このページの最終更新日2004/03/01
最近開眼したことをご披露します。
駒を立てたままで微調整をするときの主な着目点は次のような事柄です。
1:ウルフ退治
2:弦間バランス
3:位置間バランス
4:倍音調整
このうちで4の倍音調整をするときなどは、スクレーパーの刃先に粉が着くようでは削り過ぎです。刃先の感触だけが頼りの僅かなタッチだけですが、それだけに作業の結果について主観的な判定を下してしまいがちです。にもかかわらず、こうした作業を繰り返していくと、次第に良い方向に近づいていきます。どうにも不思議な感じがするのですが、その背景には次のようなことがあるのを発見しました。
「試し弾きするとき、右手は無意識に望ましい音がする位置をボーイングする傾向がある。そのため、的を得たタッチをした後は、より大きな音が出る駒際に近づいてボーイングすることになり、倍音も豊に出るようになる。」
タッチした結果が良くない方向だと、悪い音を避けて駒から離れたところを弾いてしまい、音量も倍音も目立って減ってしまう結果になります。右手の無意識の反応が顕微鏡の役割を果たしているようです。
見方を変えると、倍音調整をするつもりで、実は駒際が良い音で弾けるよう調整していることになります。もっともこれでは、駒から離れた位置をボーイングした時の倍音も豊になっていく理屈は説明できません。これは本当は、希望に添った主観的な判定をしているのかもしれませんね。
バイオリンのニスは、いつまでも尽きない話題のもとになっていますねえ。確かに、うっかりはまり込みそうな面白い話が多くて、これは危険地帯ですよ。
実際に使ってみると厄介な作業が多い割に、音へのプラスの影響が少ないしろものですねえ。音響工学的にいえば、ダンパーやバッファー以外のなにものでもないと思うのですが・・・・。
音へのプラスの影響としてひとつ言えることは、駒と表板の接触面が確実に密着するのを助けているでしょうね。(10倍ルーペでニス塗り前の木の表面を拡大して見ると、駒の方は左右に、表板の方は前後に繊維が走っていて、ニス無しではとても面接触できる状態ではないですね。)
これは同時に、駒から板への振動伝達の途中にニスのクッションが挟まっているわけで、高い周波数の振動は伝わりにくいでしょうね。
もうひとつ、これはプラスかマイナスかは決められませんが、音響輻射器として見ると、10キロヘルツ以上といった極高い周波数の音の輻射は、ニスがあることでかなり押さえられているでしょうね。これはSO WHAT?ですかね。演奏者の耳の健康にはいいかも知れませんよ。
ニスを自分で調合した話がときどきありますが、アルコールで溶かす程度はいいとして、大量の引火性の抽出物を火に掛けて煮ているうちに、家を一軒灰にしたという悲劇があるそうですね。ご用心、ご用心!
