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  <遺言書の有無を確認>
   
   被相続人が遺言書をのこしているかどうかは、故人との生前のコミュニケーションがものをいいます。相続人たちがその存在を知らなくても、故人が生前から懇意にしていた行政書士や弁護士が承知しているかもしれませんので、確認してみる必要があります。
遺言書が見つかった場合はどうすればいいのでしょうか。公正証書遺言は必要ありませんが、自筆証書遺言、秘密証書遺言では遺言書を家庭裁判所に提出して、検認をしてもらう必要があります。遺言書の検認とは、遺言書がどのような内容で、どのような筆記用具で書かれているか、署名・押印はどうなっているか確認するもので、遺言書の偽造や変造を防ぐための証拠保全の検証手続きです。遺言書を裁判所へ提出しなかったり、検認を受けずに遺言を執行した場合は、5万円以下の過料が課せられます。遺言書が封印されている場合は、相続人などの立会いのうえ、家庭裁判所で開封しなければなりません。勝手に開封した場合でも、過料が課せられます。

   
  <相続人調査>
   
   普通は、相続人がだれかは家族がお互いにわかるはずです。しかし、被相続人に隠し子がいて認知していたとか、小さいころに養子に出された兄弟姉妹がいたということも、現実にはありうる話です。そこで念のため被相続人の戸籍謄本か除籍謄本または改製原戸籍を取り寄せて、相続人が誰なのかを確定することが必要です。戸籍謄本は被相続人の出生から死亡までを途切れることなくとります。これは、戸籍の内容が結婚や転籍などで変わるためで、正しい相続人を割り出すためには、切れ目なく続いた戸籍謄本が必要になります。
*被相続人の死亡の記載のある住民票除票または戸籍の附票を取り寄せます。
*相続人の戸籍謄本、住民票、印鑑証明を取り寄せます。
   
相続人
   相続人とは、故人の財産を引き継ぐ人のことであり、その範囲と順位が民法で定められています。これを法定相続といいます。相続人には次のような人がなります。
*配偶者
配偶者は常に相続人となります。配偶者として相続権が与えられる為には、法律上の婚姻がなされていることが必要であり、内縁では相続権は発生しません。内縁の場合、相続させる為には遺言が必要です。離婚した過去の配偶者には相続権はありません。再婚した配偶者の連れ子は配偶者を代襲して相続人になることはできません。
*直系卑属(子・孫)第一順位
被相続人の血族の中で第一番目に相続人となります。被相続人の子であれば、戸籍の異同、養子、嫡出・非嫡出の別は相続権の順位に変更はありません。なお養子となった人は、実の親に対しても相続人になれますから、養親と実親の双方の相続権をもちます。
*直系尊属(父母・祖父母)第二順位        
子供がない場合、両親等直系尊属が第二順位で相続人になります。父母のどちらかが健在ならば、祖父母まで遡ることはありません。実親・養親の区別はありません。
*兄弟姉妹(第三順位)      
子供も両親等直系尊属もいない場合、第三順位として兄弟姉妹が相続人になります。
   
代襲相続人
   被相続人より先に相続人である子が死亡したけれど孫がいる場合、兄弟姉妹は死亡しているが甥姪がいる場合、孫や甥姪は子や兄弟姉妹に代わって相続人になることができますので、これを代襲相続人とよんでいます。
*相続を放棄したときは、代襲相続できません。
*代襲できる者は、子及び兄弟姉妹であり、配偶者、親にはありません。
*兄弟姉妹の子には代襲相続が認められますが兄弟姉妹の孫には認められません
   
