たぶん、日記

 

たぶん、日記

このページの概要

本ページは、映画をみたときの感想として、もっとも頻繁に使う言葉が、「つらかった。」、という、なぜ映画をみているのかが自分でもよく分からない、私(ogalin)による、アニメ、音楽などの感想日記です。別に、辛口とか批評性とかを意図して「つらい」「つらい」と書いているわけではなく、普通にみての感想が「つらい」、ということなので、映画をみることが大してつらくない、という読者のかたは、「つらくありません。」→「素晴らしい!」、「つらかったです。でも、現代的なのでしょうか…」→「普通。」、「あまりにも、つら過ぎます。」→「つまらなかった。」と、読み替えていただけますと、だいたいチューニングが合うのではないでしょうか、と、ogalinは考えています。

2008年12月の日記

 

2008.12.28

Boichi「Boichi作品集HOTEL」(モーニングKC)

SF短編集。
難病ものの泣かせ「PRESENT」や、食べ物ねたのエスカレートギャグ「全てはマグロのためだった」を律儀に纏めているのと、(士郎正宗以降を感じる、細かく描き込んだ)絵柄とのギャップが面白く。ちょいグロがある点も含め、梶尾真治の第1短編集「地球はプレイン・ヨーグルト」を連想しました。

末次 由紀「ちはやふる 1」(Be・Loveコミックス)

競技カルタ物。
少女マンガらしく、蘊蓄バトル描写より、人間関係を重視するつくりです。1巻では、元気者の王道主人公に終始する女子より、天才肌の眼鏡君と、ツンデレ完璧超人という、男子二人の描写のほうが充実していて、ちょっと、B(oys)L(ove)っぽい雰囲気も。

 

2008.12.27

林亮介「迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル? 」(GA文庫)

隣り合わせの灰と青春
現代京都に何故かダンジョンが出来て、盗掘者が集まってくるという話。設定説明が無いので、ダンジョンは、まるで、ストルガツキー「ストーカー」的不条理世界です。

 

 

作品の主題は、世界描写では無く、ダンジョンという非日常から帰ってミニストップで一息つく、といった生活感や、大学生物っぽい人間関係のほう。(元ネタらしい)ウィザードリィ用語でいえば、「隣り合わせの灰と青春」でしょうか。

 

 

不条理日常系小説としては、
三崎亜記「となり町戦争」に近いですが、主人公が(村上春樹系無気力くんでは無く)、インテリ崩れの好漢に描かれている分だけ、読後感が良かったです。

 

2008.12.23

映画「チェコ人形アニメの巨匠たち」

ダイジェスト
監督名→代表作のダイジェスト→「XX監督は、ディズニー並に偉大」等の賛美→次の監督名という展開が1時間強。ペネシュ「パットとマット」が映ったのは嬉しかったですが。

 

 

映画に関するドキュメンタリと聞いていたので、作者の意図とか時代性とかに絡めて、創作物(映画)の意義を主張する展開を予期していたのですけれど(ドキュメンタるのに必要っていいますか。例えば、昔、観たシュバンクマイエルのドキュメンタリでは、「俺の作品はシュルレアリズム芸術!」と主張していて、主張自体に納得できるかは別として、なるほど感は有りました)。本作の場合、只、賛美してるだけで主張がないので、ファン向けのDVD特典映像といった感じ。単独作品としての見応えは有りませんでした。

 

 

とはいえ、ストーリー性が希薄で、観ていて眠くなる作品も多いチェコ・アニメの場合、綺麗なシーンがダイジェストで次々と出てくるってのは、観ていて楽しいですし、別作品での人形の使い回し等、時系列でダイジェストした本作ならではの発見もありました。

 

 

見応えは、同時上映短編の方に。

 

 

ポヤル「りんごのお姫様」は、王子、精霊、悪の魔法使い、という定番キャラのお伽噺。ラストの勝利から受ける印象が、愛の奇跡というより、美人は強い、という感じなのが笑えました。コミカルなオチも良し。

