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バウビオロギー

 バウビオロギー(Baubiologie)は「建築(バウ)」と「生命(ビオ)」と「学問(ロゴス)」からなる造語であり、 「住環境と人間との全体的諸関係についての学」と定義される。 ドイツを中心にオーストリア、スイスなど欧米各国に広がりを見せる。 居住空間を「皮膚」の延長としてとらえ、人間本性と気候風土を科学するなかで、人間味あふれた新しい建築文化の創造を目的とする。

生物学的な建築による健康な住まいとして、バウビオロギー25の指針があります。

指針その1 建設地を吟味する

 大地は放射線を発する。大地からの放射線は動植物に加え人間にも調和的、不調和的に作用を及ぼしている。生けるものの生成とその維持は、大地からの放射線に依存しているといってもよい。
 過去の時代でもそうであったように、今日においても刺激帯の上に住まいを建てるべきではない。少なくとも、寝室は、障害のない場所に設置するべきである。

指針その2 工業地帯の中心や幹線道路から住居地をはなす

 「前進あるのみ」という盲目的な狂気によって、戦後世代はいつのまにか思うようにいかなくなっていった。「地球を服従させよ」というかつての人々の委託は、誤って理解されていた。私たちは、自然をその叡智に従って秩序づけるかわりに、暴力的に牛耳ってきた。私たちはそうして、運命のマイスターになるどころか、奴隷になったのである。
 最終的に、一人一人の人間に健康な生活を、癒しの場である自然の中で、そして自然とともに与えることは可能であろう!仕事、学校、休息、生計、住居は、先例が示すように統合することができる。道路、自動車、工場が生活の友として機能し、その職務を文化的構築によって満たすのである。

指針その3 緩やかに分散した建築の風景、緑あふれるジードルンク

 かつて栄えた都市の多くが没落した。というのも、根源的な生活空間への基本法が損なわれたからであり、退化の兆候を見逃してそこか帰結を導きそこなったからである。
 私たちは考えを改めて、学びのプロセスから最後の一分を思惟に向けなければならない。叡智に満ちた、全体性の思考を備えた導き手こそ、混乱をきわめたジードルンクから脱出するために必要である。人間味にあふれた世界への道を歩むことへ努力するときである。

指針その4 自然とむきあう、個性的で人間的な環境とは

 人間も動物の一員であるという意味では、住まいやジードルンクにしろ、自らにふさわしい生活空間は必要である。一人の個体としての子供ですら自己の個性をのばし、その精神的、魂的発展のために避難所を必要としている。他方、感受性の強い年齢においては、頻繁に住居から引き起こされる生物学的な生息環境の悪化が悪影響を及ぼす。
 全体性の思考を踏まえて分散化した、自然と結ばれた、生きる喜びを味わえる建築やジードルンクの創出が必要である。そこでは、個性、健康、創造性、人間の尊厳が努力目標にある。そして今日欠如している建築文化に対する基盤を提示することが必要である。


指針その5 自然素材を適材適所に

 建材は食事や空気や水と同様に、生活の礎である。すべては、ミクロコスモス(小宇宙としての人間)とマクロコスモス(大宇宙)の秩序のなかで「生きている」。一つ一つの原子はエネルギーの量子からなり、波動と放射のフォルムをとって、あらゆる被造物を貫いている。この宇宙の進化が人間を発展させてきたのであり、人間に刻印し、また維持することに貢献しているのである。
 健康な素材は、あるゆる生命にとって重要な機能を満たしている。数多くの病気と苦しみは、私たちが苦心して建築することの助けを得て、予防原則の健康政策を稼動できてはじめて取り除くことができる。


指針その6 周壁面は呼吸できるように
 空気を囲う周壁面は人間にとっての「第三の皮膚」であるから、居間にし作業場にしろ、継続的な換気を可能にするものでありたい。こればバウビオロギーの第一義的な要請である。このことは過去よりもさらに重要になってきている。
 住居内における「スモッグ」は、下手をすると外部空間よりも危険で、かつ頻繁に発生している。それは疲労感(最初は感じやすい脳細胞が傷つけられる)、呼吸困難、能率悪化、抵抗力の衰退、急性疾患、慢性疾患、あらゆる種類の心的障害を引き起こす。嗅覚の負荷が快適性を損なうのである。

