別に、辛口とか批評性とかを意図して「つらい」「つらい」と書いている訳ではなく、普通に観ての感想がそうである、ということなので、映画を観ることがそんなにつらくないという読者のかたは、「つらくなかった。」→「素晴らしい!」、「つらかった。でも、まぁ、これが現代的なのかなぁ、、」→「普通。」、「あまりにも、つらすぎる。」→「つまらない。」と、読み替えていただけると、だいたいチューニングが合うのではないか、そう、ogalinは考えています。
小品ですが、「魁!!クロマティ高校」や、同じ雄大監督の「地獄甲子園」で、暑苦しさと間抜けさが同居する番長ぶりが填っていた坂口拓が主役なせいか、面白かったです。
「手鼻三吉と 2 (トゥワイス) 志郎が往く」シリーズ
ハッピに鉢巻といういでたちの坂口拓と繰り返しが口癖の子分が、事件に巻き込まれる、というというフォーマットが決まっている以外は、思いつきで撮ったような勢いだけ寸劇ですけれど、この種の映画にありがちなダラダラと長くなることなく、勢いが途切れる前に終わるのはさすが。異常なまでの繰り返しを照れ無く演じる坂口拓の存在感が勢いのようなものに繋がっているかと。子分の汚らしさはわたしの趣味からは外れるのですけれど。
「名探偵・一日市肇」
モノクロ画像で、レトロ風名探偵もののパロディ連作。こちらのほうは思いつきって感じじゃなく、綺麗に纏まっていますが、ただ雰囲気だけって訳ではなく、坂口拓演ずる名探偵がカッコをつけまくっているけれども犯罪低減の役に全く立っていないか、共犯じゃ、、、という解りやすい落ちがあるギャグなので、飽きずに観られます。呪いの(?)人形話が面白かったです。
トークショー自体はリードする人がいないせいで間の悪い感じでしたが、途中で上映した、着ぐるみヒーロー物『MEATBALL MACHINE』の予告編は、塚本晋也監督の「鉄男2」をちょっと思い出すような生々しさで、少々惹かれるものがありました。
2005.09.23渋谷シネクイントにて鑑賞。
2005.09.25
フェラ・ランサム・クティ・アンド・ヒズ・クーラ・ロビトス「ハイライフ・ジャズ・アンド・アフロ・ソウル (1963-1969)」
待望のフェラ初期作品3枚組がやっとこリリースされました。解説によると契約の問題とかをクリアにする手続きに苦労したそうなので、まさしく労作。出ればオールオーケーです。KOOLA LOBITOS&THE '69 L.A. SESSIONS69収録の6曲を含む全39曲はさすがにボリュームがあります。
先の6曲を聴いたときに感じましたが、まんま既存のジャズな「great kids」、「amaechi's blues」とか、「聖者が街にやってくる」のフレーズまで出てくる「Omuti」とか、メロディをラッパが奏でる楽団音楽と大差ない曲ばかりの1、2枚目は、正直、退屈でした。
昔の空手・柔道ドラマばりにオリャー!と絶叫するアジテーションの「waka waka」、「ako」といった、アフロビート生誕直後を思わせる迫力のビートが完成した3枚目のライブは、もちろん(70年代フェラと同じく)最高なのですけれど。
Co-Fusion「Hot! Hot!(Radio Edit)」
今週のiTMSフリーダウンロード。「リッジレーサー」の地味目曲みたいな懐かしテクノなんで嫌いじゃあないんですけど...