相続欠格
   ところで、次のような人は相続人になれません。
@ 故意に被相続人や先・同順位の相続人を殺害あるいは未遂に終わり、刑に処せれた者
A 被相続人が殺害されたことを知っているのに告訴告発しなかった者
B 詐欺・強迫により被相続人の相続に関する遺言の作成・取り消し・変更を妨げた者
C 詐欺・強迫により遺言を書かせたり取り消させたりした者
D 遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿した者
*相続欠格事由に該当する相続人は、裁判所の決定などを要せず、自動的に相続資格を失います。
相続廃除
   欠格事由がなくても、次のような場合は、家庭裁判所の手続きにより相続人の資格を失わせることができます。これを相続人の廃除といいます。
@ 被相続人に対する虐待
A 被相続人に対する重大な侮辱
B その他著しい非行
これらの事由の有無は、被相続人あるいは遺言執行者の申し立てにより家庭裁判所が判断します。廃除の審判が下されると、戸籍に記載されます。相続開始後の審判でも、廃除の効力は被相続人の死亡の時に遡リますから相続人になれないことに変わりはありません。
もっとも被相続人は、いつでも廃除の取り消しを家庭裁判所に請求することができます。
 
  <相続分確定>
   
遺産分割の原則
   相続人が二人以上の場合には、遺産をどう分けるかを決めなくてはなりません。遺産を分けることを遺産の分割といい、その割合を「相続分」といいます。民法では、遺産の分割について原則を定めています。
@ 被相続人の意思を尊重して、遺言書に指定があれば、その割合による。この割合を「指定相続分」という。これは法定相続分より優先される。
A 遺言書がない場合、または、あっても遺産分割法についての指定がない場合は、相続人間の話し合いで決める。
B 話し合いがまとまらない場合は民法で定められた法定相続分による。
   
法定相続分
  *相続人に配偶者しかいない場合は、配偶者が全部
 他に相続人がいる場合は、下の表のようになります。
   
配偶者がいる
配偶者がいない
第1順位(子・孫) 配偶者 1/2
子 1/2
子 1/1
第2順位(父母)

配偶者 2/3
父母 1/3

父母 1/1
第3順位(兄弟姉妹) 配偶者 3/4
兄弟姉妹 1/4
兄弟姉妹 1/1
上記血族がいない場合 配偶者 1/1      

*子、直系尊属、兄弟姉妹が数人いるときは、各自の割合は均等になる。
*ただし、非嫡出子は、嫡出子の半分、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹は、父母を同じくする兄弟姉妹の半分となる。

   
特別受益
   生前中に特別の財産をもらうことを生前贈与または特別受益といい、もらった人を特別受益者といいます。
   
特別受益者の相続分
   共同相続人中に、被相続人から遺贈を受け、又は婚姻・養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けたものがあるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなして算定した相続分からその遺贈または贈与の価額を控除し、その残額を以ってその者の相続分とします。

被相続人が相続開始時に残した財産の価額 + 特別受益者が得た贈与・遺贈分(特別受益額)= みなし相続財産
みなし相続財産 × 本来の相続分 − 特別受益額 = 特別受益者の相続分

*特別受益には次のようなものが該当します。
 ・結婚資金
 ・住宅購入資金
 ・学費、留学費用
 ・開業資金
 ・遺言によって相続分とは別に遺贈を受けた場合

この特別受益については、贈与の時期に関わりなく対象となります。
特別受益としての生前贈与については、価額評価の基準時が問題となりますが、相続開始の時が基準となります。金銭の贈与については、贈与当時の金額を相続開始時の貨幣価値に換算した価額で評価します。
例えば、贈与のとき1000万円だった土地が、相続開始時5000万円になっていれば、5000万円が特別受益財産の評価額になります。
(相続税における生前贈与加算は、相続開始前3年以内の贈与が対象となり、贈与を受けた時の価額で、相続財産に加算されます。)
なお、特別受益が相続分より大きい場合は、超過分は返還する必要はありません。

   
寄与分
   寄与分とは、例えば被相続人の事業に関して、労務の提供や財産上の給付をした場合や、子が重病の親の療養看護につくして財産が減るのを防いだような場合のように相続人中に被相続人の財産の増加・維持に特別の寄与や貢献をした人がいる場合に、その人の相続分にその寄与、貢献に相当する額を上乗せし、相続人間の公平を図るための制度です。

