| 溝口正也先生の「バラのおはなし」 |
| 私の伯父にあたります園芸家 溝口正也先生にお願いして「バラのおはなし」を連載して頂ける運びとなりました。 NHK趣味の園芸の解説をされていた事もあり、お話を伺っていても、園芸の知識が本当に豊富な方で、興味深いお話にいつも感銘を受けております。 |
| 溝口先生のプロフィール |
| 1923年愛知県生まれ。京都大学文学部卒。1951年中日新聞社入社。婦人家庭面新設とともに「旅人木」のペンネームで園芸欄(日曜園芸)を14年間担当。 1949年園芸学者と市民園芸家をつなぐ場として、中日園芸文化協会設立、初代常務理事事務局長。 1964年中日新聞オリンピック記念事業「フラワー・ブラボー・コンクール」=小中学校花壇コンクールを企画、初代事務局長。 この花いっぱい運動は6県1市で毎春秋各700校で実施中。 1968年「くらしの中の花」執筆。 以来、中日文化センター講師、「NHK趣味の園芸」定例解説者などを務めました。 著書に「サボテンと観葉植物」(共著)、「日曜園芸12ヶ月」「家庭の園芸=中日園芸文化協会20周年記念」(編著)など多数にのぼります。 現在、中日園芸文化協会相談役を務めておられます。 |
| 目次 |
| 連載第1回 名花「ピース」のおはなし |
| 連載第2回 花と民族の好み |
| 連載第1回 名花「ピース」のおはなし |
| ピース(Peace) 1937年フランスの育種家 F.Meilland(メイヤン)がジョナ・ヒル(母木)にチャールス.P.キルハムとマーガレット・マック・グレディの交配種の花粉を交配、作出した800本の中から選んだものです。 以来、60年余り。 西暦2000年の現在も世界中で苗が作られ売り捌かれているのは、このピースのみといってよいでしょう。 バラは毎年世界中で何十種という多数の新花が発表されてますが、5年後もカタログをにぎわしているのは稀です。 ![]() まして10年後もその苗の生産が続けられているのは極めて少ないとみてよいでしょう。 このような新陳代謝の激しいバラの世界で、60年余も世界中で苗が作られて流通しているのは、このピースのみです。 F.メイアンは当初自分の母親に捧げる花としてMmeA.Meilland=マダムA.メイヤンの名で発表しました。 1939年ドイツではこのバラをグロリア・ダイと称し、イタリアではジョイア(イタリア語で「喜び」の意)として流通していました。 1945年、米国パサデナで太平洋バラ協会展が開かれ、この花が展示されました。 その権利を買ったコルナード・パイル社代表ロバート・パイルは、5月2日ベルリン陥落の日に当たるを幸い、この花にピースと再命名して世界中に売り出すきっかけを作りました。 これが名花ピース誕生の物語りです。 花容大きく大らかで、冷涼地で咲かせれば、クリーム黄の花弁のふちにピンクがさし、秋花はどこで育ててもこの弁縁のピンクは強くでます。 強い株立ち、厚い照りのある葉などさすがバラの古典にふさわしい銘花です。 始めてバラを育てる人から「何を育てたらよいか、一本だけ植えてみたい」と相談を受ければ、私は迷わずピースをおすすめします。 弁数45枚前後。花径15cmほど、黒点病に強いという特色を持っています。 |