を使ってマンモスを復活させる計画があるらしいよ」と言った。なんでも「凍ったマンモス」の核を「ゾウ」に移植して「マンモス」を出産させるのだそうだ。サイエンスだね。夫は記事を読んでくれたあと「でも『ゾウ』に産ませたら純粋な『マンモス』じゃないよね」と言い、さらに「『マンモス』と『ゾウ』の間のこどもだったら『マンモー』だ」と続けた。妻は意味がよくわからなかったので「ンフ」と空気を鼻から出してうなずいた。夫曰く「マンモウ」じゃなく「マンモー」だそうなので、夫の中での「ゾウ」は「ゾー」と書くみたいだ。 それから夫婦の話題は「マンモー」から「ポマト(根っこがじゃがいも上トマト)」へと移っていった。 |
| [不定期旅日記] 2003年7月13日(日)〜16日(水) ![]() 夫の青い車を拝借して母と乗り込み向かうは祖母住む四国。雨すごい。前見えぬ。高速道路も時速50キロの速度規制。時間がないので香川県を素通り。母と「おいしいうどん」の話をしながら進む。未練。 ばあちゃん待っててーと叫んで約5時間ののろのろ運転。 |
祖母の家は古い。そしてぼろい。到着するなり仏壇の祖父にあいさつをしていると妻の眼前をでっかい「蜘蛛」が横切る。泣きながら母に排除命令。祖母は「客用のふとんをねずみにかじられてのう」とか平気で言っている。ここでは住めない軟弱な孫である妻。祖母へのおみやげは結局「氷川きよしの今の曲」と「荒城の月」とを両方買って行ったのだけれども、祖母が求めていたのは「氷川きよし」のほうだった。祖母お喜び。最近の老人はやはりみんな「きよし」が好きなのだ。 明日は四国最南端である「足摺岬」まで祖母を連れて行く予定なので早々と就寝。虫を気にしつつ。 |
翌朝。「足摺岬」に向けて出発。ドライブの音楽はもちろん「氷川きよし」。しかも延々同じ曲。祖母は決して「もう良い」とは言わない。エンドレス。おかげで妻はすっかり「きよし」のうたう「白雲の城」と2曲目の「あの娘は行っちゃった」に詳しくなってしまった。こんなことならアルバムにすれば良かった。 |
車は海沿いを走る。宇和島。雨も上がり風も気持ち良い。素敵な眺めの場所に車を止めて休憩。祖母に「海が緑色だねえ」と言うと「グリーンじゃねえ」と言った。遠くを指して「あっちのほうは青いね」と言うと「本当じゃ。ブルーじゃ」とうなずいた。ばあちゃん。なんで色だけ全部英語に言い直すのか。 |
「足摺岬」まで高速道路はない。ひたすら地道を走るのだ。山奥に入って行くにつれ次第に道は狭くなり、とうとう中央の対向車線がなくなった。この道は国道ではなかったか。車1台がやっと通れるような道をどんどん進む。道なりに曲がった途端に猛スピードで向こうからやってきた大型トラックとはちあわせしたりしてなかなかスリリング。やめて。だのに道の脇には「魔のカーブ、まだまだ続きます!」という愉快なテレビ番組みたいなフレーズの看板が立っていたりする。「魔」とか言うな。冷や汗をかきながら5時間運転。 |
どうにかこうにか「足摺岬」到着。なんだかもう世界の果て。一番はしっこなので太平洋がぐるぐると見渡せる。この世は丸いのだ。絶景。写真では伝わりそうにない。この素晴らしい景色を夫にも見せてあげたいと思う。しかし同時にここに来ることはもうないだろうな、とも思う。だってものすごく遠い。 |
予約していた宿で温泉につかったりしていると夫からメール。置いてきたインスタントラーメンなどの食事を「もう飽きた」と言っている。夫、そのラーメンは非常食だから。もっとおいしいものを食べて。妻らは「かつおのたたき」を食べて四国の南の端でぐったりと就寝。 |
次の朝は母が洗面所に置いていた小さな「シャンプー」を祖母が「ヘアークリーム」と間違え、髪にニョロリと塗ってしまうことから始まる。洗い流してあげると言っても祖母は聞かず「まあ、よかろう」と言いながら「四万十川」へ向け出発。頭に「シャンプー」を塗った祖母を乗せて出発。「四万十川」では川が増水したら沈むしくみになっている「沈下橋」を見る。流されないように橋の欄干がない。おっかない。 |
「沈下橋」の上で雄大な川の流れをぼんやり見ていると雨が降ってきた。このままでは祖母の頭が「シャンプー」でもってアワアワになってしまう。半ば転がり込むように「屋形船」へ避難。ばあちゃん。だから言ったのに。「屋形船」はなかなか楽しかった。「四万十川」は「四万と十の大小の川が流れ込んで出来た川だから『四万十川』という名前」なのだそうだ。簡潔にして明瞭。妻は今まで名前の由来を知らなかった。 |