指針その7 室内の湿気を、吸放湿性のある建材によって調節する
 自然はここでも居住部分における、最高の生活条件をつくり出すための指導者である。自然界においてて相対湿度はたいてい50〜75%の間にある。近代建築の構法によると、特に冬期においては、15〜35%に過ぎないことも珍しくはない。生物が生存するのに最善の環境条件はどこにあり、誰が一体そのことに注意を払うのか。
 空気中の湿度の自然な調節は、吸放湿性のある建材に基づくものであり、透湿・拡散および換気が妨げられないこと、また放射熱や緩やかな庭園や森に囲まれた住居に起因するのである。

指針その8 空気中の汚染物質を、建材の吸着性によって無害化する
 自然において空気は絶えず浄化され、生まれ変わる。秩序をもった循環において、使用された素材が再生されること、それは命あるものの原理である。それぞれの器官の死と再生は、まさにそのことに依存している。
 地球(自然の建築材料や建築構法を含む)、植物、動物、人間という、偉大なる自然の有機体が総合される中でのみ、最適で健康な空気質は生まれる。

指針その9 断熱、蓄熱のバランスを
 太陽や鳥の巣や人間の原始的住居は、最高の、そして全体性の視点をもって私たちに熱の理論を教えてくれる。それは経済性だけを考えてのことではなく、したがって誤ったものでも、誤謬に導くものでもない。
 熱のあらゆる諸影響を調和性をもって導くときにのみ室内環境は正しく機能するのであり、その諸要因とは、蓄熱・断熱、透湿、周壁面温度と必要とされる室内空気温度、足元の暖かさ、熱損失、暖房の立上がり時間、温度バランス、建材の乾燥時間、ヒート・ブリッジ、コールド・プリッジ、結露、熱源の種類、空気の対流などである。さらに考慮すべきは、空気の湿度や暖房の種類(放射・対流)であったり、換気・新鮮空気の流入、電気的な要因としての空気中のイオン、静電気、電磁場、短波・長波の放射である。

指針その10 室内空気温度と周壁面温度バランスを
 対流熱が、温度に関する最良の条件をつくり出すことはない。住居、事務所、学校などの空気を暖める通常のやりかたは、健康や快適性にとって決して好ましいことではない。それは劣悪な暖房システムや建材の結果であり、習慣がそれに加わる。
 平均的な周壁面温度が15度の場合、寒さに震えないためには、室内空気温度として24〜25度が必要である。しかし表面温度が18度であれば、空気温度が18度でも快適さは損なわれない。それは暖房費にして40%の節約ろなる(1度あたり6%)。健康であることは経済的でもある。

指針その11 太陽エネルギーを有効利用しつつ、放射熱による暖房を
 通常の集中式の暖房方式は、便利かもしれないが、健康的であるとは言えない。暖房を稼動するファクターとして技術的・経済的なメリットを優先させて展開している限り、それは誤った道である。そうであるがゆえに、私たちはなおほとんど石油に依存したままなのであり、エコロジーの視点をほとんど省みない。その割に太陽エネルギーを使わず、あるいは正しく使わず、高価なものとして消耗してしまう。そして被害を生じさせうる対流熱によって暖房しているのである。
 理想的な暖房は、一つの環境をつくり出す。それは親密で内から生まれ出る居住文化へ寄与する。第一の熱源は太陽である。その直接的なパッシブな利用は、建物全体が太陽と調和していることのうちに成立するものであり、コレクター(集熱面)でありながら蓄熱体であるものでありたい。それによってすでに熱需要の半分をまかなうことができる。室内の熱源としては、住まいの中心に位置するものとして、(煙突を伴う)開放式暖炉があり、埋め込まれた暖炉(グルントオーフェン、カッヘルオーフェン)また壁面暖房、ヒポコーステン暖房がある。太陽と炎と放射熱の組み合わせから、生物学的な暖房が導かれるだろう。


