おそらく、そっち(どっち?)の方がワールドワイドでは標準的な価値観(なんてものがあるとすればだが)に近いのかも知れないけれど、ぼーっと育った東北人から見ると相当違和感だったのだけれど、関西の人は損得ということを小さい頃から教え込まれるようだ。とある東京近郊の駅で見かけた親子。混雑した連絡通路で、10歳くらいの娘の方が泣きべそをかいている。どうやら誰かの火のついたタバコで、いつのまにか服に焼け焦げをつけられていたことに気がついたらしい。その女の子に対して、その母親らしい人が言い聞かせている言葉が、関西弁(たぶん大阪)であった。「混んでるとこでくわえタバコして歩いてる人は、そら確かに悪い。けどな、そういう人はどこにでも居てるんや。せやし、混んでるとこでは自分でちゃあんと気を付けな、自分が損やんか。な」
よそ行きのワンピースに焼け焦げをつけられてべそをかいている10歳の少女に、この母親は自衛しないのがイカンというのであった。この場合言い聞かせる言葉としては、おそらく最上級にリアリスティックでプラグマチックな内容であろう。
ええ、驚愕しました。過酷やなあ、という気すらしました。これだけ小さい頃から損得と自立を言い聞かされたアカツキには、末はみんな立派なナニワのアキンドだす。
んー、自分が東北人一般の代表であるという証拠はどこにもないのだけれど、こういった時、東北人的には(おそらく関東人的にも)もうちょっと筋論になるのではないか。ええと、善悪とか。公衆道徳とか。まあ、あまりプラグマチックとはいえませんけど。で、それとは別に、関西人が、損得ほど頻繁に口にはしないが、実は痛烈に意識していると思われるのが、私見では「勝ち負け」である。
自分のペースに持っていったら勝ち。あきらめたら負け。先に突っ込んだ方が勝ち。先を越されたら負け。これと損得が、2元連立になってるのが面白い。負けてても最後に得とったら勝ち。勝ったつもりでも勘定してみて損してたら負け。損しても勝ちを取りたい時もあれば、あっさりと負けて撤退する方が得の場合もある、らしい。よう知らんけどな。あたしなんかあんまり勝ち負けってこだわっていなくて(そこで笑ってる人、本当だよ)、正しいか間違ってるかの方が重要だったりするんだが。つーか、自分の正しさが主張できれば勝ち、間違っていることがバレれば負け。あれ?なんだ。やっぱ勝ち負けかなあ。結構、青臭い二元論のような気もしますね。今日はまあ、この辺で撤退しておくか。
(2001.05.06)