Sigur Ros「Glosoli」
新譜が気になっていたアイスランドのテクノ〜ロックな人たちも、1曲だけiTMSにあったので。静謐なオルゴールっぽい音をバックに性別不明のファルセットから、終盤はギターが重なっていくドラマチックな展開には初期U2の「40」とか連想。新しいとは思わないですが、綺麗で構築系の音楽は、CDも買おうかなという気になりました。叙情派ネオサイケなんて言葉を思い出したり。
2005.09.24その2
航宙軍士官学校をドロップアウトした星間交易会社のお嬢様は、宇宙船の船長になることになって、、、ってな冒頭から、惑星官僚との交渉や、傭兵との対立、船内反乱、等を通して、成長していく、というオーソドックスな、船→宇宙船に変換SF。トラブルの大半を軍隊仕込みのスキルで解決し、それ以外だと「これが軍なら...」と愚痴を言う主人公をはじめとして、カッコイイ登場人物は軍関係者ばかり、というミリタリー指向SFでした。
けっして、読みにくい小説って訳じゃないのですが、新味のあるSFアイデアも、凝った文体もなく、主人公視点が大部分という単純な構成なのに、女流作家ゆえのくどさか、600頁近くあると、ちょっと飽きが来てしまいました。
巻頭に置かれた謝辞で、特殊学級の話を書かれてしまうと、解説者ならずとも「くらやみの速さはどれくらい」(未読)の作者であることを意識させられるものの、本編内にそっち系の重たいのは無くて助かりましたが。
2005.09.24
本田透「電波大戦 ぼくたちの”護身”入門」
同じ著者の「電波男」巻頭で引用されていた柳下毅一郎が巻末解説(「オタコイ・オルタナティブ」)を書いている、という構造から窺えるように「電波男」のオルタナティブというか、対になる本。
「電波男」が、キーワード「オリはキモメン」に象徴されるような著者個人の人生経験をベースにしたオタク論だったのに対し、オタク恋愛経験についてのインタビュー集というかたちで、その論が他者のオタク人生に適用できるかを検証しています。具体例に終始しているので、(個/オリから出発せず、一般化された概念ありきで、その整合性のみを問う、ネット上の「非モテ」議論みたいな)議論のための議論にはなっていないのは、さすが。
結論というか、論の適用は、岡田斗司夫<<竹熊健太郎<滝本竜彦<<倉田英之、といった具合で、人ごとにそれぞれ違っている印象。で、その差はオタク現役度というか、送り手側/受け手側のどちらに軸足を置いているかでの違いに見えました。送り手側に立つことに自覚的になって、オタク偏愛を相対化できる人ほど恋愛方面に近づいているという。まぁ、面白いことを話そうと自己キャラ演出が入ったインタビューでしょうから、今、恋愛本を書いている人と、萌えアニメの脚本を書いている人の(本業への販促意図の)差が現れたということではありましょう。
ただ、基本設定である「紙使い」の理由をは結局うやむやなまま「R.O.D」を終わらせ、「かみちゅ!」でも、物語の始まりである、神となった理由については無視で終わりそうな、倉田&舛成コンビ作品を観ていると、首尾一貫した何かを構成する表現者ではなく、自分らの観たい妄想のだだ漏れを、ファースト・アルバム的な全能感のままで続けている人って気がするので、世界観に合ってるなぁ>倉田氏インタビュー。
フランク・ミラー「シン・シティ:ハード・グッドバイ」
映画化記念で出たアメコミ。この人のバットマンもの以外以外を読むのは初めてですが、カラー無しでも200頁2940円かぁ。
スクリーントーンや薄墨といった灰色を使用しないモノクロ作品なので、初期山田章博的白と黒とを対比させたデザイン性の強い絵が特徴。曲線が少なくカクカクした絵なので、美しくはないですけど、影絵的演出は特に「決まってる」感があります。
ただ、作者も60ページで本来十分と言っているようですが、罠にはめられた男の復讐という、いかにもなハードボイルド話で、主人公もバットマンのような自嘲インテリではないため台詞も単純なので、絵以外には面白みは無し。
2005.09.22
中里、須藤(ふたりともひょろ長顔なのは、ちんぴらVシネっぽくて、、、一人ぐらいゴツイ系欲しかったなぁ)、涼介戦で、なつき援交や、エンジン換装話も含む第一部のダイジェスト展開でした。ロケ地の大自然のスケールが大きすぎて日本っぽく見えないのと、日本関連グッズを無理して、画面に入れる南葛Tシャツには苦笑。
アニメ版同様、やたらドラマチックな展開ながら、高橋涼介の(というより吹替版でも" 子安武人"力の)解説がないからか、あるいは、アニメ版程露骨なユーロビートではないからか、予告とアニメ版からの期待ほどは盛り上がらないのが残念。ゲロねたが出てくるのは、いかにも香港映画らしくて憎めないけれど。
2005.09.18新宿東急にて鑑賞。
2005.09.18
tobaccojuice「幸せの海」
祝、キングレコード参入記念(スタチャ関連も希望)な、今週の無料ダウンロード。ハワイアン風ギター音入りの、ダブがかったポップス。ボノボ系?
