金稜辺(キンリョウヘン)の品種・ミツバチ誘引蘭
原種シンビジウム・東洋蘭

金稜辺の品種

我が家で育てている金稜辺の品種もずいぶん増えました。せっかくですので、品種毎の特徴を紹介しようと思い、このページを作成しました。
品種ごとに開花時期が少しずつ違うので、いろいろな品種を揃えておくとミツバチの捕獲に便利です。金稜辺は花変わりが少なく、花に香りも無いので、品種蒐集も、そろそろ打ち止めです。
花色については、栽培条件によって少し変化すると思いますので、必ずしも写真の通りになるとは限りません。
ちなみに、植え込み用土はSUGOI-neを使っています。

余剰苗の販売・・・全株売切れになりました。株分けなどで余剰苗が出れば、また販売することもあるかも知れません。

池田錦
いけだにしき
金稜辺・池田錦

中立ち葉性。
「常盤錦」が変化したもののようです。

金稜辺・池田錦の葉


「常盤錦」よりも少し大型で、葉芸も派手目ということですが、私のような素人には違いはほとんどわかりません。同じ栽培環境で育てると、常盤錦は確かに地味な柄になりやすいのに対し、池田錦は三光縞が少しはっきり出るなど派手目のような感じです。
ちなみに、池田錦の葉芸には2系統あるようで、ひとつは覆輪に三光縞の系統(写真上)と、もうひとつは大覆輪系統(写真下)ということです。

金稜辺・池田錦の花


セパル・ペタルとも細めです。
開花はやや遅め。

銀河
ぎんが

中立ち葉性。


葉芸は、紺覆輪に白の細縞柄で細葉。

月光
げっこう
金稜辺・月光

やや立ち葉性。
「月章」から変化した品種。
月章よりも少し葉が垂れて柔らかめです。
もしかすると、月章の2倍体系を月光と言っているのかも?

金稜辺・月光の葉


葉芸は、月章よりも中斑部分が白く、紺覆輪の紺色が濃く、艶があるとされています。
我が家にある個体を月章と比較すると、特に大きな違いはありませんが、伸び始めて1年目の新葉の中斑が、月章は黄緑色なのに対し、月光は黄白色に見えます。古木の葉は、ほぼ同じように感じます。


月章とほとんど同じですが、中斑縞が強めかも知れません。

月章
げっしょう
金稜辺・月章

立ち葉性。

写真では、あまり葉が立ってないように写ってしまいました。
「松島」から変化した品種。
月章は、染色体が4倍体だそうです。ただし、2倍体の系統もあるそうです。

金稜辺・月章の葉


葉芸は、濃緑色の覆輪に黄金色の中透け縞が現れます。

金稜辺・月章の花


セパル・ペタルともやや広め。この品種の葉芸と同じく、中透縞が入っています。
開花は遅め。

原種・赤花

金稜辺の原種で、花色が赤い物です。
原種は丈夫で育てやすく、ミツバチの誘引力も葉芸品種よりも強いと言われています。
写真は、実生のフラスコ苗をポットに植えて1年経過した幼苗です。
開花まであと3年くらいは必要かと思います。


葉芸は、ありません。


原種・白花
金稜辺・原種白花

金稜辺の原種で、花色が白い物です。
原種は丈夫で育てやすく、ミツバチの誘引力も葉芸品種よりも強いと言われています。

金稜辺・原種白花の葉


葉芸は、ありません。

金稜辺・原種白花の花


白花といっても純白ではなく、花弁とガクは黄緑色です。唇弁が白く見えますが、薄いピンクの点があります。

黄金錦
こがねにしき
金稜辺・黄金錦

立ち葉性。

「干綱(ほしあみ)」から変化した品種。

金稜辺・黄金錦の葉


葉芸は、紺覆輪に黄金色の中透け縞が現れます。
この中透けは、「後はぜ」という性質で、育つにつれて美しく鮮明になってくるそうです。
古い資料によると、この品種の中透けは、右の写真よりもっと派手らしいです。我が家の個体は、原種の「干網」か、「干網」から変わった「神代」に近い葉芸なのかもしれません。採光が弱いせい?

