このページの最終更新日2011/08/16
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フェルナンブーコ
バイオリンの弓のスティックに使われるフェルナンブーコという木がありますが、この木について調べているうちにいろいろ面白いことが分かりましたので書いてみます。
1.フェルナンブーコの綴りはPhernambucoですが、一般的にはPernambucoのほうが使われます。カタカナではペルナンブーコやペルナンブッコとなります。Pernambucoはブラジルの大西洋岸の地名です。
2.バイオリンの弓にはブラジルのpau brasil(学名Caesalpinia echinata)という木が使われます。英語では(pau-)brasil wood、カタカナでブラジルウッドと書きます。Brazil woodという書き方もあるようです。言葉の意味は「brasa(よく起こった炭)のように赤い木」ということだそうです。これが後にブラジルの国名になったのだそうです。
3.pau basilは赤い染料の材料となる蘇芳の一種で、マメ科に属します。微細な繊維が長さ方向と太さ方向にいずれも絡み合っていて弾性に優れています。
4.ブラジル東北部の大西洋岸にPernambuco州がありますが、このあたりで採れるpau brasilを特にpau Pernambucoと呼んでバイオリンの弓用の高級品として扱われます。但しpau brasilと似たいろいろな木がラテンアメリカ各地やアジアにもあって、今日コマーシャルな意味でブラジルウッドとかフェルナンブーコとか呼ばれるものは真正のpau brasil(学名Caesalpinia echinata)とは限らないようです。
5.pau brasilは昔はブラジルの重要な輸出品目でしたが、現在では伐採が禁止されていて次第に品薄となりつつあるようです。最近では代わりにカーボンファイバーの弓がプロにも使われるようになってきているそうです。木の場合のような経年劣化が起こりにくい強みもあるようです。これについては、私のblogにも書きましたが、興味のある裁判所の判例があります。次の記事はそのblogからの引用です。
最高裁のホームページ
H13.12.21 京都地方裁判所 平成11年(ワ)第1632号 損害賠償請求
第2 事案の概要 本件は,原告がコンサートにおいてヴァイオリンを演奏中,突然,ヴァイオリンの弓から弓毛がはずれる事故が発生したのは,その前日,同弓の毛替え作業を行った被告Aが弓毛を固定する「くさび」の大きさ等につき適切でなかったことの過失があるとして,不法行為責任に基づく損害賠償を請求し,併せて,被告Aの使用者である被告株式会社ジュージヤ(以下「被告会社」という。)に対し,使用者責任に基づく損害賠償を請求した事案である。
最高裁のホームページには主な判決が出ていて参考になります。ちなみに上記の件は原告の敗訴となったようです。証拠調べがかなり専門的な技術に立ち入って詳細に行われたことが判ります。
参考Web Site:
1. Embassy of Brazil in Tokyo
2. Acros Brasil