指針その12 新築物件の湿気と建材の乾燥
 多少なりとも理性をもった人であれば、好んで濡れた洋服を着ないだろう。第二の皮膚にあてはまることは、第三の皮膚についても同様である。新居に入居する前に、第三の皮膚を乾かしておかなければならない。コンクリートを多く用いたと戸建住宅には80000リットルの水が含まれており、それが気化するまでには数年を要するであろう。
 一つの結論は乾いた建物をつくることである。よく乾燥させた木材を使用し、極力コンクリートを使うべきではない。レンガの構造体に対しては、石灰モルタルを(セメントモルタルは何倍もの乾燥時間を必要とする)使用することである。透湿遮蔽層は極力避けたい。マッシブな構造体の住宅であれば、入居までにすくなくとも1年乾かす余裕がほしい。そのためには暖房をたいて、同時によく換気をすることである。多くの疾患や建築的被害はそれによって事前に食い止めることができるであろう。


指針その13 心地よい室内の匂い、有毒ガスを放出しないこと
 修練を積んだ医者であれば、病室や患者の匂いで病状を把握することができる。アメリカでは公的に匂いの試験官が、産業がもたらす毒性物質の確認のために採用されている。居住領域に対しても、匂いに敏感な試験官はなるほど役に立つであろう。お金がかかって、かつ信憑性の問題が問われる化学的分析をすることなく、彼らは一瞬のうちに、この建物あるいは建材が、「健康」か「病んでいる」かを判断することができるからである。
 新築や中古物件を改修する際に、まずは心地よく香る、もしくはあまり匂いのしない建材や補助材、そして被害を及ぼす材料を用いていない家具を使用することは自明であろう。励みとなる事例として木造家屋がある。それは何世紀にもわたって、化学物質で塗装を施したりすることがない限り、木の香りを放っているものだ。なによりも自然は私たちに健康な空気を示しているではないか。


指針その14 色彩、照明、自然採光のバランスを
 今日たくさんの医者が必要であることは、まさにこのことと関わりがある。太陽は光、色、熱、命の源でもあるに関わらす、多くのジードルンクや住居においては、めったに来ない「客人」となってしまった。競って密集するように建物をつくり、建物同士が影をつくり、都市部ではスモッグが発生している。そしてガラスは、生命に必要なエネルギーの放射を私たちから取り除いていく。生命は萎縮し、光と色彩は失われていく。
 私たちは与えられた可能性を上手に使って、人間にふさわしい場所をつくりたいものだ。太陽に照らされた色彩豊かな住居、学校、仕事場、ジードルンクを建てようではないか。そうして子どもたちが生き生きとして、健康な環境の中で元気よく育ち、自由へと解き放たれていきますように。

指針その15 謝恩、振動の検討
 人口の密集がもたらすストレスのみならず、化学物質、電気、光に加えて、騒音によるストレスも大きな社会問題である。それは、真の豊かな生活に敵対する人間味に欠けた技術が生み出した「申し子」であり、自然の恵みであるパラダイスを混沌におとしいれ、私たち人間を、文明に従属する奴隷にしてしまうものである。人間がこの近代の独裁者にいかに媚びていることか驚くばかりです。
 静けさに満ちた、休養できる居住環境や仕事場のための措置は、騒音・振動の原因を調べてそこを改善することによってのみ、効果を発することができる。即ち、住まいにおいてもジードルンクにおいても、音が出る空間と静かな空間を分離すること。地域における居住エリアを分散化すること。都市部や郊外における大きな公園や庭園の設置。自動車の迂回路の整備。外部の騒音に対してクローズした建築群の配置。歩行者専用空間の設置。電動車両(電気自動車など)の採用。乗り物や機械、機器、設備における騒音値の低減。遮音性をもった壁、床、ドア、窓の配置。遮音性をもった建材や設備の使用である。


指針その16 高い放射能を放たない建材を用いる
 放射能の問題は長いこと知られているが、建築業界においてはまったくといってよいくらい注意が払われてこなかった。むしろ建材の放射能を調査し、放射線の負荷の危険性を認識して以来、ますますより強い放射性廃棄物からの製品が用いられている状況がある。例えば化学石膏、高炉セメント、スラグ石、人工軽石、スラグウール、スラグ砂、軽石コンクリート、スラッジレンガなどである。
 人間の理性と責任と倫理の感情は、放射線の危険をできるだけ下げることを要求する。放射線もしくは建材によって人間に危害を加える人は、より原始的な道具や刃物によって危害を加える人を同じように、罰せられるべきである。