 

 

バルタ「ゴーレム」パイロット版は、風景が人間の顔に変わり、さらに粘土に変わって崩れ落ちるという、現実崩壊感描写だけ、の未完作。観ていて吐き気がする(面白くないという意味で無く、言葉本来の意味で)ような、バッド・トリップ感が強烈でした。

 

 

ラストのバルタ新作予告編は、おもちゃ設定も色遣いもトイ・ストーリー風かな。

 

 

2008.12.22ユーロスペース1にて鑑賞。

 

2008.12.20

田村ゆかり「Tomorrow」

ギターに埋もれず
15th-Single。

 

 

表題作は、流麗なギター・ソロ入りの歌謡ハード・ロック。

 

 

ラジオ「いたずら黒うさぎ」で、最初に聴いたときは、歌い上げる類の声量とは無縁なこの人の場合、伴奏に埋もれそうにも感じました。が、CD版では、歌主導の造りになっていて、訴えかけるような情感あるサビの印象的な好曲でした。(音のバランスは、「宮本茂男さんラブ」「でじぱら」の3巻31頁)のマスタリングは流石ということでしょうか?ただ、DVDに収録のP.V.版では、ギターの音に歌が埋もれ気味で、ちょっと別Ver.っぽい気が…うちのTVヘッドホン出力のせいかも。)

 

 

c/wは、定番の打ち込み物。「恋のタイムマシン」は、スポーツ応援歌っぽい暴れ太鼓リズムと、素直になれない系の乙女な歌詞との落差が楽しいです。

 

2008.12.19

岩本 隆雄「夏休みは、銀河!」(朝日ノベルズ)

作者らしい、としか

 

 

現代のお話っぽいところは、冒頭の学校裏サイトぐらい。森の主、お化け屋敷といったお伽噺的世界と、全宇宙スケールの壮大過ぎるSFとが並列している、浮世離れしたお話で、いかにも、「星虫」「イーシャの舟」を書いた作者らしい作品でした。神のような宇宙人を多用する設定説明は強引ですが、最初からお伽噺に徹していますので、「時間封鎖」程気にならず。

 

 

頑張り屋の少年少女が世界を救うのは、作者の定番展開ですが、序盤、ルビが妙に多いところとか、自覚的にジュブナイルを書こうとしたのかも。

 

 

 

2008.12.15

Juliana Hatfield「How to Walk Away」

ギターの音色
2008年作。ハード目の曲が目立った前作「Made In China」に較べると、静かな音です。

 

 

弾き語りっぽくもありますが、同傾向のアルバム「ビューティフル・クリーチャー」よりは乾いた感じで、唄やメロディよりも、ギターの音色が耳に残ります。

 

 

甘い鼻歌の「Just Lust」、重めのカッティングギターと手拍子の緩いノリが楽しい「Now I'm Gone」、リズム・ボックスの伴奏なので、ちょっとヤング・マーブル・ジャイアンツっぽい「Such a Beautiful Girl」辺りが印象的でした。

 

2008.12.09

SFマガジン2009年1月号 ウィリアム・ギブスン特集

作者らしい作品が揃う
ウィリアム・ギブスン特集はインタビューと評論。「あいどる」の風俗描写に、脱力した気分を変えるほどではなく。

 

 

ニール・スティーヴンスン「ジピと偏執症のソフト」☆2

 

面白い話を脈絡無く続ける(いかにも「クリプトノミコン」の作者らしい)詭弁もの。しかも読みやすい。

 

 

友成純一「レヤック爆裂 ティクン、懲りずにまた術を行う」☆0

 

ドロドログチャグチャした感じは、作者らしい。

 

 

連載 山本弘「地球移動作戦」☆0

 

説明は一休み?ヒロインの励まし話で手堅く。

 

 

ブルース・スターリング「キオスク」☆1

 

近未来、異文化接触、アングラ革命、と作者らしさ爆発。バトルコサック的戯画化されたロシアの片田舎感が味?

