| 日記 2003年11月 |
| [っぽくない] 2003年11月28日(金) いつもはすべすべの夫の手を握ったらずいぶんとぺたぺたしていたので手首から指から触りまわったあと「今日の夫はなんだか湿気っぽいね」と言うと「湿気っぽい…」とぽかんとしていた夫だけれど、「ぼくそんなことはじめて言われたよ」とちょっと傷ついていた。妻は慌て、なんとかするべく「ええと湿気っぽいっていうのは実はうそで。なんというか。湿っぽい」と言うや否や夫はわあっと机に突っ伏した。フォローのつもりが逆効果。ひとの状態を表す言葉として「湿気っぽい」を使用するのは今後やめる。 |
| [結局わからない] 2003年11月23日(日) 夫の実家で集う。義兄がとても古くて素敵な「ラジオ」を持っていたので誉めると義兄は「これは『真空管ラジオ』なのだよ」と言って見せてくれた。なるほど中にガラス管がぽこぽことついている。しかし機械のことなどさっぱりわからない妻なので義兄に「『真空管ラジオ』ってなんなの」と質問。義兄は「『トランジスタ』じゃないラジオだよ」と教えてくれたが「トランジスタ」自体が妻には不明。さらに解説を求めるべく「『トランジスタ』ってなんですか」と聞くと義兄はニッと笑って「『真空管』じゃないということだよ」と言った。なるほど。よくわかった。 |
| [寝過ぎない] 2003年11月22日(土) 「わあ」と言う夫の声で目覚めたら夕方の4時だった。傾く太陽。今日おわり。始まる前におわり。夫婦で窓際に立ち黄昏を眺めながら「午前4時でありますように」と祈ったけれどもやっぱり夕方の4時だった。太陽は西。ポストに突っ込まれた朝刊を取ってとぼとぼとと居間まで行き、コーヒーをいれ、食パンを焼いてヨーグルトを出した。そんな「朝食らしいもの」を食べ終わった頃に日が暮れた。電光石火。 |
| [近づかない] 2003年11月21日(金) 夫に冬用の深い赤色のパジャマを出す。そんなことを知らない夫はお風呂あがりに赤い「ボクサーパンツ」と赤いTシャツで登場。そこに妻が差し出した赤パジャマ。着るとなんかもう。中も外も真っ赤だったので妻は素直に「真っ赤だね」と感想というかわかりきった事実をひねりなく述べ、「牛には近づかないほうが良いよ」とアドバイスもしておいた。 |
| [どこにも行けない] 2003年11月20日(木) 妻の隣で横向きになって眠っている夫の寝顔をじっと観察。なんとなくほんわかとした気持ちでいたところ、普段寝相の良い夫が横向きに寝たまま突然「走るポーズ」をとったために夫の膝が妻の腰骨にクリティカルにヒット。結果的に「ひざ蹴り」を食らった妻はびっくりして思わず「のっ!」とうめき、「走るポーズ」をとったまま眠る夫の横でもんどりうった。痛い。夫はどこに走って行くつもりだったのか。 |
| [寝る子は育たない] 2003年11月19日(水) 夫が「有給休暇」を取って朝早くから「免許センター」へ運転免許証の更新に行き、一旦家に戻ってから街まで「車のなんとか」を買いに「パーツ屋さん」に出かけたりして有意義に休暇を過ごしているその間。妻は1日中こんこんこんと眠り続けていた。夕方家に帰ってきた夫は朝と同じ体勢で寝ている妻を見てやや驚愕。おみやげに買ってきた「ぶたまん」を妻の鼻先に押しつけて「おおい」とたたき起こしてから夫は時計を見、「ちょっとすごいね」と言った。妻もちょっとすごいと思っていたところです。 |
| [書けない] 2003年11月18日(火) 以前「オムレツ」を作りその上にケチャップで「オムライス」と嘘を書いたら夫にとても好評だった。その時夫は喜んで「オ」の部分から食べ始め、「ムライス」「ライス」「イス」「ス」とどんどん変化してゆくさまを楽しんでいた。というようなことを本日「チーズオムレツ」を作りながら思い出した妻なので今回もなにか「オムレツ」の上に書きましょうとケチャップを取り出したまでは良いのだけれどケチャップの残量がわずかだったために1文字目から空気ごとケチャップがブハーンと炸裂。ヨレヨレの文字になってしまった。 |