金稜辺・黄金錦の花


セパル・ペタルの幅は標準的で、縞が入ります。
開花は一番遅い部類です。

日月
じつげつ
金稜辺・日月

垂れ葉性。
やや小型。
「紫錦」から変化した品種。

金稜辺・日月の葉


葉芸は、白覆輪が現れますが、地味目です。細葉。
写真は一番派手目の葉を写しました。

金稜辺・日月の花


セパル・ペタルとも広めです。
開花はやや早め。

七変化
しちへんげ

古い銘鑑に「七福壽」という品種があり、某書には「出芽紺覆輪中斑、後黄縞で七変化する。黄おぼろ、おぼろ紺など」の記述があります。この七福壽の黄色い部分が白く抜けたものかも知れません。
または、「御幸」という品種があり、これは、紺爪・おぼろ中斑・縞八重などの葉芸で、鮮赤色の花が咲くそうで、葉芸は「七変化」によく似ているようです。


葉芸は、変化が多いようで、紺覆輪におぼろ中斑、中斑縞などが現れるようです。


中斑縞に一部おぼろ斑が入るバルブに咲いた花です。少し濃い色の花が咲きました。
この品種は葉柄が七変化しますので、それに応じて、花も少し変化するようです。
セパル・ペタルとも細めです。

白玉
しらたま

「富士」から変化した品種。
少しねじれながら横に広がり優雅な葉姿を見せます。


葉芸は、紺覆輪に雪白の中透斑です。


葉芸同様、中透が出ています。

千代田錦
ちよだにしき
金稜辺・千代田錦

中垂れ葉性。

開花時期が早いので、ミツバチ誘引には重宝するようです。
「日月」から変化した品種。

金稜辺・千代田錦の葉


葉芸は、乳白色や白黄色の大深覆輪が現れます。細葉。
後から出る葉ほど覆輪が深く、留め葉の2枚くらいは葉先が燕尾のように割れます。(写真参照)


花は、他品種に先駆けて咲きます。花にも覆輪と縞斑が出るようです。

東亜錦
とうあにしき
金稜辺・東亜錦

中垂れ葉性。
「若松」から変化した品種。

金稜辺・東亜錦の葉


葉芸は、乳白色の大覆輪。
広葉。

金稜辺・東亜錦の花


セパル・ペタルは、幅・色とも中間型。
「若松」から変化した品種だけに、花も「若松」と同じです。
少し斑が入ります。葉芸が派手目な割には、花は地味です。
開花はやや早め。

常盤青
ときわあお
金稜辺・常盤青

「常盤錦」の原種?

金稜辺・常盤青の葉


葉芸は、「常盤錦」が地味に(中透け縞が無く)なった感じです。

金稜辺・常盤青の花


セパル・ペタルは、幅が狭く、赤色は薄めで緑色が多いようです。
開花やや遅め。

常盤錦
ときわにしき
金稜辺・常盤錦

中立ち葉性。
金稜辺の代表的品種のひとつ。
「原色東洋ラン(誠文堂新光社刊)」によると、「月章」から変化した物ということですが、「東洋ラン・柄物(誠文堂新光社刊)」では、「桃山」からの変わりとなっています。

金稜辺・常盤錦の葉


葉芸は、乳白色の深爪に中透け縞(三光縞)が出ます。
写真は、採光を強めにした古い葉なので、派手目に写っているようです。
我が家の株は、池田錦のような派手な三光縞や大覆輪もあれば、地味な覆輪のみの葉もあります。

金稜辺・常盤錦の花


セパル・ペタルは、幅が狭く、赤色は薄めで緑色が多く、「常盤青」「池田錦」とほぼ同じか、やや赤色が薄めです。
前年には、もう少し赤みの強い花が咲いたように思います。

日章
にっしょう
金稜辺・日章

中立ち葉性。
細葉で、くせのある葉です。
「曲玉」から変化した品種。

金稜辺・日章の葉


葉芸は、転覆芸で、出芽の時は紺覆輪に白の中透け、後に色が逆転して紺の部分が白の覆輪に変わります。写真は完成した白覆輪。

新芽
新芽は、紺覆輪に真っ白の中透けです。


芙蓉錦
ふようにしき
金稜辺・芙蓉錦

立ち葉性。
「昌球」から変化した品種。

金稜辺・芙蓉錦の葉


鮮黄色の深爪や蹴込み深覆輪が出ます。
「後はぜ」で、出芽して暫くは無芸に近い感じですが、夏を過ぎる頃から蹴込み深覆輪が次第にはっきりと出てきます。
さらに、古木になると、葉全面が縞で覆われます。