松脂の着け過ぎは音が悪くなると言われています。また松脂が足りなくても良い音が出ません。適度な松脂の量というのはどういう量なのでしょうか。 色々実験したり観察した結論を纏めてみました。
[良い音が出るときの状態] 弦が弓の毛にしっかりくっついて動き、次に瞬時に戻ることを正しく繰り返し、振動がしっかり制御されている状態。
[悪い音が出るときの状態] 弦が弓の毛に対して遊びを持っていて、振動が乱れている状態。
特に2の現象は、松脂を着ければ着けるほど滑りやすくなるという、一見矛盾した現象なので気がつきにくい。
これらの状態を防ぐためには、弓の毛の表面に均一に松脂を薄く「粘着させる」ことが必要です。毛のキューティクルのうろこ状組織にしっかり食い込んだ薄い層を作る必要があります。 毛には細かい捩れや縮れが有り、そのために運弓に伴って1本1本が捩れ回転をしているので、裏側でも弦に接する部分には松脂がしっかり着いている必要があります。
私のやり方は 、
バイオリンの音の謎(再補筆版)
バイオリン族の音を出すメカニズムは大変複雑です。 弦自体の振動するメカニズムも結構難しいのですが、弦の振動を音に変えるメカニズムは更に複雑です。 昔から学者達によって研究されてきているようですが、今ひとつ決定版の説明をみたことがありません。 難しい数学が使われている割にはモデルが単純すぎて実際とはかなり異ることが多く、永遠の謎といった感じが否めません。 有限要素法という手法を用いてコンピューターで解析している人もいるようですが、一般に数学モデルを作ってコンピューターで解析するやり方は未知の現象をシミュレートするときなどには有効ですが、既知の現象のメカニズムを説明する手段としては、モデルそのものが未知なのですから単に一つの可能性を示すに過ぎず、あまり説得力がないと思います。
ただ、振動モードの解明は、600Hz以下の部分についてかなり研究の成果が上がっていて、実際的な応用も進んでいるようです。私自身はCarleen M. Hutchins 、Duane Voskuil両氏の論文(註1参照)を参考にさせてもらっていますが、なかなか実際的で良い結果が得られています。問題は倍音部分が未解明なことでしょうね。駒の細部などになると、経験則しか頼るものがないのが現状でしょう。
音叉の振動はU字形の底の部分が振動の腹になっていて取っ手の部分を長手方向に振動させています。(註2参照) Aの音叉を鳴らして取っ手の球の部分をバイオリンの各部分に押し付けてみると、部分ごとに反応が大変異りますが、おしなべて何処でもよく鳴ります。 音叉を立てて顎当てやネックの付け根のボタン部に押し付けると大変よく鳴ります。 右または左C字部の表板の木端に横から押し付けるとこれもよく鳴ります。 渦巻きやペグに押し付けても結構鳴ります。 また音色は場所によっては基本の音が弱くオクターブ上の倍音がはっきり分る箇所があります。 (音叉の形は本来倍音を発生しにくい形なのですが。)
なにを暇なことをしているんだ言われそうですね。 でも、こうやって実際的な発音メカニズムを探ることによって、よい音の楽器を作れるようになるかもしれないと思うのです。 それと同時に理屈についても人様の説明を鵜呑みにしないで自分でいろいろ考えるのも楽しいと思います。(弦が表板を押す動的な力の考察のページを参照してください。)
註1: Carleen M. Hutchins 、Duane Voskuil両氏の論文については、 Catgut Acoustical Society の Selected Research Articles のページ (http://www.catgutacoustical.org/research/articles/リンクはしておりません。ブラウザーでつないでください。) に出ている Mode Tuning for the Violin Maker に詳しい説明があります。
註2: 音叉には基本振動の腹が3箇所あります。 U字の2つの先端とU字の底ですが、底の腹は先端の腹に比べて振幅が非常に小さくなっています。 なお基本振動の節は曲線部分の両端の直線部分との境目にあります。
ヘルムホルツの共鳴子(加筆訂正版)
壷のような形をした器が顕著な共鳴現象を起こすことは良く知られていて、ヘルムホルツの共鳴子と呼ばれています。
共鳴の振動数は器の内容積と開口部の面積と長さおよび気温で決まります。