椿屋四重奏「薔薇とダイヤモンド」
試聴分除くと9曲1350円はお買い得感あります。基本的に前作路線かなぁ、と思いますけれど、クリアなギターはやはり好み。作中では歌謡曲なメロの「手つかずの世界」が印象に残りました。
Nobuo Uematsu「Opening Theme」、「Finale」
「FFの新曲がiTMSに」という電撃オンラインの記事をみて検索してたら旧譜もI-XIまで揃っていたので、FINALFANTASY Iと同IIのサントラから各1曲づつ。Iで「Opening Theme」が鳴るのは、橋を渡るところでしたっけ、所謂FFのテーマ。フェードアウトがいきなりなのは残念ですが、素朴な3音ゆえのメロディが明解。「Finale」のほうは、多分IIのEDで使用された3分ぐらいの曲。ファミコン期FF特有の「プワーン」とした音色がなんとも懐かしいです。
B.J. Thomas「Raindrops Keep Fallin' on My Head」
Nobuo Uematsu(植松伸夫)がiTMSでどこに分類されているかというと、「Soundtrack」なのですが、英語表記だと邦人も目立たないなぁ、と思ってアーティスト名を検索していたら、「Butch Cassidy & The Sundance Kid 」(「明日に向って撃て !」ですね)のサントラに収録されている超名曲、「雨にぬれても」を発見したので衝動買い(何か嫌なことあったのか→自分)。曲自体はロック分類ですが、優しいフォークソング。
2005.09.17
解りやすい回想を交えて話を引っ張ってくので、(原作を読んでる場合は特に)お約束のネタバラし的快感がありますし、原作その後のバンドメンバー全員穴兄弟状態のドロドロ恋愛話へ突入する前の、天才ロック少女とその追っかけという女子のきれいごと友情話に終始してるので、破綻無くまとまった感。
主役のひとり、中島美嘉は、長台詞では棒読み感出てしまうものの、ぶっきらぼうにしてるシーンが大部分なので素人臭さは特に感じませんでした。ぶっきらぼうだが根は優しい天才ロック少女という、かなりマンガちっくなキャラですが、都会と田舎に別れた恋人の三角関係というマンガちっくな設定ですので、違和感はなく。演奏シーンでの存在感は、さすが本業というか、対比されるバンドメンバーの人たちがMTV創世記のような間抜けさなこともあり、天才っぽさに繋がっているか(間抜けとはいっても、今週観た「フランツ・フェルディナンド」新曲プロモビデオでの機械的演奏シーンもそんな感じなので、味といえば味かも)。
もう一人の主役である、宮崎あおいは自分しか見えないっぷりが激強な相当うざいキャラなのですが、一種類しかない満面の笑顔を連発していて「この人はそれしかできない、かわいそうな子」感が出ていて、原作より好感が持てました。
主役二人以外はほとんど「背景」なので、主役に好感が持てたのが、楽しく観られた理由でしょうか。
原作だとパンクがどうのこうの言っていた気もしますけど、ビジュアルロックの系譜を感じさせるビブラートが目立つブラストの歌には、台詞含めてパンク色は無し。ですが、成り上がり「ロック」っぽくはあるので、女流Jポップ然としたライバルバンドの歌と対比する挿入歌としてはイメージを解りやすく伝える役には立っています。
ちょっと気になったのは、レコード店のシーンで、ニルヴァーナのボックスとポラリスの新譜をでかでかと映していたのは、撮影時期にディスプレイされていたこともありましょうが、関係者に死人がいる→ドラマチックという、単純な発想じゃないかなぁとも、邪推してしまいます。けれど、その大ざっぱなドラマチックさを求める安直さは、美形+不良→シド・ヴィシャス顔→パンクバンドという設定の安易さと地続きなベタな大衆ドラマなこの作品らしいかな。
2005.09.14新宿プラザ1にて鑑賞。
2005.09.14
アフレコ裏話も、声優養成所の話も、ラジオの話も一切なく(2冊目のためにネタを温存したのか?)、本人サイトで語っているような「秋田のおばあちゃん」話に代表される、家族ネタ中心の子供時代エッセイ集。この種の女流エッセイにありがちな、あざとい共感をあおりそうな、駄菓子やらテレビ番組やらの懐かし固有名詞ネタが殆ど無い潔さには好印象。もちろん、出稼ぎの父親というマンガ的ビンボーとプチ贅沢の匂いのする固有名詞とが整合しにくいから、ということもあるのでしょうけれど。
家族(含まわりのひと)の話ながら、その人がどう思っているかはほとんど描かれず、自分の心情をストレートに描いていて(現在の同居人であるアビちゃんパートのみ例外になってるので、本作が叙述トリック物なら彼女がゴーストライターってことになりそうですけれど。)すぅっと入っていきやすく、タイトル通りの暖かい結末で「ちょっとイイ話」にまとまっているので、気軽に読めました。