金稜辺・芙蓉錦の花


セパル・ペタルともやや広め。
「日月」の花に花形が似ていますが、緑色が強く、覆輪や縞があります。

文明
ぶんめい

「昌球」から変化した品種。



葉芸は、黄白の虎斑で後はぜ。地味目ですが、球茎(バルブ)に近い部分が真っ白く抜ける独特の芸が出ます。「白足袋」とも呼ばれるそうです。


セパル・ペタルともやや細めですが、特に特徴がないというか・・・。

時鳥
ほととぎす

やや小型。
「松島」から変化した品種。


葉芸は、紺覆輪に浅黄の中透けが現れますが、地味目です。細葉。
写真は、葉先が尖っていますが、多くの葉はもう少し丸みがあるのが特徴。

若松
わかまつ
金稜辺・若松

中垂れ葉性。
「八重衣」とい品種から変化したもの。
「若松」から変化した品種には「東亜錦」や「天賜」があります。

金稜辺・若松の葉(上柄)
金稜辺・若松の葉


葉芸は、黄白の中斑縞が現れますが、やや地味。広葉。
上の写真は、前年に伸びた一番派手目の葉を写しました。
下の写真のように、古い葉のほとんどはきわめて地味です。

金稜辺・若松の花


セパル・ペタルは、幅・色とも中間型で、「東亜錦」の親なので、葉柄は違っても、花は同じような感じです。
少し斑が入ります。
開花時期がかなり早い部類の品種です。



ミツバチ誘引蘭(シンビジウム)

金稜辺以外のトウヨウミツバチを誘引する蘭です。
金稜辺やデボニアナムの交配品種は多数あり、
ミツバチ誘引力のある品種もたくさんあるようですが、
今の所、我が家にあるのは下に紹介している4品種です。
ご注意・・・大武農園では、現在、蘭の販売はしておりません。
デボニアナム
Cymbidium devonianum
シンビジウム・デボニアナム

インド北部〜ヒマラヤ、ネパール、タイの標高1400〜2200メートルの高地に分布する着生種です。
洋蘭の下垂性シンビジウムの交配親に使われる品種です。
金稜辺と比べるとかなり大型のシンビジウムです。

シンビジウム・デボニアナムの葉


金稜辺と比べると大きな葉で、幅も3−4倍くらいあります。
シンビジウムとしてはナギランとともに葉幅が広いのが特徴です。葉幅が広いということは、雨や夜露を株元にたくさん集める訳で、水分を好む性質なのかも知れません。

シンビジウム・デボニアナムの花


いかにも野生的な感じです。
開花時期は、金稜辺の遅く開花する品種並みと思います。

ミスマフェット
Cymbidium Miss Muffet
(devonianum×pumilum )

デボニアナムの花にキンリョウヘンの花粉を交配して生まれた品種。
ニホンミツバチの誘引力がとても強いと評判のシンビジウムです。

シンビジウム・ミスマフェットの葉


金稜辺よりも少し幅が広めです。

シンビジウム・ミスマフェットの花


リップが真っ赤です。
開花時期は、金稜辺のやや遅めに開花する品種並みと思います。

ハニービー
Cymbidium Honey Bee
(pumilum×devonianum )
シンビジウム・ハニービー

デボニアナムとキンリョウヘンの交配品種。
明石蘭園さんで育種されました。
ミスマフェットとは父母が逆と思われます。つまり、キンリョウヘンの花にデボニアナムの花粉を交配させた物。明石蘭園さんのホームページでは、表記が逆になっていますが、苗に付いているラベルでは左のような表記になっています。


ミスマフェットと同じような感じで、やはり幅が少し広めです。



全体の色は、ミスマフェットとほぼ同じです。コラムの先端部が黄色です。

スアビッシマム
(スアヴィシムム)
Cymbidium suavissimum

ミャンマー北部原産の原種シンビジウムです。
写真上は、Cym.suavissimumのフラスコ苗。
オーストラリアから個人輸入したものです。


現在コミュニティーポット植えにして育成中です。開花するまで5年くらいかかる見込みです。


キンリョウヘンにそっくりな赤褐色の花が夏に開花します。毎年花芽を付けるわけではないようです。ニホンミツバチを誘引する力は持っていますが、開花時期からすると分蜂群の捕獲にはあまり利用できないと思います。



