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自己破産

自己破産とは

自己破産は、借金をどうしても返し続けることができなくなった人が、裁判所に申し立てることにより、借金をゼロにするための手続です。

まだまだ誤解が多く、たくさんのデメリットがあるかのような印象を持たれている方も多いと思いますが、生活のやり直しをするために法律が認めてくれた制度です。

今も、たくさんの人が、自己破産によって経済的な再生を目指されています。

要件は、支払不能といって、財産・信用・労力によってもお金を調達できず、支払日に返済できない状態が続くことをいいます。
支払不能かどうかは、それぞれの収入、負債、家族構成等により判断されることになりますが、例えば利息制限法に引き直し計算後も360万円が残る場合、3年での分割返済となると月10万円の返済をしなければならず、余程の収入がなければ返済の継続は困難と言えます。

手続の流れ(大阪地方裁判所管轄場合)
 1.「破産手続開始決定」申立
       ↓
 2.債務者審尋(裁判官による面接)
    ⇒実務上、特に問題がないと裁判所が考える
     案件については、 審尋が省略されるケース
     が多いです。
       ↓
 3.破産手続開始決定・同時廃止決定
       ↓
   債権者の意見申述期間(1ヶ月以上)
       ↓
 4.免責審尋
   (大阪地裁管轄の場合、省略されています)
       ↓
 5.免責確定決定
       ↓
 6.免責確定 (支払義務がなくなります)
自己破産  
 
裁判所には、負債・資産の一切の資料を提出した上で審理が行なわれます。

債務者が所有する資産を「破産管財人」が換価した後、債権者に配当するのが原則ですが、特に資産がない限り、ほとんどが「同時廃止」といって、破産手続開始決定と同時に破産手続が完了します。
 
不動産を所有している場合でも、時価を大きく上回る住宅ローンが残っている場合が多く、その場合も破産管財人は選任されません。
その場合、競売(もしくは任意売却)によって新たな買い手がつくまで、家賃を支払わずに住み続けることが可能です。
  
破産決定後、ギャンブル・遊興費・浪費により過大な借金をした等の免責不許可事由があるかどうかの審査を受けて「免責」され、借金の返済義務はなくなります。 

自己破産によって...
1. 住民票や戸籍に破産した旨が記載されることはありません。
2. 職場を退職する必要はありません。
3. 賃貸マンションから出ていく必要はありません(但し、家賃は全額支払う必要あり)。
4. 選挙権や年金受給権がなくなることはありません。
5. 家財道具を取られたり、玄関に張り紙をされるということはありません。
6. 年金、生活保護、失業保険、児童手当等の公的給付が打ち切られることはありません。
7. 自宅や勤務先に債権者が押し寄せてくることはありません。


免責不許可事由とは
破産決定を受けても、それは借金の返済ができないことを判断されただけで、負債の支払義務が消えるわけではありません。借金の支払を免除していいかどうかは、「免責」の手続の中で判断されますが、破産法では下記のような「免責不許可事由」を定めています。
 1. 財産を隠したり、債権者に不利益なように処分したこと
⇒不動産や車の名義を直前に変えるようなことをいいます。
  また、車や預貯金、保険等の財産の存在を隠して申立することもできません。
 2. 浪費・賭博で著しく財産を減少させたり、過大な債務を負担したこと
⇒パチンコや競馬をしていたことが必ずしも免責不許可につながるわけではなく、その時の収入や負債額と、商品購入やギャンブルに使ったお金との結びつきなどから判断されます。
 3. 支払不能状態にありながら、特定の債権者に弁済期前の弁済をしたこと
⇒よくあるのは、直前に入ったボーナスやカード会社からの借入金で、身内や友人にだけ返済して相談に来られるケースです。家計表を作ると矛盾が明らかになりますので、気をつける必要があります。
 4. 虚偽の債権者名簿の提出したこと
⇒一部の債権者だけを債権者からはずして返済を続けることはできません。
 5. 過去1年以内に詐術を用いて借入をしたこと
⇒破産を決めているのに借入、クレジットで商品を購入したり、勤務先や収入、借入額を偽るようなことをいいます。 
 6. 過去7年内に免責を受けたこと

法律上は「免責不許可のいずれにも該当しない場合、免責許可の決定をする」と定められていますが、該当する場合であっても、「裁判所の裁量により」免責できることとされています。

一定の金額を積立てて債権者に配当することや、反省文・家計簿を書いて生活改善の努力を示したり、裁判所で選任された破産管財人のチェックを受けることで、実務上はほとんどの事件で免責が許可されています。

 

財産は全部取られるの?

自己破産をすると、何もかもがなくなってしまうという誤解があるようです。
しかし、生活の再建のために、下記のような自由財産(手元に残せる財産)が認められています。

 ・99万円までの現金
 ・20万円までの預貯金
 ・解約返戻金20万円までの生命保険
 ・処分価格20万円までの車
 ・1/8した金額が20万円までの退職金見込額

以上の合計額が99万円を超える場合も、財産として扱われます。

生命保険や自動車をどうしても残したい場合、同額の現金を用意することで、同時廃止決定を受けられることがあります。また、退職金見込額の8分の1(大阪地裁管轄の場合)が財産として扱われますが、会社を退職をする必要はありません。8分の1にした金額が20万円を超える場合は財産として扱われますが、同金額の現金を債権者に按分弁済(債権額に応じた分配)することで、同時廃止が認められています。

 

思い切って決断しよう

多重債務に陥っている多くの方は、借金を返すために新たな借入をし、自転車操業状態に陥っています。真面目に返済しているように見えても、どんどんと傷口を広げていっているのが現実です。

奥さんをはじめ、家族名義でも借金を重ね、一家で破産をしなければならないケースもあります。
また、楽になるだろうと考え、安易に「おまとめローン」に手を出してしまうのも、大変危険です。

限界を感じたら、その場しのぎに頼らず、できるだけ早く専門家に相談して下さい(場合によっては、自己破産以外の方法で解決できることもあります)。

自己破産は、法律が認めた多重債務問題を解決するための最終手段です。

支払いに限界を感じたら、法律の力を借りて、生活の立て直しをはじめることを検討して下さい。
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