pHについて


pHとは?
小学校の理科の時間から耳にするpH。溶液の水素イオンの濃度を表す数値で、値が低いほど酸性、高いとアルカリ性、pH7が中性となっています。

(ちなみにpHが1違うと水素イオン濃度は10倍違います。なので、pHが2違うということは、水素イオン濃度は100倍も違うことになります。)

土壌のpHはよく土壌診断の診断項目として挙げられます。測定が容易で、重要な項目でもあるからです。
ただ、土壌のpHって?といまいち漠然としたイメージをお持ちの方が多いはず。
ここでは、土壌pHについて紹介します。


土壌pHは大事な診断項目
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土壌pHについての基本的なことを紹介します


pH

土壌pHのはかり方
土壌のpHは土壌1に対して水2.5の重量比で撹拌し、その溶液を主にガラス電極をセンサーとするpHメーターで測定します。


(ふつうは土10gに蒸留水25mlで撹拌して測定しています。ちなみに、堆肥のpHは堆肥:水=1:5または1:10として測定。)

土壌pHから何が分かるのか?
土壌のpHを把握することで、下記のような畑の状態を知ることが出来ます。

1.栽培しようとする作物に適しているpHかどうか
2.土壌中の養分の状態がどうなっているのか、どうなるのか。
3.土壌微生物の活動にも大きく影響
4.養分保持力がどうなっているのか。

解説
1.については一般的に重要なことだと思われます。栽培作物に適したpHで無くては作物もうまく育ちません。酸性を好む植物(パイナップル、茶)や、中性から弱アルカリを好む植物(野菜など)があるので、これから栽培しようとする作物はどういうpHを好むのか知る必要があります。

2.についてはpHのみではおおざっぱにしか分かりませんが、土壌が酸性になっていれば多肥傾向になっていないか、リン酸の効きが弱くなっていないか疑う必要はあるでしょう。

3.土壌微生物の働きは目に見えませんが、思いのほか重要です。「地力」と言われる言葉。これは土壌微生物の働きを示しています。土壌微生物が活発だと、土壌から作物に必要な栄養が供給されます。この土壌微生物の働きもpHによって変化します。

4.についてはpHの高低で養分保持力(作物の養分を土壌が保持する力)が左右されます。pHが高くなると土壌や土壌中の有機物が負電荷を持ち、正電荷をもつ養分(カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなど)が保持されるのです。といって、pHが高ければ高いほど良いわけでもありません。



土壌の酸性化の原因
土壌pHで一般的に問題になるのは、土壌が酸性化してしまうことです。土壌の酸性化は下記のような原因が挙げられます。

1.酸性肥料の多施用
2.降水による塩基類の溶脱
3.有機物分解に伴う有機酸の生成によるもの


解説
1.については硫安や塩化カリの施用で硫酸イオンや塩素イオンが多くなることによって生じます。
2.沖縄などの南西諸島は年間降水量が2000mmを越え、水溶性塩基類が土壌から洗い流されてしまいます。これにより酸性化することもあります。また、昨今の酸性雨問題のように、雨自体が前出の硫酸イオンなどを含んでおり、それも降水による酸性化を助長していると考えられます。
3.堆肥等の有機物を施用すると土壌中で分解され、その際の副産物として有機酸が発生します。これにより酸性化に傾きますが、まず、これが土壌酸性化の大きな原因になることはないでしょう。



酸性土壌への対策

土壌pHで5以下ならば、pH矯正で中性付近までpHを引き上げた方が良いと考えられます(もちろん、栽培作物にもよりますが)。一般的な対策としては下記のようなものが挙げられます。

1.炭カル、コーラル(イシグー)の適切な量の施用
2.堆肥、緑肥などの有機物の施用


解説
1.については中和緩衝曲線などから得られた中和に必要な量の炭カルやコーラル資材を適切な量投入します。炭カルは即効的ですが、効果の持続性は長くありません。コーラル資材はその逆です。必要に応じて混ぜて施用するのも良いでしょう。
2.については酸性化の原因の3に挙げたものと矛盾しそうですが、土壌中に有機物が多くはいることで、土壌のpH緩衝能が高まります。つまり、pHの変動に強い土が作れることになります。



沖縄の土壌はジャーガルを除いて、酸性土壌である可能性が高いです。特にサトウキビ畑ではその傾向が高いので、農家の皆さんは今一度土壌のpHに関心を持って、自分の畑がどういう状態なのか知ることが増収の観点からも大事です。