帰りは「四万十川」沿いをゆるゆると走る。やっぱり国道なのに「魔のカーブ」が続く細い道。思えば実家から祖母の家まで5時間。祖母の家から「足摺岬」まで5時間。しかも地道。毎日毎日5時間運転しているのだった。 もちろん道中は「きよし」を聴いている。「きよし」の歌声にもすっかり洗脳された頃、祖母が「そろそろ『きよし』を休ませてあげないと声が枯れてしまうよ」と優しさをもって言った。ばあちゃん。実際に『きよし』にうたわせているわけではないのだよ。CDはそういうもんじゃないのだよ。 |
祖母の家に着く。なんと祖母は家の鍵をなくしていた。入れない。出かける際に母と妻とで家中の窓を閉めまくってきたので戸締りは完璧だった。仇になるとはこのことだ。どうする。 しかし祖母の家は古くてぼろい。玄関は木の引き戸だし鍵も南京錠。試しにドライバーで反対側を留めているねじを外すと鍵はなくとも簡単に戸は開いた。まったく防犯にはなっていない。 |
翌朝。祖母に別れを告げる。祖母は旅先のみやげもの屋で買った「むかしの愉快な話」という小さな本を徹夜で読んでいたらしかった。疲れ知らず。まだまだ元気だ。また来るよばあちゃん。 |
実家に到着。大量に買い込んだおみやげものを母とともに整理。母は祖母の畑にあった「ししとう」や「しその葉」などももらって帰ってきていた。その袋の中にはいっしょに「なめくじ」も。四国からはるばるやってきた「なめくじ」を発見し、「ギヤー」と叫んで3泊4日の旅終了。 |
| [ご無事で] 2003年7月12日(土) ![]() 明日から3泊4日で祖母の住む四国へ行く妻。とその母。 ひとりで暮らしている82歳の祖母の様子を見にこうして年に何回か四国へ渡る。しかし今、仕事で大忙しの夫を残して旅立つことだけが心残り。お昼と晩は外食で済ませるとは言うものの、あればあるだけ食べるがなければないでなんにも食べない夫なのだった。極端。そこで妻は4日分の茶を沸かして冷蔵庫に入れ、4日分の「おやつ」と4日分の「焼かなくても食べられる朝食用のパン」と4日分の「ヨーグルト」と4日分の「ビール」と4日分の「小腹が減ったら食べる用インスタントラーメン」を用意。これだけあればなんとか。どうにか。 休日出勤帰りの夫にそれらをがさりと見せると普段あまり食べる機会のないジャンク・フードに夫の目が輝き気味。 |
| [日本の心] 2003年7月11日(金) ![]() 日曜日から祖母の住んでいる四国まで行くことになっている妻。とその母。いつもはおみやげとして祖母の好きな「まめ菓子」を大量に持って行っている妻だけれども、今回は祖母からリクエストがあった。母曰く「氷川きよしの今の曲」。なんだ。最近の老人はみんな「きよし」が好きか。おそろしい「きよし」。老婆をも。 なんでも「きよし」は祖母の大好きな「荒城の月」という有名な歌をうたっているのだそうだ。よしきた。なんでも買ってやる。意気揚揚とレコードショップへ。 演歌コーナーにはバーンと「氷川きよしポスター」があり、今の曲も難なく見つけることができたがしかし。曲名は「白雲の城」だった。ばあちゃん。「荒城の月」じゃないじゃない。惜しいとか似てるとか、そういう問題でもないじゃない。いったい祖母が求めているのは「きよし」なのかそれとも「荒城の月」なのか。まったくわからず妻は演歌コーナーで立ち尽くす。 |
| [ボテト] 2003年7月10日(木) ![]() 夜遅くまで働く夫のために、最近は夫のかばんに「おやつ」を忍ばせている。おなかがすいた夕方ごろ食べると良い。晩ごはんまでのつなぎになれば良い。昨日は「じゃがりこ」だった。なるべくかばんに入れやすい形状のものが好ましい。スーパーで吟味の日々。本日は「ポテロング」のガーリックバターあじ(ザクザク感はそのままに太さアップ!)を見つけたのでそれを。にんにくで元気になればなお良し。 そして夕方夫からメール。「おいしかったよ『ボテロング』」と書かれてあった。「ボテ」?「ポテ」ですよ。だって「ポテト」の「ロング」だもの「ボテ」のわけない。きっと夫は読み間違えているのだね。と最初は余裕を持ってそう思っていたがしかし夫は「ボテ」を連呼。納得いかない妻はわざわざスーパーにまで出かけて確認してみた。すると本当に「ボテロング」だった。この言いようのない敗北感はなんだ。 |