バイオリンもヘルムホルツの共鳴子としての作用を持っています。その振動数はほぼ275ヘルツ付近にあります。
もちろん一台ごとに多少違いますが、一般にD線の開放弦のあたりからG線のCより少し高いあたりのどこかに共鳴点があります。f字孔に口を近づけて強く息を吹き付けると共鳴する音がみつかります。板の振動と違ってボーという純音(正弦波)です。(声を出してみるとやはり共鳴するので、最近まで混同していましたが、これは木の共鳴です。)
バイオリンについては開口部の面積とは2つのf字孔の面積の和で、開口部の長さとはf字孔の付近の板厚です。また内容積とは胴の中の空気部分の容積です。
私はG線は他の弦と何か違うと感じているのですが、多分この共鳴現象が関係しているのだと考えています。というのは、板の振動が空気を圧縮・膨張させて音を作り出す効率が、この共鳴点を境にしてがらっと変わってしまうからです。共鳴点から下の振動数の場合は、f字孔を通って空気が出入りし、板が外の空気を圧縮・膨張させる作用を相殺する働きをします。これは、バス・レフレックス型のスピーカーの場合と同じです。
また良くは知りませんがビオラの音について色々な形容がされているようですが、恐らくこのようなことも関係しているのではないでしょうか。
よく駒の立ち方についての注意事項が書かれているのを目にしますね。それは大きく分けて駒の位置についてと駒の姿勢についてに分けられます。
位置については「サウンドホールの内側の切り欠きに駒の厚みの中心線をあわせ左右のコーナーを結んだ線に平行になるようにし、サウンドホールの上側の丸の内側を通る胴の中心線と平行な線に駒の足の外側を合わせなさい。」と書いてあります。
次に姿勢については「チューニングによって駒が前に倒れる傾向があるので時々チェックして起こし、駒のテールピース側がコーナーの縦の線に平行になるようにしなさい。(あるいは表板に垂直になるようにしなさい。)」と書かれています。(その際に楽器を壊さないための注意事項も書かれています。)
きちんとこれらを守ることが楽器を良い状態に保つ必要条件だとされています。実際、これをしっかり励行していないと駒の姿勢や位置が狂い音が悪くなりしかも元に戻らなくなります。駒が曲がっても駒を作り直せますが、表板やニスがが局部的に少しへこみ気味になったものは削らなければ直せません。というわけで皆さんしっかりおやりになっていることと思います。
そこで怖いお話をひとつ申し上げます。駒の立ち方を目分量で管理なさっているかたは要注意です。
駒の指板側は傾斜している上に少し曲がっています。特にE線側は背が低く傾斜が大きくなっています。目分量で立てるとこの影響で錯覚を生じ、正しい位置より指板寄りになりやすくしかも指板側に傾斜します。また「駒のE線側がテールピースの方に引っ張られて捩れている。」といったような事実誤認も生じます。
私は名刺を切った直角ゲージなどを楽器のケースにいれて頻繁にチェックをしています。特に楽器が新しい間はニスも軟らかく駒と表板の馴染みも済んでいないので変な癖を着けないよう注意しています。
バイオリンを弾きますと耳元で鳴りますので聞いている人に届いている音がわからず心配になります。私は自分の楽器の音色の傾向を知りたいときチェロのように立てて弾いてみたりします。録音するという手もあるかと思いますがそれには相当な熟練と機材が必要でしょう。
やはり専門家に弾いてもらって自分は聞き手にまわるのが一番でしょう。但し専門家は大抵の楽器をそこそこの音にして鳴らしてしまうので楽器の差が出にくい恐れがあるかもしれません。それよりもなによりも、弾き方と音の関係が調整するための情報として大切なのですが、それは弾き手にしか分りません。
そこでチェロ方式(?)と言う形になるのですが、最近とんだことに気がつきました。なんとバイオリンの音は弾き手の体からも出ているのです。特にG線やD線ではそれが顕著なようです。私は撫で肩でしかも首が長いので仕方なく肩当を使っていますが肩当を通して鎖骨に振動が伝わり胸のあたりから音が出ているのです。肩当を使わない人は多分もっと影響が大きいのではないでしょうか。
こうなるとチェロ方式は調整には使えないことになります。いったいどうすればいいのでしょうか。どなたか教えていただけませんか。
