2006.03.31
皮肉屋の人工知能を相棒にアンドロイドの謎を追う私立探偵、という、あえてジャンルお約束設定もの。
時代遅れのプレイステーション9とか、キドナップスターからダウンロードしたドアーズ全曲集の海賊版とかいった、しょーもない未来ネタや、融通の利かないロボット描写とか、SFお約束のパロディもあります。
けれど、高所恐怖症なのでエアカーの高度を上げることができず、ガソリン車を乗り回して喜んだり、ジョークを連発して格好を付けたり、といった時代錯誤ぶりが間抜けな、主人公描写の印象が強力ですので、ハードボイルドのパロディ色が強いです。
アナクロぶりを人工知能に揶揄されつつも、へっぽこ私立探偵が最後は大活躍するところを含めて、純正ハードボイルドのパロディだった「デコイの男」をちょっと思わせるような快作でした。
2人の作者による共著ゆえか、ネット上の連載だからでしょうか、展開には、リレー小説的いき当たりばったりさがあります。けれど、ハードボイルドものの強みで、視点を主人公に固定するため、展開の割に読みやすいのも良いです。
2006.03.26
異世界から来た子供たちが伝説の勇者扱いされる、という、ゲームとかで既視感ばりばりの導入から始まり、悪役の女王様がひたすら悪い奴だったから起こった戦いは、悪役が間抜けだったから主人公側が勝った、という、安直展開のファンタジィ。
安直な展開でも、ゲームなら、プレイヤーキャラクターに感情移入して楽しむことができます。ですが、本作の場合、仲間集めも、失敗のフォローも、敵ボスへのとどめも、奇跡を起こすのも、捕まった仲間の救出も、全てNPCのアスランまかせ。主人公たちはNPCの活躍を傍観するだけの、遊園地ライドのお客さん状態では、感情移入は難しいです。
そうした、大した行動もしてない主人公らが、正義の王とか慈愛の何とか、といった象徴的ネーミングをされるラストは唐突。王様という、全能への幼児的憧れは、わたしの中にもありますけど、成長とか、王様になることへの物語的言い訳も無く、露骨に王冠貰って終わってしまうので、願望充足臭さだけが残りました。子供でも辛いんじゃ…
原作小説では、映画では描かれていないその種の象徴性を納得させるような内面描写があるのかもしれませんが、それを確認するためだけに、読むって気にはなれませんでした。
ラストの合戦シーンも、大河ドラマ的描写というか、大人数が正面からぶつかるだけの考え無し、な戦いぶりで、薄味。ただ、ジャイアントやミノタウロス、などのRPG定番悪役キャラの映像化や、ケンタウロス相手に、二刀流で暴れ回る女王様は見ていて気持ち良かったです。
2006.03.12 ワーナーマイカル新百合ヶ丘にて鑑賞。
「DEFENSELESS CITY (Featuring スチャダラパー & ロボ宙)」は体言止めの多いなつかしラップ
2006.03.24
雪風の綺麗な終わり方と比べてしまうと、蛇足感の否めなかった「グッドラック」の続き。いかにも神林らしい、対話劇。
森岡浩之「変転」☆0
星界の紋章シリーズのサブキャラ外伝。本編の物語を進める時の煩雑物とならないよう、外伝で世界観を広げる、っていうならともかく、本編で物語が全く進んでいない本シリーズでやられても…
菅浩江「天つ風 博物館惑星・余話」☆0
芸術という抽象的なものを直接的に扱っているせいか、人間ドラマ関係の図式性に陳腐さが漂います。
北野勇作「カメリ、テレビに出る」☆2
曖昧になりがちな、不可思議設定をそのまま描く話なのに、キャラクターのおかげか、明快さがあるのは、このシリーズの持ち味。
野尻抱介「大風呂敷と蜘蛛の糸」☆0
架空宇宙開発もの。登場人物の宇宙開発への熱意を、宗教的にしか見えないってのが、わたしの場合、この種の話を面白がれない理由。
飛浩隆「クローゼット 廃園の天使」
単なる電脳ホラーに見えてしまうのは、電子書籍版「グラン・ヴァカンスI」が積ん読のまま、だからでしょうか。
コニー・ウィリス「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」☆0
ついて行けない固有名詞ネタに、「リメイク」を連想してしまいました。 R・A・ラファティ「1873年のテレビドラマ」☆0
架空ドラマの池田憲章的紹介。この作者にしては読みやすかったです。
テリー・ビッスン「オールモスト・ホーム」☆0
アニメ「しにがみのバラッド」第1話にも感じた、「子供」「死」といった感動記号の露骨な出し方に食傷。