| [おつかれ] 2003年7月9日(水) ![]() 夫多忙中。午前1時の晩ごはん。夫は仕事から帰るなりぱくぱくと元気にごはんを食べて、食後に「みずみずしいものが欲しいな」と言った。こんなこともあろうかと妻はもらいもののおいしいメロンを冷蔵庫に冷やしておいたのだった。ナイス。「みずみずしいメロンがありますよ!」と言うと夫は喜び「わあー」と言ったので妻はさっそく台所に行き、冷蔵庫からメロンを取り出してストストと切り、お皿に盛って居間に戻ると夫は床に転がってぐうぐうと寝ていた。熟睡。 夫が「わあー」と喜んでから妻がメロンを持って戻って来るまで約3分。早い。早すぎだ。妻はメロンをのせたお皿を持ったままぼうぜん。 |
| [どうでも良い話] 2003年7月8日(火) ![]() 夫がテーブルの上を指さして「えだまめ」と言った時、妻は台所に居て晩ごはんの用意をしていた。妻には「えだまめ」が聞き取れず、「バナーヌ?バナーヌがどうしたの」と聞き返した。夫はもう一度言ってくれたのだけど今度は「ベルマーク」に聞こえ、3度目は「やまめ」。4度目にしてようやく「えだまめ」と言っていることがわかった。3度目の「やまめ」はまあ良しとしても、「えだまめ」をどうしたら「ベルマーク」や「バナーヌ」に聞き間違えることができるのか。どうかしている妻の耳。だいたい夫も別にテーブルの上にある「えだまめ」を声に出して確認しなくともよろしい。4回も「えだまめ」と言う羽目になる。 それから夫とふたりで「語尾に『ヌ』がつくとフランスっぽいよね」とか「いやフランスっぽいのは『ニ』じゃないかな」とか「バナーヌ」から始まったくだらないどうでも良い話をしながらおいしくごはんを食べた。結局「ヌ」がフランスで「ニ」はイタリアっぽい。ということで落ちついた。 |
| [くれたもの] 2003年7月7日(月) ![]() お誕生日第3段。 地元の友人にお祝いしてもらう。のこのこと帰り、実家で待っているとケーキの箱と大きな紙袋をふたつ下げて友人はやってきた。紙袋のひとつは友人からの贈り物で、もうひとつは「友人の母」からだった。「友人の母」の紙袋にはなぜか大きな文字で「お楽しみ袋」と書いてあり、中には大量の「じゃがいも」と「ちりめんじゃこ」と「海苔」が入っていた。まさにお楽しみ。なんというかもう。猛烈に嬉しかった。世の中の母は愛に満ちている。お礼を言って受け取って、友人が作ったケーキを食べ、楽しく遊んでから重い重い「愛のじゃがいも」を引きずって帰って来た。これにて誕生日終了。 |
| [ベテラン主婦の目] 2003年7月6日(日) ![]() お誕生日第2段。 義母がお祝いを持って我が家に遊びに来てくれると言う。慎み深く優しい義母なので我が家にやってくることは滅多にない。今まさに妻の技量が試される時。 ベテラン主婦であるところの義母の目に我が家はどう写るのか。「2年か3年かそこらの新米主婦にしては良くやっているほうだ」と思ってくれるのか。否か。妻奮起。気合を入れて掃除を。しかもさりげなく「いつもこんなに整っているのですよ」という雰囲気もだいじ。などとけっこうあざといことを考えながら前日から床の角っこのほこりだとか、洗面所の鏡の水しぶきの跡だとか、雨に打たれて汚れた窓だとか、家具や電化製品だとか。つまりは家にあるものすべてを拭いたり磨いたりした。まるで年末大掃除。その甲斐あって義母がやってくる頃には家はぴかぴかになった。義母は部屋をぐるりと見渡して「とってもきれいにしているわねえ」と誉めてくれた。妻の面目は保たれた。しかしあまりに不自然にぴかぴかすぎたものだから「今度からこんなに頑張らなくても良いからね。家族なんだから気楽にしてね」と言われた。頑張ったのばればれだった。 |
| [横たわる] 2003年7月5日(土) ![]() 夫休日出勤。おなかをすかせて待っているとやっと「今から帰ります」と電話。さっそく晩ごはんを作る。しかしおなかがすきすぎたせいなのか「ベーコン」を刻んでいる最中に突然妻の頭から血が下がり、目の前が揺れた。あっ貧血だ。どうしよう。とりあえず包丁を置いてからその場に横になってみる。ああ。気持ちが悪い。その状態のまま動けないでいると「ただいま!」と元気に帰って来た夫が台所に転がっている妻を見つけて悲鳴。さぞかし驚いたことだと思う。それから夫は光の速さでパソコンで「貧血の際の処置」を調べ、そのサイトの言いつけどおりに妻に毛布をかけ、水をのませ、低いまくらを床と妻の間にシュッと入れた。完璧だ。具合が良くなってからお礼を言うと夫は「いったいどうして貧血になったんだろうね?」と純粋な疑問を口にした。妻は「たぶんおなかがすきすぎたからなの」と、もじもじしながら言った。わりあい恥ずかしかった。それから晩ごはんを作って仲良く食べた。 |