 

2008.12.08

BONNIE PINK「CHAIN」

大仰さが、クリスマス
クリスマスソングのミニアルバム。「秋だ、一番!ゆかりちゃん祭り」の開演前B.G.M.が「A Perfect Sky」だったこともあって、久し振りに購入。

 

 

表題曲は、ゴスペル臭い、大仰なバラード(別バージョン「The Birth Cry」では、パイプ・オルガンが入って、さらに大仰になっています)で、伸びのある綺麗な声が、正攻法の歌い上げが似合う感じです。韻を踏む為に、サビの意味が不明な歌詞には?と思いましたが、クリスマス用語縛りも有る中、生真面目に作詞したということかも。

 

 

他の収録曲は、ジャクソン5ポール・マッカートニー等のクリスマス定番曲で、洋楽カバーc/wもお約束?

 

2008.12.07

野村宗弘「とろける鉄工所 1 」(イブニングKC)

業界・蘊蓄だけではなく
溶接工の業界マンガ。

 

 

基本は、ちょっとトホホ・自嘲系が入った、業界内幕・蘊蓄ものですが、それだけではなく。主人公の上司が、娘と野球を観に行く話(18話)での、ほのぼのした人情噺が良かったです。広島弁=人間味の父娘話ということで、「夕凪の街/桜の国」を連想しました。主人公夫婦がホームセンターに出かける話(15話)の稚気も楽しいです。

 

2008.12.06

SAKEROCK「ホニャララ」

地味ですが…
3rdフルアルバム。先行シングル「会社員」のような痛快な曲は無く、全体に地味な印象です。

 

 

前作のような唄は一切無しの純インストで、「スーダラ節」カバーのような飛び道具も無いです。前作から引き続いてのゲーム音楽カバー「妖怪道中記」という選曲は、昔のゲーム曲ならでは、といった感じの良いループ曲ではありますが、前作の糸井重里鈴木慶一「マザー」程の、サブカル的売りにはならない訳で。アルバムのタイトル曲が、先行シングル内おまけ「SAKEROCKのラジオラジオ」内で公開されていたヴァージョンから、攻撃的なロック・ギターを削って地味にしていますし、サブカル・ネタ色を消そうと、意図的に行った結果が、本作の地味・まったり感なのでしょう。

 

 

地味路線といいますか、トロンボーンが印象的なスロー曲の「老夫婦」「エブリディ・モーニン」が、童謡っぽい暖かみがあって、良かったです。

 

2008.12.05

ロバート・チャールズ・ウィルスン「時間封鎖」(創元SF文庫)

面白みの無い今どきSF
最初の謎をはじめ、謎存在が謎テクノロジー使って、問題を全て解決してくれたので、目出度し目出度し、という、酷い話。

 

 

本筋は謎の方に無く、初恋の幼馴染を忘れられない所為でフラれ続ける主人公が、難病の友人を看病する、という普通小説臭い話でした。けれど、そういう話として読むには、キャラが少なすぎて、図式的過ぎる感は否めず。

 

 

特に、破局が来る下巻の半ばまでは、SF味が乏しく、読むのが苦痛でした。破局後、モーテル管理人の親子や宗教青年との心のふれ合いシーンには、ロード・ムービー的面白さが出てきましたが。中盤までの退屈さには、ナノ・マシンで超人になるところも含め、「グリーン・マーズ」の退屈さに通じるものを感じました。(作中、「レッドマーズ」の言及があるので、意図的かも)

 

 

本作中、謎解きが全く無いってのは(続編では触れるでしょうけど)、シンギュラリティ系と同じく、インターネットという実感に乏しいスーパー・テクノロジーを只受け容れるしかない、今どき(2005年作)のSFならでは、なのかも。