| [近くない] 2003年11月17日(月) 車に乗って郵便局まで行き、帰りによくわからない細い道をブーと通っていた妻。方向は合っている。まっすぐまっすぐ。これで良いあんばいのところで左に曲がると近道になるのだ。しかしまっすぐまっすぐ行った先は行き止まりだった。前に民家、左に民家右に民家だった。おとなしくそのままバックすれば良いものを「だいじょうぶ。回れる」と思ってしまった妻はよせばいいのに速やかにその場で方向転換を開始。結果、車は道に対して真横になってしまいもう1ミリも動けません。しばらくしてからおかしな方向に停まっている車を発見したそのへんのおじさんが親切に誘導してくれるまで妻はハンドルを握ったまま途方に暮れていた。 |
| [狩らない] 2003年11月16日(日) ![]() 荷物をおくる際のダンボール箱を調達しに夫とともに近所のスーパーまで。家に帰ってもらった「わたがし」の箱を組み立ててみると中から大きな紙が出てきた。手書きの文字で「クイズ」が書かれてある。 「もみじがりは もみじをどうする?」 きっと「子ども会」かなにかの「お楽しみ会」で使ったものを置いて帰ったのだろう。もみじをどうする?興味深く続きを見ると4択の内容は 「1.みる 2.たべる 3.ひろう 4.おやじがり」 だった。夫と妻はそれを読んで「なんだそりゃ」と呟くと同時に、我々は「小学生」というひとびとから一番遠い場所に居るなあと思った。 |
| [描かない] 2003年11月15日(土) ![]() 「ひき肉」を大量に買ってきたので大量に「ハンバーグ」を作る妻です。これでいつでもおいしい「ハンバーグ」が食べられるというわけです。 妻は「しいたけ」が好きなので妻の「ハンバーグ」には「しいたけ」をまるごと包んで丸める。夫は「しいたけ」があまり好きではないのでそのまま。どの「ハンバーグ」が「しいたけイン」なのか一目でわかるようにラップの上から「しいたけ」の絵を描いて並べてみると存外愉快だったので妻は嬉しくなり、晩ごはんの準備も忘れてぱちぱちと写真を撮ったりなでたりしているうちに夫が帰ってきたのであわててそれらをフライパンで焼いた。 |
| [わからない] 2003年11月14日(金) いらないものをインターネットのオークションに出品する夫婦です。レッツリサイクル。アンド大もうけ。本日は夫が出品した「ラジコン」に「速さはどれくらいですか」と質問がきた。どれくらい。はっきりした「時速」を測る術もなく。なんともあいまいな質問に夫はすっかり困り果て、「どのくらい…?」とか「ビュー!てくらい?」などとおよそ文字では伝わらないことを考え込んでいた。それからしばらくして妻は夫がなんと答えたのか知りたくなり、質問のページをそっと見てみると回答には「『一生懸命走っても追いつけないくらい』の速さです」と書かれてあった。ああ。これはとてもわかりやすい。 |
| [まくらない] 2003年11月13日(木) 女性ホルモンに翻弄される妻。毎回毎回生理前になると身体の奥からなにやら沸いてきて「窓を拭きまくり」とか「洗濯しまくり」とか「不細工なものを手作りまくり」とか一心不乱。最近は果たして今回は「なにまくる」んだろうかとひそかに思っている。そして今回妻の脳は「漂白しまくり」ということを選んだのであった。予想外。複雑女性ホルモン。そんなわけで妻は台所にある「茶碗」や「急須」や「水筒」やそんなもろもろのものを流しの「洗いおけ」にジャバーとつけ込んで漂白した。漂白しまくった。 ほどなくそれらのものはまっしろになり、妻は生理痛で茶色い顔になって寝た。 |
| [あぶない] 2003年11月12日(水) ![]() 高速道路の料金所でお金を払い、加速しようと思った途端に料金所のおじさんに「ストップー!」と怒鳴られた。びっくりして慌ててブレーキを踏むとおじさんは料金所から出て妻の車までてくてくと歩いてやってきてニッコリ笑って「料金100円多かったよ」と妻に100円玉を返してくれた。妻はお礼を言って詫び、ふたたび車を走らせた。とても親切にしてもらったにも関わらず妻は大声で呼びとめられたことで萎縮してしまい意味不明の涙をぼろぼろとこぼしながら運転して帰った。社会から遠ざかるとおかしなところが弱っていく。そして泣きながらの運転はあぶない。 |