指針その17 自然の大気電場を保持する
 シュミット博士によれば、大気に遮蔽された生活条件のもとで、第一世代の生命力はすでに50%低下しているという。たくさんの科学的な動植物の実験によって、このことが実証されている。シュタイニンガー教授によると、現代の多くの居住にも同じことが言えるような遮蔽されたカゴの中で、マウスはその第三世代において、まったく奇怪な行動様態を死した後に死んでしまったという。居住環境は今日、一方では自然の放射線やイオン・バランスが欠如し、他方では人工的な放射線やイオンのストレスにさいなまれている。両者は、自然な大気におけるバランスとは呼応していない。自然界では静電気の帯電が発生しておらず、マイナスに停滞した酸素イオンは豊富であり、電気的な等価領域(静電気領域)は平均すると150V/mである。調和のとれた低周波の変位領域は恒常的に生命体にインパルスを放出している。人間はこのバイオ・エネルギーに関して調和的なバランスの中に生きているのであり、それは生成、維持、調節という生命活動において著しく作用してきたし、なお作用を及ぼし続けているのである。
 自然で調和に道が放射線場は、自然素材(木材、コルク、樹皮、わら、ウール、ッコヤシ繊維、土、レンガなど)を使用した場合にのみ創出されうる。それらは帯電することなく、生理学的に好ましいイオンバランスをもち、電気的な等価領域(静電気領域)を完全に断ち切ることなく、電極を交換することなく、私たちの生命に大切な大気中の電気的な変位領域から、私たちを孤立させない。

指針その18 自然の磁場を歪めない
 自然は電気や、磁気の力が共演することによってバランスをとっている。この共演は調和的なときもあるし、不調和を示すこともありうる。エネルギー形態、原子、細胞のいずれもが、磁気を発生する要因をもっている。
 健康を促進する条件は、自然から与えられた釣り合いが、地磁場の遮蔽(スチールパネルなど)、強磁性のゆがみ(鉄筋コンクリート、鉄骨、設備配管、冷暖房機など)、人工的につくり出された強い磁気的変位領域(電気配線から、家電製品から、機械から など)によって妨げられない場合である。
人体は特に眠りのときに敏感だからこそ、体内の磁場を、自然界とは疎遠な磁場(ベットのスプリング・マットレス、鉄筋コンクリート、電気設備、電気機器)によってさまたげないように、注意することが必要である。

指針その19 人口の電磁場を広げない
 電気技術は人類史上最大の、人間とその生命をもてあそぶ実験であり、電気生物学的な知識が不十分なまま突き進んでいる事柄である。それは軽率以上のなにものでもない。その影響を考えれば、この冒険を建機設備の専門家に委ねること、そして生物学者、医者、心理学者などの警告を、発展への盲目的な憧れによって直視せずにいることは見逃すことはできない。
 ゆがめられた電磁気環境に人間が適応できないことは、学問的にも確かである。それは繊細な有機的生命に入り込み、電気ストレスは、ほかのストレスと同じように、がんを引き起こす作用をもっている。とりわけ白血病や自殺者の割合も統計的な調査から、人工的な電磁場と関係がある。それは、今日すべての住まいにおいて生じうることなのである。理性ある、責任を自覚した行為をとるべきことは、このことからも十分明らかになることにちがいない。


指針その20 生命に必要な宇宙的・地上的放射線を変えない
 鉄筋によって囲まれたコンクリート造の住まいを「ファラデーのかご」と呼ぶ。大気電場を遮蔽した居住においては0領域の条件が支配している。このことは、たとえまったくゆがめられていたとしても、マッシブな床スラブであれば多少なりとも存在している自然の等価領域に関係するのみならず、生命維持にとって大切な他の放射線に関わる問題である。すなわち、磁場、紫外線、低周波の電気的変位領域、そしてまだほとんど研究されていない宇宙的−地上的放射線である。
 宇宙的−地上的放射線は、特に合成素材やコンクリートによる、反射、吸収、スペクトルの変容という変化を被る。屋根や床の建材は、居室における人工的で異常な放射バランスに対して決定的な意味をもっている。健康の点で問題なのは、居室の下階にあるようなプールであったり、水分を含んだマッシブな床である。水によって、地球からやってくる中性子線がブレーキをかけられ、この状況では危険であるからである。