その他の東洋蘭・シンビジウム原種

金稜辺だけでなく、恵蘭・寒蘭などの東洋蘭も少し育てています。
これらの蘭にはミツバチ誘引力はありません。
ご注意・・・大武農園では、蘭の販売はしておりません。
雄蘭
(品種=天司晃)

Cymbidium ensifolium
雄蘭・天司晃

恵蘭・細葉系
建蘭あるいは駿河蘭とも呼ばれています。

雄蘭・天司晃の葉


紺覆輪に黄の中透け縞です。

新芽

玉花蘭
(品種=朝陽)

Cymbidium niveo-marginatum

恵蘭・細葉系


白爪+黄大覆輪+紺鼠縞の三段芸です。出芽は桃色。

新芽

玉花蘭
(品種=錦旗)

Cymbidium niveo-marginatum

恵蘭・細葉系


紺鼠地に黄・白の大深覆輪。出芽は桃色。

新芽

玉チン蘭
(品種=愛晃簾)

Cymbidium gyokuchin

恵蘭・細葉系


白爪と黄の三光縞です。

新芽

赤芽素心蘭
(品種=薩摩錦)

Cymbidium akame-sosin

恵蘭・細葉系


紺深爪や紺覆輪で、黄縞斑中透。

新芽

赤芽素心蘭
(品種=赤芽日進)

Cymbidium akame-sosin

恵蘭・細葉系


覆輪に蹴込みも入っています。

新芽

赤芽素心蘭
(品種=西海錦)

Cymbidium akame-sosin

恵蘭・細葉系


白黄曙斑。

新芽

岩古今輪蘭
(品種=日進)

Cymbidium albo-marginatum

恵蘭・細葉系


雪白の深覆輪と白い蹴込み縞。

新芽

ヘツカラン(辺塚蘭)
Cymbidium dayanum

原産地はインドシナ半島、インド北部、ボルネオ、九州南部、沖縄など。秋に開花し、下垂性。樹上に着生して生育します。東洋蘭の世界では、寒鳳蘭とも言い、「小松錦」「貴女姫」などの葉芸品種は恵蘭の細葉系に分類されています。


我が家にあるのは、中透縞が入るタイプです。
「小松錦」という品種にそっくりですが、小松錦として購入した物ではないので、詳しくは不明。
写真では、広葉ぎみに写っていますが、かなりの細葉です。野生の株では、葉が1メートルくらいに伸びるそうです。

辺塚蘭(ヘツカラン)の花
辺塚蘭(ヘツカラン)の花2


本来は下垂するはずですが・・・・?
栽培条件によって、ステム(花柄)の形状は変化するそうです。

春蘭
Cymbidium goeringii

東アジアからインド北西部の温帯に広く分布する小型の地生種です。日本では、北海道南部から九州に広く分布します。
花は春に開花。
原種は、「ジジババ」などとも呼ばれます。
変異も多く、花変わりや、葉芸も多彩。


園芸品種としていろいろなタイプの花があるようですが、写真は並物(いわゆるジジババ)です。

中国春蘭(品種=天司晃)
Cymbidium goeringii
糸蘭(品種=呉鳳)
Cymbidium goeringii
糸蘭(白花)
Cymbidium goeringii
寒蘭(品種=白鳥)
Cymbidium kanran
寒蘭(品種=小夜の月)
Cymbidium kanran
寒蘭(品種=細葉武陵)
Cymbidium kanran
杭州寒蘭
Cymbidium kanran
蓮弁蘭(品種=雲南雪素)
Cymbidium lianpan


葉芸(斑)について

覆輪 葉の周囲に白や黄色の斑が入っている物。葉の周辺部が特に濃い色になっている物を紺覆輪と言う。
葉先のみに斑が入っている物
葉に縦に線が入っている物
中透け 葉の中心付近が白くなっている物
虎斑 葉脈を横断するように斑が入る物
蹴込み 葉先に現れ、緑の部分に細く入り込む縞


シンビジウムの花について

A ガク(セパル=sepal) A1を主弁、A2を副弁とも言う。
B 花弁(ペタル=petal) 棒心とも言う。
C 唇弁(リップ=lip) 舌とも言う。
D 花芯(コラム=column) 鼻頭とも言う。

記述に誤りがありましたら、ご指摘いただければ幸いです。

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福島の桃・あんぽ柿(干し柿)産直販売=大武農園