| [どうにもならない] 2003年11月11日(火) 夫を送り出したあと妻も朝ごはんにしようと昨日大量に煮込んだシチューをあたため、ボウルによそったところで母から電話。なんと母は今妻の住むマンションの下のお店でコーヒーをのんでいるのだった。なんでも母は九州旅行の帰りで、おみやげを届けに我が家に寄ってくれたのだ。早朝の母の突然の訪問に妻は喜んで「早くおうちまでおいでよ」と言って笑顔で電話を切ったが見回せば。テーブルの上には湯気出るシチュー。部屋は散らかっていてあげく妻パジャマ。なにからなんとかすれば良いのか、シチューを食べたら良いのか。まず部屋を片付けたら良いのか。それより先に着替えるべきなのか。妻に与えられた時間は2分。 |
| [ないものはない] 2003年11月10日(月) 最近の夫は朝のテレビの「うらない」を楽しみにしていて、「今日のラッキーカラー」で教えてもらったとおりの色のTシャツを着て毎日出かけて行く。「なにかラッキーだった?」と聞いても「あんまし効果ないね」と夫は言うけれどもなんだかんだで恒例になりつつある。たぶん楽なのだ。夫は「Tシャツ道楽」なのでわりとすごい数のTシャツを持っており、今まで言われた「ラッキーカラー」でなかった色はない。妻は「うらない」よりもそっちのほうがすごいと思う。ちなみに本日の「ラッキーカラー」は「きみどり」で、夫はちゃんと「きみどり」のTシャツをたんすから出してそれを着、さわやかに出かけて行った。 |
| [意気込まない] 2003年11月9日(日) 夜はとても楽しみにしているお店で食事をする予定の夫と妻なので、朝から食パン1枚で各々のおなかの期待を高める作戦。あのお店でなにを食べましょう。アレも食べましょう。と1日中わくわくしていたのだけれども、「いざ!」と出発したところで空腹すぎてふたりして車酔い。運転している夫ですらも「うう」とか言っている。目的のお店まではまだ距離が。このままではどんどん気分が悪くなっていってしまいには楽しみにしていたごはんが食べられなくなってしまう。なにか。なにかおなかに。そうして途中で寄ったコンビニで「コメッコ」を購入。ふたりで分け合ってもそもそ食べるという、本末転倒的な悲しいことをしたのであった。 |
| [欲張らない] 2003年11月8日(土) ![]() 前は「とんかつ屋さん」だったお店がなぜか「インターネットカフェ」になっていた。そのお店を通りかかった際に「妻は行ったことがないです」と夫に言うと「じゃあ行ってみましょう」ということになった。夫は出張した時などに利用したことがあるらしい。心強くついて行く。 受付で「ネットペアシート」という席を指定するとお店のひとはソファとパソコンがあるだけの小さなスペースに案内してくれた。初体験。「のみものはのみ放題なんだよ」と夫が言うので妻はヤッホーとなり「カルピス」とあたたかい「ココア」を立て続けにのんでちょっとオエとなり、夫はそんな妻の横でぽちぽちとパソコンでなにか打っていた。そんなこんなで1時間が経過した。 結局家に居てもできることばかりをして帰った。 |
| [寒くない] 2003年11月7日(金) 冷蔵庫に「はくさい」がたくさんあってどう料理するか悩んでいて、スーパーでは「白ねぎ」と「えのき」と「くずきり」が安くて、良く見たら「ぶた肉」も安くて、勢いで白身の魚なども買っちゃって、家にはちょうどすっぱくなりかけの「キムチ」もあって、どう考えても今夜の晩ごはんは「キムチ鍋」以外になりようがないこんな日にかぎって湿度が高くて「鍋日和」ではないのはなんでなの。 |
| [できない] 2003年11月6日(木) 今、倹約の気持ち。夫が一生懸命働いたお金を毎月毎月全力で使っている場合ではない。そこで妻は結婚したばかりの頃に買った奥さま雑誌をひっぱり出してきて研究。「倹約のプロ」というかんじのひとが「じぶんでヘア・カットして美容院代ゼロ!」とか言っている。じぶんでか。わりと無茶。青くなりながら続けて読んでいると「残りもの活用レシピ」というものがあり、「にんじんの皮のスープ」とか「かぼちゃのわたのスープ」とか載っていた。そこまでしないとだめなのか。しかしなんでスープばっかりか。ちょっとしんみりとして本をとじた。 |