皆さんはどんな色のバイオリンがお好きですか? 私は自分の作品の色を決めるときに大変迷います。 演奏会に行っても人様の楽器の色が気になってしまいます。 ソリストや首席奏者クラスの方はたいがい古びた様子の楽器をお使いですね。 古い楽器では色も古びていますし傷もあちこちに見えますが、それが風格になっている場合とそうでもない場合があるように思います。
ニスの色は年月とともに変わっていくので最初の色を決めるときにはそれも勘定にいれることになります。 一般に鮮やかさはかなり急速に褪せてくすんだ色になっていくようです。 そのときにどんな色が現れてくるかを期待と心配で見守るのもバイオリン作りのスリルのひとつでしょうか。
今、オレンジ系統の色を試していますが、赤と黄を配合したニスがうまく馴染むように塗るには相当神経を使います。下塗りした薄い黄色の染料の色がニスを通過する光線に輝くような効果を与えてくれることを期待しながら塗ります。 しかし、そのような輝きの美しさは古色の出た楽器の色とは対極にあるのかも知れません。 というのはよく艶の無くなった古そうな楽器を見かけるからです。 ニスの表面の滑らかさは色の感じを大きく左右します。 最初から艶消しにしておくやり方だと、使っている間に艶がなくなって色が変わるのを防ぐ効果があると思いますが、それでは下地の色をうまく使って内側から輝きを引き出すのは難しくなるでしょう。 一般に使われている楽器磨きの類は艶を出す効果を狙ったものであり、「艶有り」がバイオリンの普通の色だといえるかも知れません。
Hardangerfelaのこと(補筆版)
何年か前にノルウエーを訪ねたとき、ベルゲンの近くで民族舞踊の素朴なショーを見ました。音楽はもっぱら綺麗な飾りのついたバイオリンで弾かれる民謡でした。その綺麗なバイオリンはHardangerfelaという名で呼ばれていました。その後注意してみるとお店のショーウインドーなどで見ることが出来ました。何か資料をと思いHardangerfelaの写真が旅行雑誌の表紙に載っていたのを買い求めてきました。しかし記事はすべてノルウエー語で書かれていて読めないままになっていました。先日来、ノルウエー語の単語集を買い求めたり、ノルウエー大使館から資料を拝借したり、外国のホームページを調べたりしてある程度の情報が集まりましたのでご紹介します。
Hardangerfelaは固有名詞(英語の場合の固有名詞の概念とはやや異なるようですが、「the Stars and Bars =南部連盟旗」と同じ類でしょうか。)で大文字ではじまり定冠詞がつきます。英訳するとthe Hardanger Fiddle, ノルウエー語では普通名詞でhardingfeleとも呼ばれているようです。hardingは「Hardanger地方出身の」という意味の形容詞だそうです。
Hardangerは腕の良いfiddle製作者が多い所として知られています。しかしHardangerfelaはHardangerよりももっとベルゲンに近い地域で生まれたようです。その後短い間にノルウエーの南西部に広まり民族音楽の主要楽器となったそうです。今日ではHardangerfelaは国中で生きた伝統として、またノルウエーの豊な民族文化の象徴として演奏されています。
因みにアメリカではHardanger Fiddle Association of America(HFAA)と言う団体があります。美しい写真が見事なホームページはさすがに見ものです。(と言うわけで拙い写真を載せるのは遠慮します。)
普通のバイオリンには4本の弦がついていますが、Hardangerfelaには4本の弦の他に更に4本の共鳴弦がついています。共鳴弦は古楽器たとえばビオラダモーレなどにも見られるものです。形は一見バロックバイオリンのようにも見える短い指板が付いていて、糸倉には糸巻きが8本あります。駒は共鳴弦の分だけ高く、またカーブが少なくてフラットで3本の弦を同時に弾けます。胴や指板、テールピースに銀や貝の象嵌細工が施され、ネックの先にライオンの彫り物があります。
現在の形になったのは1550年から1650年の間であったといわれています。ベルゲンの博物館にあるものには1651年の記載があるそうです。弦の数が今のようになる前には、演奏用弦が3本のものや共鳴弦も2本、3本から6本まであったようです。