ジョージ・R・R・マーティン「グラス・フラワー」☆0
雰囲気もの、という印象以外はなく。
グレッグ・イーガン「プランク・ダイヴ」☆1
個人ドラマと、SF設定とを強引に結びつけるいつもの作風。設定が理解できなかったので、何もわからないくせに偉そうな悪役のプロスペロに共感してしまったため、読後感はあまり良くありませんでしたが。
連載 夢枕獏「小角の城☆0
また、断片。
連載田中啓文「罪火大戦ジャン・ゴーレ」☆0
妄導犬とか、また変な設定が入ってきて、面白くなるかも。
2006.03.18
姉の幻覚が見える飛浩隆「星窓」、妹の幻覚が見える八杉将司「ハルシネーション」が並んでいますから、って理由だけでもないでしょうけれど、印象がぼやける作品ばかりだった気が、今号収録された小説群には、ありました。
特集は「日本SF大賞&新人賞」。日本SF大賞の選評では、他の作品の方が良いのですけれど、2回目受賞になってしまいますので、みたいなコメントの連発に萎え。新人賞選考会も「サイボーグ009」のオマージュが入った、評価A−からB−の作品が受賞、という結果にも寂しいものが。賞を送る側ぐらいは絶賛して欲しいです。
一番印象に残ったのが、MY FAVORITE SF(イラストエッセイ)で、「モンスターメーカー」の九月姫が描いている、クリストファー・プリースト「逆転世界」の動く都市だったりするので、次号を読む気力が…。
ブックレットについているコンサート衣装デザイン画が付いているのですが、設定資料っぽく見えてしまうのは、キャラクター性が強い、この人ならでは、といったところ。
2枚組でもう一枚は、バンド入りだった、2005春ツアーを、コンサートでは歌われなかった「琥珀の詩、ひとひら」収録曲中心にダイジェスト収録したもの。硬質なドラムの音が入っていますので、カラオケだった秋コンサートとは印象が変わります。
10個前のFF-IIでも見ましたねぇ、な冒頭の演出はともかく、経験値で能力値を買うことを、双六風の画面で表示する成長システムといい、肌の露出が多い主人公といい、FF-X、FF-X-IIに似た印象を受けます。
お話も、反乱軍が帝国を倒す、という、いつものFFかな。歴史書からの回想が入ったりして、荘厳な雰囲気が出ている気もしますが、重要キャラ、バッシュの声を当てている、小山力也による、誠実そうな声の説得力に騙されているだけかもしれません。
操作性には難あり。3Dもの特有の視点がかなりキャラに近くて、遠くまで見通せません。そのため、町中では地図を見ることが多いのですが、地図を見るたびにディスク読み込みが入るため、テンポの悪いプレイになってしまっています。アクティブ・ディメンションバトル(移動画面とシームレスな戦闘)のため、有利に進めるためにいちいち行動力を溜めてから戦闘する必要があったり、非戦闘時のケアルにも詠唱待ち時間があったり、と、結構、めんどくさい仕様のゲームです。セーブがセーブポイントだけなのも辛いところ。
FFは、一応、IからX-IIまで、エンディングを見ていますが、本作は、わたし初のラスボスを倒さなかったFFになってしまうかも。
「ゴッド・オブ・ウォー」を、今時の3Dアクションって、「トゥーム・レイダース」、「マリオ64」から、絵が綺麗になってファイナル・ファイトが付いただけかぁ、って気がして、1時間で挫折してしまった、というゲーム根性の低下が著しい、という、昨今のわたしの事情もありますが。
2006.03.14
ドラマCD最終巻。
ノーラコミックス版「魔法少女リリカルなのはA’s」では、はやて側の後日談でしたが、こちらは、フェイトの後日談。どちらも語られなくても良い番外編ではなく、登場人物がそれまで抱えていた問題の最終結論だから、見て良かったけれど。ただ、フェイトの話一本に絞った前作に比べて、A’sは、設定多すぎの印象は残りましたが。
「魔法少女リリカルなのは/魔法少女リリカルなのはA's ビジュアルファンブック」
いわゆる「ロマンアルバム」。
魔法の発動シーンのコンテ(?)が、非常に細かくて楽しい。「サイキックフォース」風のゲームになると楽しそう。
Cheap TrickやJellyfishを連想させる、鼻歌ポップなギター・ロック。サビだけのような気もするけれど、好物なので愛聴中。
2006.03.11
Billy Preston「Clementine」