反面、(サイトで1本ずつ読むときと違って)本になったのをまとめて読むと、「イイ話」な印象が似通ってしまっていて、特にこの章!というのが無いことも確か。心に刺さる系が少し入ってれば、シリアス時の西原理恵子になれたかもって気が。
2005.09.11
London Symphony Orchestra, Sir Colin Davis「The Planet」
iMIX等でリンクを点々としていたときに何故か引っ掛かったクラシック。火星と木星しか知らないのもどうかな、と思い、半ばお勉強気分で。聴くべき楽器の音がころころ変わる音楽は聴きずらいなぁ。電車内で聴くには音量が極端に変わる音楽が聞きづらいこともあり、ついつい派手目の火星と木星を聴いてしまうのでした。
The Nice「Five Bridges」
エマーソン予習・復習その2。というか、本作だけiTMSにあったから。ナイスは、5枚目「Elegy」と3枚目「The Nice」しか聴いていなかったのでオーケストラとのライブ盤である4作目を聴くのは初めて。
キースのキーボードはELP時代に通じる元気にばりばり弾きまくりスタイルながら、オーケストラとの共演ではバンドが負けてしまっている感も。むしろオリジナルにはないボーナストラック扱いらしい「America」や「The Thoughts of Emerlist Davjack」といったバンド代表曲も聴けるのがラッキー。ナイスとしての良さもこちらの方が出ている気が。
土岐麻子「Debut」
10曲1500円に合わせるためのライブテイク1曲付1500円は、CD買ってる人に申し訳ないくらいですが。
ふわふわした歌い方(声量なさそだし生だと弱々しくなっちゃうのかなぁ、と思っていたら、2005.09.11の渋谷APPLESTOREインストアライブでは意外なくらいにCDと同じで、びっくり。アコギ伴奏だけでも十分な存在感、失礼しました。)にエレピがバックという緩いノリ。浸り系なので、間奏で入るジャズ寄りのきらびやかかさ目立つピアノはむしろ邪魔なくらい。
英語日本語半分ぐらいずつですけれど、しりとり歌詞な「わたしのお気に入り」や、言葉遊びっぽい「ウィークエンドの手品」といった、気負わずに聴ける日本語歌詞の曲のほうが、緩めの音楽性と合っているので、愛聴中。アナ・コッポラばりのカタカナ英語(多分わざと)な「It's a Short Life」もネタ的には面白いけれど。
バンプ・オブ・チキン「プラネタリウム」
音楽系サイトBarksでの「バンプ、愛知万博でのライヴ音源を聴いて!」にてストリーミング。アコースティック系アレンジされてしまうと、ただでさえ内省的な歌詞とあいまってフォークっぽくなりすぎてしまうので、彼らについてはロックロックしていた方がいいかな。
昼海幹音「我は行く」
今週のiTMSフリーダウンロード。椎名林檎の道楽ロックバンド、東京事変を辞めた人らしいけれど。ダルなギターロック。歌声に艶がないので、鋭角的ギターが中心になったインスト時の方が好印象。
2005.09.09
「声優 池澤春菜推薦」の帯でハヤカワ売ろうって戦略はどうよ、と思いましたが、作品読んだ印象は逆。声優ファンが付いてきてるかどうかなんて全く気にせずに「BRUCE LEE in G.O.D. 死亡的遊戯」とかを、嬉々としてツッコミ入れつつ紹介していたBSQR「Haruna Eyed View」の人だったのを思い出しました>池澤春菜。というか、そういった怪作・珍作系に許容力ある人じゃないと読めない作品かも。
自作をクリエイティブ・コモンズにしていて、未来の著作権マフィアと戦う小説書いたチャールズ・ストルスとお友達、といった解説にも頷けるローカス賞は伊達じゃない、といった感じのSF保守性も嫌いそうな、とんがったノリ。
冒頭からディズニー・ランドで殺人ネタですが、許諾とかはきっと全然なし、愛もきっとなし。良くも悪くも「ニューロマンサー」の一世代後だよなぁ感が有ったニール・スティーブンスン「スノウ・クラッシュ」の引用も出てきますし、電脳、退廃、正義無き勢力争い、のサイバー三題噺です。SF的に新しいアイデアは特にない、って感じですけど、ネットにジャック・イン出来なくなったことが理由でプチ鬱ってく主人公のヘタレ感には当世風な味わいあり、といったところ。物語上は主人公は全くの役立たずだったりしますが、こいつらしい、といえなくもなく。
2005.09.07
来月に迫ったキース・エマーソン来日公演の予習/復習で、積んDVDだったのを虫干し。