演奏用弦の調弦の方法には低いほうからA-D-A-EやH-D-A-EあるいはA-E-A-Cisなど様々なスタイルがあり、演奏者が選ぶそうです。(HFAAのホームページにはH-E-H-Fisが最も一般的であるように書かれています。尤もHFAAによるとこれは各弦の相対関係を表しているに過ぎず実際には演奏者がその楽器の性格などによって適当なピッチに合わせているそうです。)また共鳴弦は普通、低いほうからド-レ-ミ-ソ(移動ド表示だと思われます。)に合わせるそうです。この4つの音はグリーグの組曲ペールギュントの「朝」の出だしに現れます。(これについてもHFAAのホームページではE-Fis-Gis-Hが一般的だとしていています。これもおそらく相対関係を示しているものと思われます。)ノルウエーの民族音楽の音階には、半音の代わりに、家畜を呼ぶのに使われたLurと呼ばれる管楽器の音階が基になっている4分の3音があり、Hardangerfelaの曲もこの音階のものが多いそうです。
グリーグの音楽の特徴として長調と短調の間を頻繁に移り変わり、時に長調と短調の区別がつかないパッセージがあることが上げられます。ノルウエーの民族音階の第三音は不安定で長調と短調の間をしばしば移り変わるようです。このほかににも短7度と長7度の間の変動や完全4度と増4度の間の移動などの可変音程(と言うのでしょうか?)があるそうです。
註: HFAAのホームページの写真では指板がハイポジションのほうに伸びていて普通のバイオリンと大差がなくなっていますが、一般にはあれよりもはるかに短い指板がついているようです。
参考文献:
Kristian Lange "Norwegian Music - A Survey"1982, Tanum-norli,
Oslo, ISBN 82-518-1654-8
参考ホームページ:
Hardanger
Fiddle Association of America
「バイオリン製作工程」のページに紹介したバイオリンは Antonio Stradivari anno 1704 Betts をモデルにしています。そこでこのバイオリンの由来を調べてみました。
「Antonio Stradivari anno
1704 Betts」の話
:佐々木庸一著 「魔のバイオリン」(音楽乃友社)から引用
19世紀始めロンドンの取引所通りに店を構えていたバイオリン製作家ジョン・ベッツ(1775〜1823)をある日見知らぬ男が訪ねてきて、古ぼけたケースからきれいなバイオリンを取り出し、売りたいと申し出た。
形はジロラモ・アマティに似ていたが、ストラディヴァリ特有の大胆な男性的な彫り方から間違いなくストラディヴァリであることがわかった。無傷のすばらしいものであった。
ベッツははやる胸を抑えながら「いくらで売りたいか」尋ねた。
「20シリングぐらい欲しいのだが」とその見知らぬ男は答えた。
商談はすぐにまとまった。
数ヵ月後に500ポンドで買いたいという人が現れたがベッツは手離さなかった。ベッツは死ぬまでこの楽器をもっていた。
彼の死後数年間は遺族のもとにあった。その間フランスの名製作家ヴィヨームは毎年ロンドンを訪れて楽器を見るとともに遺族を口説き、ついに1858年にそれを買ったが買値は秘密であった。力木を交換するために開けてみると、作られたときのままで一度も修理されていなかった。
ヴィヨームはこれをアムステルダムのある実業家に売った。
それからイギリスの楽器商のジョージ・ハートに800ギニーで売られ、
その後約20倍の値段の1500ポンドである公爵が買い取った。
1891年にロンドンのヒル商会が1900ポンドで公爵から買い、
その1年後にグラスゴーの屠殺業者ウェルデルが3500ポンドで買い、
後にアムステルダムのベーゼレーガー男爵が6000ポンドで買い取った。
註1:バイオリンには裏板の内側の左のf 字孔から見える位置にラベルが貼ってあるのが普通であるが、ラベルは楽器の真贋の鑑定にはほとんど何も役立たない。贋物に本物のラベルが貼ってあるのものも多い。鑑定には特定の作者の名器の修理などに数多く携わってきた製作者の目が必要。
註2:良いバイオリンは普通は数十年毎に開けて修理される。バイオリンには強い弦の張力が掛かっているので疲労の結果として傷みや変形が生じる。また標準ピッチが今よりずっと低かった時代に作られた古い名器は今の高いピッチには耐えられないので、表板の内側に付いている力木(バスバー)を丈夫なものに交換する必要があった。標準ピッチの変化と弦が表板を押す力の関係のページを参照してください。