寄与分は相続人だけに限られますので、内縁の配偶者や息子の嫁などにはありません。もし相続させたい場合には遺言が必要になります。寄与分をいくらに見積もるかは、相続人同士が協議して決めますが、まとまらなければ寄与した人が家庭裁判所に請求して定めてもらいます。

 
  相続財産の調査
   
  遺産(相続財産)を調べてその目録や一覧表を作っておきます。どういう財産がどれだけあるかによって、相続するか放棄するかの判断ができますし、遺産分割の基本資料となりますので慎重に行わなければなりません。ここで言う財産には資産だけでなく負債も含まれますが被相続人その人に与えられた権利・義務。資格など一身に専属したものは除かれます。
   
プラスの財産
  @ 不動産
A 不動産上の権利(借地権、抵当権)
B 動産(現金、家具、自動車、書画骨董、貴金属)
C 有価証券(株式、社債、国債)
D 債権(銀行預金、貸付金、売掛金)
E 事業用財産(個人の事業用財産・営業権)
F その他の財産(特許権、ゴルフ会員権など)
*マイナスの財産
@ 借金、債務(ローン・保証債務)
A 税金
B その他の負債
   
相続されない財産
  @ 一身専属権(扶養請求権、国家資格)
A 使用貸借権
B 仏壇、位牌、墓地
C 香典、弔慰金、葬儀費用
D 人的な義務(身元保証、信用保証)
E 死亡退職金・遺族年金
 
  <相続財産の評価>
   
  財産目録にリストアップされた個々の財産の評価をします。遺産分割の際の目安ともなりますし、相続税を算出する基礎になります。また遺言等の相続対策を確実に行うには、相続財産の評価を正しく把握しておくことが大切です
(評価の方法)
遺産分割の評価の場合、通常は分割協議時点での時価(実際の取引価額)で行います。評価の方法はあくまでも相続人間の合意により決めますが、たとえば土地であれば、取引事例や公示価額でもよいでしょう。
相続税の評価も基本的に相続開始の時価とされていますが、実際には相続税法と財産基本通達をもとに評価されます。
「不動産の評価」
*市街地の宅地
路線価方式 路線価を調整した価格×地籍

路線価は路線価図でわかります。路線価図は税務署の資産税課や図書館などで閲覧します。またインターネットの国税庁ホームページで全国の路線価を見ることができます。調べたい土地の位置がわかったら、路線価を調べます。1u当たりの価格が千円単位で道路の中央に表示されています。この路線価に面積を掛けると評価額がでます。この、土地の位置や形などによって評価額を調整することになっています。この路線価は、地価の動きなどを見て毎年見直されます。
*路線価のない宅地(郊外・農村部等)
倍率方式 固定資産税評価額×評価倍率