さすがに中高時代に死ぬほど聞いただけあって、「次はこのフレーズ」みたいなのを、殆ど覚えていて復習の必要なし、っていうか、懐かしさ炸裂。「エア・キーボード」(「エア・ギター」のキーボード版を表す造語として今作りましたが、エマーソン以外だとあまり意味がないか。)しつつ、全96分を楽しく観てしまいました。
伊藤政則(メタル界の現状に疎いので、この名前も懐かしいですが)の解説によると、「展覧会の絵」リリース直後の1972年頃の演奏ってことなので、他は「未開人」、「石をとれ」、「ナイフ・エッジ」と、1STに収録された硬質な印象の曲から構成されていて、盛り上げやすそうなハードロック的意匠を纏った中期と違う印象を受けます。
「ナイフ・エッジ」での、フレーズとかが全く無くて、ひたすら手数多く叩くだけの鼓笛隊状態を10分近く続ける、カール・パーマーのドラムソロとか、今になって(当時も?)観ると辛いものもありますが、エマーソンはシンセで音を歪めてる場所が目立ち、オルガン馬乗り演奏やソロ・パートを含めて、単にコンサートを盛り上げる演出ってことではなく、変わった音を出そうとする試みの一種に見えました。硬質な(≒盛り上げにくそうな)印象の選曲のせいもあって、この頃はまだ「プログレ」というスタイルが固まっておらず、「実験」音楽っぽさが伝わってくるのは新鮮でした。
映像的には、プレMTV期の「フィルム・コンサート」用のものだと思われますが、漫然と演奏を写すだけ+サイケなソラリゼーションで画像を弄ったりしていて時代を感じさせる、としか。画質もいかにも昔のフィルムっぽいぼやけた感じですし。ただ、「バーバ・ヤーガの呪い」での、スパイダーマンやファンタスティック・フォーの一コマを映してまくっていたのには意図がつかめません(ポップカルチャー繋がりってことでしょうか?)けど、知ってるキャラが出てくるのはちょっと楽しかったです。
2005.09.02
Kanye West「Late Registration」
現代ヒップホップを代表するプロデューサーの2nd。
GAMEやらJAY-Zといった有名ラッパーとやってるのとかは特にその傾向が強いのですが、今時ヒップホップだなぁ、というだけの印象。変則音数が多いだけのリズムトラックは単調だし。変なリズムトラック自体はインストとしては面白いんですが、ラップの背景だと変な効果音にしか聞こえないなぁ(ティンバランド以降はこの位の複雑さが要求されるのことも知ってはいますけど。)。バックトラックに対抗するべき本人のラップも結構一本調子なせいもあって、退屈でした。
トッド・ラングレンを連想した変シンセが印象的な「CELEBRATION」、子供コーラスもの「HEY MAMA」,エフェクト掛けた声ネタ「LATE」、ゴスペル・クワイア臭いコーラス入りの「ROSE」、軍隊教練風「SKIT」といった変化球ネタは、印象的なサビのせいもあって面白かったですけど、このトラックの上に乗る必然が見えないんで、ネタだけ別に摂取した方がいいような気がしてしまいました。
正直、「A TRIBE CALLED QUEST」や「THE PHARCYDE」だと、iPODのシャッフルで今聴いてもサンプリング入りファンクとして楽しめるんですけど、同じソウル系ヒップホップとはいっても、本作は、今のわたしにはちょっと遠すぎる音楽。
椿屋四重奏「プロローグ」
今週のiTMSフリーダウンロード。シングルの時はミュージックステーション出演とかもあったし、本格的ブレイクなのでしょうか。
リフ中心系なギターロックなのは、前作路線踏襲。青臭い歌詞のラブソングだけど、キャッチーなメロデイのせいか、少し歌が聴きやすくなったかな。
2005.09.02
ちょっと巻きが入ったかのような急展開で、ドラゴンとユニコーン騎士の戦い、国家戦争、女王選定ゲームの決着と、その裏に潜む陰謀、そして、世界創世の秘密まで。
その「世界創世の秘密」自体は、まぁ、言ってしまえばサイエンスファンタジィ落ちな訳ですけれど、別にそのSF臭さに点を甘くしていると言うことではなく。ファンタジィ的な、魔法が世界を規定する型運命論とは正反対の、世界に自由意志で到達できないものはないのだ、というポジティブさを、くじけず快活な旧世代物語的「主人公」が持っていて、そこに、好感が持てるからだと思います。
最終巻で、敵側の人も、みんな善人になってしまう展開も、ユルイっちゃユルイのですけれど、ポジティブな主人公の物語を気持ちよく祝福できるので、本作だとありかな。
正直、読みやすくて面白いけれど、予定調和運命落ちか、メタフィクション落ちだろうなぁ、と思ってたので嬉しい驚きでした。残り2冊の外伝も楽しみ。