| [妻のイメージ] 2003年7月4日(金) ![]() 妻の誕生日。 友人がお祝いをしてくれる。どうもありがとう。おいしいランチをごちそうになり、それからバーゲンセールの街を楽しく闊歩。 夕方。ひとやすみしようと入った喫茶店で妻は「ミックスジュース」を、友人は「ジンジャーエール」を注文。しばらくするとさっきとは別の店員さんがお盆にのみものを乗せてやってきて「お待たせしました」と言って妻のほうに「ジンジャーエール」を置こうとした。迷いなく。どちらが「ジンジャーエール」を注文したか聞くでもなく。その店員さんにとって妻は「ジンジャーエール」のようにピリリとした、そんなイメージなのかしら。薄いレモンの輪切りが乗った。そんなさわやかイメージ?そして友人はまったりとした「ミックスジュース」のイメージなのか。それから妻がなんとなく「ジンジャーエール」のイメージを意識して「きりっ」としていると、その「ジンジャーエール」をのんだ友人が「これ炭酸が抜けてる」と言った。もしも妻が「抜けた炭酸」のイメージなのだったとしたら。なんかいやだ。ぜんぜんさわやかじゃない。 夜。 遅くにケーキを買って帰ってきてくれた夫とささやかにお祝い。「28歳はなにをしますか?」と聞かれ、妻はしばらく考えたけれどあんまり良い案も浮かばなかったのでとりあえず「28歳は健康で愉快に過ごします」と言った。とりあえず健康。でもそれに勝る抱負はないよ。 |
| [東京タワーズ] 2003年7月3日(木) ![]() 日付が変わる頃に仕事でくたくたになって帰って来た夫が「今朝ものすごく面白い単語が頭に浮かんだんだよ」と言ったので妻は興味深くその「面白い単語」が飛び出すのを待ったのだけれど夫は「面白い単語が頭に浮かんだこと」しか覚えておらず、かんじんの「面白い単語」を忘れていた。聞いていた妻も言いかけた夫も消化不良。それから夫はしばらく必死で考え、その単語は「東京なんとか」だったことだけ思い出した。「『東京』のあとに作家か哲学者の名前が入ったかもしれない」と言うので「東京ニーチェ?」だとか「東京ドフトエフスキー?」だとか「東京ユング?」だとかたくさん羅列してみたがどれも正解じゃなかった。しかも正解が出たところで意味不明。だいたいそんな単語がぽんと出てくること自体おかしい。仕事が忙しくて夫はどうかしてしまったのではないかと心配な妻だ。 |
| [まめごはん] 2003年7月2日(水) ![]() 晩ごはんに「えだまめ」を出したのだけれど、たくさん茹でたので余ってしまった。加減を知らん。じゃあ残りは明日「まめごはん」にでもしましょう。という話になったので「妻は『えだまめ』の『まめごはん』が一番好きなんだよ」と夫に伝えたら「うん。それはもう70回くらい聞いたよ」と微笑まれた。なにをもって「70回」なのかは不明だが確かに妻は同じことを何度も言っている時がある。まるで初めて話すみたいに。 しかし夫が既に知っているとしても言い出した話を途中でやめるのもなんだかもやもやする。せっかくなので夫にとって「71回目」くらいになる「まめごはん」にまつわる一連の話(給食の「まめごはん」は「グリンピース」だったよね妻はわりと苦手だったの。とか)を終わりまで聞いてもらった。満足した。 |
| [ばったり] 2003年7月1日(火) ![]() 我が家の廊下はとても短い。「廊下」とも呼べないかもしれない。居間の扉を開けて玄関まで5歩。5歩分の廊下。夫なら4歩。 朝の妻は「夫の出勤準備」をするべくこしらえたお弁当や夫のかばんを持ってこの廊下を何度も往復する。時間との戦い。本日も居間と玄関の間を忙しく行ったり来たりしていると、「身支度を整えて洗面所から出てきた夫」とばったり会ってしまった。こんな短い廊下で。廊下の面積を考えてもこういうことはあまりないので互いに行く先を阻まれてしまった夫と妻は2秒ほど立ち尽くし、それから「すれちがうひとを避けようとして同じ方向に同時に踏み出し、いつまでたっても動けないふたり」をしてしばらく遊んだ。 朝から愉快だ。 |