固定資産税評価額は役場の固定資産税課で、固定資産台帳を閲覧します。また、評価証明書をもらえばそれに必要な数字が記載されています。
この評価倍率は国税局長が地域ごとに定めているものですが評価倍率表により公表されていますので、税務署で調べることができます。登記簿で地目が原野となっていても、現況宅地なら宅地として評価します。
*農地
・純農地及び中間農地  倍率方式=固定資産税評価額×倍率
・市街地農地  倍率方式または
 宅地比準方式=宅地比隼額(その農地が宅地であるとした場合の価額)− 宅地造成費
・市街地周辺農地   市街地農地の80%の額
*山林
・純山林及び中間山林  倍率方式=固定資産税評価額×倍率
・市街地山林  その山林が宅地であるとした場合の価額―宅地造成費
なお、山林の現況によっては評価額の補正があります。
*私道
・私道とは複数の者に通行を利用されている宅地のことです。
・不特定多数が利用  評価ゼロ
・特定の者が利用  通常評価額×30%
*借地権
・建物を所有する目的で他人の土地を賃借している場合、その土地を使用できる権利を借地権といいます
・自用地の評価額×借地権割合
・借地権割合は地域によって違います。路線価図や倍率表に記載されています。具体的には税務署または国税庁路線価ホームページにて。
*貸宅地
・借地権が設定されている土地は、地主の側からいうと、貸宅地ということになります。
・自用地の評価額×(1−借地権割合)
*貸家建付地
・一戸建ての貸家や賃貸アパートなどが建っている土地を、貸家建付地といいます。
・自用地の評価額×(1−借地権割合×借家権割合)
・借家権割合は概ね30%です。
*建物
・自用の家屋  固定資産税評価額
・借家権    固定資産税評価額×借家権割合(概ね30%)
・貸家     固定資産税評価額×(1−借家権割合)
・門・塀など  再建築価額―経過年数に応じた減価額
・庭木・池など 調達価額の70%相当額
*預貯金
・普通預金等  相続開始日の残高
・定期預金等  相続開始日の残高+相続開始日に解約した場合の利子
*株式
・上場株式  
 課税時期(相続開始日)の終値  課税時期の月の終値の平均  課税時期の前月の終値の平均  課税時期の前々月の終値の平均  の4つのうち最も低い価額
・気配相場のある株式(店頭公開株等)
上場株式に準じて評価
・取引相場のない株式の評価(同族会社株式等)
 同族株主の場合
 大会社  原則として類似業種比準価額
 中会社  類似業種批准価額と、純資産価額との併用方式による価額
 小会社  純資産価額(または、類似業種比準価額との併用方式による価額)
 同族株主以外の場合
 配当還元価額
*公社債
 利付公社債・割引発行の公社債・転換社債の区分ごとに評価方法が異なります。
*投資信託
 相続開始日の基準価額
*貸付信託
 元本の額+(既経過収益の額―源泉所得税相当額)−買取手数料
*生命保険
 生命保険金の評価  死亡保険金―(500万円×法定相続人の数)
 生命保険契約に関する権利の評価  
 相続開始時における解約返戻金の額により評価
*死亡退職金
 死亡退職金額―(500万円×法定相続人の数)
*ゴルフ会員権
取引相場のあるもの  取引価格の70%

 
  <相続の放棄>
   
   相続放棄の手続きは、自己の為に相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述することにより行います。
「相続放棄申述書」に申述人および被相続人の戸籍謄本を添付し提出します。
相続放棄が認められると裁判所から「相続放棄申述受理証明書」が交付され、これがあれば債権者の要求を拒否することができます。
相続放棄の申述は、被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行います。
3ヶ月の期間は、利害関係人又は検察官の請求によって家庭裁判所においてこれを伸長することが可能とされています。
相続放棄の期間は各自進行し、他の相続人の影響を受けません。
相続放棄をすると、そのものは初めから相続人ではなかったものとされ、代襲相続もできず取り消しもできません。ただし生命保険の死亡保険金や死亡退職金の受け取りはできます。
   
  <単純承認>
   
   自己にために相続財産があったことを知った時から3ヶ月経過すると相続の承認となります。つまりプラスの財産マイナスの財産を問わずすべて承継し、責任を負うことになります。
次の場合承認とみなされます
・相続人が相続財産の全部または一部を処分したとき
・3ヶ月の期間内に、限定承認または放棄をしなかったとき
・相続人が相続財産の隠匿など背信的行為を行ったとき

   
  <限定承認>
   
   プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐという、条件付で承認する方法です。つまり相続で得た資産の範囲内で借金を返済するということなので、財産よりも負債のほうが多かったという場合でも、相続人の財産から残った借金を支払う義務はありません。
限定承認は相続人全員(相続放棄を除く)で、家庭裁判所に申したてねばなりません。この場合被相続人及び相続人の戸籍謄本、相続財産の財産目録を添付します。
 