| [兄じゃない] 2003年11月5日(水) 北海道から「たらばがに」と「イクラ」と「ほたて」が届く。先週妻の父が北海道を旅した際に送ってくれていたのだった。ありがとう父さん。今夜はパーティ!とひとり浮かれて箱を開けると大きな「たらばがに」には兄のフルネームが書かれた札がバーンとついていた。なんでお兄さんのお名前が。「かに」に。父が間違えたのかお店のひとが間違えたのか、はたまたその「かに」は実は兄の変わり果てた姿なのか。などとわりかしくだらないことを「かに」の前で考えていたのだけれども兄でもなんでももうすでにおいしそうに茹でられていたので「はさみ」でばらばらにして食べてしまった。きっと兄のところにも妹である妻の名前が書かれた札のついた「たらばがに」が届けられていて、「これは実は妹のなれの果てではなかろうか」と思いつつもすでにおいしそうに茹でられているので「はさみ」かなにかでばらばらにして食べてしまっているのだろうな。と思いながら食べた。 |
| [やりすぎない] 2003年11月4日(火) 「我が家も雑貨屋さんみたいな良いにおいにしたいよ」と夫が所望する。雑貨屋さんはお店なので我が家のように台所もないし魚も焼かないし洗濯物だって出ない。果たして雑貨屋さんのように生活感のない空間にできるのか。とりあえず挑戦してみることにした妻は「アロマポット(ローズ)」に火をつけたあといただきものの「リネンウォーター(ラベンダー)」をカーテンとソファにプシプシプシプシと大量散布。やりすぎ。なんかもうすごいことになってしまったので頭がぐらぐらになる。たまらずすべての窓を全開。寒風吹きすさぶ部屋の中でがっくりうなだれて雨音を聞く11月初旬の妻でした。 |
| [なじめない] 2003年11月3日(月) インド料理のお店でカレーを食べたあと「アイスチャイ」を注文した夫と妻なのだけれどもその「アイスチャイ」にはいまだかつて口に入れたことがない香辛料が入っていた。ストローでずずとのむとおいしい煮た牛乳と紅茶の風味が広がり、笑顔になりそうになったところで突然木の枝をぼきーんと折ってわしーっと噛み砕いたようなあじが口中に。非常に暴力的。妻は平凡で保守的な味覚の持ち主であるのでその「アイスチャイ」の前でしばらく途方に暮れていた。おなかまで痛くなってきた。「本格派」というのはまことにつらい。 |
| [迷わない] 2003年11月2日(日) 食後。コンビニ。ちょっとばかりふんぱつして「高級アイス」を選ぶ妻と夫。一瞬一瞬を悔いなく生きていきたい夫はなにごともものすごく慎重に決めるので時間がかかる。本日も冷凍庫の前で長考。しばらく「エスプレッソアンドマカダミア」と「カフェアンドナッツ」のはざまで揺れていたが突然ハッとして「ぼくはひょっとしてコーヒーがのみたいんじゃないかな」とつぶやき、結局ただのナッツのアイスを買って帰宅。コーヒーをのみながらそれを食べた。合わせ技でめでたしめでたしだった。 |
| [見つけられない] 2003年11月1日(土) 夫は朝早くに起きてはるばる東京まで「バスケットボール」の試合を見に出かけて行った。テレビでも放送されるというので妻も見ることにする。「13列目に座っているよ」と教えてもらっていたので妻は「観戦しているひと」としての夫を見つけ出してやろうと密かに思っていたのだけれど放送が始まってびっくり会場は満員でものすごいひとなのだった。だったのだった。 それでも妻はテレビににじり寄り、なけなしの集中力でもって何万といる豆みたいな観客を必死でにらんでいたがしまいに目がぐるぐる回り出したので挫折。 こんなことなら夫に真っ赤な服でも着てもらえば良かったと思った。 |
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