Dr.John等参加のコンピレーション「Jazz Baby:session2」の中の1曲で、iTMS内では綾戸智絵のカバーもある有名曲「Oh My Darling Clementine」です。ちょっとブルース入ったピアノ弾き語り。iTMSでのジャンルはチルドレン・ミュージック。
Al Green & Billy Preston「You've Got a Friend」
「And the Message Is Love - The Best of Al Green」の中の1曲。なので、主役はAl Greenか、と思いきや、「カモン、ビリー!」「カモン、アル!」とマイクリレーしていく熱いノリ。友達の為に駆けつけるぜ、って詩のせいもありますが。前にAl Green聴いたときは、脂っこいオヤジ熱唱な印象でしたけど、本作の場合、ファルセット入った綺麗な高音担当で、熱血な歌いっぷりのBilly Prestonと対照的。
原曲自体、Carole Kingの中で、最も好きな曲なので、愛聴モードなのですが。ものすごくゴスペルクワイヤ的合唱盛り上げ曲なので、ゴスペルがベースにある2人による選曲としては当然なのかも。
発掘宇宙船で、恒星破壊砲を持った敵と戦うスペオペ「STARSHIP ADVENTURE Star Field」が、スケールの大きさで読ませます。現場叩き上げのパイロット、ランスロット大佐がかっこいい。未完なのも、「ブルー・シティー」や石川賢の終わり方が大好きなわたしには問題なし。
その後、モチーフは「メガクロス」に流用された、との後書きがありますが、少年物だった「メガクロス」とはだいぶ印象が違う気が…探して読み返そうかな。
2006.03.09
全米TOP40やベストヒットUSAをまじめに聴いていた頃にチャートインしていた「Hungry Heart」とか聴いていましたが、まともにアルバムを聴くのは、はじめて。2時間超のライブ盤CD2枚組です。
雄々しい歌とメロディは、かなり一本調子で、正直、バラード系は単調。ライブ音源ならではの弾きまくり状態で延々とジャムっていく17分の大作「Kitty's Back」や、「Rosalita (Come Out Tonight)」、「She's The One」といった、インストっぽい曲での元気ぶりのほうは、楽しめました。バンドの中心になっている楽器が、ピアノとオルガンなので、聴きやすいのが好印象の理由でしょうか。
「シェンムー」で、詰まった時にヒントをくれる、街頭立ちんぼキャラ原崎をやってた、ぐらいしか「安めぐみ」については、知らないのですが。「安めぐみ」という名前の面白さをネタにした、スターリン「365」風の早口言葉が展開される前半は面白かったです。ただ、後半のフォークっぷりが本来のスタイルなのでしょうねぇ。そっちは平凡なつくり。
2006.03.07
「眼閃の奇跡」も、特撮にお金を使ってない未来ロードムービー風小説として楽しめました。目の見えない語り手ということで、叙述トリックはありそうですが、わたしには見えずじまい。読み飛ばさないように音読したりしてみたのですが、意味はなかったかな。
あと、こういう小説で抽象に走らずに、レーザー銃や超能力といった類型的SFガジェットが出てきてくれると、落ち着くからか、よく解らないままにもかかわらず、読後感は良かったです。
2006.03.04
主催のダブルダイナマイトとは、映画秘宝のライター、てらさわホーク氏と編集者の大矢雅則氏の2人のこと。今回と同種のイベントが前にもあったそうですが、そのときはネットラジオの最終回(公録?)だったとのことで、今回もラジオ的ノリ。
2人とも映画の知識は豊富そうでしたが、蘊蓄や偏愛を露骨に表に出すマニア色はなく、たまにプロレスネタとかを振るくらい。前半の中心は、てらさわ氏の高校時代や家族がらみの雑談。てらさわ氏の、クラスの人気者っぽい喋り自体を楽しむ、フリートークというか、男声声優のラジオ番組を連想しました(喋り手自身に興味が無いと、辛いかな。)
後半は、これまたラジオ的な参加者アンケート紹介。が、初対面の人に話すには…な題材だったせいもあり、盛り上がりは微妙。面白いネタを書くことの難しさ(わたしには無理です)というか、いわゆるハガキ職人の偉大さを痛感しました。
ピアノとドラムの2人組。元気に叩いているものの、ほぼインストで、楽曲以前のジャムセッション的演奏に終始していると、何に焦点を当てて聞けばいいのかが解りませんでした。
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