  <遺産分割協議>
   
   相続人が複数いるときは、だれがどの財産をいくらくらいの割合で相続するかといった話し合いをして、遺産の分け方を決めなければなりません。最初に相続人を確定し、遺産を確定し、財産目録を作成します。遺言がある場合は優先しますが、ない場合は、相続人全員が納得すればどのように分けてもかまいません。法定相続分どおりでなくてもよいのです。
財産は、被相続人の死と同時に自動的に相続人に移転します。しかしそのままでは、相続人達は、相続財産全体を共有財産として所有しているにすぎません。個々の財産を各相続人の所有とするためには遺産分割をして、名義を各相続人のものに変える手続きが必要になります。
実際に遺産を分割する方法としては次のようなものがあります。
A 現物分割   個々の財産を相続人に配分する方法で最も一般的です。
B 代償分割   ある相続人が法定相続分以上の財産を取得する代わりに他の相続人たちに自分の金銭を支払う方法
C 代物分割   ある相続人が法定相続分以上の財産を取得する代わりに他の相続人たちにものを渡す方法。
D 換価分割   遺産を売却してその売却代金を分割する方法です。
E 共有分割   遺産の全部または一部を共有にするという方法です。
以上の方法を組み合わせることも可能です。また、遺産の共有、すなわち遺産を全員有す
るという選択肢もあります。
*協議が成立しない場合
相続人間の協議が調わないときや、初めから協議に加わらないものがいるときは家庭裁判
所に遺産の分割を申し立てることができます。
家庭裁判所ではまず調停が行われますが、調停が成立しなければ審判手続きで決定が出さ
れます。調停の申し立ては「遺産分割調停申立書」に被相続人及び相続人の戸籍謄本、不動産の登記簿謄本、財産目録、固定資産税評価証明書などを添付します。
*協議が成立した場合
相続人間で遺産の分割が確定した場合は、遺産分割協議書を作ります。遺産分割協議書の作り方には決まったルールはありません。
@ 相続人全員が名を連ねること
A 印鑑証明を受けた実印を押すこと
この2点に注意が必要です。法律上作成義務はありませんが、後日の紛争防止のため、そして不動産の名義変更や相続税申告のときには必要になりますので、作成しておきます。
さらに、相続人に未成年者がいる場合は、その未成年者の法定代理人が協議をおこなうことになります。また法定代理人も相続人である場合には。その未成年者と利害関係があるため、家庭裁判所で特別代理人の選任を受けた代理人が協議を行うことになります。

 
  <遺産の名義変更>
  遺産分割協議が完了したら遺産分割協議書に基づいて、相続財産の名義変更をします。
不動産
  不動産の所在地を管轄する法務局に所有権移転登記申請をします。登録免許税炉して、現行(固定資産税評価額×0.2%)の収入印紙が必要です。
必要書類としては
・  登記申請書
・  被相続人に除籍謄本・戸籍謄本(出生から死亡時までのもの)
・  被相続人の戸籍の附表又は死亡時の住民票除票
・  相続人全員の戸籍謄本
・  相続人全員の住民票
・  相続人全員の印鑑証明書(遺言の場合は不要)
・  遺産分割協議書(遺言の場合は遺言書)
・  固定資産評価証明書
・  不動産の登記簿謄本または権利書
・  相続関係説明図
   
預貯金
  銀行は、預金者の死亡を知った時から預金支払いを凍結しますので、引き出しができなくなります。
必要書類としては
・  銀行所定の用紙
・  被相続人の戸籍(除籍・改正原戸籍)謄本
・  相続人全員の戸籍謄本
・  遺産分割協議書(又は遺言書の写し)
・  相続人全員の印鑑証明書
などですが金融機関によって取り扱いが異なりますので確認してください。
*株式・債券
株式は名義を変更しておかないと、配当の支払い等をうけられなくなります。
必要書類としては
・  被相続人の戸籍謄本
・  遺産分割協議書
・  相続人全員の印鑑証明書
・  株主名義書換請求書
債権の場合も同様です。
   
自動車
  管轄の陸運事務所で移転登録手続きをします。
必要な書類としては
・移転登録申請書
・自動車検査証
・自賠責保険証明書
・被相続人の除籍謄本
・相続人の戸籍謄本
・遺産分割協議書
・相続人の委任状(共同相続の場合全員の委任状)
・手数料納付書
・車庫証明書(使用の本拠が変わる場合)
・自動車税申告書
 