指針その21 空間造形のための生理学的認識
 毎年、住まいの中で180万人もの人が怪我をし、そのうち11000人が亡くなるという。このはドイツだけの話である。一方、背骨の湾曲した子どもも増えている。60%の中学生に背骨の退化がみられ、成人の二人に一人が成長の節目において背骨を痛め、サラリーマンの85%が肩、ひざ、椎間板などに痛みを感じている。
 理解、関心そして責任という意識が呼び起こされて初めて、居住生理学的な認識への問いが生じてくるであろう。住居、学校、仕事場、休息地、病院などといった、それぞれの場に相応しい造形と仕上げをもった製品の引き合いは多い。それらへのニーズは一層高まることであろう。しかし、このような発展は、ただ生理学的・機能的にのみ見るべきではないし、単なる需要を満たすための大量生産に向かうべきではない。なぜなら、身体的な健康以外にも、心理的な健康、個人の品位、文化的・創造的な精神の領域、どれもが決定的な意味をもっているからである。有機的・生動的で、全体性を踏まえた、芸術性の豊かな居住空間の造形こそが、特別の価値をもつことになるのである。


指針その22 調和的な尺度、プロポーション、フォルム
 調和的であるということは、自然と結ばれていることであり、全体的、統合的であることを意味する。それはまた人間味があり、材料の使い方が適切である。質量の一致である。
 私たちの住まい、村、町は、再び自然と調和した、有機的な空間として成長しなければならない。そすべての文化において起こってきたことなのだから。個の多様性と自由のなかで選ばれた尺度、プロポーション、そしてフォルムに対する手本は、有機的・無機的創造の世界にある。一つのヒントは、並びあう数列であり、それを計画の際には自由に組み合わせることができる。調和的な尺度の事例として、部屋の平面が3.75m×5m、ドアの尺度として105cm×210cmがあげられる。調和に満ちた建築の形成は、教育の一つの課題である。自然と宇宙と調和する住まいを通して、人間の内的完成に奉仕するものでありたい。ここでバウビオロギーと建築文化の本質は同じであることは、明らかであろう。

指針その23 環境問題と製造エネルギー
 私たちの文明全体が生き延びることができるかどうかは、自然を全体において体験し、自然と調和のなかで生きることができるかどうかにかかっている。
 建材や家具、調度品の選択に際しては、誰もが効果的な環境保護への貢献をなしとげることができる。そして自身へも、同胞の人々へも利点のみをもたらす良い事例を提供することができるのである。
 「結果を見通して、ことを始めなさい」(ヘロドトス)

指針その24 限りある資源、貴重な資源の乱開発に歯止めを
 私たちは極めて危機的な状況に生きているのであり、石油への完全な依存、僅かな原油産出国への依存、産業・交通への依存といったリスクの上に生活が成り立っていることを思い起こさなければならない。
 困窮からの脱出への必要な処置は、自然成長資源(木、わら、ココヤシ繊維、コルク、サイザル麻、コットン、ウールなど)を用いること。至るところに十分に存在する素材(土、レンガ、粘土、石灰、砂、自然石など)を利用すること。エネルギー消費(製造、加工、運搬)の少ない建材を利用すること。環境にやさしい原料、廃棄物を建築物に用いること(木、ワラ、土、レンガ、樹皮、食物繊維など)。暖房、温水、照明など自己供給できること(太陽エネルギー、風力エネルギー、地熱、木くずなど)。

指針その25 社会に負荷を与えない
 共同体の最上の課題は、一人一人の生きる目標に奉仕することにある。そこにこそ私たちの仕事の目前の意味を探し求めなければならない。建築、住まいづくりは上位の要請に応え、全体性の視点のもとに、人間と環境にやさしく、経済的で、社会的にもかなっており、責任を自覚したかたちで模索されるならば、決定的な貢献を果たすことは可能である。
 本当に真摯に必要な改革、すなわちWHOの言うように、健康で充足した生を送りたいという人間の目標に向かうためには、何百万という住まい、ジードルンク、町をバウビオロギーの指針に基づいて根本的に再生するということ。都市への集中という、癒しようのない傾向を打破して、分散化いよる十分な土地空間を確保し、自由な広がりを許容すること。建築行為すべてにおいて、損傷を引き起こす恐れのある、あらゆるものを取り除くことが必要である。
 私たちの願いは、人間味のある、健康な住環境の創造であり、そこには真に人間の気品を育む建築文化が生まれることであろう。すべてを見通す洞察と教育、叡智に満ちたイニシアチブのもとに、この目標が達成されますように。


バウビオロギー