山口都
(1952頃 - )
《聖堂2006》
Yamaguchi, Miyako "La Chiesa"
2006 油彩
日本女子大学成瀬記念館
所蔵

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http://www.miyaco.biz-web.jp/info.html
窓が沢山見えるが、何れも小さい。その為、建物は牢獄を思わせ、それがストイックな聖堂の
雰囲気を醸し出している。重厚な薄暗さ。そんな聖堂を上空から俯瞰した絵である。尖塔の上部の
尖った屋根が天を突き破ろうとする勢いである。実際、先端の尖った部分が大胆にも僅かに画面の
上部を突き破っていて、その高さを暗示している。茶色の煉瓦屋根が中世を思わせる。そして中庭の
オカルティックな紋様が、絵全体に神秘性を与えている。遠近法で厳密に描く振りをして俯瞰図法を
適用しているので、はぐらかされ、そして幽かな違和感で揺すぶられる。
陽が左上部から射し、中庭に影をくっきりと落している。建物の手前側の壁面にも、この聖堂
自身の物ではない薄い影が落ちており、もう一つの見えない建築物の存在が示唆されていて、この事も
絵全体の神秘的な雰囲気を増幅している。
山口は東京生まれ。'72年朱葉会展に初入選、以後、毎年出品。日本女子大学卒業後、
荻太郎
に
師事。朱葉会第60回記念展にて川端賞受賞。同年新制作展に初入選、以後毎年出品。
'89年第32回安井賞展に入選。'97年文化庁派遣芸術家在外研修員として1年間イタリア、
フィレンツェに滞在して研究。現在、イタリア中世都市を心象風景として描き続けている。
日本女子大学講師、新制作協会会員、朱葉会会員。
主な作品:
都市 La Citta
《都市1986》
、
《都市1987》
、
《ラ・チッタ1990》
、
《クロノポリス1991》
、
《水上都市2001》
(個人蔵)、
《水上都市2001》
(京橋YSビル)、
《都市2007》
、
《クロノポリス(時間都市)2009》
、
ラビリンス Il Labirinto
《ラビリンス1993》
、
《ラビリンス1994》
(日本女子大学成瀬記念館)、
《ラビリンス2005》
聖堂 La Chiesa
《聖堂1992》
、
《聖堂1994》
、
《聖堂1997》
、
《聖堂2002》
、
《聖堂2004 1》
、
《聖堂2004 2》
、
《洗礼堂2004》
、
《洗礼堂2005》
、
《洗礼堂2006》
、
《La Chiesa 1992》
、
《聖堂2008》
、
《僧院2008》
、
パラッツオ Il Palazzo
《パラッツオ1995 1》
、
《パラッツオ1995 2》
、
《パラッツオ1997》
、
《コルティーレ1996》
広場 La Piazza
《La Piazza 1989》
、
《ピアッツァ1996》
、
《ピアッツァ2001》
(個人蔵)、
《回廊1989》
、
《回廊2003》、
洗礼堂 Il Battistero
《洗礼堂1997》
、
《洗礼堂2002》
、
《洗礼堂2005》
テアトロ Il Teatro
《テルコマッシモ1994》
、
《オデオン1995》
、
《テアトュルム1987》
等
参考文献
1)山口都「山口都 - 記憶の都市 - プロフィール」,
http://www.miyaco.biz-web.jp/profile/index.html, 2008年
山口の絵に共通する、一つの絵の中に、線遠近法を、強調した部分と矛盾させた部分を、相反する
箇所に配する手法は、この絵にも用いられており、鑑賞者の感性に挑む事によって、その建物の存在を
訴えていると感じた。それに耐え得るだけの高い技量を用いているのでその意図は大成功であると思った。
鑑賞日 2007-2/24日 記憶の都市を求めて 展 日本女子大成瀬記念館 にて
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