  <相続税の申告・納税>
  相続税の申告と納税は、相続や遺贈によってもたらされた遺産が基礎控除額(5千万円+法定相続人の数×1千万円)を超える場合に、その超える部分が相続税の課税対象になり、申告と納税が必要になります。
相続税の申告は被相続人の死亡した日の翌日から10ヶ月以内に、被相続人の住所地の税務署に申告します。
無申告または期限後申告の場合、無申告加算税として相続税の15%が加算されます。また脱税は重加算税として相続税の35%または40%が加算されます。
「基礎控除以内でも申告の必要」
配偶者の税額軽減の適用や小規模宅地等の特例の適用を受ける場合は、申告書の提出が要件になっているので、相続税額が0円になったとしても、相続税の申告書を提出する必要があります。この場合、遺産分割が終了していなければなりませんが、そうでない場合はとりあえず法定相続分で申告し、3年以内に遺産分割の確定後で過不足を精算する方法をとることもできます。
相続税の納税も申告と同じく、被相続人の死亡した日の翌日から10ヶ月以内におこないます。
納税は税務署だけでなく金融機関や、郵便局の窓口でもできます。
申告期限までに申告しない場合や手続きが期限内に行われない場合、税務署は税額を通知してきます。これを決定といいますが、決定処分が行われると無申告加算税がかかり税額が増額されます。また期限までに納めなかった時は利息に当たる延滞税がかかります。
相続税は金銭で一度に納めるのが原則ですが、これ以外に延納と物納があります。
延納は何年もかけて納めるもので、物納は相続などでもらった財産そのものを納めるものです。
延納、物納とも申告書の提出期限までに税務署に申告書を提出して許可を受けるける必要があります。
   
  その他<遺留分減殺請求>
  遺留分とは、一定の相続人(遺留分権利者)のために、法律上必ず残しておかなければならない遺産の一部です。遺留分を侵害した遺言がただちに無効になるわけではありません。請求する権利のあるものが、正規の期間内に請求してはじめて効力を生じます。
   
「遺留分権利者」
  ・配偶者、子供、直系尊属(親や祖父母)
・兄弟姉妹、相続欠格者、相続廃除された相続人、相続を放棄した相続人には
遺留分はありません
   
「遺留分の割合」
 
遺留分権利者
遺留分の割合
配偶者と子 配偶者4分の1・子4分の1
配偶者と直系尊属 配偶者3分の1・直系尊属6分の1
配偶者と兄弟姉妹 配偶者2分の1・兄弟姉妹0
配偶者のみ 配偶者2分の1
子のみ 子2分の1
直系尊属のみ 直系尊属3分の1
   
「遺留分減殺請求」
  遺留分権利者が遺留分侵害者に自分の遺留分を取り返す意思表示を、遺留分減殺請求といいます。
遺留分減殺請求権を行使するかどうかは、遺留分権利者の自由ですし放棄(相続開始前の放棄は、家庭裁判所の許可が必要)することもできます。
遺留分減殺請求権の行使は、意思表示の内容と相手方に確かに届けられたことを証明できる内容証明郵便での請求がよいでしょう。
遺留分権利者が相続開始の事実と遺留分を侵害する遺贈・贈与の存在を知った時から1年間遺留分減殺請求権を行使しなかったときは、遺留分減殺請求権は時効により消滅します。また相続開始の時から10年を経過した時も、権利者の知・不知にかかわらず消滅します。
 
  その他<相続回復請求権>
  相続回復請求権とは、亡くなった人の財産が民法の規定どおりに相続人に受け継がれず、第三者に侵害された場合にその侵害された権利を取り戻す権利をいいます。この第三者(実際には相続人でないもの)を表見相続人といいます。(たとえば相続欠格者、廃除者等)この場合、本当の相続人(真正相続人)は表見相続人に相続財産を返せと請求できます。これを相続回復請求権といいます。
相続回復請求権は裁判によることもできますし、直接相手に請求する方法もあります。
相続回復請求権は、相続人またはその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないと時効によって消滅します。又相続開始の時から20年間行使しないと消滅します。
   

<営業地域>                   
愛知県全域、岐阜県の一部、三重県の一部